昨年11月に欧州でデビューしたシトロエンC3が、ようやく日本でも発売された。
このシトロエンC3なるコンパクトカーは、120PSの4気筒1.6リッターのエンジンを載せ、価格が209万円からとリーズナブル。一番のウリは、ドライバーの頭上後方までに広がるフロントウインドウ。なんと垂直視界方向の視野が最大で108度もあるのだ。これをシトロエンでは「ゼニス・フロントウインドウ」と呼んでいる。普通のクルマのフロントガラスの前後長が0.8メートル前後なのに比べ、こちらは1.35メートルもあるのだ。
座ると、パノラマビュー的な視界が広がり、圧倒的な開放感を感じるのも、まんざら嘘ではない。
よくこんなフロントガラスをつくったものだと感心する。ある意味≪先進性≫なのかもしれない。でも、冷静に考えればガラスの重量は重く、車両重量のなかで占める割合は小さくない。燃費にも露骨に影響する部品。通常のクルマより、ガラス面積が広いぶん厚くしているという。それにガラスのリサイクル性は正直遅れている。
先々の話になるが、中古部品として管理することを考えると、こんなにでかく大きくカーブしているガラスをどんなふうに管理するか、リサイクルショップは頭を悩ますハズ。大型バスのフロントガラスは100万円もするが、実際には大きすぎて管理できず、やむなく破砕しているのが現状。こう考えると、シトロエンC3の先進性にも暗雲が見える!?
石橋正二郎は、タイヤの創業に先立ちアメリカにタイヤ製造機械を発注した際、あわせて金型を注文したが、金型には製品のブランド名と社名を刻む必要があった。日本足袋社という社名では見栄えがしない。やはりここはカタカナ文字で表示しないといけない。将来の海外への販売を考えても、英語名で社名を表示する必要のあることを考えた。自動車タイヤにはダンロップをはじめ、ファイアストン、グッドイヤー、グッドリッチなど、発明者や創業者の名前が付けられている例がほとんど。正二郎も、これにあやかり石橋を英語流に読み替え「ストーンブリッジ」としてみたが、どうも語呂がよくない。そこで「ブリッジストン」とさかさまにし、これを社名、商標名とした。
話は前後するが、タイヤ試作チーム20名ほどが苦労を重ねながら、ようやく試作第1号を作り上げたのが1930年4月9日。サイズは乗用車用のタイヤで「29×4.50 4プライ」というものだ。ついで1月後には小型乗用車用のタイヤの試作にも成功した。
今度は試作品タイヤのテスト販売と、タイヤ市場の調査である。これにより品質、技術、製造データなどを得るとともに、将来の販売代理店の確保を見据えたものだ。半年間をメドにこうした動きを展開した。
当時日本のタイヤの販売は、いわゆるタイヤ屋と呼ばれる店舗(小売店)でおこなわれていた。大手の商社が輸入した舶来製タイヤをそうしたタイヤ屋(小売店)が窓口になり販売していたのである。また一部はダンロップ護謨(ごむ)、横浜護謨製造との契約も結んでいた。
最近ホームセンターなどでもたまに見かける「ケルヒャー」(http://www.karcher.co.jp)の高圧洗浄機。
ケルヒャーとは、1935年創立のドイツ生まれの清掃機器メーカーである。高圧洗浄機だけでなく、床洗浄機、スイーパー、乾湿両用クリーナーなど約2000種類の清掃機器を持ち、世界190カ国でビジネスしている世界的企業。
ホームセンターなどで手に入る高圧洗浄機は、価格が2万円前後とリーズナブルだが、どうせなら業務用が面白い。たとえば写真のHD605という機器は、電源がAC100Vで、重量が17.5kg。ポンプの重要部分に真ちゅう製を採用し、ひずみや摩耗や腐食に強い。ノズルやホース類も高い耐久性を誇るという。家庭用とは圧倒的に耐久性が異なるという。吐出水量は時間あたり400リッター。
高圧ホースはねじれ防止システムを組み込んでいるので、作業中のわずらわしいねじれが起きない。ノズルは、ペンシルジェット、広角ジェット、低圧ジェットの3種類が選択できる。価格は8万円前後だという。
有名ブランドハンドツールの下請け的存在だった台湾製のツールが、ここ数年高いクオリティを誇りつつある。オリジナリティが目覚めてきたこともあり、けっして侮れない工具なのである。
そんな台湾ツールのなかで、注目したいのがMG4という品番のラチェットハンドル。商品名「カーブ・ラチェットハンドル」である。
MATATAKITOYO(マタタキトーヨー)というブランドで、日本語で≪瞬き東洋≫という意味なのかもしれない!?
