みなさん!知ってますCAR?

2016年8 月15日 (月曜日)

TOP NEWS

迎賓館でベンツが追従走行のパフォーマンス!

ベンツと迎賓館  われわれ庶民も足を踏み入れることができるようになった「迎賓館赤坂離宮」。その白亜の殿堂ともいうべき、迎賓館の前庭で、このほどメルセデスベンツの最新モデルがパフォーマンスを展開した。じつは、この日は単なる最新安全技術を携えた新型車両の発表会というだけではなかった。特別な場所でのお披露目の背後には、なにやら窺い知れない意味があるのかもしれない。とにかく、100年の歴史のある迎賓館に足を踏み入れることにする。
  20人近くの太鼓隊が、威勢よく太鼓を叩きながら背後から現れ、ベンツの「パテント・モトヴァーケン」と「VISION TOKYO」を横目に、迎賓館の正面へと向かう。
  「パテント・モトヴァーヴェン」とは、いうまでもなく1886年内燃機関を持った地球上初お目見えしたベンツの3輪自動車である。「VISION TOKYO」は、2015年の東京モーターショーで登場したベンツの近未来車。近代都市東京をリスペクトしたデザインとスペース効率、多目的性、知性をふんだんに持ったコネクティング・カーである。
  スロープにはあらかじめ白いベールに包まれていた完全自動運転にさらに近づいたメカニズムを搭載した数台の最新型Eクラスが、おもむろに、その姿を見せた。左右のスロープを降り、そのうち2台が平行して走る。完全自動運転にさらに近づく革新的なドライブパイロットと呼ばれる先行車を追従する自動運転を披露しているのである。このクルマには、ウインカー操作だけで、車線変更を自動でおこなう「アクティブ・レーンチャンジング・アシスト」という機能も備わる。くわえて、事故時の衝撃音から乗員の耳を守る世界初の「PRE-SAFEサウンド」を装備。その後、Eクラスは、「パーキングパイロット」機能で、ハンドルから手を離し、自動で、駐車スペースに収まった! こうした動きは、よほど注視していないと理解できないものだったが、確実に近未来を指し示すパフォーマンスであった。それにしても100年以上の歴史ある迎賓館と最新モデルのお披露目との組み合わせ、なんとも目を丸くする不思議な光景だった。

カーライフ大助かり知恵袋1

スバル360と百瀬晋六の物語 第23回

Subaruエンジン  排気系にカーボンが付着する課題は、オイル添加剤のメーカー・ペンタルーブ(PENTA LUBE)からもたらされた。この市販のオイル添加剤を使うとカーボン付着が信じられないほど減少したのだ。試験してみるとこれまで2000キロでカーボンが付着してパワーダウンに結びついたのが、6000~7000キロまではパワーダウンしないことが分かった。
  エンジンが快調に回ると、今度はエンジン各部から発生する騒音を退治することになった。ピストンとシリンダーの摩擦音、駆動系のノイズなどしらみつぶしに対策していった。おもな対策方法は、各部品の工作精度を高めることだった。振動についてはクランクシャフトの2次振動が最大の課題だったが、丁寧に理論を積み重ね、実験を繰り返すことで解決することができた。
  エンジン本体のみならず電装品も次々と初期トラブルを発生させた。
  軽量小型設計を目指したのでスターターのピニオンギアの鋳物ハウジングが強度不足でクラックが入り、ディストリビューター(配電器)が高圧に耐えられずにリークする不具合が出たものの、そのつど対策品を開発し、耐久性を高めていった。

カーライフ大助かり知恵袋2

エンジン・バラシからサスのチューンまで楽しめるキッズエンジニア!

キッズエンジニア1

キッズエンジニア2

  いきなり度肝を抜かれたのは、スズキの教室プログラム。「バイクのエンジンは、どうなっているのだろう」というテーマ。小学生に49ccのバイクのエンジンとはいえ、いきなりエンジンバラシをしてもらう! というのは実に刺激的。作業台の上に置いてあるのは、2003年にデビューし約5年間で累計10万台を送り出した「チョイノリ」という名のスクーターの空冷式OHVエンジン。チョイノリは、とことんコストを下げてバイクをつくる、ということにこだわった。5万9800円という、同時期の中国製の原付スクーターを下回る新車価格で衝撃的だったバイク。
  このスクーターエンジン(正確にはマグネットカバーやフライホイールがあるのでエンジンASSYだ)を90分で、バラし、組み付けるという未知との遭遇だ。OHVといえばハーレーダビッドソンのエンジンと同じ! この知識だけでも子供たちの目は輝く、という。
  ホンダが担当したとなりの教室では「ファンビークル/クルマの仕組みを体験しよう」。父兄は少し離れたところで、文字通り手に汗にぎり「観戦」。カッコいい機能が外から丸見えのフォーミュラータイプの子供一人乗り電気自動車。
  この電動カートのタイヤとサスペンションを交換(むろん作業は子供だけ!)をしてビフォアとアフターの乗り味を子供たちだけで味わう、というもの。4人ひと組で、60分間の持ち時間で楽しんでいた。サスペンションの取り付けには上下の区別をしなくちゃいけない。それに取り付け位置が届かない場合は、ある部分を持ち上げておこなう・・・タイヤの交換作業でも表側と裏側があるので、間違えないように作業を進める必要がある。チューニングの楽しさと機械のありようを少し変化させることによって変わる乗り味の違いが、子供だからこそ理解し、身につけたようだった。この教室は、高学年の子供たち向けとはいえ、目がきらきらと輝いていた。いずれも先日パシフィコ横浜でおこなわれた自動車技術会主催キッズエンジニアの光景だ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

