みなさん!知ってますCAR?

2015年6 月15日 (月曜日)

TOP NEWS

1億3000万円かけたKTCの匠工房の狙いは?

KTC匠工房  自動車やバイク、家電、そのほかあらゆるモノづくり現場や保守点検を支える工具は、舞台裏で活躍する道具だけに、いろどりのある世界を演出することがまずない。いわば静かに愚直に粛々と活躍し続けるというのが道具なのである。
  ところが、そんなおとなしい製品になんとか、“脚光を浴びさせたい”という強い思いが、日本を代表する工具メーカーに芽生えつつあるようだ。京都の中心から見ると南に位置するKTC(京都機械工具)がそれ。本社敷地内に「モノづくり技術館・匠工房(たくみこうぼう)」という遠くからでも目立つ真っ赤な建屋がこのほど完成した。上から見ると、ツールボックスの形状をしていて、屋根には取っ手まで付いている。四隅にはFRP製のリアルすぎるコーナーパッドがある。
  聞けば本物の工具箱の30倍の大きさ。そのとなりの長方形の建屋には、5つの作業ブースがあり、エアツール、トルクレンチ、電動ツールの修理を展開。作業員は、リタイアしたOBのベテランが担当する。こうした道具の修理の問い合わせだけで年間7300件あり、クリーンな現場を見せることでKTCブランドの確かさを見せるという狙いがある。12年前にできた「ものづくり技術館」の付属施設としていて、小学生や中学生、大人向けに開かれた工具づくりを演出しようということらしい。
  「これからは感性の時代。ますます本物を作り出したいという願いからです。本物とはこだわりと程よさをミックスしたもの。程よさとはユーザーの声だと定義づけています」と社長の宇城さん。こうした一連のKTCの動向は、ひとえに台湾製ツールや中国製ツールの更なる進出への危機意識がそうさせていると思われる。一流ブランドでも、いまや手をこまねいているだけでは、市場で埋没するおそれがあるからだ。ちなみに、築30年の金型工場だったが、長年倉庫として使われ、それを1億3000万円かけて大改装してつくり上げたという。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第15回

恒次さん  日本が戦後民主主義に時代が変わったことは、価値観の大変革がおきたことを意味した。大手の企業には労働組合ができ、労働争議が巻き起きる。恒次は、専務という肩書きだったが、役員の中から「父親の跡をその子供が継ぐといった世襲制度は封建的で、けしからん」という声が上がった。
  恒次はけっして親の七光りではなく、実力で仕事をやり遂げるタイプの男だっただけに、こうした声が影でささやかれると、嫌気がさした。周りになんの相談もなく、突然社を辞めると宣言。いさぎよく辞めてしまった。昭和22年8月のことだ。
  東洋工業を退社した恒次は、次に何をしようとあれこれ考え抜いた結果、ボールペンの軸の生産を始めた。スタッフ20名ほどの零細企業だった。当時ボールペンが登場し始めたころで、羽根が生えたように売れたという。驚くべきことに、先端の小さな鋼球まですべて自社製だったという。でも3年で飽和状態となり、次の事業を探した。編み物機の製造だった。当時は食糧事情が悪く食に関するビジネスが無難だったが、毛糸が安く輸入されていることを知り、編み物機の需要が多くなると見込んでのものだ。ところがこれはなかば詐欺に合いうまく行かなかった。

カーライフ大助かり知恵袋2

男性には不可解!? 女性占有率9割のラパン

3代目ラパン  スズキの「ラパン」というクルマを考えると、野坂昭如(のさか・あきゆき)の“♪男と女のあいだには深くて暗い河がある♪”というメロディーが流れてくる。
  2002年にデビューして以来≪身近な雑貨や家具のように愛着の持てる道具≫という発想から、若い女性ユーザーを中心に売れているらしいラパンが、3代目をリリースした。エクステリアが、箱型から丸みを帯びたカタチに変貌している。車内に入ると飛び上がるほど驚き、思わず天井に頭をぶつけそうだ。ボックスティッシュが納まりインパネボックス、スマホなど小物が納まるセンターアーム部、傘などの長いものが入るラゲージアンダーボックス、ピンクのハンドルカバー・・・。オトコ目線でみると小賢しいギミックとしか見えないが女性には受けるらしい。
  ラパンのユーザーは9割が女性で、そのうち6割が20代と30代の女性だという。
  だから、開発チームの中でも『女性ワーキング』と呼ばれる20代と30代の女性で構成されるチームがこだわりのデザイン、シンプルで判りやすい仕様と機能、それにうれしい快適装備を目指して取り組んだという。その結果登場したのが、軽自動車初の音声案内付きメーター、使いやすいスイッチ類などだ。スズキの役員(もちろん、おじさん!)がいうのは、「好みのボディカラーがないとそのクルマは候補から即外れ、ハンドバックを持って移動するため、フロアにバックを置くのはだめ! バッグの置き場所をつくることが必要」と女性目線と男性との価値観の違いにおおいに戸惑ったことを発表会場で、正直に打ち明けていた。
  ちなみに、今回のラパン、なにも女性重視100%のクルマだけがトピックスではなく、燃費もJC08モードで35.6km/lと大幅によくなった。その背景は、高効率なエンジンと新プラットフォームの採用と高張力鋼板の使用を高めるなどによる120kgにおよぶ軽量化だ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

