みなさん!知ってますCAR?

2011年9 月15日 (木曜日)

TOP NEWS

タイヤ空気圧モニタリングシステムの光と影

タイヤ空気圧モニタリングシステム   洗濯機や冷蔵庫といった白物家電もそうだが、自動車も、21世紀に入り電子制御技術がいたるところに入り込んできた。当初はエンジンだけだったのが、いまではトランスミッション、サスペンション、ブレーキなどにも。1台のクルマのECU(コンピューター)が100個付いているクルマもあるほど。
  空気入り自動車用タイヤの発明は、スコットランド生まれのJBダンロップが19世紀中ごろに発明したもの。これがなければ今日のクルマの発達は考えられなかった。クルマの部品のなかで一番原始的(プリミティブ)と思われるタイヤにもハイテクな電子技術が導入されつつある。「タイヤ空気圧モニタリングシステム」である。タイヤ内の空気圧が下がると、事故につながるだけでなく、燃費悪化・乗り心地低下・タイヤの寿命低下につながる。ところが、リアルワールドで調べると「空気圧低下」の状態で走行しているクルマが少なくない。そこで、月に1回は、エアチェックが欠かせないのだが、人間の馴れもあり、標語通りいかないのが現状。
  「タイヤ空気圧モニタリングシステム」は間接タイプと直接タイプがある。間接タイプは、ホイールスピードセンサーを使い空気圧ダウンにより起きるタイヤの直径の変化を察知することで、ドライバーに知らせるタイプ。直接タイプは、4つのタイヤの内部に、マイコンを組み込み、内圧の変化があれば、トランスミッターで運転席に取り付けられたモニターに知らせる。ざっくりいえば、前者はコストが安いが精度が低く、後者はコストが高いが精度が高いというものだ。コンチネンタルでは、このほど、さらにバージョンアップした直接タイプを開発した。従来はバルブに取り付けていたのが、タイヤとレットの裏側に付くタイプ。コストが安く軽量だという。それが、エレクトロニック・タイヤ・インフォメーション・システム(eTIS:写真)。
  こうした「タイヤ空気圧モニタリングシステム」ががぜん注目される背景には、法制化の動きがあるからだ。アメリカではすでに2005年から、欧州では来年2012年から。日本もこれを受けて近々法制化される見通し。ところが、このシステム、一度空気圧が下がるともう一度初期化しないと正確に機能しないため、タイヤショップに駆け込む必要があるなど、使い勝手のうえで課題を抱えているようだ。便利なものの誕生で別の不便が生まれる・・・そんな状況のようだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

時代を画した7台の名車で語る自動車125年の歴史 第8回

ポルシェ博士   1936年10月に≪大人2人、子供3人が充分に乗れること、1000マルク以下の価格≫などの条件が決められた。3台の試作車(VW3)がつくられ、5万キロにおよぶテスト走行が実施されている。翌年の1937年に試作車VW30が30台生産され、ヒトラーの親衛隊により大規模な走行試験が展開。さらに1938年の5月26日に最終量産モデルのプロトタイプVW38が3台完成。これをヒトラーはk.d.f.(カーデーエフ=「喜びによる力のクルマ」)と命名している。
  トヨタ博物館に展示してあったのはタイプ60というフォルクス・ワーゲン車で、西ドイツ時代の1990年7月にVW社から寄贈された車両。初期型モデルで、1940年~1944年までのあいだにわずか630台生産されたうちの1台で、VW社がほぼ1年をかけて復元作業をおこなったものだ。
  意外と知られていないが、戦後、この通称ビートル(BEETLE:甲虫類の意味)が、半世紀にもわたり生産が続けられ、アメリカにも輸入され、西ドイツ経済の復興の鍵ともある。しかも世界の小型車のお手本として革命を巻き起こす。その大躍進の立役者であるのはハインリッヒ・ノルトホフ(1899年~1968年)だ。彼は、ベルリン工科大学からBMW社の航空機エンジン部門の責任者になり、戦後VWの工場責任者から、社長になった人物で、もともとポルシェのOHVエンジンを批判していた。歴史の皮肉なめぐり合わせといえる。ちなみに、ビートルの生産台数は約2150万台とされる。(写真はポルシェ博士)

