「いまどきはパンクなど、一生のうち2回起きるか起きないかだね」
確かそんな意味のことをこのサイトにも書いた覚えがある。 舌の根も乾かぬうちに! とはまさにこのことだ。
午前中に近くの工業団地で取材をおこない午後、20キロ離れたお台場で催されている「エコプロダクツ06」というイベント取材に向かうというとき、高速道路に入る手前でコトコトカタカタというかすかな異音に気づく、クルマを路肩に停めタイヤを調べたところ、後ろのリアタイヤにビスが刺さっていた。このビスは幸いタイヤの中までは侵入しておらず抜いて再び走り出す。ところが、それでも異音が止まらない。再び路肩に停め点検。するとフロントの左タイヤに長めのビスが刺さっていた!
プライヤーを使い抜くと「プシュ~ッ!」と嫌な音。タイヤショップまで通常では抜かないで走るのが鉄則だが、異音の前には抜いたほうがいいと判断。ところがすぐパンク修理してくれそうなタイヤショップまで約20分。到着したときには2.3kg/c㎡にしていた空気圧が1.5kg/c㎡にダウンしていた。
でも15分でパンク修理が終了し、お台場にはさほど遅刻することなく到着することができた。修理代は2000円だった。
この場合、高速ならサービスエリアでスペアタイヤに履き替えるという手法もあるし、そのまま異音を無視して修理工場まで駆け込むというのもある。人間、必ずしもトラブルを想定して生きてはいない存在ということが再認識できた1日だった。
古いマフラーの取り外しは、できればリフトでクルマを持ち上げたほうがやりやすいが、リジッドラック(馬)を使って下にもぐりこんでも可能だ。そのときはくれぐれも、安全なところでおこなって欲しい。(ついでに下回りのチェック、たとえばダンパーのオイル漏れブレーキパイプの様子などを点検しておきたいね)
古いマフラーは長期の熱害で取り付けボルトが錆びて固着していることがほとんど。そこであらかじめ浸透潤滑剤をたっぷりふりかけておき、しかるのちに長めのメガネレンチで確実にボルトの頭をとらえて回しゆるめる。このとき回らないときはハンマーで軽くショックを与えるとうまくいく場合がある。あるいは、掟破りだが、レンチにパイプをつなぎ腕を長くする手法もある。このときはくれぐれも怪我をしないように最大の注意を配ること。
取り付けは取り外しの逆の手順だが、全体を仮止めしたのちに本締めすること。これを怠ると振動や異音が発生する。もし異音が出たら、今一度全体を緩め締め直すこと。マフラーと車体をつなぐゴムリング(ゴム製マウント)が破損していたのを発見したら、新品部品商に発注してもいいが、リサイクルショップにいけば無償で手に入ることもないわけではない。
車検というのは愛車の継続審査、つまり2年毎のお上(国土交通省)による「このあと2年間乗るためには不具合がないかをあれこれ調べ、そのさい税金や自賠責保険にも入らないと乗れませんよ」という決まりごと。
2年、つまり24ヶ月点検の前に12ヵ月後と、つまり1年毎の点検義務がある。
グローブボックスにある「定期点検記録簿」(メンテナンスノートともいう)を見て欲しい。24ヶ月点検は約60項目だが、12ヶ月点検だとこれよりもうんと少ない項目数。この表にそってひとつずつ点検し、異状がなければレの印を付けていけばいいだけだ。意味不明の項目はとりあえず飛ばして、わかる範囲でやってみる。わからないところはメカに強い友人に聞くか、車検の本を本屋で手に入れ調べる、整備工場やディーラーで聞いてみるというのも手だ。
車検は車検が切れる1ヶ月前から受け付けてくれるので、余裕をもって日時をきめ車検場に電話予約し、そこから逆算して24ヶ月点検、書類の取り寄せ、洗車などをおこなえばよい。
車検を自分で経験することで、この国の車両検査にあり方、クルマの保守点検法などいろいろ学べいろいろ考えさせられる。クルマ好き嫌いにかかわらず貴重な体験だ。
いまやクルマの排出ガス性能はゼロエミッション化に向けて、至上命令だ。
クリーンな排ガスを得られるためなくてはならない貴金属触媒。白金、ロジウム、パラジウムの貴金属の微粒子表面で化学反応が進む。
粒子が細かければ細かいほど排ガスに触れる面積が増え、効果がアップするが、エンジンから出る1000℃に近い超高温で、貴金属は隣り合う微粒子とくっつきながら大型化してしまう。走行キロ数が長くなると触媒が徐々に低下するのはこうした理由。そこで、この低下分をあらかじめ想定して貴金属を増量しているのは普通のクルマの触媒。貴金属分はある程度リサイクルされてはいるが、このままでは限られた貴金属資源の枯渇化が進む!?
