みなさん!知ってますCAR?

2008年6 月 1日 (日曜日)

ベアリングの採用で燃費改善&CO2削減!?

260_60621  エンジンの摺動部にベアリングを追加し、メカニカルロス(摩擦抵抗)を減らし燃費向上とCO2を削減する。そんなストーリーが自動車開発の世界で進みつつある・・・・・。
 ドイツを本社とする自動車部品サプライヤーに「シェフラー」という企業がある。ここは、LUK(ルーク)、INA(イナ)、FAG(エフエージー)という3つの部品ブランドを持つ企業。
 3つが統合してからわずか2年弱なので、認知度はさほど高くはないが、従業員6万7000人、50カ国180拠点を持つ巨大部品サプライヤーだ。この企業が提案しているのが、たとえばエンジン内部のカムシャフトやバランサーシャフトにベアリングを組み込むというもの。
 すでにアウディとBMWのディーゼルエンジンのバランサーにはこのベアリングを組み込み、燃費向上に貢献しているという。ただし、クランクシャフトのジャーナルとピンはプレーンタイプのベアリングが今のところ有利。1ピースのベアリングを組み込むにはクランクシャフトを組み立て式にするなど厄介な問題だけでなく、ノイズが発生する課題があるからだ。
 エンジンだけでなく、デフの軸受けのテーパーローラーベアリングをボールベアリングに置換して、メカロスを低減させることもできるという。テーパーは線接触なので抵抗がでかくボールは点接触だから抵抗が小さいというわけだ。このほか、ハブユニットにもボールベアリングを採用することで燃費を1.5%向上させる策もあるという。
 文字通り重箱の隅をつつくテクノロジーというべきか、合わせ技というべきか!?

2008年5 月15日 (木曜日)

カロリーアンサーとメタボ

257_57711  自動車とは現在直接関連はないが、近い将来お近づきになる科学や装置というものがある。
 さしずめ「カロリーアンサー」(ジョイ・ワールド・パシフィック http://www.j-world.co.jp/)はその第1候補になると睨む。
 カロリーアンサーとは、食品の熱量(カロリー)をたちどころに測定できる21世紀型先端装置である。電子レンジほどの大きさの箱に食品を入れ、スイッチを入れればその食品のカロリー量が表示されるため、スーパーマーケットの惣菜コーナーや大手外食チェーンなどの楽屋裏で大活躍しているそうだ。いまやファミレスのメニューには、カロリー表示が謳っており、メタボが心配なお客はそれを参考に注文をすることがあるからだ。
 この装置の原理は、近赤外光という光を食品にあて、反射してきた光でその食品の吸光度を測定、そこからカロリー計算するという。重量が同じでも脂身の多い牛肉と少ない牛肉のカロリーさも正確に出る。測定時間は約3分で、従来方式の理化学分析と比較して誤差はわずか10%だという。
 ここまで読んで、現在直接クルマとはかかわりない装置だが、クルマに乗る人の体重がもし10㎏軽ければ、車両重量10㎏軽いことと同義語。これまであまり言われてこなかったが、実は乗員の重量軽減はクルマの燃費に直接反映する。だとするとカロリーアンサーは燃費削減大作戦のキッカケになるかもしれない!?

2008年5 月 1日 (木曜日)

生ゴミからエタノールを作り出す

257_57261  右を向いても左を向いても「CO2の削減!」の声がかまびすしいが、自動車の燃料となるバイオエタノールの新しい生成方法を模索する動きがでている。生ゴミからバイオエタノールを作り出すというものだ。
 東京農業大学の総合研究所が実験に取り組んでいるもので、乾燥させた生ゴミ100㎏を発酵させ、発酵物の真空蒸留・精製をへて6リッターのエタノールを作り出すことができたという。このエタノールの熱量は1.8メガジュール(MJ)で、地球温暖化の原因となるCO2を炭素量の換算で100グラム削減するという。ちなみに、エタノール6リッターでクルマが37㎞走行でき、お風呂を沸かすとなると5回分に相当するという。
 一部で注目されている古材やチップ材を使ったエタノール生産の場合、高濃度の蒸留排水が出て、後処理に苦心する。だが、この真空蒸留だと乾燥残さ(乾燥生ゴミ100㎏につき85㎏)が排出されるので、肥料やブタの飼料にすることができより合理的だという。
 ただ、リサイクルのつねで課題は、いかにして集結させるかという点と、不純物をいかに効率よく取り除くかにかかっているという。嫌われモノの生ゴミでクルマが走る時代がくるかも知れない。

2008年4 月15日 (火曜日)

インジェクターの洗浄マシンとは?