このラチェットハンドルの面白さは、ギアレスタイプ。これまでのギアレスタイプは、左右の切り替えが目で確かめられず、その都度両手で回して確かめる必要があった。だが、これは、ヘッド部にある黒い小さなプッシュボタン(正確にはフィックス・ノブ、という)を押すことで切り替えができるので、現在どちら回りなのかが分かる仕掛け。この部分は特許だという。
商品名の“カーブド”というのは、グリップがカーブしていることで、いわゆるエルゴノミックな形状。とくに親指がピタリと収まり、疲れることなく作業がはかどるコンセプト。全長が178ミリ、重量が240グラム。今のところ台湾に出かけないと手に入らないツールだ。
リサイクル部品で愛車を修理すればお財布に優しいだけでなく、地球にも優しい。
リサイクル部品は、もともと純正部品で品質は安心だし、新品部品に比べCO2の発生がずいぶん抑制されるからだ。たとえばリサイクルのドアを使い修理すると新品部品を使ったときにくらべCO2を98.7kgも削減できるというのだ。気になる価格は純正新品の半値以下と思えばいい。
ところが、この2重のお勧めのリサイクル部品は、活用するうえで大きなハードルがあった。
自動車部品の取り外し&取り付け作業には、それなりのノウハウが必要だからである。修理工場やカーディーラーでないと処理できない。手に入れたリサイクル部品を修理屋さんに持参するといったこともあった。つまり、いま流行の言葉で言えば≪ワンストップサービス≫でリサイクル部品を活用できなかったのだ。リサイクル部品店からみても卸のビジネスなので、本当のユーザーの顔を見ることがなかった、とも言える。
昨年12月オープンした「タイヤショップショウワ越谷店」(℡048-970-0505)は、認証工場の資格を持つため、お客様が購入したリサイクル部品をその場で取り付けてくれる。タイヤショップなので、もちろん新品タイヤ、良品の中古タイヤの販売取り付けだけではなく、2階には各種のリサイクル部品(エンジンフード、バンパー、フロントグリル、ヘッドライト、テールレンズ、マフラーなど)が置いてある。もちろん、タイヤショップの親会社は昭和メタルなので、3万点を誇るパーツセンターから顧客の必要とするリサイクル部品を発送、取り付けサービスも展開している。
1930年(昭和5年)1月、到着した機械類の据え付けをおこない、さっそく試作の準備に取りかかる。実は、この年の同じ月に、浜口雄幸内閣のもとで金輸出解禁されたている。前年アメリカのウォール街で大暴落から端を発し、世界恐慌のアラシが吹き荒れていたころ。現代のリーマンショックに匹敵する大不況時代。世の中が深刻な不況に見舞われていた時代に正二郎は、新事業に乗り出したのである。
購入した機械は、タイヤ成型機2台、垂直式の加硫機5台、金型が2面(サイズは29×4.50と30×4.50の各1面)など。機械類のほかにスダレ織コード、ブレーカー、ビードワイヤーなどの素材も購入している。本社事務所の一部敷地2640㎡をタイヤ工場にあて、部署として日本足袋社に「タイヤ部」を設置し、社内から選抜された従業員20名を投入し、自動車タイヤの試作をスタートさせた。試作担当技師には君島博士が推薦してくれた北島孫一に担当させ、ゴム配合にはヒンシュベルゲルが担当した。
輸入した機械は、成型と加硫用のものであった。それ以外の作業はほとんど手作業。各担当者は、全員がタイヤ製作の知識や経験ともゼロ。わずかに輸入機械に添付されていた10枚ほどの取扱説明書を唯一の手がかりとして試作を進める状態だった。いわば闇の中を手探りで進むような作業のため、作業は困難を極めた。なかでも、タイヤの骨格となるプライコードの作製が大きな壁だった。すべて手探りで、苦労の末に作製したプライコード(この時代は綿製)であったが、成型の段階でまったく密着しなかったり、裁断角度、幅とタイヤ構造との関係が分からず、コードウエーブ(コードの波うち現象)が発生したり、コードがビードから外れるなどのトラブルに悩まされた。加硫工程においてもまったくの手探り状態。何度も失敗を重ねながら進んでいった。
一昔前の乗用車のエンジンマウントは、走行10万キロあたりで駄目になったものだ。クラック(ひび)が入ったり、スチールプレートとゴムがはがれたりしたのだ。
もちろん、そのままでの車検は通るものの、振動騒音が大きく、ドライバーや同乗者の疲労度が激しくなる。そこで、新しいエンジンマウントに交換するとウソのように静粛性を取り戻す。ところが、最近のクルマはエンジンマウントへの眼差しが高くなったせいか、信頼耐久性が向上し、ほぼ一生モノといえる。
エンジンマウントを交換する作業はこの世の中から消えた。そんな思いでいたところ、先日タクシーの部品を取材したところ、「どっこいエンジンマウントは今でも立派な交換部品」だと分かった。タクシー、つまりクラウン・コンフォートやクラウンセダン、はたまたセドリックなどは、プラットフォームは2昔前のもの。そのためエンジンマウントの設計年次も旧く、走行10万キロあたりで不具合が出るのだという。日頃タクシーに乗る読者は気付いているかもしれないが、タクシーは年間10万キロ近く走るため、意外とエンジンマウントの破損で乗り心地の悪いケースがある。ある部品販売商社は、台湾でより安いクラウンなどのエンジンマウントをつくり、販売し始めた。この商社によるとクラウン・コンフォートだけでも年間600個の注文があるという。
ソケット専門メーカーのKO-KEN(http://www.koken-tool.co.jp/)から、いささか奇妙な工具が発売された。
差し込み角3/8インチの「スピーダーラチェット」である。
スピーダーというのは、柄の部分がクランク状をした工具で、レーシングカーの整備のメカニックなどが好んで使うツールである。
この製品は品番3774-SRというのだが、先端部に差し込み角3/8のラチェットを持っていて、もちろんヘッド部を垂直に立て早回しもできる。それだけではなく、ヘッド部を柄と水平位置にして、長い柄を使い大きなトルクをかけて締め付けるときに便利、というものだ。全長は310ミリあるのだ。ギア数は24で、振り角度は、15度。実は、いまのところこの工具を前にして少し戸惑っている。工具箱に入れるに大きく邪魔になりがちだし、とくにこの工具が必要となるシチュエーションがイメージできないのである。少し変わった工具を愛用したい向きにはいいのかもしれない!? 価格は1万400円だ。