みなさん!知ってますCAR?

2009年8 月15日 (土曜日)

愛車メンテのプラスアルファ情報

DEENのカーブド・ラチェットハンドル

Img_5100 DEEN(ディーン)工具紹介、3つ目は、「カーブド・ラチェットハンドル」である。

カーブド、というのはヘッド部分と柄が、ヘッド根元でグイっとひねって曲がっているタイプ。工具など使ったことがない人から見ると「不良品!?」と首をかしげたくなる製品。大きくトルクをかける時はもちろんグリップ(やや柔らかい樹脂製だが)を握るが、いわゆる“早回し”といわれる使い方の時は手のひら全体をヘッドにかぶせてスナップを利かせてクイックイッと回す。カーブドラチェットは、まさにこの使い方を想定してデザインされているのである。

で、使い心地はどうか? 親指の位置が決まり、実に具合がいいのである。握ったときの心地がいいということは、手に馴染んでいる証拠。ラチェットも丸型の72ギアで、小気味のいいフィール。丸型ゆえ、さすがに左右に切り替えは両手を使うことになるが、片手の親指でプッシュボタンの押したときのフィールも悪くない。全長180ミリのなかなかお勧めの3/8インチ・ラチェットハンドルである。価格も3900円とリーズナブル。

カーライフ大助かり知恵袋2

クルマの内装を触れるときの高感度感触とは?

Img_4915 少しかたぐるしい言い方だが、自動車の分野は、機械工学から法律、人間工学、材料学、環境学、流体工学など実に多岐にわたっている・・・・といったことは頭では理解しているのだが、取材のなかでは意外な世界が顔を出し、目からウロコが落ちることが少なくない。

クルマのシート、インパネ、アームレストなどのいわゆる内装のエンジニアに取材していたとき・・・「人はクルマの内装を触れているときどのように心地よさを感じるかというと、押すように触れるときと、撫でるように触れるときとは大きく異なります」という。言われてみれば、たしかに・・・「押すように触れるときには、指に限りなく近い柔らかさを持つものほど心地よいと感じます」なるほど、赤ちゃんの柔肌に触ると誰しも心地よいことは経験済み。「撫でるように触れるときは、指の指紋の奥を刺激されるとしっとり感じ心地よくなるのです」・・・思わず左右の手の指でこすり合わせて、その言葉を確かめる・・・。

クルマの内装の世界にもこんなに深い領域がある。ちなみに、この触れて感じるという領域は人間工学ではなく、衣服の世界だという。人は有史以来付き合ってきた衣服とクルマの内装。意外なところで繋がっている。しかも、自動車メーカーには、こうした触れて感じて判断するプロが数人いるというのである。数字での判定だけでなく最終段階ではプロのエンジニアの指が良否を判定するのだという。

カーライフ大助かり知恵袋1

旧きをたずねて新しきを知る! トヨタ自動車のルーツ豊田佐吉物語 第1回

3 時間とは残酷な存在だが、考えようによっては実に面白い。
たとえばいまや世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車は、もともとは織機製作所の一部門である「自動車部」からスタートしているのである。1933年9月、わずか67年前のことである。親会社の「豊田自動織機製作所」というのはいうまでもなく、その自動車部の中心人物・豊田喜一郎の父親・豊田佐吉が艱難辛苦のすえ一代で創業した企業である。自動車部がスタートする22年前の1911年である。明治元年の前年慶応3年(1867年)生まれの佐吉、45歳のときである。世界一の自動車メーカーのヒストリーはここから始まった。

よく知られるように豊田佐吉は、明治から大正、それに昭和にかけて織機王として名をはせた発明家である。平成の世において「織機」といわれてもあまりピンとこないが、日本が近代国家として形成されるには繊維業は想像以上の役割を果たしたのである。
佐吉生誕の地である遠江の国・敷知郡(ふちのごおり)山口村(現・静岡県湖西市)は遠州木綿の産地と知られ、その遠州と織物とのかかわりは古くからあったとされる。佐吉の父・伊吉は大工、母親は機織をして生計を立てていた貧農。小学校を卒業した佐吉は大工の見習いとなり、父親から仕事を教えられる。伊吉はもともと日蓮宗の信徒でもあり、二宮尊徳の教えを母体とした報徳社運動にも熱心で、生涯「報恩」を大切にした。その影響もあり、佐吉の心のなかには「国家・社会に貢献する」という意識が芽生えていた。

佐吉18歳のとき、明治18年に専売特許条例が布告された。・・・発明は今までにないものを頭の中から考え出す。発明家が出てこなくては日本の文明は世界に追いつけない。発明家を保護するため特許条例が布告された・・といった条例の中身を理解した佐吉の頭の中で、むくむくとある思いが広がった。「世の中に役に立つ発明をして身を立てたい。自分の進む道は発明の道である」と。

TOP NEWS

来年発売の日産のEVリーフの完成度は?

