みなさん!知ってますCAR?

2006年8 月15日 (火曜日)

愛車メンテのプラスアルファ情報

口が酸っぱくなっても言いたい! エンジンオイル管理の重要性

Image0281  ≪愛車の管理はオイル交換からはじまりオイル交換に終わる!≫これはあるベテラン整備士の常套句。
 エンジンオイルの定期的な交換の大切さを表現したものだが、リアルワールドでは、いかに≪オイル管理≫がないがしろにされているかをズバリ言い当てているフレーズ。このことはいわゆる≪出っぱなし状態の中古車マーケット≫であるオークション会場のクルマを調べればすぐ裏が取れる。私の経験では約半数のクルマがオイル管理まるでゼロ、もしくはそれに近い!シリンダーヘッドカバーのフィラーキャップを外し、中を覗けばスラッジだらけのクルマが約半数ということだ。
 石油元売り会社の研究所のエンジニアを取材したところ、面白いことがわかった。世界で一番エンジンオイルのやさしくない商売のクルマは何だというと≪パトカー≫だというのである。お巡りさんが乗るパトロールカーは、容疑者を追いかけるときは全開で走るためエンジンが高温となり内部のエンジンオイルが劣化、巡回中は逆に低温状態なので、エンジンオイルに水が入りやすく、さらに燃料の混入が進み、劣化が早まる。オイル内の清浄分散材や酸化防止剤といった添加剤がみるみるなくなり、オイルの働きが劇的にダウンするという。これがだいたい5000キロあたり。高いオイルなら長持ちするかというとほとんど変わりないという。このパトカーの走り、実はウイークデーはスーパーに買い物、休日はパパが高速高負荷運転・・・というパターンとほぼ同じ。サンデードライバーにごくごく当てはまるクルマの使い方とも言える。
 愛車のエンジンを長持ちさせたいなら・・・ターボエンジンで走行5000キロごと、NAエンジンで走行1万~1万5000キロごとにオイル交換は是が非でも守りたいね。

カーライフ大助かり知恵袋2

ドアがへこんだっ!(後編)

179_79221_2  ドアの取り外しは、特別な工具は必要としないので、自分でチャレンジしたいひとなら比較的スムーズに作業できる。
 ドアの取り外しは、まず内張り(トリム)を外すのだが、いまどきのクルマは見えづらいところにボルトがあるので、よく観察すること。アームレストには大きめのボルトが2本、ドアロック解除レバーの周辺には小さなビス1本・・・こうした隠れビスを外し、トリムは先端にビニールテープを巻きつけたマイナスドライバーで用心深く隠れ樹脂クリップを外していく。樹脂クリップは再使用するので破損、紛失しないこと。ドアのヒンジボルトは、メガネレンチで外す。2ドア車のように重いドアはとくにそうだが、あらかじめドア下部に角材などを置いておくと、車体から外したとき慌てなくてすむ。
 取り付けは、この逆の作業である。取り付け位置はできるだけ元の位置にすれば建て付け調整することもないが、もしその必要がでたらピラー側のボルトとドア側のボルトで調節する。ドアロック位置の狂いが出たら、ストライカと呼ばれるロック機構のベースの位置を少し変えることでおこなう。

カーライフ大助かり知恵袋1

ドライブシャフトのブーツが破れたら?

 ガソリンスタンドなどでもし愛車がリフトアップされたとき、クルマのお腹を覗いてみよう。≪ドライブシャフト≫という部品を発見してもらいたい。ドライブシャフトはデファレンシャルギア(デフ)で左右に振り分けられた動力を、最終伝達先のタイヤに伝え回転させる役割を担うもの。
 走行中、路面のでこぼこによるタイヤの上下動によってデフとタイヤの位置関係、つまり高さ、角度、距離が変化する。このため、ドライブシャフトには左右別々に位置変化ができる能力を持たせている。FF車の場合、操舵輪にドライブシャフトが付くので、いきおいジョイント部のカバーのゴムブーツが破損した。雪道で堅い氷にぶつかったり、空気中のオゾンで劣化したり・・・とにかく数年前までのゴムブーツは早いもので3年、遅くても6~7年で破れたものだ。
 ところが、数年前からドライブシャフトのブーツは樹脂に変更され、いちじるしく耐久性が高くなった。でもくたびれたクルマに乗っているユーザーがもしドライブシャフトにまつわるトラブルに遭遇したら、迷わずリビルトを指名して欲しい。交換は特殊工具と経験が必要なため素人には出来ないが、せめて格安で信頼性の高いリビルトのドライブシャフトを使うことで修理費を劇的にダウンさせてもらいたいね。リビルトのドライブシャフトの問い合わせも昭和メタルパーツセンター(フリーダイヤル 0120-815-301)に聞いてほしい。

