みなさん!知ってますCAR?

2017年3 月 1日 (水曜日)

プリウスPHVは冬場でもヒーターがよく効くそうだ!

ヒートポンプ式エアコン  「ハイブリッドカーはエンジン稼動割合が激減したぶん、冬場ヒーターが効かず足元ブルブル!」
  そんなハイブリッドカーのウイークポイントをまるで鬼の首を取ったかのような前回の記事。その筆が乾ききらないうちに、解決策ともいえる新技術がトヨタ車からデビューした。正直、オドロキだ。
  新型プリウスPHVの「ガスインジェクション機能付きのヒートポンプエアコン」である。
  ヒートポンプとは、少ない投入エネルギーで、空気中などから熱をかき集めて、大きなエネルギーとして利用する技術のことで、すでに身の回りのエアコンや冷蔵庫、最近ではエコキュート(給湯機)などにも利用されている省エネ技術。
  冷房の時は、ふつうのクルマと同じ理屈なのだが、暖房時には電磁弁で、配管経路を変更し、電動インバーターコンプレッサーで圧縮された高温の冷媒を、室内コンデンサーを介して車室内で放出。ガスインジェクションは、冷媒の流量を飛躍的に増やすことで、暖房性能をさらに高める役目だという。
  「この仕掛けは、実は世界初です!」とエンジニアは胸を張る。「レスポンスも素早いですよ。すぐ足元が暖かくなります。それにシエンタHVではメーカーオプションだった前席シートヒーターも標準装備し、このヒートポンプ式エアコンも標準で付きます、ハイ」とニヤリと微笑んだ。ちなみに、新型プリウスPHVのリアに載る大容量リチウムイオン電池にもヒーターを付け、低温時の出力低下を防いでいる。・・・まるでクルマ全体が湯たんぽを抱えて走っている!? そんな妄想をしたくなる。

2017年2 月15日 (水曜日)

ハイブリッド車はヒーターが効きません!

シートヒータースイッチ  ハイブリッド車は、燃費がよくて財布にやさしい“いいこと尽くめ”のクルマだと思っていたら、いきなり暗がりでパンチを食らうほどのショックを受けた(少し大げさだが)。ヒーターがほとんど効かないのだ。外気温が5℃以下になると、いくら車内とはいえブルブル! 昔のクルマなら、しばらく走ると徐々にモヤ~ッとヒーターが効き、車内の居心地がよくなる・・・そんな空調感覚はいまや昔物語となった。
  筆者のシエンタは、あらかじめメーカーオプションで、シートヒーターが付いているので、それなりに快適なのだが、シートヒーターなしのハイブリッドカーは、震え上がる(シートヒーターのスイッチを入れ忘れてその辺は確認済みだ)。
このシートヒーターは、フロントガラスのUVカットなどとともに3万円と意外と安いTOYOTA罪滅ぼしプライス!? で付くのだが、もしこれを付けていなかったとなるとゾッとする。(リアシートにはシートヒーターなどない!)
  友人のセールスマンに聞いてみると「ハイブリッドカーをお売りするとき必ず、冬場にヒーターがほとんど効かないので、シートヒーターをオススメしています。この説明をしないと、あとで文句がきますからね。どのくらいのハイブリッド車購入者さんがシートヒーターを付けるかですか? 大体20%ぐらいです。通常のガソリン車ならゼロに近いですから、ある程度は私たちの声が反映されている。でも、短い距離しか走らないユーザーさんは、シートヒーターには関心を抱かないですね、ハイ」
  トヨタの肩を持つわけではないが、シエンタのシートヒーターは、立ち上がりが素早い。1分たつかたたないうちに、座面とシートバックがポカポカしてくる。それも人間、不満は付き物。ヒーター効果がないので、足先が冷えたまま。そこで厚めの靴下を履くしかない。
  理屈を言えば、ヒーターが効かないということは、排気熱が少ないことなので、燃費がいい証拠なのだが、冬場の人間を凍えさせること、ということのようだ。(冬場の寒さ対策を考えるなら、キャンピングカーなどで活躍していて、10万円ほどから手に入るべバスト(WEBASTO)のFFヒーターを考えるしかない!)

2017年2 月 1日 (水曜日)

小型で機動性が向上した天井裏点検ロボット!

