みなさん!知ってますCAR?

2009年11 月15日 (日曜日)

愛車メンテのプラスアルファ情報

4ウエイ・ラチェットめがねレンチ

Img_7045 前回に引き続き、今回も前田金属、TONE(トネ)のハンドツールの紹介である。

1本のレンチで、4つのサイズのボルト・ナットを脱着できるというのが、この4ウエイ・ラチェットめがねレンチ。
8ミリの裏には10ミリが、12ミリの裏には13ミリがあるという具合。節度のいい切り替えレバーが付いているので、左右いかようにもラチェットがきくというわけだ。

「二兎を追うも一兎をも得ず」ということわざがあるが、この工具に限っては「四兎を追って成功なり」といったところ!? というのは、ギア数が72なので、使ったときのフィーリングがとてもいい点。相手のボルトやナットの頭を捉える部分が深い点も悪くない。それに、軸の中央が少し膨らんだ丸みを帯びた形状で、握ったときの感触が具合いいことも、この工具に愛着を感じる点だ。

なお、13ミリというと日本のクルマにはあまり使われていないボルトサイズで、意味がないと感じるかもしれないが、欧州車の中には時たま見かけるサイズなので、あって損はない。工具箱に1本入れておくと何かと便利だ。

カーライフ大助かり知恵袋2

フルイドフィルムという名の防錆剤

Img_7190 同じクルマを長く愛したいユーザーにとって一番の大敵はボディの錆である。
エンジンがもしだめになったら、同機種のエンジンを載せかえればいいが、ボディのあちこちにもし穴が開いた時は、深くため息をつくばかりで、やがて廃車にせざるを得ない!?
そうならないために、錆びやすい個所に防錆剤を吹き付けておくことが得策だ。

手軽に使える防錆剤は市場を見回してもなかなか発見できなかったが、このほどアメリカの老舗ケミカル製品「フルイドフィルム(FLUID FILM)」が登場したので紹介しておこう。

この製品、もともと第2次世界大戦でアメリカ海軍の鋼板防錆剤として開発されたもので、羊毛から抽出されたウール・ワックスを基本素材とした浸透性の防錆・潤滑剤。スペースシャトルの水平尾翼の稼動部にも使われているというから本命なのかもしれない。

エアゾール・タイプと塗布するタイプがあるのだが、使いやすいのはエアゾール・タイプ。酷く錆付いた金属表面にもいきなり吹き付けて効果があるというから、事前処理を施すのが面倒だという向きにも使える。ちなみに、他製品の浸透潤滑剤はエアゾール溶液全体の20~30%ぐらいしか有効成分が含まれていないがフルイドフィルムは重量比73%が有効成分だということもうれしい点だ。もちろん、揮発性有機溶剤などいっさい含まれない環境にやさしい製品だという。

カーライフ大助かり知恵袋1

旧きをたずねて新しきを知る! トヨタ自動車のルーツ・豊田佐吉物語 最終回

Img_5944 当時世界一の紡織機メーカーであったイギリスのプラット社は、この驚異的な性能を持つG型を知るや約100万円のライセンス料を支払い、日本、中国、アメリカを除くすべての国での独占的生産と販売権を取得した。ところが、実際はプラット社がG型織機の生産や販売をした形跡はない。俗に言う「買い潰し特許」のだったのだ。性能のいいG型がイギリス以外の国が使用するとイギリスの紡績業は行き詰まる。プラット社は、英国の紡績業を守るために特許を取得したのである。

とはいえ、先人のイギリスのメーカーが東洋の特許を莫大なお金を支払い購入したという事実は、何物にも換えがたい自信を、佐吉に与えた。しかも、このとき取得した100円という多額のお金が、のち喜一郎がリーダーとしてトヨタの自動車開発の資金になるのである。100円といわれても平成の現代人にはピンとこないが、「値段の明治・大正・昭和風俗史」(週刊朝日編)をひもとくと・・・昭和7年の東京の家賃が13円の時代。現代のマンションが一部屋13万円と仮にすると・・・1円=1万円。昭和のはじめの100万円は約100億円ということになる。
佐吉はかねてより「一人一業」を説いていたという。喜一郎には新しい事業を開くことを希望したのである。佐吉が欧米を視察したとき、強く印象に残ったのは自動車だった。その自動車製造への挑戦を息子の喜一郎に託したのである。

