みなさん!知ってますCAR?

2022年4 月 1日 (金曜日)

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ど~なる? これからのクルマ社会!

ウクライナ戦争

  ただでさえ原油価格が上昇気味だったところ、いきなりのウクライナをめぐる戦争は、クルマ社会にも大きな影を落としつつある。当面の課題は、ガソリンの価格が今後上昇する雲行きだ。
  欧州連合は2035年にガソリン車の新車販売を禁止する予定だし、アメリカもバイデン大統領が2030年に新車の半分は、「排ガスゼロ車」つまりEVもしくは燃料電池車(FCV)にする大統領令にサインした。これを受けて、ホンダは2040年以降のニューモデルをすべてEVもしくはFCVにすると宣言。栃木の真岡にあるエンジン工場を閉鎖するなど大改革が進行中。トヨタも2030年にはEVを全体の35%にあたる年間350万台生産すると宣言。
  となると、ガソリン価格の高騰でいっきに“EV時代”に突入か?
  ところが、自動車をめぐる革命はそう単純ではない。化石燃料からEVへのOS(オペレーティングシステム)の変換は、スマホやPCほどには簡単ではない。
  半導体不足がいわれてからモノづくりがあちこちで滞っているのと、ウクライナでの戦争でニッケルとアルミニウムの価格が最高値を更新。さらには最大生産国のロシアからの輸出が途絶え始めて、クルマを作る原材料、とりわけEVのキモとなるリチウムの供給が需要に追い付かなくなり始めているからだ。こうなると、EV普及のカギを握る低価格EVの生産に強いブレーキがかかることになる。つまり、21世紀最大のモビリティ革命の主人公EVの前に暗雲が立ち込め始めたといえる。
  トヨタは、世の中がどう変わろうが複眼の思想(というかモノづくり)で対応するつもり。じつは、ホンダもエンジン生産を一切やめるつもりはないと思われる。バイクのパワーユニットの大半は今後とも化石燃料を使ったエンジンだし、F1エンジンもレッドブル・レーシングやスクーデリア・アルファタウリなどにとりあえず2025年までは供給を継続することになっている。
  政治・経済・国際環境など複雑なマトリックスのなかで、今後のモビリティの盛衰が変化していくようだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

『トヨタがトヨダであった時代』(第11回)

豊田初期の鋳造

  喜一郎たちが最初に取り組んだのが、このシボレーのエンジンのシリンダーヘッドとシリンダーブロックの鋳造だ。
  たとえばシリンダーブロックでウォータージャケットを形成するために中子(なかご)を設ける。入り組んだ3次元構造で、作り込むことに大変な苦労をしている。ちなみに、この中子は正確には、乾燥油を使った油中子。あらかじめアメリカの鋳物専門誌で、油中子の知識を得てはいたが実物を見たことがなかった。砂に混ぜる乾性油は、紙を張り付けた提灯や唐傘に塗る防水用の桐油(きりあぶら)を用いることにし、岐阜の唐傘屋から入手したという。これを知多半島内海海岸の浜砂と混ぜて油砂を作った。この油砂を木型に入れ造形し、陶器用の焼成炉で焼いた。桐油の混合率や焼成の温度・時間を一つ一つ変えながら、油中子製作の要領を会得していった。
  当初は鋳造後シリンダーの内面にボーリング加工を施すと、巣(鋳造時にできる空白部)が現れることが多く、10個作ると、8個もしくは9個は失敗作(オシャカ)だったという。こうした失敗を踏まえ、内面をさらに削ると巣がほとんどできていないことに力を得て、削り代を多く見越して鋳造をおこなうことで、ほとんど無駄が出ない鋳造づくりができたという。
  シリンダーブロック、シリンダーヘッド、ピストンなどは、コピーした自社製品でまかなえた。でもクランクシャフト、カムシャフト、バルブ、スパークプラグ、電装品などは国内での調達がままならず、シボレーの輸入部品を採用している。
  ところが問題はそれだけに収まらなかった。

カーライフ大助かり知恵袋2

ぼくの本棚:ケイティ・アルヴォード著『クルマよ、お世話になりました』(白水社;堀添由紀訳)

