みなさん!知ってますCAR?

2018年6 月15日 (金曜日)

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路線バス専門の自動車工場を訪ね深い歴史を知る!

Jバス宇都宮  年齢を重ねると、なんだかヒストリーが気にかかるものだ。
  先日、10年ぶりに伺ったJバスの宇都宮工場は、インバウンド需要を背景にバス需要が膨らみ景気がいいようだ。ところが、この工場、調べてみると、少しばかりややこしいが、かなり気にかかる歴史がある。
  なんと、あの「日本鉄道の父」として知られる井上勝(1843~1910年)に行き当たるのである。
  長州萩生まれの井上は、藩家老周布政之助の計らいで弱冠20歳でイギリス留学(のちの首相となる伊藤博文や井上馨らとともに長州5傑の一人)。ロンドン大学で鉱山技術や鉄道技術を習得、帰国後東海道線をはじめとして日本各地に鉄道網の基礎をつくった。明治29年、汽車そのものを製造するための「汽車製造㈱」を大阪に設立。それまでは、海外から汽車車両などを輸入していたのだが、日本国自前の汽車や貨物をつくったのだ。
  1948年からバス製造していた川崎重工業が、井上勝ゆかりの「汽車製造」を1972年に買収。さらに、1986年いすゞと川重が合弁でバス製造会社をつくり、岐阜・各務原工場から宇都宮工場に移転したのが、1987年ということだという。そして1995年に、いすゞと日野自動車が、経営統合して、Jバスができ、現在に至るという流れ。
  現在、路線バスをつくる宇都宮工場では年間1700台、観光バスなどをつくる北陸の小松工場では2300台ほどのバスを製造している。写真は、宇都宮工場で、6面体となった路線バスの半製品で、これから塗装工程に入るところ。

カーライフ大助かり知恵袋1

あまり語られなかった“浜松スズキ物語”(第12回)

スズキ 工場  愛知県豊川市にスズキ初の自動車工場建設の一つのキッカケは、じつは2年前1959年9月の死者行方不明5000名余りを出した伊勢湾台風であった。
  筆者もこの夏休み明けに起きた、未曾有の台風被害はよく覚えている。クルマで30分の海岸寄りの地域が高波と台風で、根こそぎ被害を受け、当時普及しはじめたTVのブラウン管が無残に泥をかぶっている写真が衝撃的だった。
  この台風でスズキの工場も大打撃を受け、新工場の建設が持ち上がったのである。1961年1月に「建設準備員会」が発足した。
  この委員長に任命されたのが当時30歳の鈴木修(現会長)だった。修は、下呂温泉で有名な岐阜県下呂市に生まれ中央大学法学部卒業後、銀行勤務を経て1958年、28歳のときスズキに入社。2代目社長の鈴木俊三氏の娘婿である。1978年から社長になるが、それまでの売り上げ3000億円台だったのを30年間で3兆円企業に育て上げた男である。
  若き日の修は、悩んだすえ準備員会のメンバーを平均年齢27歳の係長以下9名に決め、急ピッチで生産設備と建設工事を同時並行で進めている。スタートから8か月後の8月工場が完成し、ボディの塗装から組み立てまで一貫連続工程で生産できる当時としては最新設備を誇る工場となった。
  ちなみに1957年、道雄は娘婿である鈴木俊三(2代目社長)に社長職を譲り、相談役に就任する。

カーライフ大助かり知恵袋2

都営バスの整備工場の潜入!(その1)

都営バス整備工場  「都営バス」は、現在129系統、停留所数1546カ所、車両台数が約1500台という陣容。都内はもちろん、遠く多摩地域のほうまで活躍している。文字通り「都民の足」だけでなく、インバウンド需要で、外国人観光客などの足としても注目されている。
  その整備工場に初めて取材した。面白いエピソードを見つけたので数回にわたりリポートしたい。
  都営バスは、いうまでもなく路線バス。リアにデカいディーゼルエンジンを載せたRR(リアエンジン・リアドライブ)だ。年間の走行キロ数はどのくらいか? なんと3万6000㎞だという。マイカーの3~6倍である。
  かなりあちこちにストレスがたまる。人間でいうと、ときどき身体をもみほぐしたり、ときには悪いところを手術したりするのが整備工場だ。その整備工場は、11軒+1軒だ。前の11軒は、都内あちこちに散らばって存在し、日ごろのメンテナス専門工場(認証工場)。後の1軒は、整備の司令塔ともいうべき車検工場である。言い忘れたが、すべて東京都交通局の傘下である。
  前の11軒については、実は数年前から「はとバス」に業務委託し、プラス7軒、つまり合計18軒で日頃のメンテをしている。そのうちの1軒、深川営業所の整備工場に伺った。14名の整備士さん(平均年齢30代前半)がいて、167台の都営バスの保守点検をしている。車歴は平均8年。だいたい14年使用して下取りに出すそうだ。バスは、3か月ごとに定期点検、1年ごとの車検。1日に6台のバスの点検をし、不具合個所を修理するので、忙しそうだ。それでも年間10件前後の路上故障があるそうだ。一番多いのは、EGRバルブの詰まりだそうです。地味な空気が漂う整備工場だった。次回は、同じ敷地内にある指定工場を訪ねます。ここが、すごいバス整備工場なのです! 名称からして「自動車工場」というんですから。

