みなさん!知ってますCAR?

2017年10 月15日 (日曜日)

TOP NEWS

日産の完成車検査の偽装問題で思い出すのは?

偽装問題  このところ日本のモノづくりの根幹が、揺らぎ始めている。
  東芝の一連の問題、神戸製鋼所のアルミや銅製品の強度データの書き換え問題。それに日産の完成車検査の偽装問題。いずれも日本を代表する老舗のモノづくり企業の不祥事である。とりわけ神戸製鋼所の金属製品の強度データのインチキ行為は、自動車から航空機などあらゆる産業に影響するため、その余波が今後広がる恐れがある。
  大企業ともなると、経営者が、現場の本当の姿を確認するのは極めて難しいとされる。いきなり現場に足を運ぶのが一番だが、部下のメンツを重んじるためか、たいていはしっかり予告して現場に行くようだ。だから、隅から隅まで掃除をした、普段とは異なる“よそ行きの現場”を見ることになる。心を鬼にしてまでも、いきなり現場を見るべきだ。優秀なトップを目指すなら。
  それにつけて、15年ほど前、こんなことを目撃した。
  張富士夫さん(現在80歳)が、トヨタの社長だったころ、都内で開かれた新車発表会でのあいさつを下から見上げていたら、彼のズボンにポッコリと膝の痕が出ていた。膝の部分に癖がついて丸くなっていたのだ。アララッという感じで眺めていたのだが、「忙しそうだな、この人、愛知から、新幹線に飛び乗り、着替える暇なくそのまま東京に来たんだ。現場から・・・」という想像をしてしまった。
  その数日後、日産のニューモデルのお披露目の会場。あいさつに立ったカルロス・ゴーン(現在63歳)を見ると、一部の隙もない(アルマーニだろうな、たぶん)スーツでビシッと決めていた。への字の眉毛で強い意志を示すゴーンさん。付け入る隙なし・・・・さすがだな……と納得。「でも、この服装だと、現場に行くのは憚られる……」という思いが頭をかすめた。
  現場の人である張さん、カッコマンのカルロスゴーン。どちらも違って、どちらもいい! でも、今回の事件があると…このふたりの光景が強く思い出される。

カーライフ大助かり知恵袋1

自動車部品センター街だった“なにわの自動車部品物語”第25回

ファンベルト  昭和40年に花開いた市場がある。
  業界用語でいうところのアルファベット3文字“TBA”である。タイヤ、バッテリー、アクセサリーの頭文字をとったものだ。この3つの部品・用品が飛ぶように売れたのである。当時はいまでいう大型自動車部品商はおろか、カーショップなどはほとんど存在しなかった。ユーザーにいわゆるTBAをユーザーに販売する窓口はSS(ガソリンスタンド)だった。ここ10数年レンタカーに衣替えしたり、なかにはカラオケ・ショップに変身したりの超低空飛行のガソリンスタンドであるが、幹線道路から離れていない限り、当時はあきれるほど儲かった業種だったようだ。
  このガソリンスタンドに、タイヤ・バッテリー、それにアクセサリーの3商品を置いてもらい、売り上げを伸ばしたのである。「アクセサリーの世界では、現在では想像もつかないもの、たとえばルームミラーにぶら下げる人形が大人気で、いまでいうフィギュアは誰のクルマにも付いていたものです。当時はマイカーというのは動く応接間的存在で、シートカバーも飛ぶように売れました。レース仕様、カラフルな色物など・・・とにかく自分のクルマを飾りたい、差別化したいというユーザーの要望を満たす商品でした」。
  そういえばそのころ土足厳禁とか、高級車でもないのに毛バタキを新車購入時に必ず付けるという、いまから思えば笑いを誘いそうな奇妙な“習慣”もあった。
  (写真はファンベルトの在庫。ファンベルトも当時から、よく売れた部品だ)

カーライフ大助かり知恵袋2

整備工場のパーツマンも顧客に営業をする時代!

パーツマンの競技  ディーラー工場に出かけた経験のある人は、人的構成がセールスマン、整備士、フロントマンの3つで構成されていることが薄々感じているはず。ところが、もう一つパーツマンというのがいる。2万点ともいわれるクルマの部品を検索する専門職である。街の自動車部品商や整備工場からの問い合わせにスピーディに答えるプロフェッショナルだ。
  でも、セールスマンやフロントマンなどとくらべると、一番地味な存在だ。整備士もいまどきは直接顧客と対話しなくてはいけないが、パーツマンはひたすら部品のことを考えればいいだけ! そんな職種だと思い込んでいたところ、「いやいやとんでもない! あなたの認識、間違ってます!」という答えが返ってきた。
  先日、三菱ふそうトラック・バスのサービスマンコンテストを取材したら、そんな声が聞こえたのである。パーツマンの競技で、顧客に新商品の用品を説明しセールスする能力を競うプログラムが展開されていた。具体的には、先だって紹介した後付け可能な衝突安全装置「モービルアイ」を売り込むか? 接遇能力、商品知識が問われた。
  競技を眺めていると、なかなか想定問答集のようにはうまくいかず、子供の学芸会ののどかな雰囲気を醸し出していたが、本人たちは必死である。
  この競技とは別に、一昨年からできたパーツマンの認証資格をめぐる「3分間スピーチ」もあった。3分間は、意外と長い。アタマのなかで練り上げても、うまくゆかないものだ。ふだんの言葉遣いで、ジェスチャーを交えてしゃべるだけでいいのだ! と思うが、「それができればしゃべりの商売に鞍替えするよ!」といわれそう。外野席からは「接客能力が高い人はもともとパーツマンはやらないと思うし、そもそも、こんな場所に出てこないね」
  う~ん・・・・困難を楽しめる気持ちで向き合う人でないと、いまの世間は渡れない! 若い人の苦労を垣間見た思いでした。

愛車メンテのプラスアルファ情報

ベッセルの完成度の高い貫通ドライバー

ベッセルの貫通  ドライバーメーカーの老舗であるベッセルは、家庭向けのときどき疑問を付けたくなる製品を世に出すものの、プロ向けの製品には、他メーカーの追従を許さない製品をリリースして、筆者をうならせる。
  貫通ドライバー「S-930」も、そのひとつ。
  まず、手に持った時の剛性感が高く、ずしりと重い。一番使用頻度の高いプラス2番だが、全長216ミリは、ごくごく標準的だが、重量が160グラムは、重い部類。かつて、内外のプラス2番の貫通タイプのドライバー10数本をそろえ横一列に、比較したことがあるが、その時のデータを横に置いてくらべてみると、このS-930が一番重いのだ。軽いのになると110グラム台で、多くても150グラムどまりだった。これよりも10グラムも重い計算だ。
  S-930のアドバンテージは、先端部に「ジョーズフィット」(サメの歯のように食いつく、意味だろうか)と呼ばれるギザギザが施されていることだ。カムアウトと呼ばれる、相手のネジ山から外れ、ねじをダメにすることを防ぐ狙いである。グリップは6角断面で、作業台から転がり落ちる心配のない形状。しかも2種類の樹脂を使い分けることで、グリップ感を高めている。
  これで価格は、990円(ホームセンターでの購入価格)というから、日本のモノづくりも頑張っている感じである。


▲ページの先頭に戻る

Copyright © 2006-2010 showa-metal .co.,Ltd All Rights Reserved.