旧いクルマ、それも歴史的に意味があり、いまでも金銭的価値のあるクルマ、そんなクラシックカーがパレードする明治神宮絵画館での「クラシックカー・フェスティバル」は、なんとなく気になるイベントだ。面白いのは、そうしたオーナーさんに立ち話ながら、直接話が聞ける点だ。
インタビューという作業は、相手が口を開いてもらわないと成り立たない。クラシックカーのオーナーは、例外的に話が聞きやすい。イチを聞くと拾(じゅう)を語りだす感じ。たぶん、自分のクルマを自慢したくて仕方がない、あるいはそのクルマの所有するエピソードを人に聞いてもらいたい。そんな気分が頭の中に充満しているからだと思う。だから、ふだんよりもかなり饒舌になり、こちらもつられて、とても気分が高揚する。
今回、静岡から〈自走で走ってきた〉というロータス・イレブンMKⅡのオーナーさんもそんな感じだった。クルマを取り巻く10人以上がじっとクルマを見つめ、口々に質問を浴びせる……。
1956年製というから、すでに還暦を越えている。アルミフレームに鋼管フレーム。コンベントリー・クライマックス水冷4気筒排気量1098㏄。車重は412㎏と軽自動車の半分ほど。200㎞/hを超え、ルマン24時間などで大活躍したレーシングカー。古いクルマは排ガス装置もエアコンなどの快適装置など付かないから、ひどくシンプル。「メンテナンスはとても楽です」というオーナーさんの言葉を待つまでもなく、納得。ふだんはフランス車に乗っているというオーナーさん、たまに奥様とこのクルマで静岡の郊外を走るそうだ。なるほどね……。
スズキの会長である鈴木修氏によると、インドでの自動車ビジネスが始まったのは偶然の産物だった。
当時インドには、国民車構想というのがあり、インド政府直々に世界で自動車づくりのパートナーを求めていた。
スズキがこれに前向きな返事を送ったことから、インドから調査団がやってきた。ひいては日本の自動車メーカーを見学に来たのである。1982年3月のことだ。
ところが、ちょうどそのころ修氏はビッグスリーの一角であるGMとの交渉で北米に向かわなくてはいけなかった。とりあえず表敬訪問ということで、逗留する都内のホテルに向かい30分のつもりで調査団に合うことにした。この会談は、想定以上に話が弾み3時間の懇談となったという。北米から帰国後、修はインドの調査団は既に帰国したと思っていたら、修を待っているという。
当時の日本の自動車メーカーのトップは、北米自動車摩擦の対応に追われ、インドへの目線を欠いていたようだ。ひとり修だけが、結果として、インドへの何か熱いものを感じたのかもしれない。ビジネスとは単に銭儲けではないということだ。
●写真はインドでも生産された2代目カルタス1989年式。
2年半カーポートに放置していたコンパクトカーのファンカーゴ平成13年式(排気量1300㏄、走行18万7000キロ)を事情があり、復活させることになった。抹消状態の中古車、車検を改めて取り公道を走らせるというわけだ。俗にいう≪中古新規の手続き≫を取ろうというのだ。
バッテリーを交換し、いざエンジン始動。
ところが一向にエンジンはかからない。2年以上もたてば、当然ガソリンが腐っている、ということもある。とりあえず、燃料ポンプはスターターを回すとカチカチカチッと問題はなさそう。
そこで、エアクリーナーとエンジンのあいだ、今回はブローバイのホースを外し、ここに、新鮮なガソリンをスポイドを使いポタポタと注入した。ググググググッと苦しそうだったエンジンが、そのうちググググッとばかりクランクシャフトが回り、ブルブルブルッとようやく始動した。
でも、調子がいまいち。この状態で、友人の1級整備士は「多分プラグがダメかも?」とアドバイス。でも‥‥イリジウムプラグで、ノーマルの3倍の1500円もしたんだから・・・・「いや、イリジウムプラグが、確かに順調な時にはいいのですが、何か不具合が起きると途端にだめになるタイプなんです」えっ!疑いを抱きながら、予備のノーマルプラグに4本とも交換した。するとどうだろう? エンジンはこれまで以上に吹き上がりがよくなり、完調に近い感じになったのだ。「技術的な理由は知らないのですが、経験的に、イリジウムプラグは逆境に弱いんですよね」1級整備士は苦笑いを浮かべて眺めていた。
“軸のところにスライド式のコンパクトなマグネットを取り付け、ネジを迂闊に落下させない!” そんなドライバーをホームセンターで見つけてきた。
いかにも大阪人が思いつきそうな「こざかしい」感じのするドライバーであるが、使ってみると、案外便利。締めたり、緩めようとした小ねじが、ついうっかりドライバーの先端から外れ落下して慌てふためいたことが二度や三度ではないからだ。とくにエンジンルームなど手が入りづらいところに落下した場合は、難儀する。
このマグネット、説明書には重量が5.5gと「超軽量」で、3500ガウスを誇る強力マグネットだという。ガウスとはもともとがドイツの数学者ガウスから来たようで、1ガウスは、1平方センチの面積を通る磁束密度のことだそうで、3500ガウスがどのくらいかは、実感できないものの、使ってみると、剥がれづらいほど強くはなく、いい感じである。
このマグネット部は、取り外しができるので、丸軸であれば、手持ちのドライバーに付け替えが利く。購入したのは2番のプラスだが、全長180ミリで、重量93gとやや短めで軽い。価格は918円だった。製品名「パーフェクトⅡ 3300」。発売元は、サンフラッグのブランド名でおなじみの大阪にある老舗工具メーカー㈱新亀製作所(http://sunflag.co.jp/)である。