みなさん!知ってますCAR?

2007年9 月15日 (土曜日)

愛車メンテのプラスアルファ情報

フリーターンクロスレンチを使ってみた

227_27481  車載用の上等のクロスレンチが欲しい。 そんな思いが強い読者に朗報だ。
 ソケットツールでおなじみのKO-KEN(山下工業研究所)から、「フリーターンクロスレンチ」という名のクロスレンチがデビューした。レンチ部の先端は差し込み角1/2インチで、21ミリ、もしくは19ミリのソケットを取り付けて使うのだが、ハンドルバーが脱着式なので、収納に便利というのがいい。ハンドルバーは楕円断面で、高級感にあふれ、トルクをかけやすい。より高いトルクをかけるときはアルファベットのT字型にして使い、早回しのときにはクロス状で使う。
 レンチのグリップ部はカラー形状なので、早回しがやりやすい。重量が940グラムと数字的にはやや重いが、使ってみるとその重量がプラスに働いていることが分かる。価格は7770円とやや高いのが難。近いうちに21ミリと19ミリの両口ソケット付きがデビューするというから、これを待って手に入れたほうが得策だ。

カーライフ大助かり知恵袋2

T型フォードの謎 その7 - 19年後に終焉を迎えたT型

208_08751  15年以上ものあいだ全世界の半分以上の自動車台数を占めたT型フォードも、その誕生から17年が経過した1925年には売り上げが伸び悩むことになる。大衆の生活が豊かになり、地味で質素な自動車の人気が衰えたこと、大衆の要望を敏感に感じとったライバル車が登場したことがその理由である。
 典型的だったのは、クローズドボディに対する需要の急速な伸びである。クローズドボディの占める比率は1924年には43%だったのが、1927年には72%、1927年には85%だった。つまり、1925年を境にしてそれまでのオープンモデルからクローズドボディの需要が上回ったのである。T型フォードは、ヘンリーの発想でもともとオープンモデルで設計されていた。これをにわか仕立てで、クローズドタイプにしてもシャシーがそれに耐えられず、不向きだった。ライバル車のシボレー(写真)などは、シンプルなT型に対抗して豪華さを見せるだけでなく、ここに牙城モデルT攻略の突破口を見出したのである。
 おかげで、1926年には日産1万台のT型フォードが作られてはしたが、売れ残ったT型が各支店や代理店に山と積まれ、ハイランド・パーク工場やリバー・ルージュ工場も返品の山となった。ヘンリーは、大衆はいつまでもシンプルで安いクルマを欲しているというあまりにも頑固な考えにとらわれすぎて、大衆に移ろいやすい気持ちがあるなど思いもよらなかったのかもしれない。少なくとも大衆の気持ちが「より見栄えがよくて、贅沢な感じのクルマ」への要望にシフトしていったのを見落としていたのである。
 こうして1927年5月31日に、最後のT型フォードがラインオフし終焉を迎えた。T型が発表されてから19年間の総生産台数は約1546万台だった。

カーライフ大助かり知恵袋1

ヘッドライトのメンテナンス

226_26971_3  いつの間にかヘッドライトがガラス製からポリカーボネート(略してPC)と呼ばれる樹脂にシフトした。
 デザインの自由度が向上し、耐衝撃性も多少高くなり、いいこと尽くめ!? と思いきや、ガラス時代にはなかったトラブルもなきにしもあらず。表面のコーティングがはがれ、黄ばんだり、曇りが生じたり。ひどいときには光度が保安基準を満足できないケースもある。経年劣化が原因だ。
 そんなときは中古パーツで対応するのもいいが、そうならない前にケミカルでお手入れができる。
 ソフト99の「ライトワン」という商品は、2段構えでヘッドライトをメンテする。まずベースクリーナーで表面の汚れや細かい傷を落とし、コーティングを保護する。次にハードトップコートで表面にガラス上の硬質皮膜をコーティングする、というもの。その効果は6ヶ月にわたるという。
 このケミカル用品は、ヘッドライトだけでなくテールランプにも使える。