ダイハツの軽自動車で展開する触媒技術はこの難問に対するソリューションだ。スーパーインテリジェント触媒がそれで、ナノテクノロジーにより貴金属を微粒化よりもさらに小さなイオンとして電子レベルでセラミックの結晶のなかに配置。貴金属のイオンが排ガス成分の周期的な変化と連動して、まるで知能を持つかのようにセラミックの結晶への出入りを繰り返し、大粒化を避ける。この自己再生機能によりいつまでも触媒としての性能を維持するとともに貴重な資源である白金、ロジウム、パラジウムの3種類すべての貴金属使用量を大幅(約1/3)にダウンさせることができたのが、このダイハツのインテリジェント触媒なのだ。
この技術は兵庫県にある大型放射光施設「スプリングエイト」で培ったもの。発案の中心人物は48歳のインド放浪の経験の持ち主であるダイハツ材料研究担当・田中裕久さん・・・なにかとエピソードの多い技術だ。すでにソニカやこのほどデビューした新型ミラにも採用されている。英国の科学雑誌「Nature」(02年7月11日号)でも紹介され、今後の自動車用触媒のグローバルスタンダードになると思われる。
旧いクルマに乗っているユーザーにとってボディのサビほど恐ろしいものはない。エンジンがダメならエンジンを載せかえればいいし、ミッションがいかれたらミッションをオーバーホールするなりリビルトに載せかえればいいが、ボディだけは大事になる。現実には交換することができないのだ。
そこで、「転ばぬ先の杖」ではないが、大事にならない前にボディのサビ対策をしておきたい。
とくに融雪剤を路上に撒きスリップ防止を防いでいる雪国でクルマを使うユーザーには、このボディ防錆大作戦は必須事項。大作戦といっても作業はいたってカンタン。
カーショップでケミカルの「防錆ワックス」を1本手に入れる。価格は1200円~1500円程度だ。この防錆ワックスにはたいてい長めのノズルが付いているので、このノズルをスプレー缶に付け、クルマの袋という袋状部位にとことん吹き付ける。ドアの内部、サイドシル(フロアの両隅のところ)、フェンダーの裏側、トランクリッドやリアゲートの裏側、ピラーの根元などだ。樹脂カバーが付いているところはできる範囲でそのカバーを外し、ノズルを穴に突っ込みスプレーする。
1缶あればたいてい1台のクルマを施工でき、作業時間約20分だ。
この防錆ワックスの効果は、約6年間は大丈夫といわれているからクルマ一生のうち2回やればいいということだ。ちなみに、筆者のオンボロロードスターは新車時にこれをおこないサビ知らずといいたいが、施工し忘れたリトラクタブルヘッドライトのブラケット付近はサビで真っ赤。逆にいえば防錆ワックスの効果あり! という証明だ。
15年以上前のクルマは大多数がマフラーがステンレス製でなかったため、早いもので走行3万キロで穴があき、突然の爆音で驚いたものだ。
いまどきのクルマはSUS(ステンレス)ゆえ、寿命が長い。それでも車種によっては5年6年でダメになるケースもある。サビで穴空くだけでなく、川原に遊びにゆきマフラーをへこませてしまったケースもないわけではない。
そんなときは、できればリサイクルパーツを使って欲しい。いつも言うようだが、なんといっても価格が新品の半値、ときには1/3。不幸にしてマフラー交換を迫られたときは、新品を注文する前に昭和メタル(フリーダイヤル0120-815-301)に車検証を横において電話して欲しい。程度のいいリサイクルマフラーをゲットできるかもしれない。フロントマンがズバリ、在庫の有無、価格などを教えてくれる。