カーライフ大助かり知恵袋2

累計1億本を販売したホルツのタイヤウエルド緊急キット

パンク修理剤   今号のトップニュースに関連するが、ホルツの「タイヤウエルド緊急キット」(パンク修理剤)が世界市場累計で1億本を突破したという。
  パンクのトラブルは、統計では1人のドライバーが生涯2回あるいはせいぜい3回ほどしか体験しないもの。でも、日本だけでも約8000万台のクルマが活躍しているわけだから、タイヤに関わるトラブルがいわば日常茶飯といえる。別にホルツの肩を持つわけではないが、累計1億本というのは、そう考えると少ないのか、多いのか? 
  現在、軽量化と省エネ、というコンセプトからスペアタイヤを持たないクルマが多いので、タイヤウエルドとエアコンプレッサーをトランクに入れておくと≪突然のパンク≫でも比較的冷静にいられる。手順は、タイヤの接地面に釘などが刺さっていないかを見て(刺さっていて、エア漏れが少なく、近くのタイヤショップに自走できるなら、そのままショップに急行!)、もし刺さっていたら、これを除き、空気を抜く。次にタイヤウエルドを20秒以上よく振り、ノズルでタイヤのバルブに取り付け、液を注入する。白泡状のゴム液が注入され、タイヤ穴がふさがれるという理屈だ。ジャッキ不用で比較的簡単に修理できるというのがウリだ。キットには夜間作業でも安全性を確保できるように滑り止め軍手と、反射ベスト、LEDライトが付いている。http://www.holts.co.jp/mobile/

愛車メンテのプラスアルファ情報

プロ仕様を標榜するANEXラチェットドライバー

クイックボール60   前回から引き続いての“ラチェットドライバー”の登場だ。
  今回紹介するのは純国産製で、2010年の「経済産業大臣賞」を受賞している名誉ある一品。というとなんだか“後光”がさしているようだが、使ってみると≪フツーに使いやすく、よくできたラチェットドライバー≫というのが結論。特に奇をてらってはいない。
  ギア数が60と多いので、滑らかに回転し、回転ロスが少なくその点で作業性が高いのがまず二重丸。グリップが丸形状というのが作業台で転がりやすいという意味で、個人的には好みではないが、グリップエンド部の左右切り換え動作が軽くできる点がそれを埋めている。軸は2面幅が汎用性の高い6.35ミリ(1/4インチ)の6角軸タイプ。電動ドライバーのビットとしても使えるし、ほかの製品のビットを差し込み使える。つまり横展開できるツール。軸は使用頻度の高いプラスの2番とマイナス。マイナスは6番に相当し、フラット形状で配線の取り外しに使えるという。グリップの軸との際(きわ)に丸いゴムリングを装着したところがあり、早回しの際使う設計だが、ややその直径が小さいため、操作力が重く、非力な女性には不満が出そう・・・と、若干の不満があるが、さすがにドライバー専門メーカーのANEX(http://www.anextool.co.jp/)、手堅く造りこんだ意欲作であることには間違いない。

2011年9 月 1日 (木曜日)

TOP NEWS

物流の世界で注目されるクルマ離れ!?

  リヤカー付き電動自転車 釈迦に説法だが、クルマは、パーソナルな移動の手段であり、人やモノを運ぶモビリティ。モノを運ぶ手段は、クルマ(トラック)のほかに船、貨車、飛行機などがあるが、ここ数年都会でときどき目に付き始めた手段として台車や自転車というのがある。
  たまたまこのモノをシステマチックに運んでいる自転車について取材したので、リポートしたい。
  少し前までは、宅配便といえば小型トラックしかなかったが、市街地や住宅密集地域に限っていえばリヤカー付きの自転車が大活躍しているのである。たとえばヤマト運輸の場合、全国4000点ほどの拠点のうち約25%の1000店舗で、このリヤカー付き自転車ががんばっている。都内下町で取材したところ、半径500メートルほどの領域で、パートの女性がペダルをこいで、お客様のもとに荷物を届けている。朝からお昼過ぎまでに約60個の荷物を2回に分けて届けるのが仕事。荷物に貼ってあるバーコードに専用の機械をピッピッと当てて、お客様のもとにスピーディに運んでいるところは、トラックと変わりない。カーナビを使わないので、初心者の頃は地図とにらめっこだったという。自転車は、電動アシストタイプで、ハイブリッド自転車とも呼ばれるもの。このお店ではリヤカー付き電動自転車担当者8名のうち7名が女性だという。電動付きだから女性が進出できた仕事ともいえる。
  一番の苦労が雨の日で、台風や夏場にゲリラ豪雨のときなどはトラックにバトンタッチするそうだ。ちなみに、銀座あたりでは一方通行が多いので、自転車ではなく台車がもっぱら大活躍だという。モビリティの歴史からいえば、≪逆行≫しているかに見えるが、トラックよりも効率が高く、CO2や大気汚染の削減にも結びつくとして、今後さらに増えると思われる。時代とともに物流の姿も変貌するということはたしかだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

