みなさん!知ってますCAR?

2015年12 月15日 (火曜日)

TOP NEWS

新型プリウスのE-Fourの魅力とは?

IMG_1481  エコカーの代表選手・ハイブリッドカーの先頭を走るトヨタのプリウスがこのほどフルモデルチェンジされた。
  従来型車の32.6km/lからリッター40.8km/lへ大きくジャンプしたのも魅力(メイン車種は37.2km/lだけど!)だが、もうひとつの注目はE-Fourが登場したことだ。リアにモーターを付け、ときどき4WDになる“電気式4輪駆動車”である。
  どんなとき有効かというと、濡れた路面での発進時、雪道などだ。とにかく路面の摩擦抵抗が低いときに安定して走れるのである。たとえば、冬の早朝など幹線道路から自宅の駐車場に向かうとき、路面が凍結した坂道で、スリップして登れなかった経験のある読者なら痛いほどわかると思う。
  樹脂シートのうえに洗剤を吹き付け、意図的に摩擦抵抗0.1ほどにした路面で発進したところ、通常の2WDではリアタイヤはふらつき不安定となった。ところが、E-Fourだと、多少荒いアクセルワークでも、ごく自然に安定して前に進むことができた。駆動の状態をリアルタイムにインパネのディスプレイに表示するのもうれしい。乾燥路面での発進時にも、このディスプレイにより、後輪駆動が得られていることがわかり、発見である。
  開発者に聞くと、モーターを狭いスペースに収めることが一番の難題だったという。リアサスがダブルウッシュボーン・タイプなので、ロアアームがセンナ-に張り出しているから余計だったようだ。ちなみにE-Fourだとノーマルの2WDにくらべ重量で約70kg重くなり、価格ではおよそ20万円アップ。なお、新型プリウスの車両価格は、242万円台からだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

スバル360と百瀬晋六の物語 第7回

百瀬③  GHQが管轄する日比谷にあったCIE(シビック・インフォメーション&エデュケーション)図書館で百瀬たちが入手した資料の多くは、サスペンション、ステアリング、ブレーキなどシャシーに関する文献だった。
  百瀬たちはわざわざ東京に出張の機会をつくり、赤坂や三田にあった輸入車ディーラーのショールームに足を運び、最新のアメリカ車などを観察。ときには巻尺を片手に寸法を測ったり、下回りを覗いて、その様子を観察した。あるいは路上に停めてある一般車両を覗き込むこともあった。事情を知らないオーナーからは不審がられた。杉並区にあった通産省の機械技術研究所(1980年につくば市に移転)でVWの分解調査があると聞くと、当時、外国車を細かく調べる機会がまれだったため、百瀬の部下たちは飛んでいき、寝食を忘れてスケッチした。
  こうして自動車に関する知識を深めるうちに、試作すべきモデルのイメージが固まった。富士精密工業製の1500ccエンジンを載せ、4ドアで6人乗りの小型乗用車。サイズは長さ4.3メートル、車幅1.6メートル。実は、研究サンプルとしてイギリスフォード製の4ドアセダンのコンサルとアメリカンモーターズ製のウイルス、この2台を購入していた。
  百瀬たちに強いインパクトを与えたのは、フォード・コンサルだった。当時外国人から「日本の道路は道路ではなく道路予定地だ」と酷評されるほど凸凹だらけの悪路を気持ちよく走ったからだ。国産乗用車やトラックとはくらべようのない完成度に大いに刺激された。ボディ剛性の大切さやフロントのダブルウッシュボーンのサス、それにサスペンション・アームとボディのつなぎ目にゴムブッシュを採用することを学んだのだった。