クルマよ、お世話になりました

  どちらかというと≪クルマ礼賛≫を信条とするブログ記事からいえば、こうしたクルマ否定論の本を取り上げるのはどうかと思う読者もいるだろう。
クルマが大好きな読者のなかには、思わず耳をふさぎたくなる箇所が少なくない。
  でも、世の中は多様な価値を認めてこそ健全だ。そこで、薄目を開けながらこの本を読んでみた。
約300ページにわたる単行本の大半は、“クルマという機械”の悪口が、これでもかこれでもかという具合につづられる。
  曰く、クルマは深刻な環境問題を引き起こしている! 曰く、クルマは金食い虫だ。曰く、クルマに恋すると身体を動かさないので、不健康に結びつく。曰く、クルマ社会はユーザーへのコストだけではなく社会的なコストがかかりすぎている。曰く、クルマがなければ交通事故の大半はなくなり、道路がいまほどクルマに占領されることが少なくなりより暮らしやすい世の中になる。
  その主張は逐一もっともである。筆者アルヴァ―ドさん自身(カルフォルニア生まれでミシガン州に住む市民活動家でもある女性)が1992年までクルマの恩恵にあずかってきただけに、単なるクルマ嫌いのヒステリックな論調ではなく、事実を淡々と積み上げていく。それだけにページをめくるたびに、胸にぐさりと突き刺さり、憂鬱になる。
  ページを繰るたびに「それでも、クルマは人間に移動の自由を与えてきているし、いまもその役割が小さくない。それに交通事故死も安全装備の進化で劇的に少なくなっている」そんなふうに心のなかで反論するも、筆者の正論にいつしか敗北している自分に気付く! そして最後に、筆者は、「クルマの運転と喫煙は驚くほど似ているのよ! 悪いとわかっていても、断念するように言われても、やめられないものなのだ。それにクルマの支配から解放されると素晴らしい世界が待っている」と。さらに、歩くことの素晴らしさや自転車を使っての移動がクルマ以上に気持ちのいい時間をもたらすことを説きまくる。それでも、雨の日、嵐の日でも車は快適に移動できるし、公共交通機関は当てにできないのでは! と反論したくもなるが・・・・。
  この本は、いま置かれているクルマとの関係を冷徹に見直し、できればクルマと離婚(原題がDivorce your car!)を強力に勧める。ある日突然クルマをやめるのは麻薬をやめるに等しく衝撃がでかすぎる! 「カーフリー」つまりクルマと完全に離婚するのでなければ「カーライト」。つまり愛車の仕様をできるだけ減らし、徒歩や自転車での移動を心掛ける。そのことで世の中はずいぶん良い方向にいくに違いない・・・・そう訴える。
  なんとはなくクルマと付き合ってきたのだが、この本を読むことで、逆にクルマの魅力を再認識でき、クルマとの距離感が鮮明になってきた。(2013年11月発行)

愛車メンテのプラスアルファ情報

450円で買ったアストロの貫通ドライバーは使えるか?

アストロの貫通ドライバー

  「貫通ドライバーは、ドライバーの常道から外れる! ドライバーは叩くものではなく、回すものだ。叩くのならチゼル(鏨)を使えばいい!」かつて、欧米の整備士や工具屋さんから、そんな忠告を聞いた覚えがある。貫通ドライバーは、わが日本の工具業界だけのものだ、そんなニュアンスである。
  ところが、貫通ドライバーは、日本ではごくごく多数派というか、当たり前のように使われている。使うとわかるが、固く締まった、あるいは錆びついたビスを外す際ハンマーでショックを与えて緩める……そんな時に貫通ドライバーはとても便利なのだ。
  貫通ドライバーは、軸がグリップエンドまで文字通り貫通しているので、非貫通とくらべ確実に重くはなる。
  そのことを承知していても、やはり貫通ドライバーを選択するユーザーが多いようだ。
  先日アストロプロダクトにおもむいたところ、少し毛色の変わった「貫通ドライバー」を発見した。
  それが写真のドライバー(プラスの2番)だ。グリップ全体は透明の硬いアクリル(と思われる)樹脂なのだが、一部少しやわらか味のある異なる樹脂になっていて、しかもその一部が小山のように、まるで「つば」のようなでっぱりを付けている。手で握ったときに親指の腹がぴたりとそこにあたりグイっと力が伝わる工夫をしているのだ。しかも手前には小さなイボイボが付いていて、より滑ることなくチカラが伝わるデザインとしている。グリップの外形も、かなり太くしてトルクが少しでも多くかかるように考えている。
  グリップの一番太いところをノギスで測定してみたところ、33mm。通常というかこれまでテストした貫通ドライバーのグリップが30~32mmの範囲内なので、ひと回り太いといえる。ついでに全長は210㎜とこちらはごく平均的長さ。重量は148gでライバルたちとくらべるとやや重いカテゴリーとなる。軸の根元には、ボルスターを取り付けているため、重量的には重くなりがちだ。座金の径は、19mmで、こちらはごく平均的な大きさだ。


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