天井裏ロボット  天井裏の点検といえば、5年前の中央高速笹子トンネル崩落事故を思い出す。
  のぼり車線のトンネルが突然崩壊して、9名の死者をだし、長いあいだ通行止めとなり物流に多大な影響をおよぼした。この背景には、杜撰(ずさん)な天井裏の点検作業があったといわれる。
  東日本大震災のときに、九段会館の天井が崩落し死者を出していることからも、大地震でも崩落しやすいのは天井でもある。天井は建造物のウイークポイントなのかもしれない。
天井裏の事前の点検は、6年ごとに義務化されているといわれるが、これまで機器の不足で、十分に行われてこなかったという。このほど千葉工業大学が試作し、大成建設が実証実験などで協力して作り上げた「天井裏点検ロボット」は、見たところなかなかに完成度が高く、従来より小型軽量を追求した頼れるロボットの印象だった。
  千葉工業大学は、スカイツリーのビル8階に特別なキャンパスを持っていて、そこでの発表だ。写真で見るように、女性でも楽に抱えられるほどの大きさと4.5kgの軽量だ。少しでかいラジコンカーぐらいである。
  ボディ両サイド、ボディのコーナー4ヶ所、計6個のクローラー(CRAWLER)が付いていて回転前進、後進を無線でコントロールする。パソコン画面を見ながらジョイスティックで遠隔操作。記者の携帯電話の電波に邪魔され、始めうまく動かなかったが,邪魔な電波を取り除くと,150ミリの段差もものともせずにスイスイとロボットは進んだ。聞けば100ミリの隙間があればそこもすり抜けられるという。原発の処理段階でも活躍が期待されそうだ。

2017年1 月15日 (日曜日)

トヨタ博物館のライブラリーで半日過ごす!

ライブラリー  ばくぜんと図書館というと「すでに死んだ本がずらり並ぶ場所」というイメージを持つかもしれない。でも、目的意識をいだいて図書館に赴けば、世界はちがって見えてくる。
  これまで取材で何度も訪れた愛知県長久手にあるトヨタ博物館に1月の連休を活用して、出かけた。その時は、とくに何がという目的意識を持たなかったのだが、グググッと好奇心が頭をもたげたところに出くわした。
  新館ができたとき3階に併設されたライブラリーだ。
  ふつうの図書館から見たらミニであはるが、すべてクルマに関する本や雑誌がこのなかに整理して留まっていると思ったら、エンジン音が聞こえてくるのではないかと思えるほどドキドキした。自動車の歴史、伝記、企業史、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、日本という国別のクルマの単行本、自動車工学、自動車のデザイン、モータースポーツそれに自動車のコミックというカテゴリー別にずらりと開架方式で整理されている。もちろん外国語の本もある。開架方式というのは、閉架式の逆で利用者が手にとれるカタチで整理されていることだ。雑誌のバックナンバーや新刊雑誌も見ることができる。筆者が長年関わった「オートメカニック」は残念ながらなかったが、10年以上執筆者の一人として関わった「自動車工学」は全巻揃っているようだ。カタログも充実してストックしている。旧いクルマの詳細を知る聖地、と呼んでいいようだ。
  とにかく自動車について広く学べるところであることは間違いない。姿勢を正して資料を読み解く机もあるし、ゆったりとくつろぎ名車アルバムを楽しむソファーもあり、半日は楽しめる。ただし、コピーサービスや館外貸出しは行なっていないのが残念。問合せは☎0561-63-5151。

2017年1 月 1日 (日曜日)

ホンダのコンパクト水素ステーションに注目!

水素ステーション  水素社会に向けて政府などが音頭取りで、水素ステーションの建設がただいま展開中だが、当初1昨年中に全国に100軒のはずが、1年遅れで100軒に達したという。これはあくまでも東京、名古屋、大阪、福岡など4大都市を中心。地方都市は今のところ対応なし。地方都市など全国ほぼくまなく、となるには1000軒を構築しなくてはいけない。そうなるのは平成30年がメドだというから、まだまだ先の話。
  足踏みしている背景は、膨大な建設費。一般的なガソリンスタンドが7000~8000万円に対し、水素ステーションは5~6億円もかかるのだ。いくら補助金ができるといっても、民間事業主から見ればリスキーな高い投資だ。
  そんななか比較的格安なホンダのコンパクト水素ステーションが注目を集めている。
  太陽光やバイオ発電で電気をつくり、この電気で水素をつくる、という小さなプラント。岩谷産業と数年前から共同で開発したもので、すでに官公庁や大手企業などで、徐々に増えている。寸法は3.1×3.2×3.1(高さ)メートル。こちらは、総建設費1億3000万円程度。2/3補助金が出るので、8600万円ほどで設置できるという(それでも高い!)。しかもユニットタイプなので、設置が容易だけでなく工期もごく短い。ただ、これまで70MPaの半分の圧力だったので、燃料電池車には、十二分に対応できずにいた。これが、70MPaの圧力タイプを目指して、現在東京の江東区青梅で実証実験中だという。
  ただ、このコンパクト水素ステーションも、取材すると大きなネックがあった。内部にある電解幕の交換を定期的におこなう必要があり、その費用が数千万円もするというから驚く(だからいまのところ公官庁中心だ!)。こう考えると、水素社会が実現するにはまだまだ大きな壁が立ちはだかっているというのが現状のようだ。

2016年12 月15日 (木曜日)

ハイブリッドカーの盲点はここだった!