佐吉は、G型の完成後あたりから体調を崩し、静養に勤める日々を送っていたが、昭和5年(1930年)10月30日、名古屋郊外で静かに63年にわたる生涯を閉じた。
● 参考文献● 「創造限りなく トヨタ自動車50年史」/「日本における自動車の世紀」(グランプリ出版:桂木洋二)/「産業技術記念館」総合案内

TOP NEWS

自動車の軽量化は足元にまで及ぶ!?

64 職業柄、自動車メーカーの開発エンジニアと話をするチャンスが多い。インタビュー記事を作成するため、月に15名ぐらいのエンジニアに話をうかがうのである。
ここ数年、エンジニアの口から共通に飛び出す言葉は、「軽量化」である。

クルマの軽量化、ひいては自動車部品の軽量化だ。クルマを軽くできれば、燃費もよくなり、その分CO2の排出量も少なくなる。動力性能が同じなら、軽いクルマのほうがよりキビキビ走れる。しかも軽量化するということは、材料がそのぶん少なくて済むことにつながるため、コストも下がる。いいこと尽くめと言ってもいい。自動車をつくるうえで軽量化は至上命題であり、正義のキーワードなのである。

そんななか、現在催されている東京モーターショーで軽さを追求したペダルを見つけた。
中空構造の板金製のブレーキペダル(写真右)と樹脂製のクラッチペダル(左)である。樹脂のクラッチペダルはナイロン樹脂にガラス繊維を混ぜ強化しているタイプ。自動車のペダルなんか、しげしげ観察したことのない読者はあまり関心がないかもしれないが、これって一大革命なのだ。ブレーキペダルも樹脂で作ったほうが簡単でいいと思われるが、ブレーキペダルは踏力が大きいため、どうやら樹脂では強度が持たないらしい。これを試作した広島県の㈱オートテクニカのエンジニアによると、いずれのペダルも従来型の鉄製ペダルに比べ、6割弱の軽量化と20%強のコストダウンができるという。いまのところ「提案部品」の領域だが、近々どこかのメーカーの自動車に採用されると思われる。

2009年11 月 1日 (日曜日)

愛車メンテのプラスアルファ情報

ラチェットめがねレンチ

Img_7044 前田金属、TONE(とね)というブランド名で古くから馴染みのある老舗工具メーカーである。どちらかというと質実剛健というか、無骨さが強調されてきたハンドツールを世に送り出してきた。

ところが、このところ、そのTONEにも丸みを帯びてきたのである。たとえばニューモデルの「ラチェットめがねレンチ」。コンビネーションレンチのめがね部をラチェット化したもので、使い勝手にすぐれた工具。ギアは72ギアで、振り角度5度とこまかく振れ、めがね部の外形もとてもスリムなので、狭いところにあるボルトやナットに相対することができる。

評価すべきは軸が丸みを帯びた柔らかい曲線で、手で握ったときのフィーリングがとてもいい。長く工具を持って使っていても手が痛くなりづらい。サイズ表示も小さくないので、一目で必要なサイズの工具を手にすることも出来る。表面の仕上がりも悪くない。

サイズは8ミリから10,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,24まで計13サイズ。単品価格はたとえば写真の12ミリが2290円とリーズナブル。8ミリから19ミリまでの7本セットで1万8700円、8ミリから21ミリの11本セットが3万3910円だ。

カーライフ大助かり知恵袋2

ダイハツのKカー燃費改善最前線

Img_6851 軽自動車に乗っていて、面白くない事実がひとつある。
小さい割にはガソリンの大食いだということだ。コンパクトカーや大きなクルマと伍して走るわけだから、それなりの運動量(燃料)が必要なのは頭では理解できても、もう少し燃費がよくならないものか?

