ボンネットを脱着するときもそうだが、数あるハンドツールのなかでソケットツールほど便利なものはない。そこで、ソケットツールをかしこく使うためのノウハウを2回に分けてお話してみよう。ソケットツールの一大特徴は、組み合わせて使うハンドツールだという点。スパナやメガネレンチ、ドライバーはそのものズバリなのだが、ソケットツールは、ラチェットハンドルを中心としてエクステンションバー、ソケットなどのジョイント工具なのです。
組み合わせ工具であるソケットツールで知っておいて欲しいのは、差し込み角。たとえばラチェットハンドルにソケットを差し込んだときの、その差し込み四角部の2面幅の大きさをインチで表示する。小さいものから1/4インチ、3/8インチ、1/2インチ。それぞれメートル法でいうと・・・・6.35ミリ、9.5ミリ、12.7ミリです。初めてソケットツールを手に入れるひとなら、3/8インチがお勧めだ。というのは対するボルトの頭の大きさ(ソケットサイズと同じです)で下は8ミリから上は24ミリあたりをカバーするからです。1/4インチはさらに下の5ミリサイズのボルトまで回せるし、1/2インチなら32ミリあたりまでカバーできハンドルも長いのです。だから足回りで使うなら1/2インチが重宝します。
ソケットツールは、一番使用頻度の高い工具でしかも比較的高価なので、いいものをぜひお勧めしたい。次回はソケットツールのブランドの知識を教えちゃおうと思います。
外装部品のなかまで、一番広い面積を持つのがルーフとボンネットです。ボンネットはエンジンフードとも呼ばれ、冬場硬い雪が屋根から落下したとか、鳥のフンをそのまま放置して塗膜が剥がれるなど、6~7年もクルマを使い続けると意外とトラブルが起きるものです。
多少のヘコミならベントリペアとか最近流行の軽板金ショップで修復してもらうのも悪くありません。でも、修復金額が2万円以上ならリサイクル部品のボンネットを探すべきだと思う。
同じ色なら、手持ちの工具で比較的楽チンで交換作業をやっちゃうことができるのです。
はじめに、旧いボンネットを取り外す。それにはボンネットを開けて、写真のように手ごろの長さの木の棒をステー替わりにしてしまう。ウインドウウォッシャーホースを切り離し、車体との取り付け具合をよく目で観察する。たいていはフェンダーの上部に合計2個のヒンジで留まっている。1個のヒンジには2つのボルトが取り付けられているので、この計4個のボルトをソケットツールで取り外す。このボルトを外すには12ミリまたは14ミリの工具。
これで旧いボンネットは外れるのだが、なかにはシール剤がくっついてスムーズに外れないケースもある。このときは、一度ボンネットを閉め、前後左右に揺さぶることで塗膜を切り離し、しかるのちにもう一度ボンネットを開けてしっかり両手で持って車体から切り離す。取り付けはこの逆。左右前後の調整はヒンジボルトの位置でアジャストするのだが、もともと付いていた位置に合わせればすんなりといくはず。ロック部ももし合わなければロック自体を少し動かす調整が必要だが、実際にはその必要のない場合が少なくない。
地球環境にやさしいリサイクルパーツは、ユーザーの財布にもやさしい。新品部品にくらべ、リサイクルパーツは確実に安いということは、ここまでお読みの読者はおわかりのことだと思います。
では、安くて、安心できるリサイクルパーツにはどんな部品があるのだろうか?
