みなさん!知ってますCAR?

2016年7 月15日 (金曜日)

TOP NEWS

500万円もするBMWのEVは買いか?

ⅰ3

ⅰ 3 インパネ

  今年100年を迎えたBMWは、やけにチャレンジングである。
  「新たな時代を切り開く!」とばかり実用的なEVのⅰ3と、がぜん街中でひと目を集めるスーパーカーのプラグイン・ハイブリッドⅰ8の2台を発売した。後者のⅰ8は,2000万円もするので、庶民には論外だが、ⅰ3は、「一充電229km(JC08モードで)走れ、ボディも最先端のカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)。価格は499万円!」となると、背伸びすれば買えなくもない読者もいる!?
  10分足らずだが、お台場に出来たばかりのBMW巨大ディーラーお披露目取材で試乗した。
  全高が1550ミリとやや高いこともあり、運転席からの景色は広々していて開放感が大いにある。ケナフ麻とかユーカリ、といった植物由来のバイオニックなトリムやインパネは、意外と素朴で21世紀的運転席を演出しているようだ。電動式のパーキングブレーキを解除して、発進させると、電気自動車特有のトルクフルな加速感に圧倒される。グイグイ加速してくれる。カタログデータではゼロから時速100キロまでを7.2秒で駆け抜けるそうだ。ハンドリングもとくに違和感がなく、扱えた。気になったのは、ブレーキペダルとアクセルペダルが右にオフセットしているので、ひごろ両足操作を常とするドライバーはやや戸惑うかも。両足操作ができなくはないがやや窮屈。それとクリープがないのも、戸惑うところだが、このあたりは慣れるしかない。
  すごいと思うのは、アルミ合金のシャシーにボディがスチールにくらべ半分の重量で収まるCFRPを採用したので、車両重量が1260kgとリッターカー並みになっている点。フロアにリチウム電池を敷き詰めているのだが、車高の高いクルマにありがちな乗降時の不満は感じなかった。
  最大のアドバンテージである“一充電229km”ということは、実用上1回の充電で150kmは走れるということ。東京から箱根にいくと想定して、日産リーフなら途中どこかで充電しなくてはいけないところ、安心して走行できるということだ。
  リアドアのところで下に落ちているサイドビューのデザイン。これに違和感をつよく覚えるが、Bピラーがなく、リアシートへの乗り込みのしやすさ(リアドアが軽くなり、リアの視界がよくなる)ことを思えば、ひとつの回答(見識?)なのかもしれない。やはり一番のウイークポイントは5人乗りではなく、定員が4名ということだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

スバル360と百瀬晋六の物語 第21回

スバル360エンジン  リアエンジン・リアドライブK-10のためのエンジンは、横置き2ストロークの360cc空冷2気筒。いかに軽量で高性能なエンジンを創り上げるかが大きな課題だった。参考にしたのは、ドイツ製のロイト2気筒2ストローク400cc12馬力エンジン。これを360ccにサイズダウンして、目標馬力を2馬力高い14馬力とした。当初、試作した360cc用のピストンとコンロッドをロイトのエンジンに組み込みベンチにかけテストしてみると、わずか10馬力しか発生しなかった。そこで、冷却性の高いアルミのシリンダーヘッド、鋳鉄製のシリンダーブロックを試したり、吸排気系にチューニングを加えるなどした。キャブレターに吹き返し現象の不具合が現れた。これにはキャブの前にパイプを付けることで解決。数々の紆余曲折があった。
  こうしてエンジン開発の技術者は、細かいデータをひとつずつ積み重ねチューニングをしていった。やがて360ccのロイトのエンジンは16馬力を発生し、車両に組み込み実験走行を繰り返し、充分な低速トルクを発生することを確認、エンジンの実用性能を詰めていった。
  ようやく耐久テストベンチの段階をへて、量産間近の試作エンジンが完成した。シリンダーヘッド、クランクケース、ピストン、排気マニホールド、デフケース、クラッチカバー、冷却フィンまではすべてアルミ製、シリンダーは新素材のSH鋳鉄という軽量素材が採用された。当時としては最先端技術が盛り込まれたのだ。