TOP NEWS

177_77791  昭和メタルはご承知の通り埼玉県にあるのだが、その同じ埼玉県の羽生市にある“曙(あけぼの)ブレーキ”を先日取材してきました。2年前にブレーキ博物館を開設。近所のひとのなかには足を運んだことのある読者もいるかもしれない。田園と住宅地が広がるどちらかというと田舎(そういえば羽生といえば田山花袋の『田舎教師』の舞台でもある!)だが、この社屋はガラス張りの21世紀的モダンで、見る人の度肝を抜く!?
 その曙ブレーキが、今年4月からディスクブレーキパッドの再生品(リマニュファクチャリング・パーツ)を市場に投入し始めた。『曙エコパッド』というのがその商品名。ドラムブレーキで活躍しているブレーキライニングはずいぶん昔から再生品がポピュラーとなっていて、ごく当たり前にユーザーも受け入れているが、実はディスクブレーキのパッドは日本でははじめてだ。
 「6年前から専門チームを立ち上げ、技術開発や事業化に向けた検討を進めてきた」と担当者。昨年6月にトライアル的に市場に投入し、リサイクル品への関心が高く、期待も大きいところからこの4月から本格投入したという。PETボトルでブルゾンを作ると、コストが高くなる。そんなリサイクル品に対しての先入観があるので、このエコパッドも結局高いものにつくのでは!?そんな心配をついしてしまうが、「バージン材でつくると18形状ですが、5形状に絞り込み、熱処理時間を劇的に短縮し、生産設備も約3分の1にすることができました。もちろん性能は新品と同等です」という。
 気になるコストだが、月2万個つくるという計算だと1個あたり153円のコストダウン、月8万個になるとなんと300円近いコストダウンを図れるという。ただし、自動車部品は、やや複雑な流通の図式があるので、そっくりそのまま販売価格に投影されるかは、疑問。とはいえ、エコパッドに注目していきたいね。
 

2006年8 月 1日 (火曜日)

愛車メンテのプラスアルファ情報

Vリブドベルトが始業点検に入っている理由を痛いほど知る

176_76641  先日18歳になったロードスター(NA6CE)を久々に湾岸に持ち出し走らせるチャンスがあった。エアコンのガスを補充するために都内の友人が経営する整備工場に向かうためだ。
 お気に入りの音楽にリズムを取りながら気持ちよく流していたところ、突然タコメーターの針がふらふらし始め、見る見るうちに1000rpmほどに落ち込んだ。水温計は異常を示さないし、とりあえずエンジンも順調に回っている。頭をフル回転して「何がどうなったんだ!?」ハイウエイでエンコでもしたら危険度がぐんと上昇する。目的地の出口まで約10キロある。オーディオもエアコンも止め、次の川崎で降り、一般道路を走ることにした。そのあいだ約10数分間の長かったこと!
 一般道路でもエンジンを絶対切らないようにして30分遅れで、友人の修理工場に滑り込見、ほっと胸をなでおろした。エンジンが冷えるのを待ち、まずベルトを指で触ると・・・案の定だった。やや緩んでおり、発電不能になっていたのである。もし途中でエンジンを切っていたら完全にエンコ状態! ただし、不思議とウォーターポンプはなんとかオーバーヒートしない程度に回っていたのである。なかには例外もあるがたいていのクルマは、Vリブドベルトで、オルタネーター(発電機)とウォーターポンプを回している。だから始業点検に、このベルトの異常&張り具合点検が含まれているのである。上がったバッテリーを充電器につなぎ、工具(12ミリのショートメガネとプラスドライバーなど)を借りて、30分でベルトの張りを正規に戻し完璧リペア。メンテの単行本を数冊書いている筆者としてははっきり言ってトホホの体験。でも、この体験をちゃっかりこうして恥ずかしげもなく開陳しているところが、自分で言うのは何だがジャーナリスト根性なんだろうね。
 (写真:指で差している吸気系の樹脂パーツを取り外すとVベルトが顔を出す!)