TOP NEWS

新型ギャランで証明!? セダンという選択

227_27431  いまさら声高に言うのも変だが、マスプロダクションは少数派の声を結果的に無視したり、どちらかに片寄る力が強く働く。ここ10年~15年の乗用車の世界がまさにそれだ。右を向いてもミニバン、左を向いてもミニバン、軽自動車から3ナンバーまでミニバンのオンパレード。荷物や乗員が多く載せられるポテンシャルの高さは認めるが、クルマを操る喜びは二の次三の次だった。セダンは長く氷河時代を迎えていた。
 そんななか、三菱自動車がセダンの代名詞ともいうべき「ギャラン」を蘇らせ、『ギャラン・フォルティス』(フォルティスはラテン語で勇敢、勇壮の意)の名前で登場させた。三菱がセダンを国内投入するのはなんと7年ぶりだという。
 エンジン排気量2リッターでトランスミッションをCVTにすることで10・15モード13.6㎞/l。エクステリアがどこか懐かしくて新鮮味を帯びる。三菱伝統の逆スラントノーズと、台形グリルと呼ばれるフロントグリルデザイン。
 顧客ターゲットも、ズバリ40代から60代の男性だという。若者向け商品が氾濫するなか、どこか気合が入ったクルマが久々に登場したという感じだ。5速マニュアル車もスタンバイしている。
 ≪グローバル基準のスポーティセダン≫というキャッチフレーズのこの新型ギャラン、価格は178万円台から240万円台と比較的リーズナブル。ふたたびセダンが盛り返す時代が来る予感がする。

2007年9 月 1日 (土曜日)

愛車メンテのプラスアルファ情報

トルクレンチを使ってみるということ

225_25191  バイクのエンジンをばらしたことのある読者レベルならお分かりの通り、エンジンをはじめ最重要なところに使われているボルトやナットには修理書などを眺めると、締め付けトルクが表示されている。
 乗客をたくさん輸送する観光バスが、高速道路のサービスエリアで点検ハンマーを使いホイールナットを叩いている情景に出くわした経験のある人もいると思う。点検ハンマーでナットを叩くと、緩んでいる場合の音が鈍くなり、すぐ分かるのである。ホイールナットがもし緩んでいたりすれば大事故につながりかねないための重要な点検である。
 締め付けトルクの単位はNm(ニュートンメーター)である。乗用車のホイールナットの締め付けはだいたい90Nm。スパークプラグの締め付けトルクは約20Nmである。オイルパンのドレンボルトは30Nmぐらい(クルマやエンジンにより異なるので正確な数値はサービスマニュアルで確認すること)。それ以下の締め付け具合なら緩む恐れがあるし、逆に締め付け過ぎはネジ山を壊してしまう。
 こうしたトルク感覚は一度トルクレンチを使い実際≪体験≫するのが一番だ。