252_52211  世の中には、「メンテナンスはお手上げだ~っ!」という世界がたまにある。
 燃料噴射装置の主役ともいうべきインジェクターが、まさにその代表ではないだろうか? 精密機械だから一生モノ。あるいは・・・精密機械だから下手にいじるとかえって悪くなる・・・そんなイメージの自動車部品である。インジェクターといえば、開閉部のバルブは1ミクロン(1/1000ミリ)の精度だし、ピンドルバルブニードルと呼ばれるリフト量は60~100ミクロンの世界なのである。
 ところが、エベレスト(チョロランマ)を征服すると世界が開けるのと同じで、あえて困難な事柄に挑戦する企業が世の中にはある。埼玉県川越市にある「アズニュー」http://asnu.jp もそのひとつで、これまでお手上げだったと思われてきたインジェクターをオーバーホールして蘇らせるシステムをイギリスから導入している。「超音波インジェクタークリーナー&フローベンチシステム」がそれ。
 このマシン、一基130数万円もするため、ユーザーには手が出せないが、全国のチューニングショップや整備工場に70機ほど納入済みだという。内部に侵入したごみによりエンジン不調に陥っていたクルマや、インジェクター内部のクリーナーが破損しているなど意外とインジェクターにまつわるトラブルは少なくないという。インジェクターのオーバーホールで、愛車ががぜん蘇る、のもけっしてオーバーではないという。

2008年4 月 1日 (火曜日)

付加価値をつける!純水洗車とは?

301_2  筆者のように洗車にはいたって無頓着なユーザーはあまり大きな顔をしていられない。どうせ2~3日したら雨が降るのだから、洗車などしたくもないね・・・そんな高をくくって数十年なのである。
 ところが、世に≪純水洗車≫なるものが登場したのである。
 純水とは現在中近東などで「海水の真水化計画」として知られている逆浸透幕の原理を応用して、作り上げた純水のことだという。水道水の中に溶け込んでいるナトリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラル分を除去した、蒸留水と限りなく近い水のことである。
 ROモジュールと呼ばれる浸透幕を何層にも重ねて海苔巻き状にした特殊な容器に水道水を通し、純水を生成するマシンである。このマシン、1時間で約150リッター(10台分)の純水を作り出すという。
 ミネラル分を含む水道水ではなにがダメだったかというと、ボディ表面に白いミネラル分が水シミとして残り、艶のあるイマドキのクルマの塗装の見栄えを台無しにしてしまうというのである。
 純水で仕上げをすると、透明感のあるボディとなる。とくに新車などによくコーティングを施すクルマがあるが、この場合純水洗車をしたのちコーティング施工するとより理想に近い仕上がりができるという。
 純水洗車による高品質洗車が、近いうち日本の常識になるのだろうか!?

2008年3 月15日 (土曜日)

2011年からアルミ製ワイヤーハーネス登場!

245_4505 よく知られているようにアルミの比重は2.7で、鉄や銅の約1/3の重さ。エンジンフードやトランクリッド、なかにはルーフにアルミを使い車両を軽くしているクルマも登場している。
 1台のクルマに使われている電線(ワイヤーハーネス)は、約30kgもある。これをアルミに置き換えれば、30%の重量減となり、ざっくり20㎏も軽量化が図れ、燃費向上にも大いに貢献する。ただし、ネックはアルミの腐食性と剛性、それに端子との接続だった。
 滋賀県にあるワイヤーハーネスの大手メーカー古河ASに取材に出かけたところ、≪クルマの配線のアルミ化研究≫はすでに20数年前からスタートし、実用化のメドが立ち、3年後の2011年から量産車に採用される予定だという。
 アルミ電線を成立させたポイントは2つある。ひとつは、ごく少量の鉄、銅、珪素といった鼻薬を適正に混ぜることで、耐食性とフレキシブル性を向上させた点。二つ目は、従来の銅電線と強度に劣るアルミ電線を端子と接続するため、電気的安定と圧着強度の両立を図るため「2段圧着技術」を開発。この2段圧着技術というのは、電線の被覆部を確実にホールドして保持する部位と電気的導通性確保を目的とする部位の2つに分けて接続するという手法。
 日本人得意のモノづくりワールドが展開される世界である。
 (写真は上がアルミ電線で、下が従来の銅電線)

2008年3 月 1日 (土曜日)

こいつは便利! タイヤの空気圧を常にチェック

250_5007 よく知られているように、タイヤの空気圧は、何もしなくても1ヶ月に5~10%も自然低下していく。気が付けば規定値の2~3割ダウンで、乗り心地悪化、燃費悪化、タイヤの早期磨耗など悪いことだらけ、となる。最悪タイヤのバーストを引き起こす。
 高速道路のサービスエリアでの調査によると、約4割のクルマは空気圧低下状態でハイウエイを走っているという恐ろしいデータもあるほど。
 そこで、給油するたびにエアチェックすることが大切だが、つい人間忘れることもある。
 ≪タイヤのエア圧監視役≫があればいい! そんな要望に応える製品を見つけた。
 TPチェッカーがそれで、運転席の表示に30秒ごとにタイヤの空気圧変化を知らせてくれる。
 タイヤのバルブと共締めされたセンサーが無線で、モニターのアンテナに発進することで、監視するのである。空気圧だけでなく、タイヤ内部の温度も表示する。誤差は±1kpa(キロパスカル)だという。
 気になるのは価格だが、乗用車用で4万5000円と正直お高い。もう少しリーズナブルな価格になれば付けたい人が多いと思うのだが・・・。(スポーツモデル用、トラック用もデビューしている) 発売元は、アッソ・インターナショナル(℡03-5919-1582)。

2008年2 月15日 (金曜日)

サーキット走行を想定したガソリンタンクとは?

