みなさん!知ってますCAR?

2015年7 月15日 (水曜日)

TOP NEWS

400万円前後もする三菱PHEVアウトランダーの存在感?

アウトランダーPHEV  三菱のSUVアウトランダーが、このほどマイナーチェンジされた。
  このプラグイン・ハイブリッドは、エコカー減税で取得税と重量税が100%免税のほか、上限29万円の補助金が受けられるとはいえ、車両価格が360~460万円と高額のせいか、日本の街中ではあまり見かけない。車両重量1.8トンオーバーのわりには乗車定員が5名というのも、物足りないのかもしれない。
  ところが、このアウトライダーPHEVを含め、こうした高級SUVのPHEVが欧州では受けているという。ひとつのカテゴリーを形成しそうなのだ。ここで思い出すのが、もともとハイブリッドカーは、欧州では不人気だった。北米でも石油価格の下落でシェールガスの採掘が止められ、プリウスなどハイブリッドカーの伸びが停滞しているなか、プラグイン・ハイブリッドカーがヨーロッパ市場で人気というのは面白い。
  新しくなったアウトランダーPHEVは、プラグイン・ハイブリッドEV制御の見直しやエンジン内部のフリクション低減で、ハイブリッド燃料消費量JC08モード1.6km/l向上させ、20.2km/l。モーター効率を高めることで充電電力使用時の走行距離を0.6km/l向上させ、60.8kmとなったという。三菱の相川社長がマイカーとして使ったところ、満タンで4068km走行し、リッター104km走行した計算だという。EV走行比率が高いとこうなるようだ。しかもAC1500Wの駆動用バッテリーで災害時やアウトドアで電力が使える、いわば停まっていても価値のあるクルマ!?
  インテリアデザインとエクステリアデザインを一新しただけでなく、サスペンションからの入力を受ける部位を補強。サスペンションの取り付け部の剛性を高め、リアのダンパーのシリンダー径を大きくするなど、走行安定性と乗り心地を高めている。さらに吸音材や遮音材、制振材それにダイナミックダンパーの追加など30点以上の改良を加えることで、エンジン音、ロードノイズ、風切音を低減。走行時や停車時の遮音性を高めるなどで快適なキャビンを創り上げたという。
  自宅に200V充電設備(約10万円)が必要だが、走行キロ数が付き1000キロ程度で近場しか運転しないユーザーにはランニング・コストがバカ安になるPHEVは、選択肢の一つになるかもしれない。ちなみに、PHEVでない普通のアウトランダーは251万円からで、100万円ほど安い。こちらの4WDの燃費はJC08でリッター14.6km/lだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第17回

R360  クーペ出現の呼び水となったのは昭和30年の通産省の「国民車構想」である。これは、最高速度100キロ、燃費がリッター30キロ以上、定員が4名で、価格が25万円以下、というものだった。背景には、目前に迫った貿易の自由化によるアメリカのビッグ3が、まるで黒船のごとく上陸するという危機感があったのだ。R360クーペ(写真)は、開発リーダーがのちにミスター・ロータリーの異名をとる山本健一(1922年~)。デザインは小杉二郎(1915~1981年)だった。強制空冷のV2気筒4ストロークOHVエンジンで4速MTのほかに軽初の2速ATも選択できた。筆者の勝手な推測だが、下肢に障害を持つ恒次の思いもあり、あえてAT車をラインアップしたのかもしれない。実際、のちのキャロルの発売で、R360クーペは存在が薄くなるが、AT車のみは身障者向けのドライバー向けに昭和44年まで受注生産していた。R360クーペの価格は、4速MT車が30万円、2速AT車が32万円だった。
  発売直後から人気を博し、月販3000台前後を維持、累計2万3417台を数えている。東洋工業の4輪車進出構想は、実は戦前の昭和12年ごろから始まり、翌年の13年からドイツのオペルを購入し、研究してきたという。なぜオペルなのかというと、ドイツの技術とアメリカの資本が渾然一体となっているクルマがオペルだからという恒次一流の発想があったようだ。

カーライフ大助かり知恵袋2

窒素ガスを手軽につくれ、タイヤに充填!