不思議感覚120%! 3/8インチの異種ソケットセット

5種類のボルトに対応  世の中には不思議きわまる工具がある。
  「5種類のボルト・ナットに対応できるオールマイティソケット」というキャッチコピーが付く3/8インチのソケットセットも、さしずめこの仲間である。ソケットの内側を覗くと、例の台湾ツールであるホニーソケットと限りなく近い。内壁に12個のピンを取り付けた形状に近い。5種類と謳ってはいるが、サイズによっては3あるいは4種類のボルトにしか(しか、と書いたが3種類だってすごい!)対応しない場合もある。満足に5種類のボルト・ナットに対応するのは、8個のうち2個だけ。
  たとえば10mmのソケットでいえば、通常の10ミリの6角ボルトのほかに、4角ボルトの8ミリ、6角インチサイズの3/8インチ、ヘックスローブボルトのE12、それにスクエアトリプル・ボルトのサイズ12。「スクエアトリプル」というボルトは聞きなれないが、欧州車にこのところよく使われているトリプルスクエア(XZNボルトとも3重4角ボルトとも呼ばれる)の逆バージョンのようだ。
  とにかく、このソケットレールセットは、2兎を追うどころか3兎~5兎を追う工具。あげくに・・・「1兎をも得ず」になりそうな感じもする。インチネジなど、ふだん見慣れないボルトやナットに対面したときに、フト思いだしたように工具箱の奥の方から持ち出す・・・そんな工具なのかもしれない。肉が薄いのでインパクトとしては絶対使えそうもない。台湾製で、購入価格は1380円(税別)だった。発売元は、㈱三共コーポレーション 電話06-6252-1712。

2016年8 月 1日 (月曜日)

TOP NEWS

旧くてどこか新しいBMWイセッタのどこに惹かれる?

ISETTA  旧いクルマなど、いまの安全基準に照らし合わせると1/5,1/10であるため(あくまでも感覚的な数字!)、とても乗れたものじゃない! と思うが、ふと出会うとグッとココロが持っていかれることがある。まるで初恋の女性に再会した気持ち? 人間なら、長い時間で変貌するが、クルマの場合は、昔のままのヨスガとオーラを感じられる。
  そこでBMWイセッタだ。第二次世界大戦で敗戦国となった西ドイツのBMWが、1955年に庶民の足として発売した超小型車ISETTA250。エンジンは、BMWの4サイクル単気筒145ccOHVエンジン(圧縮比9.0)で、12PSを発生し、最高速度は85km/hだった。
  じつは、このイセッタ、元の卵形のデザインはイタリアの冷蔵庫やスクーターを製造していた「イソ社」が手がけたもの。エンジンは、2ストロークで、BMWイセッタより2年前の1953年トリノショーで発表され、販売された。まるで冷蔵庫の扉のように車体前部がパックリと開く構造は、「二台のスクーターを横に並べ間に冷蔵庫を置いたカタチで作り出した」とまことしやかに伝えられるほど、斬新で愛嬌をかもし出す。3輪車に見えるが、48ミリのリア・トレッドを持つ立派な4輪車。
  大人2人と子供一人が乗れるという変則的なマイクロカーは、本家本元のイソ社製がわずか1000台だったのに比べ、BMWイセッタの方は16万台を世に送り出している。その背景は、発売価格が2580ドイツマルクと、VMビートルの3960ドイツマルクにくらべずいぶん安く手に入ったこと。もうひとつは翌1956年エンジンを300ccにボリュームアップしたこともあった。だから、比較的いろいろなイベントや博物館で見かけることができるし、その気になれば中古車を手に入れることもできるようだ。
  写真はBMWイセッタ250で、全長2285ミリ、全幅1380ミリ、全高1340ミリ、ホイールベース1500ミリ、車両重量360kg。