自分で作業ができない場合は、近くの修理工場にもっていけばいいし、その修理工場がわからない場合は昭和メタルのフロントマンが教えてくれる場合もあるので、聞いて欲しい。
DIY精神でやってみようというひとには、次回詳細をお伝えします。
安全にジャッキアップできれば、手持ちの工具で作業ができるのだ。
初年度は3年後だが、そのあと2年に一度はやってくる車検。
車検ごとに税金を払ったり、自賠責保険に入りなおしたり・・・お金のいるセレモニーである。
たいていのひとはディーラーや近所の整備工場任せだと思うが、少しチャレンジ精神のあるひとならぜひ自分で愛車の車検をとることに挑戦して欲しい。
車検はそのクルマを登録した車検場でなくても近所の車検場ならどこでも受け付けてくれる。 書類をそろえたり、作ったりしたのち車検場に予約の電話を入れて、当日までに自分で24ヶ月点検をする。当日予約時間に愛車に乗り車検場に出かけ車検を受ける・・・というのが全体の流れ。 「24ヶ月点検なんかやったことないからわかんないっ!」 という多少メカに弱い君でも、やれちゃうのである。わからないところはメカに強い友人、もしくは整備工場にずうずうしく聞くのもありだ。次回からステップバイステップでやさしく説明していくので期待して欲しい。 参考図書:「ユーザー車検完全合格マニュアル」(広田民郎著:山海堂)
ふつう『クルマ』というと乗用車のことをさすのだが、経済の屋台骨を支えているのは働くクルマであるトラックだ。ここ昭和メタルにも大型キャリアカーをはじめとする20台近くのトラックが活躍している。
小型トラックの代名詞的存在のいすゞのトラック『エルフ』。TVCMで「ど~こ~までも、どこうまでも~、走れ走れいすゞのトラック~」でおなじみのトラック。
そのエルフがこのほど6代目がデビューした。エルフの初代は1959年というから半世紀近く続く、累計生産が500万台とベストセラー。乗用車なら4~5年に一度の全面改良だが、エルフは13年ぶりゆえ、メーカーの意気込みがすごかった。
発表会場も、ふだん「自動車技術展」などをおこなう横浜の“みなとみらい”にあるイベント会場だった。キャブ(キャビンのこと)のバリエーションは用途にあわせ標準キャブ、1.8メートルのハイキャブ、それにワイドキャブの3タイプ。
個人的に一番関心のあるのはエンジンだ。インタークーラーターボ4バルブDOHCエンジン3000CC。可変容量型のターボと大容量クールドEGRで低速トルク向上、低燃費、PM(粒子物質)の低減を図っている。車外騒音も2デシベルほどダウンしている。注目すべきは、小型トラックで初のアイドルストップ&スタートシステムを組み込み、排ガスと騒音の低減、燃費向上にも貢献している。目標寿命200万キロのディーゼルエンジンゆえ、今回鋳鉄シリンダーブロックの上部、つまりピストンが上下するところに高周波焼入れをおこない耐摩耗性を高めふつうにメンテナンスすればボーリングの必要がないという。
ところで気になる価格はどのくらい?
270万円~450万円。お金を稼ぐトラックのお値段としては意外と安いのかもしれないね。