ニトロゲン・タイヤ充填システム  年に一度のオートサービスショー(東京ビックサイトで開催)はいろいろなクルマのメンテナンス機器や用品が展示され、刺激的だ。
  今回は「ニトロゲン・タイヤ充填システム」に目が釘付けになった。
  タイヤに窒素ガスを充填することで、エア漏れが少なくなり(2~3回の補充は必要だが)、水分を含まないガスのためタイヤへの悪影響も少なく、燃費にもプラス。しかも熱膨張が少ないため路面の段差を乗り越えたときの衝撃を和らいでくれる・・・などいいこと尽くめ。普通のガソリンスタンドにも気軽に窒素ガスが充填できるといい、と長いあいだ思ってきた。
  それが登場したのである。エアコンプレッサーにつなげるだけで,大気中の約78%の窒素ガスをフィルターで窒素98%までに高め,その窒素ガスをタイヤに充填するという一連の流れをスムーズにおこなえるマシンだ。窒素分子は酸素分子より図体がでかいということを活用した中空紙膜と呼ばれるフィルターだそうだ。
  このマシン、いろいろなタイプがあるようだが、価格は約76万円からだそうだ。2本のタイヤを一度の窒素ガス充填できるタイプもある。日本整備㈱(http://www.nippon-seibi.co.jp)でガソリンスタンドや整備工場に売り込んでいくそうだ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

スライディングTバー&スピードハンドルのオドロキ度は?

スライディングTバー&スピードハンドル  手に入りやすい価格で、より使いやすく便利なハンドツールづくりに取り組んでいる兵庫県三木市にあるSEK(http://www.suekage.co.jp)は、日本の数ある工具メーカーなのかでも、かなりユニークな存在だ。
  SEKにはプロオートというプロ向けのブランドがあるが、そのなかにSTS-308という製品を発見した。一見して何の変哲もない、スライディングTバーである。エクステンション・バーとソケットをジョイントすれば、T型レンチとしてトルクをしっかりかけての作業で活躍できる。
  ところが、この真ん中の角部をスライドさせるとバーの中央が折れ曲がる構造になっている。再度角部にエクステンション・バーとソケットを付け加えれば、なんとスピードハンドルに早変わり!となるのである。関節部をルーぺで覗くと、鋼球が忍ばせてあり、バー自体がズルズルと動かずカクカクと節度を持った折れ曲がり方をしてくれる。ローレット加工を施されたグリップはカラー構造でクルクルと回すことができる。ふだんは横棒状態にすれば工具箱のなかでも納まりやすい。ただ、角部を関節部から移動させるときにややコツがいりそうだ。
  差し込み角3/8インチと1/2インチ(こちらの品番はSTS-102)があり、価格はそれぞれ3500円と3900円。3/8の308の全長は255ミリ、重量279グラムだ。

2015年7 月 1日 (水曜日)

TOP NEWS

新型ロードスターの魅力を支える6速MT?

ロードスター

石川さん

  「死語」とは、かつては使われていたが、いまや使われなくなった言葉のことである。
  クルマの技術や仕組みのなかにも、言葉の世界でいうところの「死語」に近い技術や仕組みがある。マニュアル・トランスミッションもそのひとつでだと思う。いつの間にか普通自動車免許がAT専用とそうでない(MT車の乗れる)免許の2つになり、いまやMT仕様車がごく少数派と成り果てた。ところが世の中、例外はどこにも転がっていて、クルマにもMT車が主流派である世界がある。ライトウエイトスポーツカーとして累計100万台近くを世に送り出しているロードスターである。
  その新型車に乗ってみて、加速の気持ちよさから、「これは免許がいくつあっても足りないっ」という印象だけでなく、いろいろなことに気づかされた。なかでも、MT車の仕上がりに舌を巻く。不覚にも「こんなMT車、生まれてはじめて乗ったよっ」と思わず口からつぶやいてしまった。なにが凄いかというと、シフトダウン・シフトアップの動作が、ウルトラ・スムーズ。なんの苦痛を感じないどころか、その作業自体が楽しいのである。その意味で稀有のクルマ。朝ドラじゃないけど「まれ」なのである。しかも面白いことに、そのシフトフィーリングなどを担当したのが、女性エンジニアと聞いて二度たまげる。名前を石川美代子さん(写真)といい、入社9年目。クラッチペダルのストローク、シフトストローク、それにペダルのより自然な軌跡を追い求めるなど、これまでのノウハウと新たな取り組みの成果が、完成度の高い操作感に現れているらしい。石川さん、小さな声でこんな秘密を漏らしてくれた。「いまラリーのコ・ドライバーをしているのですが、新型ロードスターを手に入れジムカーナに出たいっ!」シフト操作の一番重要なモータースポーツに、目をつけるあたり、イマドキの女子力なのだろうか。
  ちなみに、新型ロードスターの車両価格は、249万円台からだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第16回

