「カーオーディオが突然壊れる」
新車から新車に乗り継いでいるユーザーはあまり体験したことがないかもしれないが、カーオーディオが突然不具合になる、という自体はさほど珍しくない。家庭用のコンポステレオなら比較的安定した環境だが、クルマほど、ホコリが多く、振動や多く、夏の灼熱、冬場の低温・・・そうした厳しい環境下で使われるため、早ければ5年、遅くても8年でダメになるオーディオは少なくない。もちろん保証期間はとっくに過ぎている。「この際だから社外のゴージャスなオーディオに替えちゃおう」という考えもあるが、安い経費で元の素敵な音響環境に戻したい、というひとのほうが多いと思う。
そんなときは、ぜひお勧めするのがリサイクル部品のカーオーディオ。 最近はDINなどの規格サイズなので、取り付きません! というケースはまずない。新品の半値以下、ときには4分の1ぐらいの予算で購入できるのが魅力だ。取り付けの実際は次号で。
バンパーの交換は、特別な工具も必要なくその気になれば意外と簡単に進む。 バンパーは、2つのパーツで構成されている。バンパーカウルと呼ばれる樹脂カバー、それにバンパーリインフォースメントと呼ばれる骨組みである。車種によって、この2つを兼ねているものもあるし、軽自動車の大半のようにバンパーカウルのみのクルマもある。
車種により、その手順は若干異なるが、取り外しの手順は・・・①バンパーカウル付きの場合は、カウルから取り外す。これは10個~12個の小さなビスや樹脂クリップで取り付けられており、これらを漏れなく取り外す。②リインフォースメントを持たないクルマ、およびリインフォースメントそのものはネジ径9~10ミリ(ボルトの6角部の2面幅が19ミリ程度)の大きなボルトで車体に取り付けられているので、車体の下にもぐりこのボルトを取り外す。リフトアップしたほうが作業性はいいが、フロアジャッキとリジッドラック(馬)を併用してもなんとか作業はできる。取り付けはこの逆だが、カウルを取り付けるときはビスの数が多いので、はじめ仮止めをし、しかるのちに本締めをするとスムーズに作業が進む。
ヨーロッパの街中では、駐車するため前後のクルマをバンパーで押し広げ、縦列駐車している風景が珍しくない。バンパーの≪役割≫を明確に見せてくれる光景である。
でも、日本人はどうもバンパーに傷が付いても気になる性質(たち)である。一番ぶつけやすい、傷つけやすい外装部品のバンパーが要交換、と判断された場合。いつも言うことだが、新品バンパーは値段が高い。コンパクトカーのバンパーでも4万円近い。しかも塗装代を入れるとかるく6万円オーバーになることも・・・。リサイクルパーツのバンパーなら、新品に限りなく近くて新品の半値以下。しかも同じ色ならそのままボルトオンで取り付けられ工賃も浮かせられる。
セービングマネーの真髄。次回にバンパーの取り付け手ほどきをじっくり伝授しよう。
ドアの取り外しは、特別な工具は必要としないので、自分でチャレンジしたいひとなら比較的スムーズに作業できる。
ドアの取り外しは、まず内張り(トリム)を外すのだが、いまどきのクルマは見えづらいところにボルトがあるので、よく観察すること。アームレストには大きめのボルトが2本、ドアロック解除レバーの周辺には小さなビス1本・・・こうした隠れビスを外し、トリムは先端にビニールテープを巻きつけたマイナスドライバーで用心深く隠れ樹脂クリップを外していく。樹脂クリップは再使用するので破損、紛失しないこと。ドアのヒンジボルトは、メガネレンチで外す。2ドア車のように重いドアはとくにそうだが、あらかじめドア下部に角材などを置いておくと、車体から外したとき慌てなくてすむ。
取り付けは、この逆の作業である。取り付け位置はできるだけ元の位置にすれば建て付け調整することもないが、もしその必要がでたらピラー側のボルトとドア側のボルトで調節する。ドアロック位置の狂いが出たら、ストライカと呼ばれるロック機構のベースの位置を少し変えることでおこなう。
数あるリサイクルパーツのなかで、おそらく≪一番お値打ち!≫というのがドアだと思うね。
というのは、新品部品に比べると半値以下、ときには4分の1になるケースも少なくない。ドアを新品で注文すると、驚くほど多くの最小単位の部品で成り立っていることが分かる。ドアガラス、ドアパネル、レギュレーター(ガラスを上下する機構)、トリム(内張り)、パワーウンドウのモーターなどである。しかもドアパネルには塗装がされていないので実際に組み付けたのちそのクルマの色と同じ色に塗装しなくてはいけない。こう考えると金額だけでなく、手間隙がずいぶんかかるのである。
このてんリサイクルパーツのドア(写真)で、もし同じ色なら、文字通りボルトオンで交換できる。「同じ色でも太陽光線が当たった時間でクルマの色は微妙に異なるものだ」そんな高級車オーナーの意見、あるいはプロの板金屋さんの頑固な考えならはじめからリサイクルパーツは薦めない。(再塗装してもリサイクルパーツなら断然安いが)
