初心者のころを思い出すまでもなく「坂道発進」ほどドライバーを悩ますシチュエーションはない。とくに路面が凍結しているときはなおさらだ。後ろに車両が下がるのを恐れついアクセルぺダルをあおり、凍結路面でスリップというケースもある。
このほどデビューしたホンダのSUVクロスロード(ストリームと同じプラットフォーム)の4WD車には、こうした不安を取り除く仕掛けが付いている。「ヒルスタートアシスト機能」がそれ。ブレーキとエンジントルク制御で、走行中の左右輪の駆動力を緻密にコントロールするVSA(車両挙動安定化制御システム)の機能にプラスして坂道でブレーキ圧を約1秒間保持することで後退を防ぎ、余裕をもって発進できる仕掛けとしている。
このシステム、なにも雪道や凍結路だけでなく、都会の地下駐車場などで見かける坂道でも、重宝なシステムだ。
ちなみに、このシステムを備えるクロスロードは、エンジン排気量1.8リッターと2リッターの2本立てで、いずれもⅰ-VTECで軽快な走りをしてくれる。4285ミリという比較的短い全長に3列シートを持つマルチな使い方ができ、しかも角ばったエクステリアで街中でも存在感のあるクルマだ。価格は2WD車が193万円台から、4WD車は225万円台から。
前回は、エンジンがダメになったときの話だったが、今回はオートマチック・トランスミッション。略してATだ。
エンジンと同じくらい、ATがダメになった時は限りなく致命的ともいえるトラブルである。修理代がざっくりいって20万円以上かかるからだ。それなら別のクルマに乗り換えたほうがいいというケースも出てくる。
でもその前に! 中古ATで修理する! という手段を選択肢に入れてもらいたい。
中古ATは、リビルトATにくらべ確かに保証期間が短い。だから品質もそれなり、と考えているとしたら大きな間違い。中古ATを商品化している現場を拝見すると、ストール試験、シフトショックテスト、走行試験で異音の有無の確認、外観試験、内部のオイル(ATF)の汚れ具合などをベテランスタッフの厳しい目で丹念にチェックし、初めて商品として並ぶ。保証期間も3ヶ月と昔に比べずいぶん伸びている。それにリビルトのATに比べるとアイテム数が豊富なので供給率も高い。
もしATがダメになったとき昭和メタルパーツセンター(電話0120-815-301)で部品を手配するか、整備工場を通して中古のATを注文できる。在庫確認や詳細を知りたいときも昭和メタルのスタッフが懇切丁寧に教えてくれる。トリビア的知識としては「ATFのクーラーがラジエーターのタンク内にあり、これが汚れているケースが多いので、その恐れのある場合はラジエーターの交換、もしくはラジエーター屋さんでオーバーホールを頼む」ことだ。
車検は、4つのブロックに分けられている。
一つ目のブロックが前回の「同一性の確認」と「外観検査」。今回は第2ブロックである。
第2ブロックのメニューは、「サイドスリップ検査」「ブレーキ検査」それに「スピードメーターの検査」の3つ。
サイドスリップは、クルマを1m進めたときにタイヤの横滑り量が5mm以内かどうかをみる試験。5mm以上だとアウトだ。写真にあるような鉄板の上を白線に沿ってゆっくり進めればいいだけ。タイヤの横滑りに応じてその鉄板が左右に動くことで、横滑り量をみる仕掛け。このとき大切なのは、白線に沿ってできるだけまっすぐ、つまりハンドルを動かさずに進むこと。「ブレーキ検査」は前輪のブレーキ力、後輪のブレーキ力、それに駐車ブレーキ力をテストするもので、頭上の電光掲示板お指示に従いてきぱきと、ブレーキをがっちり(普段より多少きつめに)踏みつけること。
「スピードメーターの検査」は、ローラーの上にタイヤを載せ電光掲示板の指示にしたがい徐々に速度を高めていき、時速40キロのときに素早くパッシングする。言葉では簡単そうに見えるが、初心者にはパッシングするタイミングが難しいかもしれない。でも1,2度の失敗は大丈夫なのでトライすること。
昨年注目を集めた映画「ALWAY 三丁目の夕日」でいい味出していた小道具がダイハツミゼット。サザンオールスターズの桑田佳祐初監督の「稲村ジェーン」にも登場している。オート3輪車といってもスクリーンの中や博物館でしか見たことがないひとが多いかもしれないが、日本のモータリゼーションの先駆け的存在だ。その後の軽自動車のルーツでもある。オート3輪車はおじさんにはノスタルジーを呼び覚まし、若いひとの目には新鮮さに映る!?