カーライフ大助かり知恵袋2

ドアがへこんだっ!(前編)

176_76651  数あるリサイクルパーツのなかで、おそらく≪一番お値打ち!≫というのがドアだと思うね。
 というのは、新品部品に比べると半値以下、ときには4分の1になるケースも少なくない。ドアを新品で注文すると、驚くほど多くの最小単位の部品で成り立っていることが分かる。ドアガラス、ドアパネル、レギュレーター(ガラスを上下する機構)、トリム(内張り)、パワーウンドウのモーターなどである。しかもドアパネルには塗装がされていないので実際に組み付けたのちそのクルマの色と同じ色に塗装しなくてはいけない。こう考えると金額だけでなく、手間隙がずいぶんかかるのである。
 このてんリサイクルパーツのドア(写真)で、もし同じ色なら、文字通りボルトオンで交換できる。「同じ色でも太陽光線が当たった時間でクルマの色は微妙に異なるものだ」そんな高級車オーナーの意見、あるいはプロの板金屋さんの頑固な考えならはじめからリサイクルパーツは薦めない。(再塗装してもリサイクルパーツなら断然安いが)
 自分でドアの交換をするひとのためのハウツーは次回(後編)のお楽しみとしておこう。

カーライフ大助かり知恵袋1

リビルトエンジンとはどんなもの?

 地球環境にやさしいリサイクルパーツは、ユーザーの財布にもやさしい。新品部品にくらべ、リサイクルパーツは確実に安い。
 リビルトパーツのなかの代表選手として今回は「リビルトエンジン」を取り上げてみよう。
 エンジンはクルマのなかの心臓であり、もし不具合が起きれば燃費悪化、出力不足、排ガス過大など大ごととなる。走行不能に陥ることも少なくない。しかもエンジンは新品で購入するにしろ、修理するにしろ大枚が消える。そこで、リーズナブルな値段で手に入り保証が6ヶ月~12ヶ月付くリビルトエンジンが注目される。リビルトエンジンについては、これまで日本国内に限らずオーストラリア、オランダ、アメリカあわせ5~6つほどの専門工場を取材しているが、長い歴史を持つ企業だった。そのせいか、「このエンジンにはこうしたウイークポイントがあるので、ここを解決すれば大丈夫」といったそのエンジンを開発したエンジニアが聞けば顔面が真っ青になるほどのテクニカル情報を持っているケースも珍しくない。
 シリンダーヘッドにクラック(亀裂)が入ったケースでは溶接で埋め合わせ機械加工する、なかには見ていてワクワクするシーンが少なくない。もちろん、ガスケットやシール類などの消耗パーツはすべて新品部品に交換している。ちなみに、昭和メタルパーツセンター(フリー℡0120-815-301)でも、リビルトエンジンを扱っているので、詳細はフロントの方に聞いてもらいたい。

TOP NEWS

176_76511  ジャーナリスト稼業をやっていて、一番スリリングなのは時としてニュースの≪現場≫に立ち会えることである。普通のひとから見ると、不思議に聞こえるかもしれないが、実は後から考えて≪重大な事件、あるいはニュース≫というのは、その時点では不確かなものが多い。きちんとした評価はある程度時間がたたないとわからない。だから、ジャーナリストたるものはできうる限りなんでも興味を持ち身体が許す限り現場に出かけるのが大切になる。
 いささか堅い話になっちゃったが・・・7月12日、横浜の六角橋にある神奈川大学工学部が中心となり新しい燃料技術が開発されたので取材に来てほしい、との誘いがあった。うかつにも≪神大(じんだい)≫といえば正月の箱根駅伝の常連校ぐらいの認識しかなかったが、総合大学として、とりわけ工学部はがんばっているようだ。
 田嶋和夫(たじま・かずお)教授(写真)率いるプロジェクトの成果とは、もともとのディーゼルエンジン(DE)の燃料である軽油に水を35%前後入れ、乳化させることで≪スーパー・エマルション燃料≫を作り上げるというものだ。日常生活では乳濁液のことをエマルジョンと呼ぶが、学会ではエマルションというのが正しいらしい。早い話水入り軽油をディーゼル車に使うと窒素酸化物が1/8になり、PM(粒状化物質)が1/20に劇的に減り、逆に燃費が10~15%も向上するという。話半分でもすごい話だが、これはあくまでも実験室内でのデータ。長い時間をかけ信頼耐久性などの厳しい試験を経てはじめてそのシステムが世にでるわけだ。
 ディーゼルエンジン車は、もともと地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が少ないため欧州では環境エンジンの別名を持つほど。新世代ディーゼル乗用車の販売がガソリンエンジン車の上をゆくモテモテぶり。ホンダもすでにアコードDEなどを投入し、さらに3年後にはV6エンジンのDEを日本でも市場投入するとの発表をしている。この裏には、技術者を悩ましている窒素酸化物低減を劇的におこなう新触媒の完成があるという。
 神大の発表した≪夢≫とホンダをはじめとする実業界の≪夢≫がもし合体すれば、とんでもなくクリーンでエコロジーなエンジンが完成する!?これを見届けるにはまだ数年の時間が必要だ。


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