みなさん!知ってますCAR?

2015年7 月 1日 (水曜日)

新型ロードスターはインテリアもエクステリア!?

ロードスターのドアトリム  自動車が誕生してかれこれ120年。自動運転技術、ぶつからない衝突安全技術、1台のクルマに100個以上のマイコンが珍しくなくなった電子化の進化と燃料電池などのエネルギー革命・・・クルマ文化もいよいよ円熟。一見して先祖帰りともいうべき現象がある。VWのUP!(アップ)のインテリアは鉄板むき出しで、瞬間的にはチープ感はしたが、意外とシンプルさと新鮮味を感じた。
  マツダの新型ロードスターに乗り込んで驚いた。ドアトリムの上部が、金属むき出しなのだ。トントンと指で叩くと樹脂だということが分かる。見た目がボディカラーと同じ色で、金属製のパネルに見えるため、オープンにしたときにクルマの外と内部が一体に感じ、とても不思議で新鮮な印象を受ける。これはデザイナーの狙いどころなのである。
  デザイナーの狙い通りということは、モノづくりの現場では、かなり苦労しているということにつながる。「外板と同じフィーリングを与えるため、色味をあわせるのに苦心でした。外板と内側の樹脂とは塗料と工程が異なるので、限りなく近くするのは、それは苦労でした。しかもマイカ塗料を含め7色もありますから」もちろんドアの内部にはパワーウインドウのワイヤーハーネス(電線)やドアレギュレーターと呼ばれるガラスを上下するメカ部品を内蔵している。こう見てくると、クルマの新機構の楽屋裏にはいくつかのドラマが垣間見えるということだ。

2015年6 月15日 (月曜日)

男性には不可解!? 女性占有率9割のラパン

3代目ラパン  スズキの「ラパン」というクルマを考えると、野坂昭如(のさか・あきゆき)の“♪男と女のあいだには深くて暗い河がある♪”というメロディーが流れてくる。
  2002年にデビューして以来≪身近な雑貨や家具のように愛着の持てる道具≫という発想から、若い女性ユーザーを中心に売れているらしいラパンが、3代目をリリースした。エクステリアが、箱型から丸みを帯びたカタチに変貌している。車内に入ると飛び上がるほど驚き、思わず天井に頭をぶつけそうだ。ボックスティッシュが納まりインパネボックス、スマホなど小物が納まるセンターアーム部、傘などの長いものが入るラゲージアンダーボックス、ピンクのハンドルカバー・・・。オトコ目線でみると小賢しいギミックとしか見えないが女性には受けるらしい。
  ラパンのユーザーは9割が女性で、そのうち6割が20代と30代の女性だという。
  だから、開発チームの中でも『女性ワーキング』と呼ばれる20代と30代の女性で構成されるチームがこだわりのデザイン、シンプルで判りやすい仕様と機能、それにうれしい快適装備を目指して取り組んだという。その結果登場したのが、軽自動車初の音声案内付きメーター、使いやすいスイッチ類などだ。スズキの役員(もちろん、おじさん!)がいうのは、「好みのボディカラーがないとそのクルマは候補から即外れ、ハンドバックを持って移動するため、フロアにバックを置くのはだめ! バッグの置き場所をつくることが必要」と女性目線と男性との価値観の違いにおおいに戸惑ったことを発表会場で、正直に打ち明けていた。
  ちなみに、今回のラパン、なにも女性重視100%のクルマだけがトピックスではなく、燃費もJC08モードで35.6km/lと大幅によくなった。その背景は、高効率なエンジンと新プラットフォームの採用と高張力鋼板の使用を高めるなどによる120kgにおよぶ軽量化だ。

2015年6 月 1日 (月曜日)

ヴァレオのワイパーブレードは21世紀タイプ!?

