みなさん!知ってますCAR?

2021年2 月 1日 (月曜日)

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新型ホンダN-ONEのRS・5MTの試乗で知る! イマドキKカーの素顔

ホンダN-ONE  ずいぶん前から、軽自動車が乗用車市場の約半数を占めるにいたった。
  ということは、Kカーを無視してジャパニーズカーを語れなくなった。そこで、8年ぶりにフルモデルチェンジしたホンダのN-ONE(エヌワン)に注目してみた。
  このクルマ、よく知られるようにそもそもF1を担当していた浅木泰昭氏らが中心で、作り上げた経緯のあるKカー。コスト無視のレースのエンジニアが、コスト最優先のカタマリのような商品「軽自動車」に向き合うとは? まさに我ながら、岡目八目の無責任ただよう好奇心120%で、かつて彼らに迫った覚えがある。
  そのとき印象的だったのは、プレミアムなヘッドライトの採用の背景だ。外装部品で一番壊れやすいヘッドライトをわざわざ、超高級仕様にしたことへの疑問。万が一のクラッシュでユーザーに不本意な修理代を突き付けていいのか? 下駄代わりの軽自動車に不釣り合いではないか? 
  ところが、これは当方の勇み足というか、余計なお世話だった。プレミアムなヘッドライト(ばかりではないが)のおかげもあり、ダイハツとスズキの牙城をいっきに崩すだけのパワーをNシリーズが発揮したのだ。N-BOXだけで、年間20万台以上というからすごい。お金があれば、何でもできる。勝てば官軍だ。
  で、今回発売したばかりのN-ONEに試乗してみた。
  それも超プレミアムで走り優先モデルRSの6速MTだ。黄色と黒のツートンカラー仕様。
  車内に入って、びっくりだ。文字通りインテリアの質感がヘタなコンパクトカーがぶっ飛ぶほど上々なのだ。走り出すと、ややノイジーだが、それでもかつての軽自動車から比べたら高級車でござい! の貫禄。適度に路面の凹凸を伝える感じも悪くない。6速MTはとてもスムーズで、「開発者が欲しいクルマづくりだな、これ。そうしたユーザーが少なくないクルマなんだな、これって」という印象で、どこまでも“ホンダ万歳!”なのだ。前モデルとカタチがほとんど同じで、なんだか新鮮味がないと思われがちだが、カタチは保守路線、中身は、たとえば安全装置がてんこ盛りで、質感向上、燃費そこそこ。・・・・こうなると、どこか死角はないか! とついつい考える悪い癖が頭のなかに持ち上がる。
  降りるとき痛いほど気づきました。ドアの開閉時の安っぽさ。開閉音、開閉時に手に伝わるドアの重みなど、いかんともしがたい宿痾が顔をのぞかせた。そして、無理難題をいえば、かつてのホンダ車が得意としたびっくり箱的クルマづくりが影を潜めている。これって、足踏みしている世相を反映している?! 車両価格は、なんと206万円だそうだ(ベースは159万円台から)。ドメスティック商品の軽自動車は、令和の時代にはいり、さらにジャパニーズ4畳半の唯我独尊の世界を構築している!?

カーライフ大助かり知恵袋1

遅れてきたお雇い外国人 ウイリアム・ゴーハム伝(第3回)

鮎川義介  振り返ってみれば、幕末から明治初期にかけての「お雇い外国人」の活躍は、自動車が地球上に登場する以前の19世紀の出来事である。
  「自動車の世紀」ともいわれた20世紀にはいると、「お雇い外国人」はすでに遠い昔の物語となっていた。
  ところが、日本の自動車産業の黎明期。いまや長い時間の経過でカスミがかかり見えづらくなっている。でも、よくよく調べてみると、まぎれもなく「お雇い外国人」がいるのである。初期の「お雇い外国人」から見ると「遅れてきたお雇い外国人」? 「20世紀のお雇い外国人」。その人こそが、この物語の主役ウイリアム・ゴーハムである。
  ゴーハムは、日産の前身・戸畑鋳物時代に鮎川義介と出会い、日産の生産技術と品質管理など自動車メーカーとしての土台作りの司令塔になった。のちの日産の飛躍に大いに貢献するのだが、13歳で父に連れられて日本にやってきたころ(1901年)のゴーハムは、自分の運命を大きく揺さぶる未来の出来事など予想できなかった。このときはわずか3か月ほどの滞在だったが、日本の自然、神社仏閣、そして日本人の礼節に接して、すっかり日本びいきになったようだ。