カーライフ大助かり知恵袋2

三菱ふそうの“燃費合戦”に見るエコへの思い

燃費合戦  トラック・バスメーカーの「三菱ふそう」が今年2月から約9ヶ月にわたり、「燃費合戦」という面白いイベントを展開している。「燃費合戦」とは、いかなるものか?
  「最新の大型トラックモデルであるスーパーグレートV2016をお客様の実際の仕事・業務で使ってもらい、このクルマの燃費のよさを実感してもらう!」というものだ。ただ、試乗だけだと面白みがないので、横串(よこぐし)として「燃費合戦」を織り込もうというのだ。約250社(物流などのユーザー)を対象に新車50台を用意し、順繰りに実際の業務で使ってもらい、現在使用中のクルマとくらべてもらう。50台の内訳は、AMT(イノマットⅡ:MTの電子制御2ペダル)付きのウイングタイプの大型が30台、トラクタータイプが15台(うち10台はAMT付き)、それにMT仕様のダンプカー。1台のクルマに4週間乗ってもらい、はじめの1週間を慣らし期間とし残り3週間分の燃費を正式データとしている。もちろん、既存の車両との比較をリアルに感じてもらうために、同じドライバーでできるだけ同条件のもとで使ってもらうように進めているという。
  燃費合戦の実際は、日本全国を5つのブロックに分け、そのブロックごとの燃費を競うというのがひとつ。2つ目はクルマのタイプ別での燃費合戦。3つ目が地域、駆動輪すべて区別なしに平均燃費地そのものを競うカテゴリー。この3つのカテゴリーでの「燃費合戦」である。肝心の燃費の測定方法は、ひごろの日報での燃費測定(満タン法)とデジタコによる燃費測定の合わせワザを使いかなりの客観性を持たせているという。
  一番気になる燃費の結果はどうだろう?
  FS8×4(8軸4駆動)のカーゴの場合、他社の燃費平均が3.26~3.75km/lであったのに対し、スーパーグレートでは3.76~4.25km/lと向上しているという。トラクターの場合も、2.35km/lから2.71~3.05km/lへと確実に向上している。乗用車にくらべ数値的には低いが、年間10万キロも走る大型トラックともなると、燃費の良し悪しで年間42万円以上の差が出るというデータも出ている。乗用車にはない世界である。

愛車メンテのプラスアルファ情報

台湾製のマグネット付きラチェットレンチ

マグネット付きRレンチ  コンビネーションレンチのめがね部にラチェット機構を組み込んだ工具は、いまやポピュラーである。これはさらに一歩進めて、めがね部にラチェット機構だけでなく、マグネット機構をプラスしたものだ。ギア数は細かく72なので、送り角5度。
  これで何がアドバンテージかというと、作業中に落下して、紛失しがちなナットをホールドし、確実に作業がやりやすい点だ。ナットだけでなく、ボルトを締め込む際にもマグネットでしっかりホールドしてくれるので、安定した作業ができる。しかも左右の切り換え部がめがね部の根元に付いていて、カチッカチッと小気味よく切り換えできる。めがね部にこうした複数の機能を持たせると、バランスが崩れ作業性を損ないがちだと思いきや、意外やコンパクト設計。なので、通常のタイプと使い勝手はほぼ同じ。めがね部の立ち上がり角度(柄とめがね部のなす角度)は15度。材質はクロームバナジウム(Cr-V)、とある。
  製品名は「GEARTOOL」。台湾製で、販売元は「アークランド サカモト㈱」(電話 0256-33-6010)。サイズは写真の10ミリをいれて、8,12,13ミリの計4種類のようだ。ヨコハマのホームセンターでの購入価格は1180円(サイズ10ミリ)だった。ちなみに、アークランド サカモトというのは、新潟県を中心に巨大ホームセンターを展開する企業のようだ。

2016年7 月 1日 (金曜日)

TOP NEWS

この秋登場のプリウスPHEVのすごい点とは?!

プリウスPHEV  エコカーの軸足が、これまでのハイブリッドカーからプラグイン・ハイブリッド(PHEV)に移りつつある予感だ。本命視されていた電気自動車(EV)はたしかに究極のゼロ・エミッションカーだが、航続距離の短さと充電時間の長さが足かせとなり、いまのところ主役の座から離れている。その点、PHEVは、電気エネルギーがなくなってもハイブリッドスタイルで走行できるし、電気に余力があれば、EV走行で、格安でクリーンな走りができる。そのEV走行距離が技術改善でじょじょに長くなりつつある。
  この秋発売予定のプリウスPHEVの全貌が見え始めた。
  新型プリウスをベースにしているだけのカタチばかりのフルモデルチャンジではないようだ。大きな柱は、3つある。
  そのひとつは、ソーラー充電システムは、これまでの車内の熱気を外に出すだけの役目から、車両の駆動用のバッテリーを充電する頼もしい存在に変身するのだ。ルーフの大半がソーラーパネル化され、DC/DCコンバーターを内蔵し、作り出した電気をバッテリーに充電し、車両の駆動エネルギーとして活用するのである。リチウムイオン電池を従来からくらべ2倍の8.8kwhにし、急速充電時間を20分に短縮して、使い勝手を高めている。
  JC08燃費も従来の31.6km/lから37.0km/lに高められ、EV走行もこれまでの26.4kmから60kmと2倍以上に伸ばしている。これなら東京から横浜までEVで走行できるという計算だ。
  走りも魅力が増している。モーターのチカラにさらにジェネレーターからの駆動力を上乗せして、より力強いEV加速が楽しめる「デュアルモード・ドライブ・システム」のおかげで胸のすくEV加速性能を楽しめるという。あとは価格がどのくらいまでセーブされるかである。