カーライフ大助かり知恵袋1

スバル360と百瀬晋六の物語 第22回

スバル360林道  スバル360の試作車は、当初5台つくられた。うち3台が耐久試験のために費やされた。実験担当の家弓たちは、8時間3交代、一日あたり600キロは走ることにした。おもなコースは伊勢崎から高崎までの往復40キロのほとんどが砂利道。最終的には1台あたり5万キロにおよぶ過酷な耐久試験には、自分が設計したクルマは自分で確認しないと納得できないという百瀬たちの精神が息づいていた。「たぶん、これほどの過酷な耐久試験は富士重工だけではないか」と走行テストを担当した一人福島は回顧する。
  走行テストが始まるとエンジンの初期トラブルがどんどん発生した。
  クランクシャフトを固定しているボルトが振動で緩みベアリングが焼きつく。発電機の不具合でプラグに火が飛ばない。スターターが破損する。クラッチが摩耗して焼きつく。冷却性能の不足でオーバーヒート。伴走車のP-1に牽引されて伊勢崎に帰ってくる光景は珍しくなかった。
  走行試験4日目のこと、深刻なエンジン・トラブルが起きた。
  排気ポートを塞ぐほどのカーボンが付着したのだ。カーボン付着は混合燃料を使う2ストロークエンジンの宿命ではあったが、これほどひどいカーボン付着は解決しないと前に進めない。調べてみると、出力向上を目指して大きくした排気ポートを2分割にしてあり、その根元のところでカーボンが付着していることが分かった。そこで、カーボンが付着しづらいシリンダー温度を見つけることで解決しようと、冷却システムを見直したが上手くいかない。そこで、2ストロークエンジンに詳しい東大の富塚清教授に策を尋ねたところ、「ポート形状を楕円形にしたらどうか」というアイディアを授けてくれた。だがこれも決定的な解決には結びつかなかった。

カーライフ大助かり知恵袋2

10年後のクルマは鍵がなくなる!?

OTA  KEYS  自動車部品のメガサプライヤー・コンチネンタルを取材したら、今すぐにでもクルマの鍵が不用の世界をつくれることがわかった。鍵の替わりに「完全仮想キー」を使う。「完全仮想キー」とは、文字通り、クルマの鍵,機械的なキーでもなく、現在主流のスマートキーでもない。鍵の概念(コンセプト)を180度ひっくり返した鍵。鍵ではないものを鍵として使う!? 
  スマートフォンだ。じつは、“スマホをクルマの鍵として使用する試み”はすでに欧州ではスタートしている。世界的な市場で成長しつつある「カーシェアリング・サービス」で、このスマホをつかった仮想キーサービスが進んでいるというのだ。コンチネンタル社が、ベルギーの自動車サービスグループであるディートランと共同で「OTA keys(オータ・キーズ)」という企業を設立した。OTAはOVER THE AIR つまり“無線通信”という意味。具体的には、社用車(フリート)、カーシェアリング会社、レンタカーの企業向けに新ビジネスを展開するというものだ。じつは2008年から仮想キーの研究開発をしてきており、ベルギーでも試みが成功すれば日本をふくむアジア市場と北米市場にも、このシステムを展開していくという。
  スマートフォンを使った、仮想キー「OTA keys」の仕組みを見てみよう。
  車両とスマートフォンのあいだでデータの送受信をおこなうのだが、近距離無線通信NFCあるいは省エネ規格のブルートゥースBLE(Bluetooth Low Energy)がつかさどる。そこで、ドライバーはスマートフォンのアプリを立ち上げ、自分の都合に合わせてカーシェアリングを予約すると、OTA keysシステムは偽造防止のため暗号化されたデータレコード(つまりこれが“仮想キー”となる!)をユーザーのスマートフォンに送信する。クルマに対するアクセス権限をふくむ仮想キーは、スマートフォンのSIM(サブスクライバー・アイデンティティ・モジュール・カード)カードに保存される。NFCあるいはブルートゥースで、そのスマートフォンから車載リーダーに認証、車両&診断データ、ユーザープロファイルなどのデータが送信される。車載リーダーは車両のドアなどに組み込むことができるので、エンジンを始動する前に車内の別の受信機がスマートフォン内の仮想キーを認証すると、エンジンを始動でき、いつでも出発することができる。かつてクルマの所有の象徴だったクルマの鍵がなくなり、スマホが、擬似的なキーになる!?

愛車メンテのプラスアルファ情報

ANEXのスリムオフセット6角レンチ

ANEX  増加しつつあるヘキサゴンボルトを脱着する工具として、L型のヘキサゴンレンチは、いまや必需品。
  ところが、L型ヘキサゴンレンチには、形状的にぬぐいがたいウイークポイントがある。文字通りL型に曲げているため、狭いところにあるボルトに対応できない点だ。短軸を思い切って短くした製品もあるが、たとえばサイズ5ミリでいえばせいぜい12ミリ、13ミリどまり。作業によっては、より低頭タイプが求められている。
  新潟の工具メーカーANEX(兼古製作所)はこのあたりの需要を見定めたような製品を登場させている。「スリムオフセット6角レンチ」である。この背品の面白みというか凄みは、板金の柄に6角のビットを取り付けた2ピースタイプ(2つの構成部品!)という点だ。“単能タイプの板レンチ”といえなくはない。板金製の柄は、幅広くできるので、押し付けるチカラが得られるデザインだ。しかも板金を黒ペイントにして、白文字を浮かび上がらせた悪くないデザイン。
  サイズは、2.5ミリ、3、ミリ、4ミリ、5ミリの4種類。近くのホームセンターでの購入価格は、548円(サイズ5ミリ:品番6103)とリーズナブルだった。全長110ミリ、重量27グラム(サイズ5ミリ)。4本のセットで、1700円前後で手に入るようだ。


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