Img_4976 2010年末から日米欧で販売予定している日産のEV「リーフ」のプラットフォームを使った試作車のハンドルを握った。どこかのクルマの宣伝文句に聞こえるかもしれないが、胸のすく加速感とガソリン車にはない圧倒的な静粛性とスムーズな発進フィールに虜になった。コースを走るぶんには、なんら変な異音が出たりすることがなかった。アクセルをラフに踏んでもギクシャクするようなところもない。誰にでも違和感なく使うことができるクルマといえる。

EVはいうまでもなく経済性が抜群である。試算によると月に1000キロ走ったとしてガソリン代が燃費のいいガソリン車でも6000円は必要。EVになると格安の深夜電力も使えるので同じ1000キロを走っても月に1200円前後という。5000円近くの差、ということは年間6万円も浮く計算だ。

でも、EVで心配なのは航続距離である。アメリカのLA4モード(LAというのはロサンゼルスの意味)というフリーウエイとシティモードをあわせたような走行モードで、航続距離が160㎞(100マイル)という。エアコンをフルにかけカーオーディオをがんがん楽しむと少し落ちるが、横浜から東京までいくぶんにはなんら問題ない能力と見た。でも、運転中「あとどのくらい走るとバッテリーは空になるのか?」と心配しながらハンドルをにぎるのは身体によくない。
そこで、携帯電話端末を使い、心配を少しでも取り除こうという方策を日産では構築中という。乗車中にはカーナビで航続距離のエリアを表示。充電スタンドのデータを取得し、現在、ほかのクルマが使用中かどうかなどの詳細情報も伝える。携帯電話で、あらかじめ充電量を確認したり、乗車まぢかにエアコンを遠隔操作して乗り込むときに快適な車内を作り上げるなど芸の細かい操作ができるという。もちろん充電量の確認や充電完了のメールを受けるなど朝飯前の仕事。

新型EV専用プラットフォームとはどんなものなのか?
日産自慢の高エネルギー・リチウムイオンバッテリーを使ったバッテリーパックは、車体中央のホイールベース間に搭載。バッテリーパックを支えるのは板金製のフレーム。車体の剛性を高める役目もしている。ラミネートタイプのセルを集合させた薄型バッテリーモジュールの特性を生かして、コンパクトカーと同じ運転姿勢、遜色のない後席の広さを確保。ガソリン車のエンジンルームに当たる部分には、インバーターとモーターが搭載。そのサイドフレーム中央に左右のフレームを連結するメンバーを取り付け、効率的なユニットレイアウトと剛性の向上を両立。このあたりは既存のガソリンエンジン車にくらべ構成部品が少ないので、実にシンプル。ハーネスの張り具合も、昭和40年代の東京の地下鉄路線図よりも簡素である。

2009年8 月 1日 (土曜日)

愛車メンテのプラスアルファ情報

DEENのピストル型ラチェットドライバー

Img_5097 DEEN(ディーン)工具紹介、2つ目は、憧れのピストル型ラチェットドライバーである。

“憧れ”とあえて枕詞じみた言葉をつけたのは、もちろんスナップオンの同タイプのラチェットドライバーがあってのことだ。
DEENのピストル型ラチェットドライバーは、価格が4200円とリーズナブルというだけでなく、実は、スナップオンに比べ、アドバンテージがある。付属のビットが実に豊富だという点がひとつ。プラスのビット3本、ヘキサゴン(6角)ビットが3番、4番、5番の3本、それに差し込み角1/4インチ(6.35ミリ)ビットが1個、計7つのビットも付属しているのである。しかも、グリップの中央をぐっとプッシュすると付属ビットケースがポイッと顔を出すという仕掛け。グリップのアングルは、グリップ中央のボタンを押すことでストレートあるいはガンタイプの2つに変化させられる。加えて、DEENのいい点は、シャンクが付属の150ミリだけでなく、オプションとして用意されている50ミリ(390円)も使えるという点だ。
ところが肝心のシャンク、個体差なのか、ややグズグズで、少し大きく振るとグリップから外れそうな気配。それと、可変グリップのジョイントのガタ(遊び)が、大きいため、工具自体を左右に振ると不愉快なカタカタ音が気になった。でも、ラチェットのフィールは細かい感じで悪くない。

こうなると・・・むしろ2400円で手に入る「スタビラチェットドライバー」のほうが使えるのかもしれない!?  ハンドツールは手の延長線の道具、価格が安くて満点という製品はないと考えたほうがいいのかもしれない。

カーライフ大助かり知恵袋2

次世代のCVTの全貌が見え始めた!