カーライフ大助かり知恵袋2

T型フォードの謎 その6 - 女性ドライバーを増やしたT型

225_25181_2  T型フォードのメカニズム的世界を少しおさらい。
 エンジンは排気量2895CCの4気筒サイドバルブで、1400rpmで最高出力が20HP、最大トルクが1000rpmで発生するごくごく扱いやすさが売り物だった。トルクが低回転で発生することから、農作業の運搬はもちろんのこと、後輪をジャッキアップしてベルトをかけて脱穀機やノコギリの動力源としても使われた。エンジン自体は、当時としては画期的なシリンダーヘッドとシリンダーブロックの別体タイプにしてオーバーホール性を高めている。累計1500万台という膨大な数を世に送り出したことで、人間が原理的に持っている競争心を掻き立て、T型によるモータースポーツも盛んになる。シリンダーヘッドを4バルブ化したり、車体やフレームを軽量化、はたまた流線形状に替えるなどのチューニング本(写真)も出ているのである。
 初期型こそいわゆるクランクハンドルによるエンジン始動だったが、1912年にキャデラックにスターターモーターが取り付けられたことがきっかけ(当時はケッチンを喰らい大怪我もしくは死亡事故が起きた)で1917年にT型にもスターターが取り付けられ、より扱いやすくなった。点火はマグネット方式だ。ライバル車がそのマグネットに信頼性がなかったのにくらべ、フォードのものは、ヘンリーが電気屋であったこともあり、きわめて信頼性の高い部品だったという。
 トランスミッションもT型の優位性があり、その後のクルマの普及に大いに貢献している。当時のクルマのミッションは、コーンタイプのクラッチとシンクロメッシュ機構などない平歯ギアを使ったマニュアルタイプ。現代人が扱えば必ずギア鳴りを起こすシロモノ。女性などを寄せ付けないある種特殊技能を要した。その点、T型はプラネタリーギアによる無断変速減速装置で、のちのオートマチック・ミッションのルーツともいうべき仕掛け。外輪ドラムにバンドブレーキをかけるだけで操作できるため、当時のクルマの常識からすればとてもイージーな操作で、女性ドライバーが増やしていった。

カーライフ大助かり知恵袋1

ナノの世界は自動車にもある!

224_25001  ナノという単位をご存知だろうか?辞書を引くと・・・・10億分の1メートルのこと。
 排気ガスを浄化する触媒は、白金などの貴金属。その貴金属の大きさがナノ単位で語られる大きさなのである。
 ここからが本題だ。触媒は、アルミナなどの基材と呼ばれるベースの上に貴金属をつけている。ところが使っているうちに熱が加わるなどで貴金属同士がくっつき、加えて基材同士も隣同士が結合し、結果として貴金属の表面積が小さくなり、触媒の働きがダウンする。
 従来の機材であるアルミナではなくセリア系にすることで、いっきにこの触媒劣化トラブルを解決することができたというのが、日産のエンジニアの話。従来なら新品時に1ナノ単位だった貴金属が100ナノと巨大になったのだが、この新技術でせいぜい5~6ナノ程度にとどまり、超寿命が維持できるというのだ。
 それまでは触媒の劣化を見越して多めに投入していた貴金属を、この技術で半減でき、メンテナンスすることなく12万マイル(北米で)まで保証するまでにいたったという。
 空気の浄化とメンテナンス費&コストの削減という話題である。

TOP NEWS

「ポップアップエンジンフードは対歩行者保護システム」

224_24531  歩行者とクルマがからむ事故があとをたたない。
 無防備な歩行者は自動車の硬い個所にぶつかり、深刻なケガを負うケースが少なくない。
 こうした背景で生まれたのが「ポップアップエンジンフード」。ジャガーXKやシロトエンC6など超高級車にはすでに採用しているものだが、今回日産も商品化できたとして、その技術を公開している。8月初旬、横浜の追浜試験場で、この秋デビューするスカイラインクーペに採用されたポップアップエンジンフードの実験をマスコミに披露したのである。
 時速35キロで走ってくるスカイラインにダミー人形がぶつかった瞬間の写真がこれである。ちょうど頭部がフード(ボンネット)の根元の堅いところに当たり致命傷を受けた瞬間・・・と思いきやその直前フードが上に持ち上がり、「空間」をつくり、頭部への衝撃が劇的に緩和される・・・。
 このポップアップエンジンフードは、フードヒンジ付近に火薬を内蔵したアクチュエーター(作動部)を備え、フロントバンパー内に仕込んだ加速度センサーからの信号でわずか100分の3秒後に、フードが上部に約100ミリ持ち上がる仕掛け。
 スポーティなスタイルを実現するためフードを低くしたいが、歩行者保護もしたい・・・そんな相反する機能を解決するハイテクなのである。開発したエンジニアにコストはいくらかと聞いたが、答えがなかった。軽自動車やコンパクトカーに使えるにはまだ先のこと。重量が4~5キロアップするのも悩みの種である。


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