Isf0710_49 水の入ったバケツを横にぐるぐる振り回すと、水が底のほうに集まり重量に逆らって水がこぼれない・・・ということは子供のころ経験しているはず。
 これと同じ理屈でサーキットを速い速度で走行すると燃料が燃料タンクの一部に片寄り燃料ポンプが吸い上げなくなる恐れが出る。そこで、燃料タンク内にもうひとつサブのタンクを付け、ガス欠状態を防ぐという仕掛けがレーシングカーなどには、なかば常識的な構造。
 この仕掛けを市販車に付けているのが、レクサスISF。
 ガソリンタンク自体は樹脂タンクではなく旧来のサンドイッチ鋼板と呼ばれる金属製なのだが、サブタンク付きというのが斬新である。
 このクルマには、強い横Gがかかったときにエンジンオイルがオイルパンに戻りにくくなるのを防ぐ目的でシリンダーヘッドにスカベンジング・ポンプを備えてもいる。
 このレクサスISFは、世界のサーキットを走りこんでつくり込んできたクルマだけに、ふつうのクルマにはない仕掛けがあるのである。速度計は300㎞/hまで表示され、エンジンはV型8気筒5.0リッター。ホイールは19インチの鍛造製である。
 ちなみに価格は税込みで766万円だそうです。

2008年2 月 1日 (金曜日)

ワイヤーハーネスは人海戦術で組み付けられている

666 よく言われているように、日本のモノづくり世界はすばらしい。
 自動車部品メーカーを取材に行くとそのことが痛いほどわかる。
 先日うかがったのがワイヤーハーネス(クルマの電線のこと)をつくる滋賀県にある工場。米原からワンマン電車の近江鉄道に揺られ約30分のところにある古河ASという企業である。
 ワイヤーハーネスのモノづくりは一部自動化がされて入るものの、文字通り人海戦術である。電線・端子・コネクターを適宜つなげた半製品を専用の台上で、徐々に組み付けてゆく。14名のうら若き女子作業員14名が、持ち場、持ち場で作業をおこない、2分30秒で一台分のワイヤーハーネスが完成。もちろんその直後に、専用の導通テスト台で、やはり2分30秒間で、検査が完了する。
 そのときに必要な部品在庫が供給されるカンバン方式が展開されていた。
 ちなみに、クルマ一台分のワイヤーハーネスは意外と重く約30㎏。ランドクルーザーなどになると40㎏を超えるという。そこで現在ワイヤーハーネスのアルミ化作戦が展開中だ。現在の銅の導体素材からアルミの導体に換えることで重量を30%前後軽量化できるからだ。アルミの耐食性、剛性不足など課題はあるものの、技術的にはほぼクリアしているとのことだ。ごく近いうちアルミ導線のワイヤーハーネスが登場するはず。

2008年1 月15日 (火曜日)

CNGバスの進化に注目しよう

666_2  圧縮天然ガス(CNG)を燃料とする路線バスをご存知だろうか?
 圧縮天然ガスはもともと不純物が少ないためスモークやPM(粒子状物質)の発生が少なく、環境にやさしい燃料という位置付けだが、このほどいすゞのCNGバス・エルガは、世界で一番厳しいといわれる新長期排ガス規制を楽々クリアした。その規制からNOⅹを85%、HCを75%も低減させているのだ。
 従来のCNGエンジンは、燃料と空気の混合をガスミキサーと呼ばれる手法(LPGタクシーと似ている)から電子制御燃料噴射装置(MPI:マルチポイント・インジェクション)に変更したこと。これによりきめ細かい燃料の噴射量と噴射タイミングの制御ができ、排ガス浄化が劇的に向上したのである。
 しかも排気量7.8リッターの直列6気筒エンジン(インタークーラーターボ付き)も出力アップさせている。ベースエンジンはディーゼルエンジンであるが、ディーゼルエンジンではないので、スパークプラグ(ロングリーチタイプのイリジウム)で点火する。トランスミッションは5速ATで、ルーフに燃料タンクのボンベを載せ、一充填約200キロ走行可能だという。
 このいすゞのCNGバス・エルガは、中型と大型があり、価格はそれぞれ278万4000円と329万8200円だという。

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