Kelvin 23という名のツールメカは男心をくすぐるか?

ケルヴィン23  「手の延長である工具」は、意外な面白さを提供してくれる。
  アメリカンタイプの巨大スーパーマーケットコストコで、ふと見つけた「KELVIN 23」(ケルヴィン23)は、文字通り23のツールをひとつに収めたカナダ生まれのマルチツール。
  手に持つとずしりと重い(実測303グラム)アルミダイキャスト製のハウジングに、いろいろな仕掛けを収めている。先端のスライド部を指でずらすと、いきなりポンとプラスドライバーが顔を出す。軸の中央はマグネットタイプで、ビスを紛失予防の目的で保持できる。大きなトルクをかけたいときは、L字にできる。
  ハウジングの上部の樹脂カバーをはずすと、計15個のビットが現れる。プラスが4種類(0,1,2,3)、マイナスが4種類(2,3,5,6)、ヘキサゴンが3ミリから6ミリまで4種類、それに家具で使われる4角いビットが4種類(0,1,2,3)。これにトルクスがあれば完璧だが、値段(なんと477円のウソみたいなバーゲンプライスで手に入れた。通常は4000円ほどだ)を思えれば文句はいえない!? しかも、ハウジング先端部にはLEDライトまで付いているのだ。さらにさらにエンド部には、1940ミリまで測れるメジャーとハンマーまで付いている。忘れるところだった。ハウジングの上部には水準器まで備わるのだ。
  このマルチ工具、「家庭で」「クルマで」「別荘で」「ボートで」と活躍するスーパーツール! というふれこみだが、実際はどうもプレゼント用というのがこのツールのメインのターゲットというか使い道らしい。バイクのツーリング用としても使えなくはないが、デスクワークで行き詰ったときに、この工具を取り出し、眺めたり、身の回りの機械をばらし憂さを晴らす・・・。そんな使い方が本来というところか。

2015年6 月 1日 (月曜日)

TOP NEWS

新型シャトルのハイブリッド・ステーションワゴンは買いか?

シャトル  昨年から立て続けに5回のフィットがらみのリコールでミソをつけたホンダは、ニューモデルの発売が遅れ、ライバル会社との販売競争に遅れをとった。リコールの内容は、DCT(ツインクラッチ)と電気モーターの複雑な連携におもな不具合があった。同形式のDCTとモーターを使ったホンダ流ハイブリットを採用した新型「シャトル」は、コンパクトステーション・ワゴンというカテゴリー。かつて付いていた“シビック“という文字が消えたのは、独自の価値を織り込もうという狙い!?
  「シャトル」は、「日常のなかの非日常」を楽しむユーザー向けとしている。その裏づけは、「居住空間とラゲッジルームの両立」ときわめて現実的な性能を掲げる。矛盾を感じさせるのは、今日的とも言える!? 遮音樹脂層を挟んだフロントガラスなどで、高速走行時での静粛性を高めたという。全高1545ミリで、来年デビュー予定の「フリード」よりも100~150ミリ低い設定。ハイブリッドで、リッター34km、直噴ガソリンタイプでリッター21.8kmというから燃費のうえでは十分ライバルと勝負できる。
  ハイブリッドバージョンは、直噴エンジンタイプより約40万円もお高いので、年間5000キロ走行のオーナーだと16年以上乗らないと元がとれない計算。でも、ハイブリッドを選択するのは、“なにも経済性だけではなく、環境にやさしいと考え選択する”ユーザーも多く、このクルマも9割がたがハイブリッド車を選択するとメーカー側では見ている。このことも実に今日的!?
  価格は、ハイブリッドの一番安いタイプ(FFタイプ)で199万円である。一番高いので、4WDのハイブリッドで254万2000円もする。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第14回