Img_4944 第3の変速機といわれるCVTは、徐々にではあるが、コンベンショナルなATを凌駕しつつあるようだ。

CVTが登場した1980年代、たとえばスバルのジャスティなどがいまから思えば酷い代物だった。当時は制御が油圧式だったためギクシャクした走りでCVTイコール駄目機構という烙印まで押されていた。それを思えば最近の電子制御方式CVTは目を見張る進化である。

来年登場する新型マーチあたりから、再びより進化したCVTが登場する。ジャトコ製のCVTで、プラレタリーギア式の副変速機(2段式)をクラッチ内部に組み込み、変速幅を6.0から7.3へと大幅に広げたのである。

これにより、大排気量の高級車などに使われる7速ATよりも変速比幅を広くでき、低速から高速までスムーズな加速を楽しめるものとしたという。しかも、構造を大幅に見直すことで、約10%の全長を短縮し、プーリーを小型化することなどで約13%の軽量化を果たしている。しかも従来ドライブプーリーがトランスミッションオイル(CVTF)に少しかかっていたためオイル攪拌抵抗があったが、新型ではこれがなくなり、そのぶんフリクションロスが約30%も低減。トータルで燃費が10%向上している。従来エンジンのエコ度向上作戦のひとつがこれだ、ともいえる。

カーライフ大助かり知恵袋1

旧きをたずねて新しきを知る! 重次郎とマツダヒストリー 最終回

Former_0250s 昭和38年10月の第10回全日本自動車ショーに初めてロータリーエンジンが出品され、その会場に未発表のコスモスポーツが乗りつけられた。ハンドルを握っていたのは当時の社長・松田恒次(まつだ・つねじ)その人。松田重次郎の長男である。これは大きな反響を呼び、翌年の第11回目の東京モーターショーで正式発表さえるに至り、ますますREに対する期待値が高まったのである。昭和40年6月に三好テストコースが完成し、連続高速耐久試験にも拍車がかかった。発売前年の昭和41年12月には、テスト走行の延べ走行キロ数が60万キロになったという。

コスモスポーツは、最高出力110PS,最高速度185㎞/h、0-400m加速16.3秒という当時としては驚異的なスペックだった。

現在、ロータリーエンジン車は、RX-8しかない。しかも月に数100台と販売は芳しくない。だが、マツダの現在あるのはロータリーエンジンに挑戦できたからではなかろうか? よく言われるように、歴史にIF(もしも)は禁句かもしれないが、もしREにマツダがチャレンジしていなければ、RX-8はむろん存在しなかったし、コンパクトカー分野で頑張っているデミオも、ひょっとしたらアテンザさえもなかったかもしれない。
(次回からは、トヨタ自動車のルーツである、知られざる豊田佐吉伝をお送りします)

TOP NEWS

デュアル・インジェクターというやり方

Img_4955 右を向いても左を向いてもエコカーしか、見えてこない近頃の自動車業界だが、どっこい既存のガソリンエンジン車のエコ度も日毎に増しつつある!

既存のガソリン車のエコ度向上は、直噴エンジン化がひとつの回答。ところが直噴は小排気量には採用しづらい。昇圧用のポンプが必要となりコストアップするからだ。ただでさえ、コスト競争の激しいコンパクトカー1~1.5リッター車の世界では別の手法をとる必要がある。

そのひとつの回答がデュアル・インジェクター方式といえる。
ガソリンエンジンのインジェクターは4バルブにしろ2バルブにしろ1気筒あたり1つだったのを2つにすることで、霧化を促進し、熱効率を高めるというものだ。これは日産がこのほど発表した新技術で、来年の新型マーチあたりから採用するらしい。このエンジン、従来の吸気側だけでなく排気側にも連続可変バルブタイミング機構(VVT)を取り付け、デュアル・インジェクターとのコラボレーション技術で、燃費を約4%向上させるという。燃費向上だけでなく、エンジン内部の排ガス浄化にもプラスになり、触媒中の貴金属の使用量を半減できるというオマケまで付いている。

なお、直噴エンジンと比べどのくらいコストダウンできるかというと、約60%だという。直噴エンジンよりも構成部品が少なく、コストを劇的に安くできるという。今後、コンパクトカーの世界にもハイブリッドカーが登場する模様。こうしたエコカーとどのくらいの勝負(車両価格と燃費性能などで)ができるか、目が離せない。


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