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2021年11 月15日 (月曜日)

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ホンダの100%電動化への道筋が垣間見えた!

ホンダの

ホンダの2

  あれほどエンジン技術にこだわってきたホンダが、100%電動化に大きく舵を切り替える! 天変地異を引き起こす気候変動への危機感がさし迫っているからだ。
  とはいえ、この一大決心は、ハイウエイをご機嫌で走行していたクルマが、いきなり前人未到の獣道に乗り入れる感じだ。
  決断に、息をのみ、あぜんとしたものだ。でも、冷静に考えれば、この衝撃的決断はいかにもホンダという企業らしい。
  そもそも100年前クルマが生まれた時のことを思い起こせば、アメリカでは蒸気自動車、電気自動車、ガソリン自動車の三つ巴で、わずかとはいえ電気自動車が優位に立っていたのだ。それが、たまさかテキサスで大油田が発見されたことで、化石燃料エンジン車が、主流になっただけの話。
  成功体験にしがみつかず、常に挑戦者でありたいというホンダの企業人は、そう考えると日ハムの監督に就任したBIG BOSS新庄以上にワクワクさせられる。
  そんな時、ホンダの電動化の道筋がチラッと見えるニュースが舞い込んだ。
  新しい電池の開発をめぐるニュースだ。汎用性と持ち運びができる「バッテリーパック」の戦略だ。EVの宿痾である充電時間の長さと短い航続距離への解決手段だ。一抱えほどの長方形(重量約10kg)をしたバッテリーは、4年ほど前に、もともとバイクやコミューター向けに開発されたという。この電池のパフォーマンスを試すべく、フィリピンやインドネシアで、実証実験、さらに今年2月から4か月間にわたりインドで電動3輪車タクシー「リキシャ」30台を搭載し、のべ20万キロ以上を営業走行し、課題を洗い出し、来年2022年の前半から本格営業を始めるという。
  コトバを変えれば、これって“EVに欠かせないリチウムイオン電池の在り方(スタイル)の新しいアプローチ”。
  間違ってはいけないのは、ホンダは、このバッテリーパックを集中管理する「バッテリーパック・ステーション」の事業をスタートさせるということだ。車両自体の運行はインド地元の企業がおこなう。
  ちなみに、このリチウムイオンのバッテリーパック、定格容量が26.1Ah、定格電圧50.26V、充電時間約5時間というスペックで、インド国内で生産し、価格は税込み8万8000円だという。いまのところ、法人向けのリースだ。今後、知見をふまえ、国内と海外で、電池事業やEV生産事業が展開される。まさに手のうちの一つを見せ始めたところだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

『トヨタがトヨダであった時代』(第2回)

高校の卒業アルバムに

  筆者は、長いあいだこう考えていた。敗戦からまるまる10年を迎える昭和30年の1月にデビューさせたRSクラウン(初代クラウン)は、戦後トヨタが造り上げた初めての純国産車。エンジンもボディも、オリジナルで、誇るべき工業製品である。興味深いことに、私が3年間通った四日市にある工業高校の卒業アルバムの冒頭(写真)に、玄関前に誇らしく鎮座する初代クラウンが写っている。月日を物語るくすんだ写真ではあるが、純国産車の誕生は、当時の日本のモノづくり関係者には、それほどの誇りだったのだ。初代クラウンはその後のトヨタの躍進のシンボルとなった。
  ところがそのRSクラウンからさかのぼること19年前、昭和11年に誕生したトヨダAA型は、どうだろう。
  ストレートな言葉を使えば、エンジンはシボレーの焼き写しだし、ボディは当時最先端をいっていた流線型デザインのクライスラーのデソート・エアフローである。第3者の印象としては、とても自慢すべき作品とはいいがたい。オリジナルの車両を作る前のスタディ・カーと言えなくもない。とてもじゃないが、大きく胸を張って誇りに思うクルマではないのではなかろうか? 筆者がトヨタの役員なら、大げさかもしれないが恥ずべき車としてバックヤードの奥にしまっておくだろう。
  ところが、トヨタ博物館に足を踏み入れた読者は、すでにしてエントランスホールで、まず最初にご対面するのが、このトヨダAA型なのである。黒塗りのいかにもモッタイぶった感じのセダンである。せっかく足を運んだ明るい気持ちに水を差しかねない(ともいえなくもない)。
  この思考、ゲスの勘繰りというものだった。真摯にモノづくりに向き合う当時の人々の気持ちを考えると、短兵急で杜撰な考え方だ。
  当時の日本人の気持ちを手繰り寄せてみよう。長考するうちに、暗闇のなかで手探りをしながら高い技術力と大きな資本を投じる自動車メーカーを作り上げる、何とか世界に認められる工業製品を作り上げたい、当時のモノづくりに携わる人たちの息遣いが伝わってくる。モノ真似をした恥ずかしさなど、内向きの感覚はさっさと消し去る。むしろ高貴で愚直なモノづくり世界がむくむくと立ち上がってくる。
  ここまで考えが及ぶと、はじめてトヨダAA型が大きな意味を持っていることが理解できる。