カーライフ大助かり知恵袋2

折口透『自動車の世紀』(岩波書店)に見る激動の自動車史

+自動車の世紀  筆者の折口透、本名伊藤哲さんは、1925年仙台に生まれ。東大理学部中退後、たぶんいろいろないきさつがあったんでしょうね、新橋にある雑誌「モーターマガジン」の編集長をへて、翻訳者として活躍されてきた人物だ。調べてみると早川書房や創元社から数多くの翻訳本を世に送り出している。
  残念ならが、面識こそないが、彼の書いた『自動車はじめて物語』(立風書房:1989年)は、参考文献の一つとして常に机上にすぐ取り出せるようにスタンバイしている本の一冊である。重要参考文献の一つだ。
  今回取り上げる『自動車の世紀』は、それまで雑誌や単行本に記してきた様々な記事を編集し、さらに書下ろし記事を加えたものだ。20世紀が終焉する3年前に発行されたもの。つまり岩波の編集部からの依頼でつくり上げたものだ。奥付を見ると1997年9月初版。
  発売するやすぐ手に入れ、期待をこめて通読した。そのときは、ふだんクルマとは縁がない岩波がどのように日用品化とかしているクルマを分析し、切り口の違いを見せるのか、そこに関心があった。だが、そうした期待は肩透かしを食らった。だから「自動車はじめて物語」のように、何度も読み返しはしておらず、本箱の隅に追いやっていた。
  岩波のクルマ本といえば1974年に出た数理経済学者・宇沢弘文氏の「自動車の社会的費用」だ。高度成長経済下で肥大化する自動車文明への衝撃的な警告書だった。この衝撃を持って受け止められた宇沢本が念頭にあったので、過大な期待をかけたのかもしれない。そこには岩波流のマジックはなかった。
  でも今回、あらためて『自動車の世紀』を冷静に読み直してみて、少し考えが変わった。
  この本のいいところは、20世紀の近代を形づくった自動車の歴史を数々のエピソードで語っていく。とくにクルマに関心がなくても、とっつきやすい。
  ただ、多くのエピソードとカタカナ文字が多すぎて、日ごろ自動車のことを書いている私ですら置いてきぼりを食らいそう。だから、緊張を強いられる。逆に言えば、わずか240ページほどの新書の一文一文のなかには、さらに分け入りたい好奇心を高ぶらせるテーマや挿話が散りばめられている。紙数のわりに内容の豊富さ。料理でいうとプレート料理に多くの食材を盛りつけすぎなのだ。その意味では、この本は、あくまでもそうした自動車の歴史をさらに知りたい人の手引書。皮肉をこめれば、予告編に過ぎない。
  ……それにしてもだ。エンジンを動力にしたクルマが、いま終焉を迎えつつある時代。エンジン付きの移動手段はすでに“お払い箱”になりつつある。「人間を時間と距離の制約から解放させてくれる自動車はフランス革命の延長上にあった」(26ページ)
  これって自動車への大いなる賛歌だ。19世紀からこれまで野心的な発明家が手掛けた自動車の数は3000車種とも4000車種、それ以上。自動車を作り出し、自動車を使い生活を愉快にした人々の数は累計どのくらいだろう? こうした人々の愛が、いっきに失われていくのだろうか? そう考えると、この本は、皮肉にも20世紀のもう一つの墓碑銘なのかもしれない。

愛車メンテのプラスアルファ情報

フジ矢の万能電工ペンチを使ってみた!

万能電工ペンチ1

万能電工ペンチ2

万能電工ペンチ3

  いろいろな分野で高いパフォーマンスを演じる人のことを世間は、こう呼ぶ。万能選手、マルチタレント、オールラウンドプレーヤーなどと。
  道具の世界でもよく探すと、マルチツールが登場している。
  でも、たいていは“八方美人”的である。いずれの分野も中途半端か、機能同士が足の引っ張り合いをして結局は“単能工具”に軍配が上がる場面が多い。だから、マルチ工具は、ポピュラーになれず、いつしか忘れられる運命が多い。
  ところが、今回取り上げる「電工ペンチ」だけは、しぶとく生き延びている。昭和40年代にはすでに出回っていたのではないだろうか? となると半世紀以上にわたり「万能電工ペンチ」は第1線(でもないが)で工具箱に収まり、ときどき大活躍を見せる。
  正直、バイクやクルマの整備で、万能ペンチの活躍する場面は少なくはなった。でも、先日自転車に付けた後付けのデジタル速度計&積算計のコードの不具合を修復するとき重宝したし、バイクのリアランプの取り外しを容易にするためギボシを取り付けるさいにも活躍してくれた。使用頻度は低いとはいえ、これ一つ持っていると、なにかと便利だ。
  今回ホームセンターで見つけてきたのは、ペンチやプライヤーで有名な東大阪のフジ矢ペンチブランドの「万能電工ペンチ」(購入か価格2178円。アマゾン価格は1627円と知るがっくり!)。台紙にMADE IN TAIWANとあるが、“クオリティ・ファースト”を謳うフジ矢だけに、期待をもって購入した。
  まず身体検査だ。手持ちの万能ペンチ(エーモン製)に比べ、重量で3割重い304グラム。これは全長が20m㎜長い240㎜もある。エルゴノミックなデカいグリップがそのぶん長く大きくなっている。
  刃部を研磨しているという触れ込みだが、ワイヤーストリッパーの切れ味というか、被覆をもぎ取る機能は、さほどの差はないと見た(強引にもぎ取る感じだ!)。ターミナルの圧着作業も、「こんなものかな!?」という程度(写真)。
  M5の小ねじまでなら切断できる機能は、心強い感じだ。ためしにM3ボルトを切断してみた。両手で比較的軽々切断できた。そのうえのM4ボルトも、何とかグリップに力を込めて切断完了。でも、切断面を見ると、ネジ部や傷んでいるので、ダイスで修正して新たにねじ込んだ方がベターな感じ。(ちなみにエーモン製はM4も切断能力が怪しい)
  で、気を取り直し最後M5ボルトの切断に挑戦した(写真)。う~ん、死ぬほど両手で力を込めてもダメ、そこで床に置き、全体重をかけでもとてもじゃないが食い込みすらしない。大ハンマーで上からぶっ叩けばどうかな? となるとせっかくの樹脂グリップがだめになる! 結論をいえばM5ボルトの切断は、不可ということのようだ。となるとこの工具、点数をつけるとすれば75点ぎりぎりで合格かな?


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