みなさん!知ってますCAR?

2013年6 月15日 (土曜日)

TOP NEWS

10年または10万キロの特別保証付き新型eKワゴンは買いか?

eKワゴン  劣勢が続く三菱自動車は、日産と組んで新会社NMKV(日産・三菱・軽・ビークルの略)という新会社を2011年6月に立ち上げた。その第1弾として登場したのが、新型eKワゴン(日産ではDAYSデイズの名前で販売)である。
  ダイハツ、スズキ、ホンダの三つ巴、過激な競争が展開される軽自動車市場への戦いに挑むカタチだ。女性を意識したUVカットガラスの多用、軽量化のためにハイテンションスチールを重量比56%まで採用、時速13キロ以下でアイドリングストップする機構を組み込むなどで、燃費をJC08モード29.2km/l(ただしターボ車は23.4km/l)と、かなり力こぶを入れたクルマ造りと見た。
  競争の激しい世界ではどこでもそうだが、平凡で退屈なクルマは埋没し敗走する。
  女性ユーザーにとくにうけるアピールポイントを作り、クオリティ感のあるクルマ造りを目指したようだ。たしかに、ドアトリムのアームレストなど高級車然とした加飾あり、リアドアなどは4段階式に開くなど「ほほ~ッ」となる部位もある。エクステリアも悪くない。ちなみに、エンジンは軽のアイ(ⅰ)でミッドシップ(車体の中心にエンジンを載せリアを駆動する駆動スタイルのこと)だったエンジンをベースに、エンジン内部の摺動部の抵抗を軽減するなどのファインチューニングを施している。結果として軽自動車初の後方排気(前方に吸気系がくる)で排気系に無理が少ないタイプ。外観やエクステリアなど見えるところはたしかに、美しく仕上がっているようだが、エンジンルームやトランクなどあまりユーザーが気に留めないところをチェックすると、コストを考慮した造りといわざるを得ない。ちなみに、価格は、105万円台から。
  このクルマの最大の注目は、じつは「最長10年または10万キロ特別保証」を軽ではじめてつけた点。以前に比べ給料も上がるわけではなく、早々クルマを買い換えられないため、長期に乗るユーザーが増えている。だからといって、これはひとつのアドバンテージになるのかどうか? かつて韓国車が、同じようなキャンペーンで日本市場に定着を図ったが、見事に失敗している。長期保証がユーザーに訴求するのかどうか。大いに注目したい。

カーライフ大助かり知恵袋1

現存する最古の国産乗用車アロー号のナゾ 第13回

矢野洋祐さん  博多の地で日本の乗用車のパイオニアとなるアロー号ができたのは、天才的エンジニアの矢野倖一のチカラだけではなかった。九州の政商・村上義太郎の力強い援助があった。背景に詩人・正岡子規と交友関係もあった、倖一のココロザシに理解を示す九州帝国大学(現・九州大学)工学部の岩岡教授がいて、なによりも北九州には官業の八幡製鉄所やそれに繋がる工場群があって鋳物生産や金属加工などのモノ造り技術が蓄積されていたからだ、と想像できる。
  アロー号は、全長2590ミリ、全幅1160ミリ。たしかに現在の軽自動車よりもひとまわりもふた周りも小さく、しかも車両重量が272kgという現在なら大型バイクほどの重さ。この軽量ボディには秘密があるはず。「ボディのフレームに合わせて金網をはり、そのうえに名古屋の張子の虎の“一閑(いっかん)張り”(竹籠に和紙を張り、その上から柿渋を塗った器)をまねて、和紙を何度も張り重ね柿の渋で防腐処置をして、雨天に備えアルミ箔でカバーするというもの。この作業に2ヶ月かかっています。倖一の軽量化の考えは徹底していて、4人乗りのクルマは4人の大人が持ち上げられる重量に、2人乗りなら2人で持ち上げられ、オートバイは1人乗りなので、1人で持ち上げられる、そんな考えでした」(矢野羊祐氏)
  現在ではありえないようなクルマ造り、というのはカンタンだが、創意工夫の中に日本文化が色濃くにじんだクルマ造りといえなくもない。