3輪タクシー  未舗装路の多かった日本の街で小回りのきく3輪トラックは大活躍した。とくに原爆で70年は草木も生えないといわれ、絶望的と思われた広島。その復興の縁の下の力持ちとして、3輪トラックが果たした役割は大きかった。昭和24年に作られた広島の食品市場などにはマツダの3輪トラックが多くみられた。荷物を載せて小回りがきき、どこにでも移動できる3輪トラックは、ときにはひとを乗せるタクシーに作り変えられ、広島を走った(写真は福山自動車時計博物館が所有する復刻版)。
  昭和24年以降、マツダの3輪トラックは、アメリカ、インドネシア、タイ向けに輸出されもした。英語のパンフレットには、「プライド・オブ・ヒロシマ(広島の誇り)」とあった。それは廃墟となったヒロシマを技術で復興させる、という強いメッセージだった。このころには月産1000台を超え、社員数も戦前の800名から3倍以上の2600名を数えている。
  恒次の人柄が判るエピソードがある。人ごみの中に入ると必ずスリに狙われ、財布も何もかも盗まれることが珍しくなかった。この上京の車中でも上着も財布もみな盗まれた。初のバイクでアリエルに打ち勝った祝いのときも同じような目にあっている。どこか、まわりからは脇が甘く見えたようだ。逆にいえば懐が深い、おおらかなところのある人物だった。

カーライフ大助かり知恵袋2

ヴァレオのワイパーブレードは21世紀タイプ!?

ヴァレオ  毎年5月に横浜でおこなわれた「人とくるまのテクノロジー展」は、電子制御などを使った小難しい最先端テクノロジーがオンパレード。30分もいると頭が痛くなるイベント。でも、そのなかで、解りやすい新製品を見つけたので紹介したい。
  ヴァレオの「アクアブレードによるフロントカメラ前方クリーニング」という少し長い名称の製品。早い話が、自動ブレーキを構成するフロントガラスのカメラの視界の確保維持装置。カメラ周辺にゴミや泥が付着すると自動ブレーキの機能が怪しくなるので、高性能なワイパーで拭き取ろうというのだ。通常ウインドウ・ウォッシャー液は、ボンネット上からフロントガラスに向かい噴射する。これだと実は高速走行中では風の影響を受けスプラッシュ性能がダウンする。そこで、ヴァレオの提案はワイパーブレード本体から水が吹き出るタイプ(アクアブレードというのはこれを指すようだ)。これだと効率が高いので、水量が少なくてすみ。タンク容量を減らし、車両重量減による燃費向上にも結びつく、という理屈。すでにベンツ車には採用済みで、これから日本車にも売り込もうとしているようだ。
  なお、ヴァレオ社というのは、ボッシュやデンソー、コンチネンタル社などと肩を並べる自動車部品のメガサプライヤーの世界ランク10位以内に入る企業。もともとは20世紀初頭に英国のブレーキメーカーフェロード社のフランス支社からスタートしたのがルーツ。80年代に入り、世界企業として成長を続けているようだ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

小賢しい「ビスキャッチ・ドライバー」は使えるか!?

ビスキャッチドライバー  近くのホームセンターで見つけた「ビスキャッチ・ドライバー」は、アイディアとしてはなかなかのものだ。
00番など通常は精密ドライバーの守備範囲の小さめのプラスビスを取り付けるとき、うっかりすると作業中ビスが落下して、いらいらすることがある。
  こんなとき、これであらかじめキャッチしておく。樹脂のブルーリングを上に持ち上げれば先端部のツメ(バネ)が逆ハの字型に開き、ビスの頭部を捕まえることができる。そして相手の取り付け部にアクセス。ネジが固定された時点で取り外す。
  ところがいざ使うと、ネジの頭部のサイズや形状にもよるのかもしれないが、グラグラして、かなり心もとないのだ。これなら、マグネットタイプのほうがまだ数段に使いやすいと感じた。ただ、精密ドライバーでマグネットタイプはあまり見かけない(ANNEXなどになくはない!)。工具というのは直接ひとが手に持つだけに本来シンプルさを求める存在。この製品は、付加価値を付け加えることで、逆に別の課題を作り出した、そんな典型的な製品といえる。
  しかも、あちこちに「日本製」と謳うわりには、価格が307円(消費税込みで)と安い(これは誉めるべき点!)のだが、インジェクション成形のグリップの出来がよくない。バリを無造作に引きちぎった仕上りなのである。製造販売は、ドライバーメーカーとしては老舗の㈱新亀製作所(ブランド名「サンフラッグ」http://www.sunflag.co.jp/)である。


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