愛車メンテのプラスアルファ情報

夜間の作業で使えそうなLED式ヘッドランプ

ヘッドランプLED  会員制の米国式大型スーパーマーケットCOSTCOに足を運ぶと、面白い商品にぶち当たることがる。
  LEDタイプの乾電池式ヘッドランプを見つけた。ブリスター内の説明書を読むとカナダのトロントにあるGMCという企業の製品で、中国製とある。価格は、単4電池9本付きで、3セット1080円だった。1個当たり、360円のバカ安。
  「安いだけに、期待できないかな?」と思いきや、使ってみると、なかなかよくできている。
  3本の電池が入るのは、LEDランプの背後で、電池の挿入口には、しっかりパッキンが装着され、防水を確保している。LEDの光源(バルブというと変かな)は上から3,4,3の計10個で、ハチの巣のようなハニカム形状になっている。
  スイッチを入れると、真ん中の4つのLEDが点灯し、さらにスイッチを押すと10個全部のLEDが点灯して、一番明るくなる。次にもう一度スイッチを押すと、全体が点滅するモードとなる。つまり、≪弱・強・点滅≫の3つのパターンを演出できるのだ。ライトの角度も上下無段階に変えられ便利だ。
  ソフトな肌触りの上等な30ミリ幅のゴムバンド。頭にかぶっても、圧迫感が少ない。これなら、夜間の整備などに使えそうだ。重量は、1個当たり(電池込みで)98gである。

2018年6 月 1日 (金曜日)

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都バスに導入されたトヨタ製燃料電池バスに乗る!

そら2  「シュルシュルシュル……」
  無理やり文字に表すと燃料電池バスのSORA(そら)の走りは、こんな感じである。
  とにかく、エンジンがないので、別世界の静粛性、それにギアがないので、無段階で速度がグングン増していくフィーリング。都バスの広いヤードのなかのほんのわずか、せいぜい5分程度の試乗だったが、異次元のFCVバスを堪能できた。都バスでは、今回新型SORAを3台導入、旧型と合わせ計5台のFCバスが、東京駅丸の内南口と東京ビッグサイト間約8.5㎞を営業している。途中、有楽町駅、銀座4丁目、築地3丁目、有明テニスの森など「東京のショーケース」を走る。
  「変速ショックもないし、きびきびした運転ができる(心のなかでは運転を楽しめる、と言いかけた気がした!?)。何しろ運転がしやすいというので、うちの乗務員には評判です。もちろん、乗客の方からも、とても静かで気持ちいいと高い評価を受けています」と担当者。
  このバスはJバスの石川県の小松工場でつくられている。中扉が、戸袋を持たない、アウタースライド方式。そのぶん車内が広い。車両重量は、約11.6トン。同サイズの路線バスにくらべ、1トンほど重いだけ。定員は79名。内訳は座席数22、立ち席56名、乗務員1名。世界初の乗用FCVのMIRAI(ミライ)のコンポーネントをフルに流用して、コストダウンを図っている。70MPa高圧水素タンクしかり、コンバーターやインバーター、モーター、燃料電池など主要部品は、みなMIRAIと共有して、量産効果を高めている。メンテナンスは、エンジンがないので、ベルトの張り調整もないし、プラグがないので定期点検もない。リアのハッチはエンジンルームではなく、「モータールーム」と呼ばれている。なにしろ、トヨタはこの近未来FCバスSORAを2020年までに、100台東京を中心に走らせ、「街の動くアイコン」にしたいという狙いなのである。
  このFCバスの盲点は何かと、斜に眺めると、やはり値段が1億円と高すぎる。水素の価格も大きなネック。現在1㎏1100円。このFCバスは一充電で約200㎞走行するが、燃費は1㎏の水素当たり約11㎞。つまりディーゼルなら路線バスの場合、軽油1リッター(約90円)で約2㎞走るので、1100円で11㎞は、軽油を燃料にする従来バスより燃料代が約2倍という計算。個人的なお財布事情に照らすと、これはたまらない! 
  なんだか、環境にやさしいFCバスは、東京都(都民)のお財布には、決してやさしくはないようである。

カーライフ大助かり知恵袋1

あまり語られなかった“浜松スズキ物語”(第11回)

