「オートノマス(自律運転)」「カーシェリング」「コネクティド」。
このところ、自動車の未来を取り巻くカタカナ文字が、マスコミの世界にあふれている感じ。このなかで一番わかりづらいのは、「コネクティド」なる言葉。
日本語でいうと「繋がる(クルマ)」。クルマが何につながるかというと、他のクルマであり、道路であり、インターネットである。
なかでも、インターネットは、スマートフォンがこれだけ普及したことを思えば、「なぜ、今ごろクルマに?」と思う向きもある。もっと早くに、たとえばカーナビにインターネットがつながれば、お巡りさんにびくびくして、いちいちポケットのスマホを見ないでも、好みのレストランや観光地により安全に、快適にクルマを走らせられるのに!
これはどうも自動車メーカーのエンジニアが、暢気に構えていたというより、「もしバグ(不具合)が生じたら?」とか「ウイルスに侵され、乗っ取られ、いきなりクルマが暴走したら?」という心配があったからだと思われる。でも、すでに一部のクルマにはカーナビをグルーグルマップに切り換えたり、その自動車メーカー独自のネットを検索できる、装置を搭載したクルマも販売されている。
今後は、さらに車車間データやクルマと道路の通信、クラウドコンピューターにつなげて、ビッグデータをもとに自立運転化やカーシェアリングを支える技術にと、果てしなく、クルマとその周辺は進化していく。“もはや自動車は自動車メーカーだけが作るものではない!”そんなフレーズが、真実味を増している。
1960年代、ホンダF1の監督だった中村良夫さん(1918~1994年)に「クルマよ 何処に行き給うや」というタイトルの本があるが、まさにその言葉が重くのしかかってくる。(写真は、コンチネンタル社のコネクティドの構想だ)
スズキのEPICというのはエグゾースト・ポート・イグニッション・クリーナーの略である。排気孔点火浄化装置。当時のスズキのエンジンは2ストロークエンジンが主力ということで、2ストローク専用の排ガス装置として当時はかなり注目されたものだ。
2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンのように排気バルブを持たずに排気孔(エキゾーストポート)という穴を設けている。そうしたエンジンの構造上、4ストロークに比べ、NOⅹこそ少なく、COはほぼ同等だが、HCの排出がやたらに多くなる傾向にあるエンジンだった。早い話生ガスのマフラーから出るのである。
そこで、この排気から出る生ガス(HC)を燃やすためにエアポンプをつけ、さらに排気付近に2本目のスパークプラグを取り付けて燃やすというものだ。簡単に言えば、後燃焼、つまりアフターバーン方式で、燃費の悪化は避けられず、チューニングも難しいという側面があった。辛辣な言いかたをすれば、「苦しまぎれの排ガス浄化システム」であった。
「子供のころにこんなイベントがあったらな~っ!」
思わず、そんな思いが込み上げてきた。先日、パシフィコ横浜でおこなわれた小学生のための「キッズエンジニア」。その続きである。
スズキのブースでは、小学生がホンモノのスクーター「チョイノリ」のエンジンに向かって、工具を手にオーバーホールの挑戦! 2003年デビューだから少し古いけど、偽物でも樹脂製でもない本物の空冷式4サイクル単気筒エンジンだ。手作りの木枠の上に置かれたエンジンは、本物だけが醸し出す威厳がある! M8とM10(単位は㎜)の2つのT型レンチを片手に、ひとつずつエンジンを構成している部品を取り外していくのだ。
もちろん、バラして終わりではない。組み上げて終わりなので、バラすとき、「どんなふうに組み付けられていたか?」を常に頭に描きながら、バラしていく。もちろん、この作業はインストラクターの説明と懇切丁寧なB5版の全28ページのマニュアル(総ルビ付き!:写真)があるのだ。
このマニュアルは、「エンジンの基本」から始まり、「エンジンの分解」「エンジンの組み立て」と続き、「キッズエンジニア認定試験」で終わる。そのなかで一番しびれるのが、「エンジニアの心得」。「工具は大切に扱うべし」から始まり、「けがに気をつけるべし」「部品をなくさないようにするべし」「わからなくなったときは、すぐに何でも聞くべし」などと続く。でも、「心得」など、たぶんどの子も心に留めていない。目の前にあるホンマ物のエンジンをとにかくばらしたい! その気持ちが強いからだ。工具を失くした、擦り傷をしてしまった……そんな失敗を通して「心得」を読み返し、「なるほど、そうかな」と思うものだ。こう考えると、工具でエンジンをバラすのは、人生のすべてが詰まっている、そんな感じもしてくる。
ホームセンターの工具売り場に立つと、アイテムの半分以上が台湾製の工具が席巻している気配だ。
少し前まで「安くて、なかなか使える台湾ツール」という位置付けだったのが、「えっ、この手があったのか? おぬしなかなかの使い手じゃのう!」小さな声で、思わず感嘆の声を上げたくなる工具も珍しくなくなった。
今回取り上げる「メカレンチMWF-12」もそうだ。(12というのは12ミリというサイズを示す)
いっけんラチェット機構を組み込んだフレキシブルメガネ部とスパナのコンビレンチの発展型ツールと思うが、≪いやいやそんな単純なものでない!≫のだ。メガネ側のラチェット部は、なんと100ギアの細かいギアを内蔵させ、スパナ部には、相手の6角部をしっかりとらえる滑り止めのギザギザを設けているのである。一言でいうと「意欲作の板ラチェットレンチ」。しかも、表面は細やかな梨地仕上げで、柄には電印印刷と呼ばれる新しい表示方法を採用していて、サイズ表示も見やすい。
ギア数100のメガネ部は使ってみると、実にスムーズで心地いい。右回転と左回転は、工具自体をひっくり返すことでおこなう。ここの厚みが9㎜あるが、まぁこんなものだろう。それよりもスパナ部のギザギザは、秀逸だ。滑りやすい! という前提があるので、スパナでボルトを締め込む人は少ないが、ラチェットレンチなどが使えないタイトなところで、早回しする際にはスパナが重宝する。ノンスリップ機構を持つスパナでこれをやると、確かなフィールを得ながら作業ができる。ぜひ、この感覚を味わってほしいと思う。
発売元は三木市の「イチネンミツトモ」(℡0794-84-1630)。購入価格は、2,290円とややお高い。
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このほど新著『ツウになる! バスの教本』(秀和システム 税抜き価格2,000円)を上梓いたしました。
路線バス、観光バス、高速バス、マイクロバスなどバスとその周辺を余すところなく、5か月にわたり取材しまくり、書き上げました! これを5名にプレゼントします! 「こしがやFM」の月曜17時からの番組『タミーの自動車のここが知りたい!』、そしてこのブログ『知ってますCAR?』の感想またはご意見をひとこと(ふたこと三言でもOK!)書き添えてお応募してください。
応募先は、昭和メタルのHP内にある「お問い合わせ」からお名前、生年月日、メールアドレス、それにお問い合わせ内容に、「バスの本を希望」それに「タミーの放送とこのブログの感想を一言」を添えて、お送りください。
締め切りは、10月末日。当選は発送をもって替えさせていただきます。
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