ヴァレオ  毎年5月に横浜でおこなわれた「人とくるまのテクノロジー展」は、電子制御などを使った小難しい最先端テクノロジーがオンパレード。30分もいると頭が痛くなるイベント。でも、そのなかで、解りやすい新製品を見つけたので紹介したい。
  ヴァレオの「アクアブレードによるフロントカメラ前方クリーニング」という少し長い名称の製品。早い話が、自動ブレーキを構成するフロントガラスのカメラの視界の確保維持装置。カメラ周辺にゴミや泥が付着すると自動ブレーキの機能が怪しくなるので、高性能なワイパーで拭き取ろうというのだ。通常ウインドウ・ウォッシャー液は、ボンネット上からフロントガラスに向かい噴射する。これだと実は高速走行中では風の影響を受けスプラッシュ性能がダウンする。そこで、ヴァレオの提案はワイパーブレード本体から水が吹き出るタイプ(アクアブレードというのはこれを指すようだ)。これだと効率が高いので、水量が少なくてすみ。タンク容量を減らし、車両重量減による燃費向上にも結びつく、という理屈。すでにベンツ車には採用済みで、これから日本車にも売り込もうとしているようだ。
  なお、ヴァレオ社というのは、ボッシュやデンソー、コンチネンタル社などと肩を並べる自動車部品のメガサプライヤーの世界ランク10位以内に入る企業。もともとは20世紀初頭に英国のブレーキメーカーフェロード社のフランス支社からスタートしたのがルーツ。80年代に入り、世界企業として成長を続けているようだ。

2015年5 月15日 (金曜日)

悩ましいエンジンオイル交換時期をどう考えるか?

エンジンオイル管理  「エンジンオイルの交換は、自然吸気(NA:ナチュラル・アスピレーション)エンジンの場合で走行1万キロごと、ターボなど過給器付きのエンジンではその半分の5000キロごと。エンジンオイル・フィルターはオイル交換2回に1回の割り」と長く考えていた。80年代だったと思うが、「シビア・コンディション」で使われるクルマはその半分で、メンテナンスをおこなう、という情報が日本にも導入された(北米では一足先にシビア・コンディションの考えが登場している)
  シビア・コンディションというのは、「ホコリの多い悪路を走るクルマ」とか、「宅配便のようなゴーストップの繰り返しの多いクルマ」「山坂をもっぱら走るクルマ」という具合に、遠い世界の走行で、自分には関係ないと考えていた。
  ところが、自分のファンカーゴ(平成13年式)が、走行13万キロあたり(現在17万3000キロ)から目に見えてオイル消費が大きくなり、現在1万キロ走って1リッターのオイル消費! この現実を知人の1級整備士にぶつけたところ「もっと早くオイル交換すべきでしたね。本来トヨタディーラーの推奨は走行7500キロごとで、7500キロだと半端な数字で忘れやすいので、5000キロごとをトヨタディーラーでは勧めているのですよ」とのこたえ。つまり、渋滞の多い都市部を走ったり、近所への買い物が多いクルマは立派な「シビア・コンディション」状態の使い方だというのだ。いわれてみればその通り。もともとアメリカなど一度エンジンをかけたら、2時間3時間止めずそのまま走り続けることが多い使い方を基準にシビア・コンディションというのがあるということらしい。となると日本で使われる大半はそれにあたるのである。

2015年5 月 1日 (金曜日)

新型ステップワゴンのわくわくゲートは9kgの重量増!

ステップワゴン  5代目となるステップワゴンは発売された。「家族のためのミニバン」という新ジャンヌのパイオニアだったステップワゴンも、トヨタのノア&ヴォクシー、日産のセレナの猛追で、営業的には不振をかこってきただけに、大いに“ホンダ流飛び道具”に期待がもたれた。
  ところが蓋を開けてみれば、「たいしたことないな」というのと「いやいや見るべきものあり」の二つの見方ができる。新開発の直噴1.5リッター・ダウンサイジングターボの採用で、常用域2.4リッター並のトルクを発生、という謳い文句だ。燃費がJC08モードで、15.0~17.0km/lというのは、やはり競合車がハイブリッドで20km/l以上を叩き出していることを思えば物足りない。ただ、自動ブレーキをオプションとはいえ(約10万円プラス)全車に取り付け可能というのは、アドバンテージ。
  新型ステップワゴンの使い勝手上のウリは「わくわくリアゲート」と呼ばれるもの。リアゲートは従来どおり上ヒンジで上方に持ち上げられるだけでなく、乗用車のドアのように真ん中で縦に開閉できるのだ。サードシートの乗り降りがだんぜん楽だ。ところが、これを成立させるうえでかなりの工夫、という過剰装備を課している。縦折れ機構を組み込んだため、ドア自体が約9kgも重くなったのだ。リアバンパー一体型でしかも、リアゲートには重いゲートを持ち上げるダンパーも通常の5倍ほどの太いものを付けている。ゆえに車両重量が1700kg前後で、これはたとえばノアハイブリッドより90kgほど重い。
  ステップワゴンの価格は288万8000円から。販売目標は月間5000台と控えめなのはホンダの自信のなさの現れ!? 走行キロ数が年間1万キロ以内のユーザーならこちら、2万キロ以上ならハイブリッド、といえなくはないが・・・。

2015年4 月15日 (水曜日)

マイナーチェンジしたカローラの凄みとは?