スズライトTL  試作車は、途中マフラーに堆積物がつまりパワー不足に陥るも、いまでは保安基準上ありえないが、マフラーを取り外すことでなんとか東京にたどり着いた。そこで梁瀬自動車(現・ヤナセ)の柳瀬次郎社長に試乗してもらい太鼓判を押された。
  これで自信を持った経営陣は、量産の決意を固め、1955年10月、「スズライトSS」という名でデビューした。実は、このクルマ、日本初の軽4輪乗用車なのである。スズライトの頭2文字「スズ」は、スズキの略であり、「ライト」は軽いという意味のほかに、「光明」という意味をにじませたという。
  エンジンは2サイクル2気筒、359㏄15.1PSで価格は42万円だった。
  余談だが、三重県にある筆者の自宅近くの整体師のご主人が、このクルマを購入し、乗っていたのだが、いつしか駐車場に長く留め置かれた状態になっていたのを思い出す。後知恵から想像すると、ドライブシャフトか何かの不具合が起きて、動かなくなった可能性が高い。当時まだドライブシャフトのキモである等速ジョイントの技術が、未完成だったからだ。
  こうした課題を克服して、その後21PSのスズライトTL(写真),フロンテ、キャリイの成功に結びつく。
  「人も金もないときこそやって価値がある」そんな鈴木道雄初代社長の言葉ではじめた4輪車の開発がようやく実を結んだのである。1961年には、愛知県の豊川市にスズキ初の本格的な自動車量産工場を建設している。

カーライフ大助かり知恵袋2

帝人が開発した「多機能天井トリム」!

多機能天井トリム  カーボンファイバーなどの繊維分野、医療分野など幅広い事業で活躍している帝人(TEIJIN)が、注目を引く製品を横浜で行われた先の「自動車技術展」でお披露目していた。
  「多機能天井トリム」というのがそれ。事の始まりは、「夏場、エアコンの吹き出し口から露骨な冷風は嫌だ!」という助手席の女性たちからの苦情。クルマの空調の♯me too!?
  そこで、開発陣が発想したのは、「天井から冷風を出せないか?!」 フロントピラーから冷風を天井に導入し、さわやかな冷風を天井から吹き出す……。これがトントン拍子にうまくいったというのだ。
  鍵となったのが、「縦繊維の不織布」。不織布は通常横繊維構造だが、帝人が縦配向のモノを開発していたからだ。天井に冷風層を設け、その縦繊維の不織布を介して車内に冷風を流すというものだ。この縦繊維配列の不織布は、光をも通すので、ルーフパネルの下部(ルーフトリム)にLEDを組み込んで、目にやさしい光を車内に届けられる。風の吹き出しだけでなく、光の演出もできちゃうということだ。
  この斬新な機構、参考出品ながら、空調メーカーとジョイントすれば、すぐにでも量産車に取り込めるという。昔から「頭寒足熱」が健康にいいとされているだけに、実に理にかなった新次元のエアコンディショナーである。クルマの快適性が一段と高まるに違いない。
  ちなみに、縦構造の不織布は、もともと新幹線のシートの座面に使われていて、蒸れ防止を狙ったものだという。聞いてみると、相変わらず技術は実に面白い世界です。

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中国製だが、頼りになりそうなラジオペンチ

ラジオペンチ1

ラジオペンチ2

  「挟む」ための工具のラジオペンチは、昔からの個人的思いとしては、“どれもこれも掴むとなんだか、頼りない感じ! 上あごと下あごの剛性がいまひとつ足りないものばかりだ”という印象が強い。もっともこれはお手軽に買える安いラジオペンチだからということは、頭の隅で理解はしている。ドイツのクニペックスとかアメリカのスナップオンなら、満足いくのだろうが、ブランド品は高すぎる! 国産のブランド品も、いま一つのクオリティで、正直似たり寄ったりだ。
  先日、とあるホームセンターを歩いていたら、「これはいいかも!」というラジオペンチが目に入った。「ゴルフグリップ・万能ラジオペンチ」。中国製の、はっきり言って無印製品。購入価格は1280円。
  切断能力は鉄線2.0㎜、銅線2.6㎜、呼び長さ150㎜というのはスペック。
  さっそく手に持つと、実にいい感じなのだ。ゴルフクラブのグリップ部を思わせるグリップのフィールで、油のついた手でも滑らない感じだ。通常ピボット部にブランド名がレーザー文字で刻まれているのだが、文字通り無印。“気持ち悪い!”と思うかもしれないが、使うと俄然いい。先端部がねじれないのだ。
  製品名に「万能」と謳う理由は、ハーネスの被覆を剥く受け部とターミナル部を圧着できる受けを設けているからだ。ブリスター部に材質が明記。金属部:炭素鋼S-60C、グリップ:ゴム+綿糸、とある。発売元は、㈱カインズ ℡0120-87-7111 である。


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