自動車部品はいろいろな分け方がありますが、ここでは外装部品、メカ部品と大雑把に2つに分けます。外装部品は、バンパー、ボンネット、ドア、リアゲート、フロントフェンダーなどです。それに、第1話と第2話で登場したテールレンズ、ヘッドライトも入ります。メカ部品には、エンジン、ミッション(AT)がすぐ頭に浮かびますが、ターボチャージャー、ステアリングラック、オルタネーター、スターター、ドライブシャフトなどです。このほか、足回り部品としてストラット、ブレーキローターなどもあります。新品だとたとえばストラットはストラットだけですが、リサイクル部品では「ストラット」を注文するとブレーキローター、ハブ、コイルスプリングなど周辺部品が「付録」で付いてくる。このあたりは第2話で話したとおりです。
いずれにしろ、リサイクル部品は、新品部品とは少し様子が異なるケースがあります。明快に言えることは“付けていると何かと便利”という周辺部品が付録で付いてくることが少なくないリサイクル部品は、断然に優位と言えますね。
いやはや軽乗用車の市場は昨年200万台に迫るいきおいです。
今年に入っても全体の新型車登録の4割に近くが軽自動車であることからもその勢いの強さを感じます。とくにワゴンRが先鞭をつけたトールワゴンのジャンヌは月販5万台の大きな市場に成長。3月にはホンダから「ゼスト」が登場したばかりですが、6月に入りスバルから「ステラ」がデビューし、ダイハツからは「ソニカ」がお目見えする。
軽自動車メーカーやディーラーから見れば、時流にのったおいしい市場でもありますが、実際には10数台が熾烈な戦いのバトルフィールドで、スズキ、ダイハツ、三菱、スバル、ホンダの5つの自動車メーカーが凌ぎをけずっています。これにOEM(相手先ブランド商品)として日産(MOCO)とマツダが軽自動車販売でバトルを展開。こうなるとクルマづくりもハードだけではなく≪ソフト≫な世界で独自色を出したり、顧客満足度指数を高める≪小細工≫を駆使することになります。
レガシー、インプレッサをはじめいわば≪質実剛健≫を企業イメージとしてきたスバルは、新型軽乗用車「ステラ」(写真)では、クルマづくりをスタートする前に販売店とWEBを通しての1000名のユーザー意識をリサーチ、『ユーザーは小さな子供を持つお母さん』にターゲットを絞り込み。さらに試作車をスタジオに持ち込み、ライバル車を並べてサイドユーザーの声を回収し、手直しを加え、商品化しています。「開発者が本当に欲しいクルマ」ではなく、「顧客にすり寄ったクルマ作り」というと少し言い過ぎでしょうか。エンジニアにインタビューすると「少ないコストでいかに造りのよさ、高い品質感を持たせるか」だそうです。
それにしても・・・18歳(女性なら女子学生!)になった愛車をいつくしみ、壊れればリサイクル部品で修復する筆者には、次から次に登場する車名を覚えるのが大変です。
ドライバー、英語で言うと「スクリュードライバー」。どこの家庭にも1本か2本はあるハンドツールの代名詞みたいな存在です。先端がプラスとマイナスの2タイプがあり、クルマで使うのはプラスが大半です。あまりにも身近にあるドライバーですが、意外とこの工具は奥が深いのです。どこが深いかというと、2つあります。
一つは、使い方。ドライバーはただ回せばいいというものではありません。相手のネジの頭に押し付けるチカラを伴いながら回す。これが基本のキです。これを手抜きすると、ネジの頭がなめます(グチャグチャになる!)。2つ目にはプラスドライバーを使うときは相手の+溝に合わせた大きさのドライバーを使うこと。プラスドライバーには小さいほうから1番、2番、3番があり、たいていは2番ですが、たまに2番を使わないビスもあります。無理に使うと、同じくグチャグチャです。
もし新規に購入する機会があるなら、ぜひグリップを気にかけて欲しい。ドライバーの握りには、木柄、ゴム、樹脂の3タイプがあり、最近は樹脂製が多数派。実際に握ってみてしっくりいくものを選んで欲しい。そのとき手のひらにグリップエンドを押し付けて早回しのフィーリングもチェックすること。小人のようなコンパクトなスタビドライバーもありますが、機会があればお話します。
ある統計によるとクルマの事故の8割がたがフロントクラッシュ。前回りの部品が破損する可能性が高いということです。中規模以上のクラッシュなら迷わず整備工場行きですが、ヘッドライトの破損ぐらいなら、ユーザーみずからDIYできちゃいます。ヘッドライト1個は、新品で購入すると2万円~6万円、これに工賃まで入れると3万円~7万円になります。リサイクル部品なら、部品代だけで5000円~1万円で間に合うのです。