シエンタ  ハイブリッドカーのオーナーになり、すでに2ヶ月2000キロを駆け抜けた。
  これぐらい付き合うと、意外なハイブリッドカーのエクボならぬアバタが見えてくる。結論を先に言うと、前回のエンジンオイルへの過度なストレスもそうだが、今回も実は「エンジンがときどきしか可動しない」ことによるウイークポイントだ。
  専門用語でNV(ノイズとバイブレーション、騒音&振動)の課題である。
  低速でエンジンが稼動しているとき、やけにエンジン音がうるさいのだ。うるさいのならまだしも、悲しいほど品のないガサツな音が伝わってきて、ドライバーをうんざりさせる。もちろんこれは、EV走行ではウルトラ静粛であることからきているジレンマ。静粛性がこれ以上にない状態のEV走行に慣れると、そのギャップがドライバーを不機嫌にさせるということのようだ。
  「ご推察どおりです。普通のドライバーはそこまで気になさらないですが・・・」と答えたのは、この冬発売するプリウスPHVの開発エンジニア。さらに搭載エンジンが、15年ほど前にデビューした1NZ系のいささか旧いエンジンを使っているのでは? と鎌をかけたところ、「実は、ハイブリッドをはじめ電気仕掛けの技術開発で、エンジン本体への開発費が相対的に小さくなっているのです」
  17年ほど前に初デビューした頃の1NZをファインチューニングしてはいる。圧縮比を10.5から13.4に高めたり、ピストン回りのフリクションロスを低減したりして、エンジン単体性能を向上させている。でもしょせん、ユーザーから見れば在庫一掃セールのエンジン。エンジン自体の進化はここ10年以上停止している、と見るべきか!? 自動車メーカーに入社するエンジニアはエンジン開発にあこがれる人が多い。余計なお世話かもしれないが、クルマの電子化は、ある意味エンジニアのエンジンへの関心に冷や水を浴びせているのかもしれない。
  (写真はシエンタHVのエンジンルーム)

2016年12 月 1日 (木曜日)

ハイブリッドカーの初めてのオイル交換で学んだこと!

オイル交換  「広田さん、シエンタのエンジンオイル交換そろそろやったほうがいいですよ。ハイブリッドカーの場合、ふつうに使っていてもシビアコンディションなんですから」
  旧知のトヨタディーラー一級整備士のKさんからのいきなりのアドバイス。「でも、取説をみると1年または走行1万5000キロごととあるよ。これは従来エンジン車と同じだね。このクルマまだ走行8000キロだし・・・ふつうに使っていてシビアコンディションとは、どういうこと? それにハイブリッドカーの場合、走行キロ数の半分しかエンジンが動いていないので、逆にエンジンオイルの負荷が少なくオイルが長持ちするんじゃないの?」
  一級整備士はあきれ顔でぼくの顔を眺めた。
  ハイブリッドカーの場合、エンジンの稼働時間が短いので、水温が十分に上がりきらないうちにエンジンを止めることが多い。しかもパトカーや宅配便車みたいにチョコチョコ低速で使う走行パターンが大部分だというのだ。なるほど言われてみれば、油温が十分あがりきらない状態で走ることが多い。となるとオイルの本来の役目である潤滑作用、気密作用、冷却作用などが手薄になる・・というのも納得できる。次のKさんの言葉はとどめだった。「それに油温が上がらないので、オイルパンのなかの空気中の水分が気化されずに結露してオイルに水が混ざり、オイルの機能低下が起きるということも考えられます」
  翌日、オイル交換とオイルフィルター交換をしてみた。さすがトヨタ車、フィルターの位置は下にもぐってみるとすぐ見つかり、レベルゲージにパイプを突っ込み上から廃油を抜いたのだが、マニュアルどおり4リッター弱抜けた。フィルターも1NZ系エンジンなので同じものが使えた。
  廃油に水分があるかどうか? 廃油をすこしペットボトルに移し換えよく振って翌日眺めてみたが、上澄み液に水が確認できなかった。写真左が廃油で、右が新油。

2016年11 月15日 (火曜日)