自分でドアの交換をするひとのためのハウツーは次回(後編)のお楽しみとしておこう。
シートを交換する、というケースはごくふつうのユーザーにはまずないと思う。でも、狭い車内の中で、コンビニで買った飲み物がこぼれた、乳児に哺乳瓶でミルクを飲ませていてこぼしてしまった・・・ということからシートの汚れがひどくなり・・・そんなケースは考えられる。走り屋さんにとっては少しでも上等なシートに交換したいという欲望もあるはず。中古のシートはほとんど再使用することなくダストになるため中古シートは驚くほど安く手に入る。だから手軽に交換するひともいるほど。
シートの取り外しはソケットツールがあれば大丈夫。シートのベースとなっているのはシートレールと呼ばれる金属部。これが車体にボルト4本(前2本、後ろ2本)で留まっているので、このボルトを緩めればいい。このボルトの頭はたいてい12ミリか14ミリ。まずシートを一番後ろにスライドさせる。すると前側のボルト2本が顔を出すので、これを工具で緩めて取り外す。今度は逆に一番前にシートをスライドさせ、同じようにボルトを緩め外す。なかにはボルトの頭部に樹脂カバーが付いている車種もあるので、あらかじめ取り外しておく。
電動シートなどにはシートの底にワイヤーハーネス(電線)が付いているので、ボルト4本を外した時点でゆっくり底を観察しコネクターを指で取り外す。シートを車体から出すときは、サイドシル(敷居)に傷が付くので、あらかじめサイドシル部にガムテープを貼り保護をしておくといい。取り付けは、これと逆の手順だが、かたよって締めると無理がくるので4つのボルトは少しずつ何度にも分け締めるといい。
クルマの外装部品のなかで、おそらくいちばん破損率が高いのがドアミラーではないだろうか。カタログデーターの≪全幅≫より出っぱっているため不案内な狭い路地に入って角のコンクリートブロックにヒットし、破損する・・・そんなケースが多いようです。最近のドアミラーは電動格納式(略して電格式といいます)なので、部品代だけでも2万円~3万円。これに工賃を加えると4万円を超えることもあります。小破損でもたまげるほど大きな出費を強いられるケースです。
リサイクルパーツなら3000円から1万円弱の超格安。自分で取り付け作業をするなら、それだけの出費でOKなのです。
ドアミラーの取り付けと取り外しは、一度経験しておくと20分もあればらくらくできる作業です。特別な工具も必要なく(とはいえ、あれば便利なのが内張り剥がしのドライバーぐらいです!)素人がチャレンジするにはちょうどいいお仕事ですね。
内張り(トリムともいいます)をまず剥がすのですが、このとき、アームレストやドアロック部のボルトをプラスドライバーで緩め外します。あとは、慎重にトリムを剥がすのですが、このとき専用のドライバーがなければ、通常のマイナスドライバーの先端にビニールテープを巻きつけ使うと具合がいいです。トリムが傷まず作業ができるのです。無事トリムが外せれば、配線のコネクターが顔を見せるはずです。これを切り離し、あとは、写真にあるような車内側から見える三角形の樹脂カバーを取り外す。するとドアミラーを車体に取り付けているボルト3つが見えるので、これをソケットツールで取り外し、ドアミラー本体に付いているコネクターを切り離せば大丈夫です。
言葉で説明するとややこしく聞こえるかもしれませんが実際トライすると簡単なことが理解できますよ。取り付けはこの逆の手順でやります。
外装部品のなかまで、一番広い面積を持つのがルーフとボンネットです。ボンネットはエンジンフードとも呼ばれ、冬場硬い雪が屋根から落下したとか、鳥のフンをそのまま放置して塗膜が剥がれるなど、6~7年もクルマを使い続けると意外とトラブルが起きるものです。
多少のヘコミならベントリペアとか最近流行の軽板金ショップで修復してもらうのも悪くありません。でも、修復金額が2万円以上ならリサイクル部品のボンネットを探すべきだと思う。
同じ色なら、手持ちの工具で比較的楽チンで交換作業をやっちゃうことができるのです。
はじめに、旧いボンネットを取り外す。それにはボンネットを開けて、写真のように手ごろの長さの木の棒をステー替わりにしてしまう。ウインドウウォッシャーホースを切り離し、車体との取り付け具合をよく目で観察する。たいていはフェンダーの上部に合計2個のヒンジで留まっている。1個のヒンジには2つのボルトが取り付けられているので、この計4個のボルトをソケットツールで取り外す。このボルトを外すには12ミリまたは14ミリの工具。