カーライフ大助かり知恵袋2

第4世代のディーゼルエンジンシステムはこうなる

デンソー  よく知られるように乗用車の世界でのディーゼルエンジンは、欧州がリードしている。
  日本ではようやくマツダのCX-5などの成功で、かつての臭い・黒い・汚いというイメージを払拭したクリーンディーゼルが認められつつある。ところが、ディーゼルエンジンのメガサプライヤー(部品メーカー)の一角を日本のデンソーが担っていることは、あまり知られていない。ボッシュやデルファイ、コンチネンタル(シーメンス)などと世界で戦っているのである。
  そのデンソーのディーゼル新技術が、先日“みなとみらい”のパシフィコ横浜で催された「自動車技術展」に顔を出していた。第4世代のディーゼルエンジンである。この新技術のポイントは、より燃料を高い圧力で燃焼室に吹き込むことで、質の高い噴射を実現し、よりきれいな排気ガスにするというものだ。具体的には2000バールだったのを2500バール、さらには3000バールにまで高めるという。ただ高圧だけでは駄目で、内部に圧力センサーと小さなマイコンを内蔵したインジェクターで、緻密に噴射量と噴射タイミングなどをコントロールして、バラツキのない噴射を実現している。ディーゼルは通常ではガソリンエンジンより使用期間が長いので、噴射量の経年劣化による衰えも小さくできたという。サプライポンプと呼ばれる燃料ポンプも2本プランジャーから1本タイプになり、やや小ぶり化されていた。
  エコカーの本命は、ハイブリッドカーなのか、はたまた電気自動車や燃料電池車なのか。ダークホース的存在は、ディーゼル乗用車だというのが、ひとつの見方といえそうだ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

手元に置いていつでも使えるドライバーセット

ANEX  たとえば仕事場、たとえばクルマの中,たとえばバイクのツーリングバックの中・・・「いつでも手元において邪魔にならず、すぐ取り出し使えるドライバーセット」というのはたぶん工具好きの読者の誰しもが思うことではないだろうか?
  今回取り上げるANEXの「スーパーアクション・グリップドライバー」は、かなりそのイメージに近いと思う。全長125ミリの多彩なビットと樹脂製グリップが、黒色の洒落た専用ケースに収まる。“スーパーアクション“というとなんだか昭和の香りがするが、要は通常のストレートタイプのドライバースタイルだけでなくT型レンチ風に素早く変身できる、ということらしい。樹脂グリップはもう少しフィニッシュの完成度が高いといいのだが、何よりの魅力はビット7本の両端に、プラス1番と3番、マイナス6とプラス2番、トルクス20とトルクス25、トルクス27とトルクス30、ヘックス4とボールポイントヘックス4番、ヘックス5とボールポイントヘックス5,それにヘックス6とボールポイントヘックス6・・・という具合。
  ちなみにANEX(http://www.anextool.co.jp/)は、新潟にあるドライバーをメインとした工具メーカー。60年の歴史を感じさせる一品といえなくもない。価格は7000円。重量は365g。

2013年6 月 1日 (土曜日)

TOP NEWS

パイクス・ピークに三菱のEVがチャレンジ!

パイクス・ピーク  坂を駆け上がるレースとして有名なアメリカ・コロラド州にあるパイクス・ピーク山で、毎年アメリカ独立記念日の前後におこなわれるレースがある。「パイクス・ピーク(Pikes Peak)」である。標高2862メートルから頂上に向かって、標高差1439メートルをいっきに駆け上がる単純なレースだ。コーナーの数が156個、平均勾配7%。距離としてはわずか19.99km。だが、フィニッシュ地点手前はすでに富士山の標高を超えるため、気圧・気温・天候が刻一刻と変化する過酷このうえないレースといえる。
  このレースには4輪ガソリン車、電気自動車、2輪部門などのカテゴリーがあるが、電気自動車は、気圧の変化や気温の変化にあまり左右されないためだんぜん有利とされている。昨年は、ヒュンダイ車が9秒47秒で優勝し、今年もプジョー、トヨタなどが参戦する。このなかに軽自動車ベースの三菱のEV「アイミーブ」をベースにした『ミーブ・エボリューションⅡ』が2台参戦する。パリダカール・ラリーで知られる増岡浩(ますおか・ひろし)選手と2輪部門で過去6度パイクス・ピークで優勝経験を持つアメリカのグレッグ・トレーシーの2人がドライブする。
  市販車ベースとはいえ、実はフロントに2個、リアの2個の計4個のモーターを装着した四輪駆動方式。しかも、ランサーエボリューションなどに採用された車両運動統合制御「S-AWC」を組み込んだフルチューン。昨年、クラッシュで終わった増岡選手は「すべてのコーナーを覚えていたはずだったのですが、記憶違いが原因でヘアピンコーナーでのコースアウトを余儀なくされた・・・」とのこと。平均時速120キロのなかで、100以上のコーナーの様子を頭に叩き込んでないと勝てない。これだけで、いかにすごいレースかがわかる。レーサーのEVが、市販EVとどう結びつくのかは不明だが、とにかく決勝戦の6月30日に注目だ。