カローラ  ホンダS660の発表のあった同じ日の午後、新型カローラがお台場でお披露目された。マイナーチェンジで記者に華々しく披露することはあまりない。それだけに、トヨタとしては強い思いがあったようだ。
  そもそもカローラは、1966年(昭和41年)に初デビューしている。サニーより排気量を100cc増やすことで当時の消費者の注目を集め、その後の成功につなげていくのだが、初代の開発者は、戦時中航空機を開発していた長谷川龍雄氏(1916~2008年)。長谷川さんの面白いところは、クルマの開発リーダーである主査の10か条を残した点。そのなかで「広い視野を持つべし」はごく当たり前だが「主査は要領よく立ち回るな」とか「無欲な性格が向いている」など、哲学や宗教につながる世界を展開している。
  長谷川さんは、カローラのことを「地球人の幸福と福祉のためのカローラ」としている。
  だから、マイナーチェンジした今回のカローラは、高級車並みの高い安全性を備えたようだ。具体的には、レーザーレーダーとカメラの組み合わせで、10~80km/hの幅広い速度域で自動ブレーキを作動させ、リアルワールドで発生している追突事故の80%に対応している。カメラによる車線逸脱防止システムも備えている。時速30キロ以下の追突防止を支援するシティセーフティをオプション設定というホンダS660が、色褪せて見えた。カローラフィールダーの価格は160万円台から。燃費は23.0km/l。

2015年4 月 1日 (水曜日)

Vリブドベルトの寿命は、亀裂よりも摩耗具合でその寿命を判断!

Vリブドベルトの摩耗  補機ベルトとよばれるVリブドベルトは、エンジンのチカラを用いて冷却水を循環させるウォーターポンプや発電機(オルタネーター)、ときにはパワステのポンプを駆動する大切なベルト。
  もしこれが切れると、発電しなくなり、バッテリーがあがってしまい、オーバーヒートにおちいり、走行不能になる。20年以上前はVベルトと呼ばれるV字断面のベルトだったため、2~3万キロで切れたり擦り減ったりして、何かとトラブル原因をつくった部品だった。溝がたくさんあるVリブドタイプになり、金属製のプーリーとの接触面積が大きくなったおかげで、寿命も伸び、だいたい5万キロは大丈夫。とはいえ、伸びることを想定して、12ヶ月ごとに遊びを点検し、伸びていれば調整ボルトを緩め、張りなおす。
  先日、自動車部品のイベントでベルトメーカーの「バンドー化学」(大阪)のブースを取材したところ、面白いものを発見。樹脂製の単なるゲージなのだが、これを使用過程のVリブドベルトに当てることで、そのベルトの摩耗度を簡単に確認できるというもの。担当者いわく「Vリブドベルトは、クロロプレンゴム製からEPDE(エチレン・プロピレンゴム)に変更され耐熱性や耐寒性が飛躍的に伸び、耐久性が高まっています。Vリブドベルトの寿命判断は、亀裂を見るのではなく、溝の深さが深くなることを劣化が進むと思ってください」とのコト。つまり溝の擦り減り具合をチェックするゲージだったのだ。新品時との比較で即座にだれにでも判定できる。いまのところ,自動車部品商などに無償で配布しているという。

2015年3 月15日 (日曜日)

