みなさん!知ってますCAR?

2021年3 月15日 (月曜日)

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自動運転レベル2とレベル3の違いとは?

レヴォーグ  「自動車というのは、つまり自動で動くクルマって書くだろ、だから自動車はもともと自動という機能を備えている。それをなんだい? 自動運転にレベル1からレベル5まであるつうのが矛盾じゃないの?」
  つい無邪気な突っ込みをいれたくなるが、ここはひとつワキマエテ・・・・「とりあえず段階的自動運転を進化させようではないか? だから便宜上レベル1からレベル5まで設けています」という立場を尊重する。
  先日デビューしたホンダのレジェンドだ。価格が1000万円オーバーで、“100台限定”といういわくつきの高級車。
  “量産車世界初! レベル3の自動運転機能”を備えた量産車という触れ込みだ。
  具体的にどこまでの自動運転かというと、高速道路や自動車専用道路で渋滞時の時速50キロ以下という条件で、手放し運転がOKということだそうだ。ハンドルから手を離し、横を向いて、ボケっと流れる景色を楽しんでもよし、スマホの画面をみいっても大丈夫。違反にはならない! という。2つのカメラと5つのレーダーだけでなくレーザー光で障害物形状を正確にとらえるライダーというセンサーを装備。もちろん高精度の3D地図と準天長衛星「みちびき」などがバックアップして、レベル3の自動運転を実現しているのだという。
  しつこいようだが、これで車両価格1000万円プラス!
  一方、スバルのレヴォーグ(写真)は、レベル2で価格がその半値以下だ。値段だけとらえるとバーゲンセール(スバルによいしょするわけじゃないけど)。装置としては、レーダーがひとつ少なく2個、ライダーセンサーも付かない。でも3D地図と「みちびき」を活用しているのは同じ。
  しかも≪高速道路あるいは専用道路上で時速50キロ以下での手放し運転OK≫というのも変わりないのだ。なら、同じじゃない? でも、よくよく調べると、「ドライバーの監視のもと!」という断りがある。つまり、ハンドフリーでもドライバーは常に前方を見ていないと、おまわりさんに捕まる可能性がある! ということらしいのだ(もちろん現行犯だけど)。だから、ノー天気にスマホを見ていちゃまずいということ! これってとても分かりづらい差異だ。
  いまどきのクルマに乗るときは、こういう微妙な性能の違い(というか決まり事)を逐一把握していないとまずいということだ。余計なお世話かもしれないが、たとえばレンタカーを借りるときどうするんだろう?
  となると‥‥『便利は不便』という皮肉な言い回しが、がぜん真実味を帯びてくる!
  ちなみに、うんと安いほう(といってもなんだかだで450万円はするが)のレヴォーグを試乗してみた。近くのスバル店で10分間ほどの試乗。
  運転免許証を見せながら、セールスマンにハンズフリー運転を試させてくれませんか? と伝えたら、「高速道路での試乗になり高速代をお支払いいただき……むにゃむにゃむにゃ」と言葉を濁す。ハンドフリーでの運転試乗はしてもらいたくない、そんなオーラを出しはじめた。一番のセールスポイントを顧客に体験させないの? ムムム、たしかに立場を変えれば、そうなるのかな。ほぼ買ってくれる人でない限り、スバルファンをひとり失くしたとしても、不特定多数の客にサービスする必要はないんだろうね。
  しかたなく10数分の一般道路の試乗で我慢した。その結果、ドライバーズカーとして、とてもいいクルマだということは理解できたが、肝心の機能が確認できないもどかしさは、やがて喉に引っ掛かった小骨のようになった。

カーライフ大助かり知恵袋1

遅れてきたお雇い外国人 ウイリアム・ゴーハム伝(第6回)