カーライフ大助かり知恵袋2

グッときた!多摩川スピードウエイ回顧展

多摩川スピードウエイ  いまから80年ほど昔の昭和11年(1936年)から約3年間、観客数3万人以上を集めた日本初の常設サーキットが多摩川の河川敷(正確には現在の川崎市中原区丸子橋の上流)に存在していた。そこでのレースは、「全日本自動車競走大会」といったそうだ。戦前のクルマが戦った場所。
  日本が戦時体制に入ったため、全部で4回ほどしか開催されていないが、ダットサン(日産)とオオタ自動車(創業者・太田祐雄)の戦い、のちホンダをつくる本田宗一郎の浜松号の大事故、アメリカ日産の社長としてダットサンをアメリカで売りまくった片山豊(ミスターK)などが関わったいわば、戦後日本の自動車産業が花開くルーツを探る“聖地”ともいえる。本田宗一郎は、ここでの経験があったので、鈴鹿サーキットをつくったことは容易に想像できる。
  あまり知られていないが、この多摩川スピードウエイの前は、大正11年から昭和9年にかけて東京の洲崎の埋立地(江戸川区)、立川飛行場、鶴見埋立地飛行場、代々木練兵場、月島埋立地などの仮設のサーキットだった。だから常設サーキットは当時のクルマ好きの若者の悲願でもあった。多摩川サーキットの実現は、15年間のアメリカ生活を経験して帰国したジョージ藤本こと藤本軍治(1895~1978年)の尽力によるものだという。藤本は、アメリカ車のハドソン号で、下関から東京までの急行列車と競争して敗れるなど、破天荒な行動で風雲児の異名をとった男。
  もちろん河川敷なので、ダート(非舗装路)である。第1回のレースでは1ラップの速度が67kmほどだったのが、3回目には100km/h近い96.6km/hをマークしたという。こうしたことを知る写真展が、このほどレース場があった場所にほど近い東横線の多摩川駅近くであった。

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LED付きピックアップツールの有効度は?

LEDフレキシブルピックアップツール   エンジンルームなど、ついうっかりして作業中にボルトやナットを落としたことがないひとは、たぶんいないと思う。手が届く範囲であればなんとか手繰り寄せたり、拾うことができるが、そうでない場合は、細身の長いドライバーなどで地面に落としたり・・・とにかく難儀するスチュエーションである。
  そんなとき、あればたいそう便利なツールが、ピックアップツールと呼ばれるものだ。先端にマグネット付きのものは昔からあったが、ステンレスボルトや樹脂部品だと役に立たないケースがあった。
  つい最近TONEからデビューした「LED付きピックアップツール」は、従来品の弱点を洗い出した便利工具である。TONEのひさびさのヒット作かもしれない。先端部には0.9kgまで保持できる磁力をもたせる一方、ハンドル部の握ると3本の爪が飛び出しピックアップできる。しかもハンドル部のボタンを押せば先端部のLEDが点灯し、暗がりでもばっちり照らしてくれる。しかも角度を自在に変えられるので、曲がりくねったタイトな場所まで届くのである。
  全長は625ミリで、重量は電池を含め126グラム。価格は2500円とリーズナブルである。工具箱のなかでは邪魔になりがちだが、それ以上の活躍をしてくれる工具だ。www.tonetool.co.jp

2015年12 月 1日 (火曜日)

TOP NEWS

愛車が、走行18万キロを目前にした現実!

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写真A

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写真B

  「大きな事故を起こさないで通常の使い方をするクルマはどのくらい、何年、何万キロぐらい使えるのだろうか?」
  大きな声で言うと、いささか恥ずかしいが、これが筆者の好奇心の発露。カッコよくいえばジャーナリストとしてのひそかな矜持(きょうじ)である。リッター40キロのエコカーに心動かされもするが、それ以上に“クルマの寿命を見とどけたい”が大きなテーマなのである。それもあって、平成13年式だから丸16年目を迎えた、17万7777キロをあとにした愛車ファンカーゴを手放さないで、日常の足としている。バイクを積んで大人3人が乗車できるという、稀有な収納能力を持つコンパクトカーという理由もあるが。
  名車でもなんでもないクルマに、万単位の修理代をかける理由はそこにある!?
  先日も、友人の一級整備士Kさんから「電動ファンのモーターのベアリングが悲鳴をあげているのでは」という指摘を受けた。確認すると、確かにエンジンを停めた時に耳をすませるとベアリングが駄目になる前兆の嫌な音がする。モーターを単体で手に取りたしかめたいという子供心に似た気分で、作業に飛び込んだ。
  運よくその日は日本列島に冬の移動性高気圧が張り出した小春日和。電動ファンはラジエーターに取り付けられているので、まずラジエーターを取り外す。エンジンフードを開け、エンジンサポート、フードヒッチなどを取り外し、冷却水を抜き、ラジエーターを取り付けている3つのボルトを取り外し・・・という手順で、監督のKさんの指示で着々と作業進行。旧いクルマのラジエータータンク(ナイロン製)は劣化が進み衝撃で破損するおそれあるから要注意、と脅かされながらも作業である(写真A)。
  途中、ラジエーターキャップのスプリングがなくなっていたり(写真B)、LLCがひどく汚れていることに気づきなどしたが、それぞれ新品に交換し、無事完了。作業時間は約2時間30分。これで真夏の渋滞でもオーバーヒートの心配は遠のいた。
  試運転したところ、なんとなく、エンジンもクルマ全体も若返ったような気分で、筆者も幸福感を味わった。クルマのアンチエイジングなのかも。部品代はLLCを含めずに合計2万1000円ほど。旧いクルマを維持するということは、どこか「もぐら叩き」に似ている。こちらを直せば、またあちらが悪いことに気づくという。クルマ好きといってもいろいろなカテゴリーがあるが、クルマいじりの楽しみが最大級なのだと再認識した。