ヘッドライトの側面にクリアランスランプなるランプが別体で付く少し前のタイプなら、このクリアランスランプを取り外すとヘッドライトの取り付けボルト3本~4本が顔を出すので、10ミリソケットを使い取り外せる。ライトの後ろのカプラー(コネクター)を慎重に取り外せば、後は新しいランプを取り付けるだけ。
ところが、ホンダ車に多いのだが、ヘッドライトを外すのはその前にフロントバンパーカウルを外さないといけないケースが少なくない。デザイン重視のトバッチリである。バンパーカウルは、ボルト、ビス、樹脂クリップなどで留まっているので、よくよくどのように留まっているかをよく観察し作業にかかること。車種によって、ボルト留め、ビス留め、樹脂クリップ、それらの混合とさまざまなのだ。バンパーカウルとフェンダーを結合させるビスもある車種もあるので要注意です。
ヘッドライトを交換すると、光軸調整をやっておくのが基本です。ランプ内の光源であるフィラメントが熱によりたれて、車検がくる2年で光源が下がりたいていは上向きになるものです。ランプ交換時にもフィラメントの位置は変化しているはずなので、光軸調整は必要となります。光軸調整は、整備工場に頼むと2000円前後でやってくれます。なお、古いランプのバルブが生きているときは、スペアランプとしてグローブボックスのなかに保管しておくと何かのときに役に立ちます。
HIDタイプのランプは、高電圧がきているので、プロに任せるのが基本です。
地球環境にやさしいリサイクルパーツだが、実は、ユーザーの財布にもやさしい。つまり新品部品にくらべ、確実に安いということはすでにお話しました。
リサイクルパーツの優位点は、あげれば切りがないのですが、ここでは割安感に絞り込んでお話しましょう。リサイクルパーツは、ASSY(アッシー:アッセンブリー)で部品が手に入るということです。アッシーとはあまり聞きなれない言葉ですが、早い話≪必要な周辺部品をまとめて≫手に入るということ。しかもしつこいようだが、格安なので、割安感がさらにズームアップします。たとえば、一番分かりやすいのがドアです。新品部品でドアを注文するとドアパネル、レギュレーター、トリム(内張り)などなど4つから6つ、ときには8個近い部品を注文することになります。しかも塗装なしのパネルですから塗装代も必要です。それがリサイクルパーツだと、塗装済み状態でドアひとまとまりで手に入るのです。同じ色なら、ボルトオンで工具さえあれば取り付けられます。となると取り付け工賃までセーブでき、新品部品を使っての修理にくらべ5分の1ぐらいになることも珍しくありません。こんなに割安感のある商品も珍しいですね。
自動車業界は、トヨタの一人勝ちの感が強いけれど、昭和メタルと同じ埼玉に工場をいくつも持つホンダも、次なる戦略を打ちつつあります・・・。
ということで、今回は、先日5月17日に取材したホンダの福井社長の半期に一度の記者会見からおもに『環境』をめぐる関心事からお届けします。そのひとつが、埼玉県寄居(よりい)町にエンジンから車体まで一貫生産する新しい4輪工場を4年後の2010年にスタートするということ。これによりホンダの4輪生産体制は130万台/年→150万/年体制になるという。同時に狭山(これも埼玉です)工場も最新鋭の生産拠点にリノベーションするという。前年の09年にはお隣の県である栃木県さくら市に新研究所をつくり次世代車の開発を強化するといいます。
ちなみに、ホンダ車のCO2の排出量は2000年度平均で179.5g/㎞。それが05年度では5%減少を実現し、2010年にはさらに5%の低減を掲げています。
トヨタの一人勝ち気味のハイブリッド車ですが、ホンダはすでにインサイトとシビックにハイブリッド車を用意しているものの、燃費と走りに関していまいちの感。そこで、3年後の09年にはファミリーユースに適したハイブリッド専用車を投入するそうです。燃費技術をさらに向上させ、大幅なコストダウンを図り現行のシビックハイブリッドより低価格を表明しています。北米の10万台を含め世界で約20万台の年間発売を発表しました。やはり燃料電池車がここに来て足踏みしているなか、今後10年はハイブリッド戦争が加速するようです。
でも、僕は思うんだな。 何もいま元気に走っているクルマを手放して最新のハイブリッドに走ることは地球の環境によくないと。いま使っているクルマを少しでも長く乗り続けるほうがずっとずっと環境にやさしいんだから。安くて安心できるリサイクル部品をフル活用することで、長くクルマを愛することができるのです。手前味噌だけど、お金をかけないカーライフをバックアップするのが、僕のページです。