櫛引弓人  アメリカにおける航空エンジンの流れはほぼ定まったのである。ゴーハムの航空機エンジンへのアメリカでの夢は、ここで絶たれてしまった。
  彼にとって生まれて初めての大きな挫折だったにちがいない。
  この時すでにゴーハムは、幼馴染のヘーゼル・ホックと結婚し、経済的にも何自由ない生活を送っていた。小型エンジンを生産する数百名の従業員を抱える経営者だった。だが、エネルギー溢れるゴーハムには、そうした現状に満足していなかった。平穏無事な日常よりも、新しい目標に向かって自分なりの挑戦をしたかった。新しい地平を開きたかった。
  そんなとき出くわしたのが、櫛引弓人(くしびき・ゆみと1859~1924年)という日本人だ。櫛引という姓は珍しい。調べてみると、太平洋側にある陸奥国の三戸郡櫛引村がルーツのようだ。
  櫛引弓人は、青森五戸の名家生まれ。「もともと武家の家柄で、父清吉の祖先は「五戸の乱」で南部信道と戦い、敗れた五戸政美の副将・櫛引河内の守清長の弟、八郎平政信だという。母は立五一銀行を創設した野村家の出で、共に地元の名望家」(橋爪信也著「人生は博覧会・日本ライカイ屋列伝」)
  幼少期はとにかくほら吹きという評判で、成人となり、興行師となった。興行師とは、いまでいうところのイベント業者である。別名「博覧会キング」と呼ばれた。いわば人々の好奇心をかき集め、いっきに燃え上がらせるビッグビジネス。儲かるときは莫大な富を得、逆に一つ失敗すれば逆に窮地に陥るゆえに、かなり怪しげなにおいのする生業だ。でも、好意的に言えば「国際的イベントプロジューサー」である。
  裕福な家庭に育った櫛引は、若いころ慶應義塾の福沢諭吉の門下生となるが、放蕩で身を持ち崩し、相場の世界に足を踏み入れる。親から受け継いだ財産をみな注ぎ込み大失敗。
  そんな日本人と、どちらかというと実直な性格のゴーハムさんは出会い、化学変化を起こしたのである!?

カーライフ大助かり知恵袋2

橋本愛喜『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)

+トラックドライバーにも言わせて  仕事がら本を読むのはさほど苦にならないたちだ。でも、こんなに息苦しい気分で、ページをめくるのにおっくうになりながら活字を追いかけるのは、めったにない。何度も、読むのをやめて途中でほっぽり投げ、他の本に手を伸ばしかけた。
  でも、ふと考えて「なぜこんな気分になるのか?」その正体を探るうえでも、最後まで読まなくちゃ! ときに自分を鼓舞することも読書には必要なのか!?
  あとがきを入れて220ページほどの新書なのだが、とにもかくにも読了するのに延べ3日もかかってしまった。
  読了まで前向きに、明るい気分で読み進めなかった理由は、トラック業界、物流社会のことをある程度知っていたことがあるかもしれない。これまでトラックに関する単行本を何冊か書いてきた。中高校生向けの職業ガイド『物流で働く』(ぺりかん社)では働く現場をこの目で見てきたつもりだし、数人のトラックドライバーにもインタビューさせてもらった。『ツウになる! トラックの教本』(秀和システム)では、トラックドライバーの直撃取材はしなかったが、トラックのモノづくりから修理の現場など知られざる周辺世界の人たちを、好奇心に身をまかせてインタビューしている。
  トラックドライバーの実態もある程度は知っているつもりいる。「そりゃ、半世紀前の体験であまりにも古いぜっ!」をいわれそうだが、学生時代のまるまる1年間ほど、2トントラックのハンドルを握り、物流の世界で仕事をしていた。当時運転のバイトは割りのいい部類だった。(都内の運送会社で日清製粉の粉もん、つまりウドンやてんぷら粉などを運んでいました。ちなみに当時はパスタはほとんどなかった気がします)
  トラックドライバーの立場に立った、この本を読んでみると、その時代と少しも変わらないところもある。でも一方で、この50年で日本国内の物流の主役がトラックに大きく依存し、にもかかわらずトラックドライバーがどんどん世間からの風当たりが厳しくなったという現状。ざっくり言えば・・・・高度成長経済の世界では、トラックの運転手は気楽な稼業という印象だったのが、現在はシビアで割に合わない感じの商売になっている。
  重量車両をあやつるので「交通強者」として扱われるトラックドライバーだが、大事故が起きるたびに社会的には、白い目で見られる。立場はオセロゲームのようにクルっと裏返り、実は「交通弱者」だったということがこの本を読むと理解できる。
  これじゃ慢性のドライバー不足になるのも当たり前である。日本の物流の90%以上をになう割には、待遇もよくない。いまや工場でもコンビニ、スーパーでもこれが正義の一台柱となっている“ジャストインタイム”の弊害から、荷主第1主義で、遅配はむろん大目玉を食らう。早く目的地に着いた場合も、長い間待たされたり、ときに待つ場所を与えられず、惨めな立場に追いやられる。しかも、過酷な荷下ろし作業をただでさせられるケースもあるという。
  筆者・橋本愛喜(はしもと・あいき)さんは、現在フリーライター。父親はもともと金型製作の会社の社長さん。そこで彼女は、金型を運ぶ仕事でトラックに乗るようになったという。自分の目で見て、体験して、取材してトラックドライバーの置かれている現状をつぶさにリポートしている。
  長時間の運転で、一番難儀するのは、生理現象だ。
  おしっこをするタイミング。コンビニ、高速のPA,SA…でも大型トラックを止める場所などそうそうあるわけではない。仕方なく、空になったペットボトルにしてしまう。それをついポイ捨てする‥‥。交差点の空き地に、お茶の色をした液体が入ったペットボトルが捨てられているのをときどき見かけるのは、そうしたわけだったのだ。クルマの運転が大好きだとしても、日本のトラックドライバーの置かれた現状は、けっして明るい未来が見渡せない。自動運転システムを備えたトラックが完成したとしても、積み残した課題の重さは変わらない!?(本書は2020年3月刊)