カーライフ大助かり知恵袋1

スバル360と百瀬晋六の物語 第20回

スバル360  エクステリア・デザインは、外部のフリーの工業デザイナーの佐々木達三(1906~1998年)にゆだねることになった。
  佐々木は、もともと楽器作りを学ぶために東京高等工芸学校(現・千葉大学)に入ったものの、その学校には楽器のコースがなく、卒業後日本最大の客船「秩父丸」や「氷川丸」のインテリアデザインに携わった。その仕事をかわきりに黎明期の工業デザインで活躍した。戦後はフリーランスの工業デザイナーとして、大型バイク陸王(りくおう)のガソリンタンクや西鉄バスの大型観光バスのデザイン、カラーリングを手がけた。佐々木と百瀬は都内ではじめて顔を合わせたのだが、すぐ意気があい、互いを認め合う仲となった。佐々木はそのとき50歳。運転免許を持っていなかったが、すぐ免許をとった。自動車についての知識はなかったが、だからといってにわか勉強とばかり、世界の自動車のデザインのアルバムを眺める、ということは一切しなかった。伊勢崎工場に来ても、これまで百瀬が手がけたバスやP-1を見学しようともしなかった。やはり自分でハンドルを握り(おもに日野ルノー4CV)、クルマのデザインを自分の心のなかから導き出したかったからだ。
  こうしてあの愛くるしい無駄のない、しかも飽きのこないユニークなスバル360のエクステリア・デザインがつくられたのである。

カーライフ大助かり知恵袋2

新しいモビリティ社会の足音?!

水素ステーション  「21世紀の新しいモビリティ社会はまだ遠い先のこと・・・」と思っていたら、世の中ため息をついている間に、どんどん変化しつつあるのかもしれない。
  先日、東京ビックサイトで催された「スマートコミュニティ2016」の取材で、埼玉でのEVや電動バイクの実証実験を取材した帰り、おなじみの鎌倉街道を走っていて、赤信号で止まって左を眺めていたら「水素ステーション」がただいま建設中であることに気づいた(写真)。水素ステーションは昨年安倍首相が年内に100軒建設すると大見得を切ったものの、1軒あたり5億円近くの建設費のため、早々たやすく計画通りにいくものか!? 実際数えてみると現時点で計画中を含め現在90軒(おもに首都圏とその周辺だけで青森、北海道、岩手、鹿児島、熊本はじめ計27県にはない!)。それにいまのところトヨタとホンダからしか燃料電池車がリリースされていないし・・・まだ先の先! と冷たく眺めていたのだが、こんな地元に建設されると、さすがに胸騒ぎがするものだ。利用する車両がそんなにあるのだろうか? 余計な心配もしたくなる。
  そういえば、数時間前取材したなかで「ロスアラモスのスマートシティの実証実験」というのがあった。日本のNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、アメリカのニューメキシコ州のロスアラモスや、そのとなりのアルバカーキー市でも、実証実験がおこなわれている。前者は、住宅内エネルギー制御、後者はマイクログリッドの実証実験である。ロスアラモスといえば、いまから75年ほど前、ロバート・オッペンハイマー(1904-1967年)を所長にして、1万人以上の科学者たちが集まり広島、長崎を一瞬にして壊滅的状況に追い込んだ大量殺人兵器・原子爆弾の開発がおこなわれたマンハッタン計画の舞台。ここに、平和と繁栄の象徴のスマートコミュニティ・テクノロジーがおこなわれているとはなんとも皮肉。でも、人の歴史は墓場の上に繁栄が築かれるのかもしれない。

愛車メンテのプラスアルファ情報

伸縮式ラチェットドライバー SED-230

ラチェットドライバー  このところ、台湾製のラチェットドライバーが続々上陸している模様である。
  工具の市場は、自動車同様に成熟市場。いかに目先を変え、より便利なような工具をより安く市場に提供できるかが、ここ数年のトレンドになっている。もともと、家庭用でしかなかった「ラチェットドライバー」をプロが使って不満のないところまで商品性を高めたのはスナップオン。いわば先鞭をつけたのがスナップオン。これをテコに台湾工具メーカーが、こぞってラチェットドライバーの新作を登場させているのが、ここ数年のトレンドだといえる。
  今回取り上げる三木市の藤原産業(電話0794-86-8200)が発売元とする「伸縮式ラチェットドライバー」もこうした流れの製品のひとつといえる。台湾製の工具のすごみは、徐々に、品質が高まっている点だ。スナップオンのラチェットドライバーの弱点は、ビット数が少ないことだったが、これはプラス・マイナスのほかにヘックスビット2.5~6ミリまで5個、トルクスビットがT10,15,20と3個、合計12個がハンドル内に納まっている。
  しかもハンドルは一部シースルーにしてあり、ビットが透けて見える。グリップの表面仕上げも好感が持てる。さらに軸が80ミリから150ミリに伸縮できるというオマケまで付いている。価格も1680円と実にリーズナブル。ガタも比較的小さく抑えているし、これ以上何を求める? と言いたくなるが、大きな不満がある。左右の切り換え時のフィールが悪いばかりでなく、目で左右どちら回しなのか、確実に確かめられないのである。ギア数も20とやや物足りない。工具というのは人の手で持つだけに、何かとシビアな評価になるが、それだけに大多数に満足を与えるのは至難の業だということがこの工具を触ってみるとわかる。


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