みなさん!知ってますCAR?

2010年2 月15日 (月曜日)

TOP NEWS

ESCの普及率が10%というお寒い状況でも自動車先進国?

IMG_7788  「横滑り防止装置」といわれるESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)をご存知だろうか? ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)というのはよく知られていてもESCの認知度はあまり高くない。
 実は、ESCは、ABSから進化したものなのである。電子制御で4輪の制動をコントロールすることで、たとえば雪道などの滑りやすい路面で、車両が横滑りするのを感知すると、自動的に車両の進行方向を保つように車両を制御する仕掛けである。具体的には車両がアンダーステア(カーブより外に膨らむ現象)となるとリアの内側の車輪にブレーキをかけ、車両の方向を修正するという具合である。
 ESCを装着することで、自動車事故の30~35%を減らすことができるというデータも出ている。ドイツではすでにこのESCの装着率が約80%、アメリカでも約50%のクルマにESCが取り付けられているといわれる。ところが、日本では法制化が遅れていることもあり、わずか10%のクルマにしかESCが装着されていないのが現状。
 実はESC,4つの車輪に電子制御で制動をかけるところから、坂道発進機能や急坂をゆっくり走破できる仕掛けとか、前方のクルマに追従するシステムなどいろいろな安全装置としても応用が利く仕掛け。ESCが認知しづらい理由のひとつは、自動車メーカーにより呼び名が異なる(たとえばトヨタはVSC,ホンダはVSA,日産はVDCという具合)ためもあり、今後ESCに統一される動きである。

カーライフ大助かり知恵袋1

タイヤBSのルーツは足袋だった・石橋正二郎物語 第6回

IMG_5362  「ゴム靴」の製造は地下足袋の発売と同じ年の1923年(昭和元年)にスタートしている。
 この時代、洋服の普及にしたがい、下駄や草履から靴へと移行しつつあった。革靴は高価なため、安価な布製ゴム底靴が日常品として使われだした。こうした需要の伸びを見逃さなかった日本足袋社は、地下足袋の製造のかたわらゴム靴(ズック靴とも呼ばれた)の製造に乗り出したのである。そのころ学生がゴム靴をいっせいに使い始めたこともあり、さらに需要が伸び、原料としている生ゴムと綿花の輸入量が膨大なものとなっていく。
 そこで正二郎は、輸入超過を食い止めるため、海外にゴム靴を輸入できないかを調べてみた。すると中国、東南アジア、インドなどの住民の足元は実にお粗末なものだった。なかには裸足の生活を強いられている住民も珍しくなかった。膨大な海外需要があることは判明したのだ。1927年に輸出課を創設し、商社と提携し、海外市場への販売を開始した。
 相前後して、正二郎は、専売店制度による販売網の確立に尽力している。各地方の一流の商店、主として呉服屋や小間物屋、雑貨屋、下駄屋などを選び特約契約を結んだ。専売店は、1926年には6万店に達している。地域の販売担当者が地道に足を運び、商品の優秀性を説き、小売店主の理解が得られた結果だった。拡張奨励金制度を設けるなどして販売促進を展開。これらは、アメリカのシンガーミシン社の販売方式を、日本の風土や日本人のメンタリティに合わせて実施されたものだ。加えて正二郎は、代理店への積極的な経営指導を展開。旧態依然たる大福帳式から複式簿記を原理とする「アサヒ簿記法」を制定し、代理店の近代的合理化を図っている。
 宣伝広報の面でも、正二郎は腕を振るっている。1923年に代理店、小売店向けの宣伝機関紙「アサヒ時報」を発刊している。メーカーから販売店、代理店へのメッセージを盛り込んだもので、販売網を育成強化するという面できわめて効果があったという。当時としては画期的なものだといえる。社内での合理化策も怠りなかった。1925年にはタイムレコーダーを導入、宛名印刷機を採用して近代化を促進。大正中期には原価計算、監査などをおこない、1934年(昭和9年)には事務改善委員会を発足させるなど、無駄の排除をとことんおこなっている。
 かくして、日本足袋の地下足袋およびゴム靴の量産・量販体制が確立していったのである。
 こうしているなかで正二郎は、自動車用のタイヤ部門への進出のタイミングを図っていた。当時(昭和のはじめ)日本の4輪車の保有台数はわずか7万台に過ぎなかったが、アメリカではすでに2300万台のクルマが走っていた時代。正二郎の脳裏には日本にも早晩モータリゼーションが実現する風景が見えていたのだ。