愛車メンテのプラスアルファ情報

これは使える!? エクステンションバーにもなるT型レンチ

T型スライドハンドル1

T型スライドハンドル2

T型スライドハンドル3

  今回取り上げるのは、三木市の藤原産業が販売している差し込み角1/4インチの「T型スライドソケットハンドル」(品番STS-220S)である。ホームセンターでの購入価格は、消費税込みで、940円ほどでした。
  台湾製ではあるが、ズバリ言えば、お買い得感たっぷりだった。
  通常、T型レンチはよく知られるようにバイクの整備に都合がよくできている。バイクは縦長なので、横からTレンチで、相手のネジに対峙するのがとても具合がいいからだ。だから、バイク屋さんをのぞくと、Tレンチがしょっちゅう活躍している光景がみられるはず。
  逆に、クルマの場合、たとえばエンジンルームにあるネジを脱着することを考えると、Tレンチは伸びをする感じになるので不利になる。でも、斜め横からなら十分活躍できる。シルバーのカラーが軸についているので、指ひとつでクルクル回せられ、実に軽やかに、スピーディにネジを緩めたり、締めたりできる。もちろんT型で締めることもできるし、ハンドルをどちらかに寄せてL字型レンチでより強い締め付けをすることもできる。
  この製品は、Tレンチだけで終わらない。ここがユニークなところだ。
  ハンドル部と軸部分を取り外すと、軸部が全長200㎜のエクステンションバーになるのだ。ジャジャジャ~ンとばかり、もう一つの顔が姿を現した感じ!?
  ハンドル部を取り外すし、頭部を見ると1/4インチの差し込み角部があるのだ(写真)。そこへ1/4のラチェットハンドルを取り付けることができる。手が入りづらい奥にあるネジを、楽に緩めたり締めたりすることができる。
  そして、先端部のソケットを付ける部分をズームインしてもらいたい(写真)。KO-KENなどのエクステンションバーでずいぶん前から採用されている2段階差し込み方式だ。つまりストレート(固定)でも首振り、どちらでも選択できる、便利な機能が付いている。製造の立場に立つと、通常のモノづくり工程に比べ2工程ほど多くなり、その分コストが上がる。でも、実際使うとストレート(固定)」にした場合、ソケットとの間にガタがあるのが気になった。
  いつも思うのだが、T型レンチは、ガレージで管理している工具たちととらえれば、問題ない(たとえばツールボードにぶら下げるとか、レールに差し込むとか)が、限られた大きさの工具箱に収納すると少し厄介。
  というのは、その形ゆえに、ほかの工具と絡んで、必要工具を探すときに邪魔になるのだ。でも、この製品は、軸とハンドルバーが分離できるので、繰り返し使えるリピートタイプの結束バンド(タイラップ)、あるいは百円ショップで手に入るマジックテープで、縛り付ければ、片方を紛失することなく、整頓も楽になるハズ。ところが相手は表面がメッキされているため滑りやすい。そこで、ホームセンターで手に入れた手持ちのチューブ状のゴム保護素材を活用してみたら偶然にもうまくいった。百均で手に入る幅広のパンツのゴム(?)あたりでも大丈夫だと思う。ちなみに、重量は133g、全長は200㎜。


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