このオート3輪車を現代に蘇らそうというプロジェクトが進行中だ。21世紀のオート3輪車は、リアタイヤにインホイールモーター(ホイールのなかにモーターを組み付けている)をセットしたシンプルメカで、エネルギーは鉛バッテリー6個。鉛バッテリーも日進月歩でいまや1充電50㎞以上をこなすため、宅配ピザ屋さんのデリバリーカーなどには十分機能する能力。現在モーター自体はトヨタ車体の一人乗り原付車のものを流用しているため高価だが、ワイパーモーターなどで有名な企業「ミツバ」に依頼し、安くて高効率なインホイールモーターを現在開発中だという。
実は、このオート3輪車は、東海大学動力機械工学部などと民間企業がコラボレーションし、3年がかり(2年後の2009年春に完成予定)で量産体制を構築し、自動車メーカーなどで商品化するという。クルマづくりを通して学生が学ぶことができ、しかもそれが商品化の流れにもつながる。いわゆる産学連携のプロジェクトである。
販売価格の目標は、50万円を切ることだという。
今後、操縦安定性の改善、モーターとバッテリーを結ぶ制御システムの改善、保安基準を満足させるための灯火類の取り付けなど商品化に向けて課題は山ほどあるが、担当する学生や企業側のエンジニアは目を皆一様に輝かせていた。
毎年幕張メッセでおこなわれるイベントのなかにキャンピング&RVショーというのがある。今年の2月10日から3日間おこなわれた。人間の入場料とは別に100円を払えばペットとの来場OKなので、会場には犬を連れたアウトドア愛好者がどっと押し寄せた。会場の中心はキャンピングカーなのだが、なかでも注目されたのが軽自動車ベースのミニキャンパーである。安心・安全が急速に高まったワンボックスの軽自動車を使い、インテリアにキッチンやシンク、ベッドを組み込み本格的キャンピングカーに仕上げている。しかも、なかにはポップアップルーフといって屋根が上に持ち上がり、上下2段の寝室を作り出しているクルマも登場。団塊の世代などからのリタイア後の自由な時間を夫婦で過ごすクルマとしている。むろん若いカップルのセカンドカーとしても十分いけている!?かつて“車中泊”といえばわびしく暗いものだったが、いまは車内も快適で、全国の幹線道路沿いに展開する道の駅の充実度も高まり、温泉やレジャー、観光など幅広い楽しみをクルマでできる。そんな背景が後押ししてミニキャンピングカーは今後増殖するのかもしれない。気になる価格は、170万円台から280万円台まで、装備の有無でずいぶん開きのある世界。少し器用なユーザーなら、ベース車両を手に入れコツコツ日曜大工のノリで装備を充実するのも楽しいかもしれない。
クルマと付き合っていて、何が一番ショックかというと走らなくなることだ。それもエンジンが致命的トラブルを抱えてしまった時!クラッシュしてシリンダーブロックに亀裂が入りオシャカになれば諦めがつくが、オイル管理の不手際でエンジンがダメになった場合・・・。オーバーホールする、リビルトエンジンに換える、中古エンジンに換える、という3つの手法があるが、中古エンジンに載せ換えるという手法が一番安くつく。では中古エンジンとはどんなものなのか? どんなふうに商品として流通しているのか?中古エンジンも他のリサイクル部品同様、使用済み車両や事故車から取り外した部品には変わりはない。でも、機能部品だけに品質確認がかなり厳密。そもそもエンジンがかからずテストできないものは商品にしない。エンジンをかけ異音はないか、オイル漏れがないか、排気の色は正常か?さらに欠品部品はないか? クラックは入っていないか? コンプレッションゲージというテスターで気筒ごとの圧縮に異常はないか? こうした約2~3時間にもわたる愚直な試験をへてのち、走行キロ数、テストデータを添えて顧客(ほとんどの場合整備工場)に販売する。昭和メタルパーツセンター(電話0120-815-301)の場合、電話などで懇切丁寧に商品の内容を説明し、保証期間3ヶ月を付けて販売している。
通常車検ラインに並んで、最初におこなわれる「同一性の確認と外観検査」というのはどんなことがおこなわれるのか?車体番号が車検証と同じか? エンジンは車検証と同じか? ナンバーも車検証と間違いないか? 封印がちゃんとついているか? 形状が同じか? 車体各部に問題はないか?(突起物や余計なものが付いていないか?) クラクションが鳴るか? ワイパーが作動するか? タイヤ周辺に問題がないか?(ホイールの緩みを検査官が検査ハンマーで叩きチェック!) ヘッドライト、ブレーキランプ、ウインカー、リバースランプ、ライセンスランプ、ハザードランプなどがきちんと点灯するか?こうしたごくごくふつうのことが検査ラインの手前で検査官により確認されるので、事前にホイールキャップを外すこと、エンジンフードを開けておくこと、書類をまとめて検査官にすぐ渡せる体勢にしておく。運転席側の窓を開けておき、外の音が聞こえる状態にすることも大切。意外とここで失敗するのは、ライセンスランプの小さなバルブ切れ。即修理して再検でOKとなるが、灯火類は基本のキだね。
元アメリカ大統領候補アル・ゴアの指摘(映画「不都合な真実」)を受けるまでもなく、CO2の排出による地球温暖化は差し迫った問題。93年後の2100年には最大6℃の地球温度が上昇し、洪水・干ばつ・海面上昇が引き起こり人類破滅へのシナリオ。化石燃料であるガソリンや軽油の消費を減らし、バイオ、つまり植物由来のエネルギーを使う必要が出てきた。バイオ燃料を燃やしてもそのとき発生するCO2はもともと大気中のCO2を植物が生育時に吸収したもので、大気中のCO2の増加にはならない。そこで、日本でも今年4月から関東圏を中心に約50店舗のガソリンスタンドでバイオ燃料を販売する。この添加バイオ燃料はETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)を重量比7%レギュラーガソリンに混ぜたもので性能自体は通常のレギュラーとほとんど変わりないという。08年には100ヶ所程度に、さらに09年度には1000ヶ所に拡大するという。少し話はややこしいが、このETBEというのはブラジルなどで大々的に使われているサトウキビからつくられたエタノール(エチルアルコール)にイソブテンという石油由来の成分を混ぜ、エタノールが持つデメリット(水の混入問題など)をクリアしているという。まだ日本では実用化はされていないが、軽油に添加するバイオ燃料の実用化ももうすぐだ。マーガリンなど食料として使われるパーム油をベースに石油会社がより使いやすいカタチで水素化をおこない、バイオ軽油として登場する見込み。この軽油、エステル化でつくるバイオ軽油に比べより完成度が高く、いわゆる第2世代のバイオ軽油と呼んでいる。