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2017年6 月15日 (木曜日)

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メガサプライヤーのボッシュが農業分野に進出!?

ボッシュ プランテクト  点火装置から始まって、ディーゼルやガソリンエンジンのエンジンマネージメント、シャシーセーフティと呼ばれる衝突安全システムなどクルマのいたるところに、幅広く活躍しているボッシュは、じつはそんじょそこらの自動車メーカーよりもはるかに規模がでかい。なにしろ売り上げが年730億ユーロ(約9兆円)で、従業員数38万人と聞いただけでなんとなくすごさが理解できる。
  そのボッシュが、一番遠い距離と思われてきた農業分野にこのほど進出した。
  といって大規模農業経営に参入したという話ではない。得意のセンサー、ソフトウエア、それにサービスを駆使して、革新的ともいえる“病害予測システム”を完成させたのだ。トマトを代表とするハウス栽培は、これまで病害虫により収穫が大きく損なわれることがあるという。
  そこで、ボッシュは、温度、湿度、日射量、それに2酸化炭素量を測定することで、病害予測を立て、タイミングのいい農薬散布を促すというものだ。数年前から約100棟以上のハウスのデータを蓄積し、知見を積み上げた結果いまのところ、病害予測率92%だという。
  つまり、データをクラウドに送信し、ユーザーはスマートフォンやパソコンで、ウエブ上のアプリを介してハウス内環境を確認したり、過去のデータを見ることができる。これまで経験則や勘に頼ってきた農薬投入がより合理的かつ自信のあるものになり、収穫が想定以上に伸びるという。すでに2割以上の収穫を伸ばした実例があるという。初期費用なしで、月々9000円弱でこのシステムを活用できる。いまのところトマトだが、今後キュウリ、イチゴ、ナス、それに花卉(かき:観賞用の植物)などハウス栽培のあらゆる作物に広げていくという。
  こうした技術は、モノのインターネットIoT(インターネット・オブ・シングス)、あるいはAI(アーティフィシャル・インテリジェント:人工知能)といわれ、今後あらゆる分野にどんどん浸透していくのは必至。人工知能が近い将来人間の知能を超える「シンギュラリティ」(技術的特異点)が来るといわれる。産業革命以上の労働力不要時代を招くといわれているのだが・・・。

カーライフ大助かり知恵袋1

自動車部品センター街だった“なにわの自動車部品物語”第17回

上田さん  松田さんは30歳のとき、二葉工業のご主人の妹さんと夫婦になり、それから5年後の35歳のときにノレン分けをしてもらい、現在の福島3丁目に店を構えた(資材当時)。
  「独立してここで商売を始めたのは1960年ごろでした。私の店から指呼の距離に6軒の自動車部品商がありました。うちはトヨタ車が中心だったのですが、他はたとえば日産車、ホンダ車、輸入車をメインとしているという具合で、いわゆる棲み分けいうんですかね、仲良くやってましたわ。お客さんにとっても、こうした形態が都合よかったみたいですね」
  一方、松田さん同様、自動車連隊の一人だった上田さん(写真)は、終戦を武漢で迎えるが、アミーバ赤痢、発疹チフス、マラリア・・・という病気のデパートのごとく病に次々に襲われ、ほうほうのていで氷川丸に乗せられ福井県舞鶴に降り立った。ちなみに、終戦後約660万人の日本人が海外に残された状態となり、うち約66万人がこの舞鶴港に引き揚げ船で到着したという歴史がある。現在これを記念して「舞鶴引揚記念館」が建っている。
  氷川丸といえば、戦前はブラジル移民の輸送で活躍し、戦時中は日本海軍に徴用され病院船となり、戦後は引き揚げ船としてはたらき、その後は客船として使われ、晩年はごく最近まで横浜港で船上ホテルになっていた歴史的な船だ。

カーライフ大助かり知恵袋2

吸音材と遮音材の関係

三乗工業  横浜のみなとみらいの一角にあるパシフィコ横浜で、毎年5月に行われる「自動車技術展」は、素人には難しすぎて、大半が木を見て森を見ずの感じ。でも、なかにはがぜん興味を引く展示物にぶつかり、思わず立ち止まり話を聞いてみたくなる・・・・。
  「ダッシュパッド」といってもピンとこないけど、要するにエンジンルームと車室の境にあるパッド。エンジンの音が車室に侵入しないように隔壁に張り付けてあるものだ。
  「少し前まで吸音材がメインの考えだったんですが、電動化つまりモーターでクルマの動力をアシストしたり、モーターだけに頼るクルマだと、モーター音を車室に入りづらくする遮音材が再注目されていますね」というのは、岡山県総社市にある三乗(みのり)工業の眞田達也社長。
  そこで、今後の提案製品として、こんなダッシュパッドがあるという。
  上部が吸音タイプ、下部が遮音タイプ。面白いのは、使っている素材だ。吸音材には再生綿と呼ばれるリサイクル品を用いているのだが、具体的にはジーンズやジャージの端切れ。
  実は、岡山は知る人ぞ知る! 日本ジーンズの発祥の地であり、ジーンズやジャージの生産量が高い地域なのである。遮音をになうのは再生オレフィンシート(ポリエチレン系)に炭酸カルシウムを混ぜ合わせたものだという。重量は従来品が3㎏で、今回のが2㎏弱なので、約35%も軽量化されたというから驚きだ。
  CAE(コンピューター支援エンジニアリング)で解析してのモノ作りだけでなく、作り込みや擦り合わせ技術と呼ばれる作業者の経験則がまだまだものをいう世界だという。

愛車メンテのプラスアルファ情報

マーキング・トルクレンチ

トーニチ  1949年以来トルクレンチ一筋にモノづくりをしてきた東京・大森に本社を持つ東日製作所は、今や世界のブランドTOHNICHIを築き上げた。
  部品同士を締結するときに最重要となるのは締め付けトルクである。ところが、ボルトの数が多くなったりすると、ついポカをして締め忘れたり、締めすぎたり、逆にゆるく締めたり・・・というトラブルが起きがち。
  そこで、ここ数年工場の組付けラインでは「発信機を組み込んだトルクレンチ」が普及しているようだが、整備工場などではそこまでの設備投資は無理だし、非現実的で必要ない。
  今回登場したマーキング・トルクレンチは、昔ながらの規定トルクに締めた確認の意味で、マークをする…そんな昭和時代をホーフツとさせる職人気質じみた愚直な手法をよりスマートに行おうとするシステムである。
  ヘッド交換式のスパナ部のへこみに棒状のマーカーが組み込まれている。既定のトルク値に達すると自動でマーカーが少し押し出され、ナットの辺にマーキングする。一つのマーカーで約2000回マーキングができ、マーカーが乾燥する時間は3~4時間だという。
  マーキング・トルクレンチの品番はMCSPで、トルク範囲で、3タイプあり、10~50Nm(全長282ミリ/重量0.65㎏)で4万9100円、20~100Nm(355ミリ/0.9㎏)が5万2300円、30~140Nm(418.5ミリ/1.0㎏)が5万4400円。地味な工具ではあるが、日本のモノづくりや信頼耐久性を支えている製品だ。


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