時代を画した7台の名車で語る自動車125年の歴史 第7回

VW   自動車125年の歴史の中で、ひときわ聳え立つ存在は、フォルクス・ワーゲンのビートルだとする意見に異論をさしはさむ人はないだろう。
  1929年から1945年ののべ15年間は、世界大恐慌による経済不況。それがきっかけとなる第二次世界大戦という人類が体験した未曾有の混乱と総力戦(TOTAL WAR)の時代。自動車の歴史も、こうした時代背景に大きく左右されている。まず大不況による暗雲でそれまでの大排気量車が衰退し、小型車が台頭している。いわば2周ほど遅れをとっていた日本では、日産、トヨタをはじめいすゞ、三菱、日野など現代につながる自動車メーカーの成立と自動車生産の開始など、大きな節目に当たっている。ちなみに、大排気量車というのはどんなものがあったかというと、1930年に発表されたキャデラックのV16とかV12であり、フォードも1932年にV8モデルをデビューさせている。一方、小型車は、1936年にデビューしたフィアット500トリポリーノである。
  この時期にとりわけエポックメーキング的存在のクルマは、フォルクス・ワーゲンだった。もともとこのクルマは、フォルクス・ワーゲン、つまり“国民車”というコンセプトで研究され、ちょうど第二次世界大戦直前に、プロトタイプが完成。1933年2月にヒトラーによる国民車構想が表明されている。これを踏まえ、その年の秋にフェルデナンド・ポルシェ博士が開発を指示した。ポルシェ博士自身が描いた基本デザインは、空冷エンジンをリアに置くリア・ドライブ。最良のロードホールディングをもたらすサスペンション、100km/h前後の最高速度、30%の登板能力。低価格で低燃費の進歩的で実用的な小型経済車がのちにカブトムシと呼ばれるクルマだった。

カーライフ大助かり知恵袋2

クルマに100~150個採用されているベアリング

ベアリング   自動車は約3万点の部品から成り立っているといわれている。“約”というのは、数え方、クルマの種類により異なるためだが、そのうち100~150個がベアリングだという。
  ベアリングとは日本語で、≪軸受(じくうけ)≫のこと。言うまでもなく、軸受(ベアリング)は、自動車だけでなく家庭電器製品、産業機械、航空機、船舶などありとあらゆるところで大活躍していて、これなしでは機械が成り立たないとして「産業の米(こめ)」という異名を持つほど。ベアリングの働きはいろいろあるが、モーターの軸受を想像するように、根本的な働きは、“機械の回転運動の摩擦を減らす”こと。現在21世紀のクルマが一番求められているのは、CO2の削減。もしクルマにベアリングが使われていないと仮定すると、日本だけでも年間60万キロリットルに相当するガソリンが、余計に消費され、そのぶんCO2をはじめ有害物の発生がおきる計算。ことほど左様にベアリングは大きな使命を果たしている。エンジン各部にベアリングを採用することで、機械的なロスを低減する手法が今後増加するものと思われる。その意味ではますますベアリングは、注目される部品。
  そのベアリングを作る工場を先日覗くことができた。
  種類により異なるが、外輪と内輪とそれに保持器とボールの4つで構成されているベアリング。熱処理や研磨などミクロン(1/1000ミリ)オーダーの緻密な工程に圧倒。歯医者さんで活躍のドリルにも内径3ミリというごくコンパクトなベアリングも作られていた。玩具の世界ではヨーヨーにもベアリングが使われはじめた。軽やかにいつまでも回り続ける能力が飛躍的に向上したことからヨーヨー遊びの芸を広げる役目をしているという。

愛車メンテのプラスアルファ情報

12種類のビット内蔵のラチェットドライバー

ドライバー   手工具の代表選手であるドライバーの世界で、1本で10種類以上の、いわばすべてをまかなうとドライバーはこれまで見たことがなかった。
  ところが、世の中広いもので、そんな夢のようなドライバーがある。
  WONDERS DRIVERがそれ。“ワンダードライバー”は、台湾製。オドロキの意味のワンダーと、1ダース、つまり12種類のビットにかけた商品名だという。この工具のミソは、クルマのランプなどに使われている強化プラスチックのポリカーボネート製の透明のグリップだ。そのなかに6本のビットが納められている。グリップエンドに小さな穴があり、そこから神社のおみくじの竹棒を引き出す要領で任意のビットを取り出す。ビットは全長98ミリで、2面幅が1/4インチ(6.35ミリ)。これをドライバーの根元にあるチャックに収める。あとはチャックとハンドルの間にある黒いリングを動かすことで、右回し/左回しのラチェットの動きを選択できる。ラチェットのギア数はやや大まかな20ギアだが、フィーリングは悪くない。ビットはショート(22ミリ)とロング(73ミリ)の2段伸縮式だ。
  ところがいつもハンドル内のビット5本と一緒に回すことになるので、どうしても通常のドライバーに比べ重く、そのぶん疲れる。それとビットの交換にやや手間取る点が気になる。ちなみに重量は270グラムで通常の約1.5倍。肝心のビットは、プラス1番から3番まで3種類とマイナス1本、それにトルクス4種類、ボールポイントのヘックスが4種類。購入価格は1500円ほど。http://www.firstec.co.jp


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