ディーゼルエンジンのカラカラ音を消去した1個の部品

ナテュラル・サウンド・スムーザー  「必要は発明の母である!」とは言い古されたコトバだが、いまなお自動車の世界でも、その言葉は十二分に生きている。エンジニアにインタビューするなかで、そうした発見が21世紀でも起きていると思うと、楽しくなる。
  トップニュースに出てきたマツダのCX-3のエンジンには、従来エンジンにはなかった部品が一個追加されている。「ナテュラル・サウンド・ヒューザー」(写真の左)という聞き慣れないパーツがピストンピンの中空部分に納められているのだ。
  ディーゼルエンジンには、走り出しから低速走行に移るとき、カラカラともガラガラともいわれる嫌な異音(ノック音)が出る。ディーゼル業界のひとはいわば「当たり前」としてあきらめていたのだが、これをマツダのエンジン実験班の提案で本腰を入れて追及し、解決に導いたのである。
  解析すると、そのガラガラ音の正体はピストンが上下するときのコンロッドの伸びだった。伸びといってもわずか数ミクロン(1000分の1ミリ・オーダー!)これが3600Hz(ヘルツ)であることを突き止め、ノイズを元から断つ部品としてピストンピンの中空部分にダンベル状の小部品を圧入したのだ。正確にいうと中心部が内壁に固定され、両端部が上下動することで、ノック音を消すというものだ。ガラガラ音の大きなトラックに取り付けたくなる部品である。

2015年3 月 1日 (日曜日)

侮れない! ホンダの最新テクノロジー

ジェイド  ホンダはフィットやべゼルなどに採用のハイブリッド+ツインクラッチをめぐるコンピューター制御設定の不具合で大きく足踏みをして、新車投入スケジュールの大幅見直しをせざるを得ない事態に陥ったのはよく知られるところ。1970年代なら「チャレンジングなメカニズムゆえ」とエクスキューズで済ませられたが、平成27年では食品偽装ほどでもないが、企業への風当たりは弱くない。
  こうしたなか、ホンダは、地味に見えはするが、見逃せない技術を市場投入してきた。6名乗車の新型乗用車「ジェイド」である。1.5リッター直噴ガソリンエンジンにハイブリッドシステムとツインクラッチを組み合わせたフィットなどの流れを汲む新世代のパワートレイン。JC08モード燃費が25.0km/l。このクルマの凄い点は、これまでフロアに位置するのが常識だったリチウムイオン電池、冷却ダクト、制御コンピューターなどが収まるIPU(制御ユニット)をセンターコンソール内に配置している点だ。これにより室内空間が広くとれたということのようだ。ただし、通常のセンターコンソールボックスの空間はゼロだが。エンジニアに聞くと「苦労したのは側面衝突時の安全性だった」という。そのためにIPUのハウジングにはリブを設け、万が一の側面クラッシュ時にも耐える構造としている。ちなみにジェイドは272万円からだ。

2015年2 月15日 (日曜日)

これが カスタムカー作りの醍醐味 なのか!?

ちょろーる  毎年1月に幕張メッセで催される東京オートサロンのひとつの楽しみは、千葉にあるNATSという自動車専門学校の学生が作り上げたカスタムカー10数台を眺めることだ。当初は、学生がモノづくりの体験学習で片手間に作り上げたシロモノ、という見方をしていたが、担当の学生にインタビューするうちに、どうもそうではないことが分かった。
  このNATSという学園は、2年間の終了期間を要する自動車整備科コースがメインで生徒数550名ほどおり、そのほかにも整備科を終えた生徒が学ぶ「カスタマイズ科」や「モータースポーツ科」さらには計4年間学ぶ「自動車研究科コース」もあるという。オートサロンで登場するカスタムカーは「カスタマイズ科」の生徒8名が一組で、半年がかりで作り上げているというのだ。
  たとえばスズキの2人乗りKカー「ツイン」をベースにした「ちょろーる」(写真)。このひとを食ったネーミングの車両は、“ロールスロイスのチョロQ”をイメージしたもので、板金加工技術、他車のパーツを流用する技術(テールランプはトヨタ・アイシスで、トランクリッドはダイハツ・オプティのものだとか)、シートの張替えを業者に依頼するというアレンジ&マネージメント技術が駆使したという力作。ほかにも、トヨタのハリアーをベースにした「どこにもないエレガントなエクステリアを持つオールマイティな多目的車両」を目指した「ドベール」という車両も登場していた。早い話、グループ単位で試行錯誤したり、ドタバタしながら、締め切りを横目にして一台のクルマを仕上げていく。座学にはないダイナミックでリアリティかつロマンがそこにはあるようだ。

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