カーライフ大助かり知恵袋2

ぼくの本棚:三好俊秀著『テストドライバーのないしょ話』(山海堂)

テストドライバーの

  日ごろあまり表舞台に登場しないテストドライバー。その知られざるお仕事の内容と内面を克明にまとめた一冊である。
  ひとつの項目を見開き計4ページ。それが38個、トータル152ページでまとめている。いわば読み切りコラムを38個集めたページの構成である。編集者(横田晃さん)が悩んだすえの紙面構成であることがうかがえる。文章もよく手が入った感じで読みやすい。通常の本は、4つ5つの章を立てての構成だが、あえてパラレルにぶつ切りにすることで、この特殊な仕事の隅々まで光をあてたい、そんな意気込みが感じられる。だから読後感は悪くなかった。
  自動車メーカーのテストドライバーは、新車の試乗会でもあまり見かけない。と思いきや、実は、我々ジャーナリストが無茶をして壊したクルマの修理(というか主にブレーキパッドの交換が多いが)。これをバックヤードで担っているのもテストドライバーであることを、この本で知った。
  試乗会でジャーナリストに説明する役目は、ほぼ主査やエンジニアたちだ。
  ところが、わずかだが例外もある。スバルの試乗会では、実験屋と呼ばれるテストドライバーに話をよく伺ったものだ。エンジニアよりはるかにハンドルを握る時間が長い彼ら。クルマの挙動を説明するコトバは、常に目から、うろこがボロボロ落ちる感じ。理論だけでなく、日ごろ仕事で身に付けたリアルな世界がにじみ出る。
  テストドライバーの仕事を一言でいえば「クルマの味付け」をおこなう仕事人である。つまり、意のままに扱える気持ちのいいクルマに近づけるかが、おもな仕事。高性能なだけでは、いいクルマにはならない。最高速や加速性能、ハンドリングなどなど数値的には目標を達成しているクルマでも、必ずしも「気持ちのいいクルマ」とはならない。
  数値はOKでも、官能評価ではNGというケース。乗っていて気持ちのいいクルマとは、“過渡特性の優れたクルマ”だというのだ。過渡特性とは、ピークにいくまでのプロセスでのスムーズさ。
  分かりやすい例でいえば、一昔前の過給機、アクセル踏んで一呼吸おいてターボの強い加速が始まる“ドッカンターボ”を思い出してもらえばいい。いきなりパワーが出るようでは、気持ちよさとは逆行だ。リニアにパワーが出るほうがずっと気持ちがいいよね。過渡特性のスムーズさの重要性はエンジンだけでなく、ステアリングやサスペンションにも同じこと。ベテランのテストドライバーは、高い経験値と積み重ねてきたデータをもとに、こうした「気持ちよさへの味付け」をしていくのが仕事なのである。まさに職人のスキル!
  筆者の三好俊英さんは、1949年生まれで、1971年に日産に入社。スカイラインやローレル、それにFF車の開発の黎明期からテストドライバーの仕事に携わってきた超ベテラン。日産が欧州車を越える操安性を目標にしていた黄金期を知る人物だ。この本は、2006年のデビューだから、カルロス・ゴーンが“セブンイレブン”という異名を冠されるほど猛烈に仕事をしていたころでもある。

愛車メンテのプラスアルファ情報

車庫周辺を監視! 1万3800円で入手した防犯カメラを付けてみた!