カーライフ大助かり知恵袋1

スバル360と百瀬晋六の物語 第6回

百瀬  百瀬は文献を求め、東京の大手書店や神田の古本街、国会図書館などをこまめに歩いた。なかでも、クルマづくりへの手ごたえを感じさせた文献は、銀座の丸善で手に入れた「オートモーティブ・シャシー・デザイン」というイギリスで出版された本だった。シャシー設計の基本がかかれていた。いっぽう、日比谷の図書館に併設されていたGHQのCIE(シビック・インフォメーション&エデュケーション)という図書館に行き着き、自動車の関する理論書が何冊かあることを発見した。当初は百瀬一人でその図書館に通ったが、そのうち部下を連れ、さらに複写しようという熱情に駆られ、カメラマンを雇い必要と思われたページを写真として収めていくる必要を感じた。
  いまならデジカメやスマートフォンで気楽に取れるが、当時間違いのない写真を撮るにはプロカメラマンを雇うしかない。しかもフィルム代もバカにならないため、特別予算10万円を上司に申請し、許可を得ている。当時初任給が9000円の時代の10万円はほぼ給料1年間分といえる。海のものとも山のものともわからないクルマづくりの投資の第1歩であった。

カーライフ大助かり知恵袋2

曲率可変鏡ドアミラーの実用度?

曲率可変ドアミラー  前回に引き続き、先の東京モーターショーを取材して見えてきた、近未来の部品をもうひとつ紹介しよう。
  ワイパーモーターでおなじみの群馬県桐生市に本社を持つミツバは、「曲率可変式のドアミラー」を開発中だという。そのサンプルを展示していた。
  現行のドアミラーは平面ガラス。そこで鏡を通して見える景色は、もっとも自然に見えるのだが、見える範囲に限りがあり、斜め後方に死角が生じやすい。これを抑制するには曲面ガラスなのは昔からわかっていたのだが、曲面ガラスが不自然に見えるデメリットがどうしてもつきまとう。
  そこで、「必要に応じて曲面になり、通常の視野角度25度から視野角度45度にして広い範囲で障害物を確認できる」という可変タイプの曲面ドアミラーを目指しているという。ガラス自体は旭硝子製で、従来の普通ガラスではなく、ドアガラス同様の強化ガラスの特別仕様だという。ミリ波レーダーによるブラインドスポット・インジケーターで音と光によりドライバーに注意を促す。それと同時に曲面のドアミラーが連動して45度の角度でリアルに後方を確認できる・・・・というのが近未来のクルマだそうだ。いかに距離感を掴めるかばかりでなく、法規制のクリアが課題だというが、早晩登場しそうである。

愛車メンテのプラスアルファ情報

ベッセルのラチェットドライバーの本気度は?

ベッセル
  「ラチェットドライバーTD-6818MG」は、今年9月に登場したばかりである。
  誉めすぎになるが、これまでの製品と異なり、ベッセルの挑戦を感じる。従来型では、ギア数20のおよそ保有する喜びを感じさせないラチェットドライバーで、お茶をにごしてきたベッセルだったが、ギア数72ということからも容易に想像できる。かなり本格的なラチェットドライバーに近づいた。細かいギア数のおかげで、少ない手首の返しで、締め込み&緩め作業ができる。チチチッというラチェット音も悪くない。
  スナップオンを代表とする先行するコンペティターとは、一線を画す斬新なデザインは重厚感こそないが、好感が持てる。透明の植物由来系のセルロース・アセテート樹脂製グリップには、付属のビットが透けて見える。圧倒的なのはビット数である。プラスが3つ、マイナスが6ミリ、それにヘックスが2,2.5,3ミリ、トルクスのイジリ止め(普通のトルクスでももちろん使える)がT10HからT40Hまで7本、ビット数計16本。確かなものと感じさせるのは、ガタが抑制されていること。筆者手持ちのPBのラチェットドライバーとほぼ同じぐらいだから、合格といえる。ビットとの勘合がマグネット式なのが効を奏しているようだ。ただ、ビット収納はハンドルエンド部にカセット式での収納だが、着脱にややコツを要する点。それと切り換えを示すマークが分かりづらいので、手暗がりでも左右の切り換えが分かる工夫をするべきだ。重量は157グラム。価格は2600円前後で、お買い得である。


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