R360クーペ  そうこうするうちに父の重次郎から、「復社しないか」との声がかかった。しばらく距離を置いてみて恒次の優れた点を再認識したようだ。年老いた重次郎には、我が子に任せておいたほうが安全かつ得策という打算が働いたのかもしれない。恒次にとってもこの3年間社を離れたことで、第三者的なものの見方が養われた。恒次の不在のあいだに、東洋工業の秩序の乱れが前にも増してひどくなっていた。宿直室では夜毎マージャンに興じる社員、社長室をダンスホールにしているという社員もいたという。そこで恒次は大鉈を振るい綱紀粛正を断行し、業績を高めた。父の重次郎が退き、恒次が社長のなったのは昭和26年12月、56歳のときだ。父の重次郎は、現役を退くと急にハリをなくし、翌年卒然と亡くなった。行年76歳。
  父を失った恒次には悲しんでいるイトマはなかった。先にも話したとおり、戦後いち早くオート3輪車の生産体制を整えた東洋工業は、その後20年代に1トン積み、続いて2トン積みの大型3輪トラックを発表し、さらに30年代に入り各種の4輪トラックを矢継ぎ早に世に送った。だが、一番注目したいのは、昭和35年5月に発表した360ccのマツダR360クーペ(写真)だった。このクルマは、東洋工業がそれまで3輪、4輪トラックから乗用車という新分野への進出する足掛かりとなっただけでなく、日本のモータリゼーションのきっかけをつくった存在だといえる。

カーライフ大助かり知恵袋2

新型ロードスターはインテリアもエクステリア!?

ロードスターのドアトリム  自動車が誕生してかれこれ120年。自動運転技術、ぶつからない衝突安全技術、1台のクルマに100個以上のマイコンが珍しくなくなった電子化の進化と燃料電池などのエネルギー革命・・・クルマ文化もいよいよ円熟。一見して先祖帰りともいうべき現象がある。VWのUP!(アップ)のインテリアは鉄板むき出しで、瞬間的にはチープ感はしたが、意外とシンプルさと新鮮味を感じた。
  マツダの新型ロードスターに乗り込んで驚いた。ドアトリムの上部が、金属むき出しなのだ。トントンと指で叩くと樹脂だということが分かる。見た目がボディカラーと同じ色で、金属製のパネルに見えるため、オープンにしたときにクルマの外と内部が一体に感じ、とても不思議で新鮮な印象を受ける。これはデザイナーの狙いどころなのである。
  デザイナーの狙い通りということは、モノづくりの現場では、かなり苦労しているということにつながる。「外板と同じフィーリングを与えるため、色味をあわせるのに苦心でした。外板と内側の樹脂とは塗料と工程が異なるので、限りなく近くするのは、それは苦労でした。しかもマイカ塗料を含め7色もありますから」もちろんドアの内部にはパワーウインドウのワイヤーハーネス(電線)やドアレギュレーターと呼ばれるガラスを上下するメカ部品を内蔵している。こう見てくると、クルマの新機構の楽屋裏にはいくつかのドラマが垣間見えるということだ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

折りたたみ式マグネットトレーの実用度は?

トレー  部品を取り外したさい、紛失しがちなのはボルトやナット。便宜的に広げたウエスに置いておく、あるいは取り外した部品が皿替わりになればその中に入れるなど、それなりの工夫をするものだ。ところが、この便宜上おこなうことに意外に落とし穴が待ち構えている。広げたウエスを間違って踏んづけたとか、けつまずいた拍子に皿状の部品に入れたボルトやナットがいつの間にかどこかに行ってしまう・・・。こうなると紛失したボルトやナット探しに時間をとられ、途方に暮れることも!
  やはり間違いのない、正しい仕事をするには、トレーを準備したいものだ。
  マグネットトレーはこう考えると必需品と思ったほうがいい。ところが、従来のマグネットトレーは、重くかさばるため、当初は使っていたが、いつの間にか遠ざかり、トレー自体が行方不明となる! という事態もないわけではない(筆者の場合)。その点、たまたまホームセンターで見つけた「折りたたみ式マグネットトレー」は使えそうだ。購入したのは、φ135ミリとやや小ぶり(この上のφ230ミリもある)だが、蛇腹式なので、ふだんは厚みが27ミリほどで、実にコンパクト。しかも重量がわずか120グラムなので、大き目の工具箱でなくても収まる寸法。
  ただし、マグネット力自体はあまり大きくないので、作業中に指で引っ掛けると引っくり返るおそれがある。それに蛇腹の隙間にワッシャーが入るといちいち蛇腹を両手で広げて取り出す面倒くささがありそうに見えるが、目いっぱい広げ円錐状にしていればその心配は不要。価格は税込みで483円とバカ安(φ230ミリはネットで見ると1000円ほどで手に入るようだ)。中国製で、㈱髙儀(電話0256-70-5100)が販売元だ。


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