トラックのブレーキライニング・チェンジャー

ブレーキライニング  乗用車とトラックの整備は、同じクルマなのにこんなに違う!とたまげることが少なくない。
  たとえば、ブレーキの摩擦材を考えたい。ディスクブレーキならブレーキパッドだが、ドラムブレーキならブレーキシューである。ブレーキパッドは裏金ごとASSY交換だが、トラックのブレーキシューは、ライニングと呼ばれる摩擦材を取り替えて使うのである。シューごと取り替える乗用車の世界と違いリサイクル思想が昔からあるのだ。
  ところが、このライニング交換、リベットでベース素材に留められているライニングを取り外すには、リベットをひとつずつ取り外す作業が必要。このリベット、φ6ミリと8ミリの2種類。10トン・トラックで、片側だけで計36個あるという。これが、4軸タイプだと、合計36×2×16=1152個のリベット。
  これをいちいち手作業で抜いたり、カシメたり・・・は大変このうえない。
  そこで開発されたのが「BSリベットル」というツール。重いライニングを作業台に置いた状態で、写真のように、すぱすぱと古いリベットの抜き取り&新品リベットのカシメが安全かつ確実にできる。特段のスキルなしにどんどん作業が進む。新入社員はもちろん、アルバイトさんでもできるという。本体重量5.2kg。製造は富岡市の㈱三協だが、扱いは安全自動車㈱だ。

2016年11 月 1日 (火曜日)

環境にやさしい! 燃料電池式フォークリフト

燃料電池式フォークリフト  21世紀の産業革命を一堂に見ることができる、という触れ込みの見本市CEATEC(コンバインド・イグジビション・オブ・アドバーンスド・テクノロジー)2016が幕張で開かれた。さっそく覗いてみた。
  注目はモノのインターネット(IoT:インターネット・オブ・シングズ)だが、オット足を止めさせたのは、いっけん何の変哲のない1台のフォークリフト。燃料電池式のフォークリフトだという。
  つくったのは、乗用車のエンジンのシリンダーブロックなどを製造している豊田自動織機。豊田佐吉ゆかりのモノづくりメーカーだ。近くにいた開発に携わった女性をつかまえ聞いてみると、「トヨタ・ミライの燃料電池のシステムを参考にさせてもらいつくりました」とのことだが、あちらは確か70MPaと高圧だが、こちらはその半分の35MPaで、独自に開発した部分も少なくないという。
  水素の充填時間は約3分で、稼働時間は8時間というから、ライバルのバッテリー方式やディーゼル方式のフォークリフトなどと十分戦えるという。倉庫の一角を占める充電機やスペアのバッテリーが不要となることも、このフォークリフトの優位性だという。ちなみに、車両重量は、3920kgと乗用車の約2倍なのは、フォークリフトの常識。だが、コストが、いまのところバッテリー式フォークリフトの3~4倍というのでは、いくら環境に優しいといっても誰も見向きもしない。今後、素材やデザインの見直しなどで、1.5倍近くにまで下げられるかどうかが注目だ。

2016年10 月15日 (土曜日)

自動運転のキー技術の車車(しゃしゃ)間通信・路車間通信とは?

車車間  メガ・サプライヤーのコンチネンタル社を取材したら、面白いことがわかってきた。
  交通事故VISION(ヴィジョン)ゼロをスローガンに掲げている。その目標で必須となるのが「車車間通信と路車間通信」だという。いささか舌を噛みそうな言葉だ。
  自動運転を目指すクルマに付くレーダーとカメラは、ドライバーが見える範囲を見張っているに過ぎない。これだと交差点での右折(欧米だと左折)での事故が起きてしまう。自分のクルマと近くのクルマの通信だけでなく、近くの路面設備との通信が必要となる。そこで、半径500メートルの範囲で自分のクルマとほかのクルマ、自分のクルマと周辺の路上設備をリアルタイムで通信させ、安全運転の支援をおこなわせる。
  これにより右左折支援だけでなく、急ブレーキ支援、前方衝突警報、故障車の存在を知らせる、緊急車警報などが把握でき、自動運転をよりたしかなものにできるというのだ。
  そのためには、より精度の高いGPSなどによる位置情報が必要となるが、コンチネンタル社では、技術的にはほぼ完成しているという。また近い将来、歩行者が持つスマートフォンを発信機として近くのクルマに存在を知らせるなど、2重3重の事故防止策もとられると見られる。でもこうなると人もモノも何もかも通信でつながることになり、人が孤独を楽しむことができなくなるばかりか、ひとつ間違えるとジョージ・オーエルの未来小説「1984年」が描く監視社会におちいる!?

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