防犯カメラ1

防犯カメラ2

  ≪監視カメラ≫というと、刑務所の高い壁の上に設けられた自由を束縛する冷酷な黒塗りのマシンをイメージ。あるいは、中国の都市の信号機に設置された市民監視システムを思い浮かべる。
  でも、かつて日本のあちこちにあった家の扉に鍵をかけずに外出したのどかな光景は、神話となった。
  個人的経験で恐縮だが、人通りの多い市街地に引っ越したせいか、先日数年まえ一度空き巣に入られたことが突然フラッシュバックした。不覚にも警戒感が高まり、ふと防犯カメラを自宅ガレージに据えてみようと思いついた。調べてみると、ネットで、わずか1万円そこそこで防犯カメラが手に入る時代。好奇心に駆られ、玄関兼車庫まわりのセキュリティに備え、1台購入した。その顛末を記します。
  いまどきの通販はすごい。注文したら翌日に到着した。カメラ自体は、手のひらに収まるほどの大きさ。内蔵のリチウムイオンバッテリーで駆動するので、充電するタイプだ(電池タイプもあるようだ)。Wi-Fiを介して手持ちのスマホと連動させ、動体が画面に入った場合、すぐさま知らせ、動画をマイクロSDカードに記録するシステムのようだ。新しもの好き筆者としては俄然面白い!
  40ページほどのマニュアルがあるので、それをよく読み込みセットアップと本体取り付けができるはず。
  だが、こうした製品そもそもが中国製なので、日本製品に比べトリセツと本体の“同一性の確認”があいまい。中国語、あるいは英語の翻訳文なので、あいまいな日本語となっているだけでなく、機種変更ほどの設計変更がおこなわれているので、トリセツに齟齬があるわけだ。このへんをふまえ、トリセツを書いた人の気持ちを汲み取りリテラシー能力をフル活用しなければいけない。(余計なお世話だが、中国製の自動車もたぶん同じ難題を抱えているのではと推理できる!)
  とにかくそんなこんなで、セットアップにたどり着くにはずいぶん足踏みしてしまった。その間、発売元に電話を数回かけたり、メールで問い合わせたが、まったく返答がない。このあたりで、投げ出すのが普通かも知れないが、そこからがドラマが始まると信じて、我慢強くトリセツを読み直し、ゴールにたどり着こうとする。
  道が開けたのは10日ほどたったころだ。うまくゆかなかった原因は、ユーザー側の当方にあった。Wi-Fiのパスワードを失念していたというごくごく単純なことだった(バカですね!)。このパスワードを書いた資料を見つけようやくセットアップできたのだ。セットアップできれば、あとは本体を具合いい場所に取り付けるだけ。カメラは330度の超広角だし、スマホ上での操作で上下左右に120度チルトするので、取り付け位置そのものはシビアに考えなくてもいい。
  使い勝手はどうか?
  セキュリティの一手段としては悪くないと思う。
  セキュリティだけではなく、家人の出入りや友人の訪問、宅配便の到着など、リモートで把握できるのは、新鮮で面白い。なにしろ1万円ちょっとで、こうした機器が手に入る時代であることが、エキサイティングだ。
  これって、ひょっとして、いま流行のコトバ“DX”なのではと思った。DXとは「マツコ・デラックス」のデラックスではなく、「デジタル・トランスフォーメーション」。≪デジタル化することでより効率が高まり、生産性が上がる≫、つまりITを導入することで、企業の業務や仕事が飛躍的に効率化する、そのカギを握る手段のひとつ。家庭内でも、こじ付けに聞こえるかもしれないが、いくらかでも労力を軽減するわけだから、当たらずとも遠からず!?


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