カーライフ大助かり知恵袋2

横滑り防止装置対応のスタッドレスタイヤ

IMG_7790  トップニュースで、日本のESCの装着率の低さについて嘆きのリポートを書いたが、欧州では、ESC対応のタイヤが発売されている(日本でも購入できるが)のである。
 アンダーステアになると後輪の内輪にブレーキをかけることで車両の方向を修正する。逆にオーバーステア(カーブの内側に押し出される現象)になると前輪の外側の車輪にブレーキをかけ、車両の方向を修正する。こうした特性を踏まえたスタッドレスタイヤだというのだ。
 もちろん、通常のスタッドレスタイヤは、タイヤ自体のブロック、サイプ、コンパウンドなどの工夫で氷雪路での走破性を発揮するように設計されている。
 このESC対応のコンチネンタルタイヤの「コンチ・バイキング・コンタクト5」というのは、タイヤとクルマのそれぞれが持つ性能を補完し合い、その相乗効果でより卓越した氷雪路の走破性を実現しているというのである。ちなみに、このタイヤのコンパウンドは、ニューノリディック・コンパウンドと呼ばれるもので、通常のコンパウンドが摩耗にしたがい性能低下するのだが特殊な性質を持った成分を配合することで、トレッド面の摩耗が進むにつれ、ゴム自体のフレキシビリティが増加する性能を獲得。その結果、摩耗の進行にかかわらず使用期間を通じて装着初期の優れた性能を維持することができるという。

愛車メンテのプラスアルファ情報

Sレンチ・ラチェットタイプ

IMG_7797  Sレンチというのは文字通りS字型をしたメガネレンチのことなのだが、通常のメガネレンチだと届かないところにある、ボルトやナットを締めたり緩めたりすることができる。
 ここに登場するSTRAIGHT(www.straight.co.jp)製のSレンチは、ラチェット機構を組み込んだSレンチなのである。サイズは10-12ミリで、左右の切り替えができ、ギア数は72である。
 駆動部分(ヘッド)が12ミリで幅が24ミリと通常のメガネレンチの3割3分増しであるのが気になる(周りの部品にヒットしやすい!)が、ラチェット機構が組み込まれているゆえ仕方がないところか。というのは、Sレンチを使うとわかるが意外と振り幅が小さいため、ラチェットが実に有効なのである。価格が、1200円ととんでもなく安い点を考慮に入れると贅沢はいえない!?

2010年2 月 1日 (月曜日)

TOP NEWS

厚さ20ミクロンのシームレスパイプとは何ぞや?

Pho1  取材に出かけると、時として、これまで自分が抱いていた「常識」が砕け散る瞬間に出会うときがある。
 先日、東京ビッグサイトで開催された「EV/HEV技術展」という、かなりマニアックなイベントを取材しているとき、そんなカミナリにうたれた経験をした。EVというのは電気自動車であり、HEVというのはハイブリッドカーのことであり、そうしたクルマを支える新しい技術の展示会なのである。
 「メタルスリーブ」と呼ばれる加工技術を展示する企業。平たくいえば「金属の円筒形半製品」のことである。これまでOA関連の世界で、500万本の生産実績があり、これからEVやハイブリッドカーの領域に乗り出そうという新潟にある従業員240数名の企業である。このメタルスリーブというのが、文字通りシームレス(つなぎ目ナシ)の極薄チューブなのである。どのくらい薄いかというと、20ミクロン(0.02ミリ)で、その厚みのばらつきがなんと3~7ミクロンだという。
 造り方を聞いても素人の私には半分しか分からないが・・・まず円形のステンレス製の丸状の材料を温間で、深絞り加工し、さらに回転させながら≪超深絞り加工≫させていき、結果として20ミクロンの極薄のチューブを作り出すのだという。この深絞り加工のことを別名「スピニング」とも言うそうだ。判りやすくいえばビールのアルミ缶や携帯電話の筐体にも深絞り加工を用いられ、成形されているが、その超ミクロン領域の世界と思えばいい。今後リチウムイオン電池のケースにこの技術が用いられると思われる。