これで旧いボンネットは外れるのだが、なかにはシール剤がくっついてスムーズに外れないケースもある。このときは、一度ボンネットを閉め、前後左右に揺さぶることで塗膜を切り離し、しかるのちにもう一度ボンネットを開けてしっかり両手で持って車体から切り離す。取り付けはこの逆。左右前後の調整はヒンジボルトの位置でアジャストするのだが、もともと付いていた位置に合わせればすんなりといくはず。ロック部ももし合わなければロック自体を少し動かす調整が必要だが、実際にはその必要のない場合が少なくない。
ある統計によるとクルマの事故の8割がたがフロントクラッシュ。前回りの部品が破損する可能性が高いということです。中規模以上のクラッシュなら迷わず整備工場行きですが、ヘッドライトの破損ぐらいなら、ユーザーみずからDIYできちゃいます。ヘッドライト1個は、新品で購入すると2万円~6万円、これに工賃まで入れると3万円~7万円になります。リサイクル部品なら、部品代だけで5000円~1万円で間に合うのです。
ヘッドライトの側面にクリアランスランプなるランプが別体で付く少し前のタイプなら、このクリアランスランプを取り外すとヘッドライトの取り付けボルト3本~4本が顔を出すので、10ミリソケットを使い取り外せる。ライトの後ろのカプラー(コネクター)を慎重に取り外せば、後は新しいランプを取り付けるだけ。
ところが、ホンダ車に多いのだが、ヘッドライトを外すのはその前にフロントバンパーカウルを外さないといけないケースが少なくない。デザイン重視のトバッチリである。バンパーカウルは、ボルト、ビス、樹脂クリップなどで留まっているので、よくよくどのように留まっているかをよく観察し作業にかかること。車種によって、ボルト留め、ビス留め、樹脂クリップ、それらの混合とさまざまなのだ。バンパーカウルとフェンダーを結合させるビスもある車種もあるので要注意です。
ヘッドライトを交換すると、光軸調整をやっておくのが基本です。ランプ内の光源であるフィラメントが熱によりたれて、車検がくる2年で光源が下がりたいていは上向きになるものです。ランプ交換時にもフィラメントの位置は変化しているはずなので、光軸調整は必要となります。光軸調整は、整備工場に頼むと2000円前後でやってくれます。なお、古いランプのバルブが生きているときは、スペアランプとしてグローブボックスのなかに保管しておくと何かのときに役に立ちます。
HIDタイプのランプは、高電圧がきているので、プロに任せるのが基本です。
狭い路地に迷い込んだときなど、あたふたしてクルマをバックしようとして・・・気がつけばテールレンズが電柱にぶつかり破損する。よくあることです。うしろに目があればな~ッ、と思っても後の祭り。
このテールレンズ、新品パーツで購入すると1万円~1万5000円。なかには2万円近いものもある。リサイクルパーツなら、新品同然で3000円~5000円、せいぜい7000円も出せば入手できる。工具など手に持ったことのない人も、スパナ1本あればらくらくできてしまう(クルマによって多少異なるが)。
トヨタのファンカーゴを例に説明してみよう。
用意するのは12ミリのスパナ(コンビネーションレンチでもOK)とマイナスドライバー。マイナスドライバーは、樹脂のカバーの隙間に先端部を入れて、少しこじるためだ。
ファンカーゴの場合、テールゲートを開け、テールレンズの背後を観察すると、2つの大小の樹脂カバーが付いている。これをドライバーの先端で少しこじって取り外す。すると、遮音材があり、これを指でよけると裏側がすっかり顔をあらわす。車体にテールレンズがどんな具合に取り付けられているかが理解できるはず。このクルマの場合、2つのナットで車体に取り付いており、ワイヤーハーネス(コネクター)が1個あるだけ。そこで、コネクターをまず丁寧に取り外し(指で押すと解除できるところを探す!)、あとは10ミリスパナで上下2つのナットを緩める。ナットは少し緩めれば指でらくらく取り外せる。このとき、油断して大切なナットを車体の隙間に落下させないこと。(万が一落としたらネジ屋さんで手に入れるしかない!)
以上で、テールレンズは無事車体から離脱できる。やってみればとくに特別な工具も必要としないので「な~んだっ!」と大きな発見をした気分になる。この感激を味わって欲しい。きっと病みつきになるはず。あとは、手に入れた新品同然のテールレンズを元通りにして、友人にクルマの後ろに立ってもらいテールレンズがちゃんと作動(ブレーキ、ウインカー、スモールなど)するかを見ればおしまい。なお、壊れたテールレンズに付いているバルブ(電球)は取り外し、割れない工夫(飲み終えたペットボトルをカッターナイフで適当な大きさにした自作ボックスとか)をしてグローブボックスに入れておくと何かと便利。
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