こうした長年の疑問に終止符をうつエンジンが近々登場する。
ダイハツのe:S(イース)の3気筒エンジン(写真)がそれ。このエンジン第2世代のKFエンジンと呼ばれるもので、12バルブDOHC,排気量660cc 最高出力43KW/7200rpm 最大トルク65Nm/4000rpmといったスペックは驚くべきものではないが、燃費改善率が10%以上。JC08モード燃費で30km/l(10・15モードなら35km/l前後)というからすごい。これは世界初のⅰ-EGRという燃焼室内のイオンで燃焼具合を見てEGR量を緻密の制御する仕組みや樹脂製の電子スロットル、さらにアイドリングストップを組み込むことで達成。このイースというクルマ、価格が80万円以下ともいわれるアフォーダブルカー(手に入れやすいクルマのこと)だ。

ちなみに、ダイハツでは次世代の軽自動車用エコエンジンとして2気筒直噴ターボエンジンがスタンバイ。これは極限までの熱効率を追求と走りのこだわりを持ったエンジンで、従来に比べて30%以上の燃費向上。ハイブリッドカーに迫る燃費性能となるか!?

カーライフ大助かり知恵袋1

旧きをたずねて新しきを知る! トヨタ自動車のルーツ・豊田佐吉物語 第6回

Img_4523 佐吉の研究はいよいよゴールが見えてきた。
横糸を通す杼(ひ)を織機の停止をすることなく交換(自動杼換)、緯糸(横糸)探り、経糸(たて糸)送出、経糸切断自動停止の各種装置をはじめ、これまでに取得した特許をすべて投入した画期的な織機。

発想も構造も、先人のイギリスやアメリカの織機とは異なるオリジナルな連続して高速で稼動することができる織機。「豊田G型自動織機」の誕生である。G型の開発は喜一郎が中心になって進められたもので、その完成は1924年のことだった。
このG型は、当初1年で約6000台を受注、昭和16年までの約16年間のあいだに累計6万台以上を生産している。その販路は、日本国内は言うにおよばず中国、インド、アメリカなど多方面にわたった。しかも基本的な設計は、昭和30年まで変更されることがなかった。それだけの年月に耐える独創性と高い技術水準を持っていたといえる。

文字通りロングセラー製品であった。当時国産の織機が200円程度だったが、G型は3倍の1台600円もした。それほどG型という織機は使い側のユーザーから見ると、魅力的でメリットが大きかったのである。この織機を使うことで、人件費が大幅に削減されるため、大手紡績工場に大量に採用されたのである。

TOP NEWS

池に生息する! 微細な藻(も)が地球を救う!?

Img_6725_2 エンジン部品をはじめ、さまざまな自動車部品を供給している巨大な自動車部品企業のデンソーがいま面白い実験をしている。

池や温泉に生息する「シュードコリシスチス」という舌を噛みそうな名前の5マイクロメーター(1ミリの1/200)の藻に注目している。この藻を使って工場内で排出するCO2を吸収、さらにこの藻のなかにディーゼルエンジンで使う軽油と同じ成分が存在することを突き止め、近い将来バイオ燃料として役立てる計画だという。この研究は、デンソーと慶応大学の先端生命科学研究所が共同で展開中。
意外に知られていない事実だが、藻は樹木にくらべCO2の吸収効率が高く、同じ面積で比較した場合、藻の培養池は森林の約10倍のCO2を吸収する能力があるという。藻はわずか2週間と成長が速く、丈夫で培養しやすい特徴を持つという。

この藻を使いデンソーは工場内の製造工程で発生したCO2を効率よく削減する一方、バイオ燃料としても2次利用していくのだという。現在バイオ燃料はトウモロコシや大豆などから作られるため、穀物価格の上昇につながる可能性がある。食糧問題と地球環境問題がバッティングするのである。この藻の研究が実用化されれば、その心配もなく、エネルギー問題や地球温暖化対策に大きく貢献すると見込んでいる。


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