カーライフ大助かり知恵袋1

旧きをたずねて新しきを知る! タイヤBSのルーツは足袋だった・石橋正二郎物語 第5回

Pho2  「アサヒ地下足袋」のデビューである。もともと≪地下足袋≫というネーミングは商品名でしかなかったが、今日では普通名詞にまでなっている。広くカンボジアをはじめ東南アジアでも現在活躍中の履物。ところが、こうして苦労して作り上げた「アサヒ地下足袋」も当初は、売れ行きが芳しくなかった。新製品に対する消費者のなじみのなさが、不評の原因だった。
 さっそく、履きやすく使い心地のよいものに改良。さらに日本足袋の従業員みずからが地下足袋を履き、炭鉱や農村を歩き、その優秀性を説いて回ることで、商品の優秀性を訴えた。こうした努力の蓄積で、「アサヒ地下足袋」は、徐々に消費者の認識を勝ち取ることができ大ヒットにつながっていく。
 この商品が受け入れられた背景には、圧倒的なコスト・パフォーマンスだった。このへんはわらじという履物を想像してもらうと分かりやすい。1足1円50銭の地下足袋を使うと、耐用年数が半年。履物代が年3円で済む。わらじのときの年18円に比べ1/6。作業能率の向上や安全性も高まるため、屋外労働者にとっては文字通り革命意的な商品であった。
 1923年1月の発売当時日産1000足だった「アサヒ地下足袋」は年末には日産1万足にまで増加している。この年ちょうど関東大震災が東京を襲い、その復興過程でもアサヒ地下足袋が重宝されたことも人気に拍車がかかった。
 よき事だけではなかった。翌1924年5月、日本足袋の久留米工場が火災にあい全焼する災厄が生じたのだ。加えて、日本足袋の生産停止の隙を突いて、ライバルメーカー10数社が、地下足袋の模造品の製造を開始。日本足袋社は、これに対抗すべく直ちに特許権侵害の訴訟を起こし、2年間の係争をへて勝訴。その後地下足袋製造を希望する向きには1足あたり2銭のロイヤリティを支払うことで、製造を許可するようになった。いわば北風よりも太陽のような解決法だ。粗悪な模造品を追放する手法としても、このやり方は成功だった。
 一方消失した久留米工場は、跡地に従来の2倍の6万6000平米の広大な土地に鉄筋コンクリート製の工場を建設。このとき、手工場生産から、近代工場へと大きく転換させた。正二郎はかねてよりヘンリー・フォードの大量生産方式を研究していたので、再建にあたりベルトコンベアやエレベーターなどを導入し、工程と工程をつなぐ合理化を図り量産体制を具現化させた。これはゴム工場の世界では画期的な試みだった。こうしてコスト削減はいっそうの需要増加を呼び起こし、アサヒ地下足袋の生産高は急増。生産開始から5年目の1927年には年産1000万足、13年目の1935年には年産2000万足となった。

カーライフ大助かり知恵袋2

完成度の高いカーフィルムの登場なのか

Pho3  クルマのウインドに貼るオートフィルムは、プライベート重視機能や紫外線カット、断熱効果によるエアコンの機能向上など多方面にメリットあるのだが、美しく貼れないとか車検にパスしないなどの心配事も少なくなく、貼る気持ちになれないユーザーも少なくなかった。
ところが、こうした心配事を払拭したオートフィルムが登場した。
 「3Mスコッチティント・オートフィルム」がそれ。このスコッチティントは、高性能・高品質のフィルム。各メーカーの全車種にあわせた正確なデータに基づき、コンピューターでカットし、パーツ分けしたフィルムで作業時の型取りが不要。リーズナブルな価格で入手できるという。
 有害な紫外線から肌を守り、じりじりする夏の車内の暑さを抑えて、快適性を向上させる。スモーク系から、貼っていることが分からない透明でピュアなタイプといろいろ選択できる。たとえばスモーク系のフィルムを選択すれば、車外から見えづらくセキュリティ面でも効果も期待できるし、透明度の高いタイプなら「黒色のフィルムはちょっと」という女性でも抵抗感がない。
 エアコンの効き向上率は、温度差なんとマイナス12℃というデータもある。つまり省エネにもなるという理屈だ。スモークタイプのフィルムにも種類があるので、詳細は、この商品を扱っている「タイヤショップショウワ越谷店」(電話048-970-0505)に問い合わせてほしい。
 写真は、手をかざし断熱効果を確かめるデモ機で、同店で体験できる。

愛車メンテのプラスアルファ情報

3/8ドライバーハンドル

Pho4  ≪エクステンションバーなのだが、ドライバーとしての機能を有する≫そんなハンドツールが以前からある。
 先端にソケットが収まる差し込み部を持っていて、樹脂製のグリップが施されている一品である。筆者が、長年愛用しているKO-KENの1/4インチのスピンタイプハンドル(品番2769F)もそんなひとつで、知る人ぞ知るアイテムである。
 ここに登場するSTRAIGHT(www.straight.co.jp)製の3/8ドライバーハンドルは、一言でいうと≪無骨さ、丸出し≫の工具である。どこが無骨かというと、全長150ミリの割りに、重量が168g。とんでもなく重くできている。ドライバーとして使う場合を考えると、この重さは致命的とすら言える。たとえばKO-KENの同じ長さのエクステンションバーは98g~125gなのである。2倍とはいわないが、限りなく2倍に近い!? 数本のビスやボルトを相手にするのならいいかもしれないが、あまり重いと疲れるのである。しかも、工具箱に入れたときにも重くてかさばる原因となる。
 ただし、この工具、値段が580円とこれまた、とんでもなく安い。通常の商品なら重量が大きいと高くなるが、工具の世界ではこの常識がどうやら逆転しているらしい!?


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