カーライフ大助かり知恵袋1

現存する最古の国産乗用車アロー号のナゾ 第12回

アロー号の制作費一覧表  面白いのは、矢野は底抜けに几帳面な気質だったらしく、「アロー号の全製作費の詳細一覧表」を残していることだ。
  全製作費の総額は1224円75銭。外車が一台らくに手に入る金額だった。朝日文庫の「明治・大正・昭和・値段の風俗史」によると、大正5年当時の家賃が7~8円だった。ということは、現在の値段に直すと、約2000万円といったところか? これには、旋盤工3名、仕上げ工2名、鍛造工2名、計7名の職工の約3ヶ月にわたる給料、計334円31銭。福岡工業高校で工作機械を借用したときの4円85銭、上海でキャブレターを購入したときの費用49ドル30セントを含まれている。
  このほか、木型製作費48円45銭、鋳造費6円85銭、アルミ鋳物10円80銭、歯車18個工作費75円、東京向柳原(現在の台東区浅草橋2丁目)にあった武田鉄工所に外注したベベルギアの歯切り代金76円、東京鶴岡工場に外注したスプリング代16円、ヤマトメタルから購入したエンジンのメタル代2円60銭、ホイールのスポーク171本分の代金17円25銭、東京渋谷の業者に依頼して作らせた幌の曲げ木代2円50銭、グッドリッチ製のタイヤ4組が116円、リム4本で20円・・・ときわめて詳細である。
  これを見ていると、なんだか当時の日本のモノづくり世界が透けて見えてくる。

カーライフ大助かり知恵袋2

エンジンオイルの見張り番システム

オイルマネージメント  エンジンに不具合が起きる最大の原因は、エンジンオイルのメンテナンスの手抜きによる。
  つまり人的な原因。そこで、自動車メーカーでは、ユーザーにオイル管理の重要度をときあるごとに訴えるが、どうもうまくいっていない。
  オイルが何らかの理由で消費されオイルレベルが下ったり、オイルが基準以上に汚れた時点で、運転席のドライバーにインジケーターランプなどでお知らせすることが一番。ところが、これには、オイルパンに高価なセンサーを取り付けなければいけないことから、コストアップにつながる。ただでさえ、ライバル車としのぎをけずる量産車メーカーは、ユーザーのためになるのは分かってはいるが、有効なセンサーを取り付けることに二の足を踏んでいるのである。
  先日横浜の“みなとみらい”でおこなわれた「自動車技術展」の会場で発見したのは、ヘラー(HELLA)の「エンジンオイルマネージメント」。ヘラーといえば1980年代までヘッドライトで名が知られる電装品メーカーだが、いつの間にかこうした部品も開発していた。聞けば、エンジンオイルマネージメントはすでに開発から17年もたつという。超音波で、オイルレベルとオイルのコンディションを検知し、オイル圧、油温なども調べてくれる。考えてみれば、このオイルの見張り番、オイルの寿命も検知できるので、無駄な費用を削減し、省エネにも貢献する。低コスト化が進みどんなクルマにも付くといいのだが。

愛車メンテのプラスアルファ情報

切れ端をしっかりキャッチするニッパ

キャッチニッパ  ニッパ(ニッパーともいう)という工具をご存知だろうか?
  NIPとは英語で「噛み切る、はさみ取る」という意味で、ハサミの一種である。たとえばワイヤーハーネス(配線)などを束(たば)ねたり、ワイヤーハーネスを隣り合う部品に取り付けるときに使用する樹脂製のタイラップバンドというのがある。片側に一方向にしか動かないロック機構が付いていて、手でカンタンに締め上げられるものだ。
  このタイラップの端をカットするとき通常のハサミやニッパでは、ロック部ぎりぎりに切れない。しかも切り口が鋭角になり、素手で触れると思わぬケガをする恐れがある。
  東大阪市にあるペンチメーカーの老舗「フジ矢」が最近発売した「キャッチニッパ」(品番:90CS-12)は、こうした不満をいっきに解消した製品だと誉めてあげたい。
  使うとすぐ分かるのだが、切れ端が残るように板金製の“受け”が付いているのだ。まるでカットされたツメが飛ばない工夫のある爪切りと似たようなものだ。あるいはかつてのチャンバラ映画の“真剣白刃取り”という言葉を思い出した。しかも刃の形状がすごいんだと思う(うまく説明できない!)のだが、いわゆるツラ位置できれいに切れるので、不用意に指で触っても傷つかない。ちなみに、このニッパに限らないが、ペンチでもそうだが、両の刃は、人間の前歯と同じで、わずかながら互い違いにしてある。アメリカのペンチやニッパがいわゆるまな板切り(片側がまな板の役目)をするのとはまったく異なる流儀が隠されている。


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