月に数回しか利用しないが、乗るタクシー乗るタクシー、ことごとく走行キロ数が30万キロ前後のクルマばかり。不景気が長く続いているせいか、代替えを先延ばししているからだ。その都度運転手さんに走行キロ数を聞くのだが、やっぱり・・・と肩を落とすことが少なくない。同じお金を払うのだったら、程度のいいクルマに乗りたい。オイル漏れしていない限りダンパー交換しないタクシー会社の良識を疑うばかり。
現在日本のタクシーは大半が「クラウンコンフォート」。これが2018年に生産中止となり、変わって前年の2017年から「LPGハイブリッドカーのタクシー」が走る予定だ。昨年の11月の東京モーターショーでトヨタがお披露目した「JPN TAXI」という名のコンセプトカーだ。正式名称はまだないようだが、全長4350ミリ、全幅1695ミリ、全高1700ミリ、ホイールベース2750ミリ、定員5名というのは既報されている。全幅1700ミリを切るのはキープコンセプトだが、全高1700ミリというのは凄い。
現物を見ると車高が高く、乗降性が劇的によくなった印象だ。
現在のタクシーはLPガス・エンジンだが、新型は電気―モーターとLPガス・エンジンのハイブリッド仕様。後部ドアは電動式のスライド式で、フロアもフラットだという。スーツケースなど大きな荷物も楽に持ち込めそうだ。
2017年発売となると、ちょうど次の東京オリンピックが開かれるときは、このやや背の高いタクシーが都内を走る光景が当たり前になるはず。“おもてなし精神”がどのくらい付加されているか、早く乗ってみたいものだ。
日産がとった手法は、英国のオースチン社と技術提携を結び、ノックダウン(部品を持ち込んで組み立てる方式)することだった。オースチンA40をノックダウン方式で年間2000台組み立て、そのあいだに英国のものづくり技術を身につけ、3年後にはオリジナルの国産自動車を完成させる思惑だった。
オースチンのノックダウンは、1952年から8年間続いた。ちなみに当初、国産部品はタイヤ、バッテリー、それに平ガラスの3点だけだったが、3年後の1955年には国産部品が200点以上を超え、さらに1959年には完全国産化に成功、本国(イギリス)製のオースチンよりも性能・品質が高いとの評判を得るところまで行った。
一方、オリジナルの国産車として1955年(昭和30年)に生まれたのが、ダットサンA110(写真)である。フレーム付きのボディで当時の道路事情に合わせた頑丈なものだが、戦前からのダットサンに比べて操縦性が高められ、トランスミッションはシンクロメッシュを備えた4速ギアで、高い評価を得た。同系のダットサントラックと合わせ、月産1200台体制になった。
この1955年という年は、いわゆる神武景気と呼ばれた頃で、白黒テレビ、洗濯機、電気冷蔵庫が家庭に普及し、経済成長率10%を超える好景気に沸いた頃でもあった。
恒例の「東京オートサロン」で見つけた注目のチューニングパーツがあるので紹介しよう。商品名は藤壺技研の「オーソライズV」。GPSで、マフラーの音を制御するシステムである。
よく知られているようにGPSはもともと軍事用に打ち上げた人工衛星約30個のうち、上空にある数個の人工衛星からの信号を受け取り、受信者が現在地を知るシステム。カーナビはこれを使うことで、わたしも日頃ご厄介になっている。そのGPSで、自車の速度を検知し、低速領域ならマフラーのバルブを閉じ、逆に高速で走行中ならバルブを開き、スポーツマフラーと同じサウンドを楽しめるという製品が登場したわけだ。お空の人工衛星にお伺いを立てながらマフラー制御をするシステムだ。これを凄いというか、あきれたというか?
なにもわざわざ、GPSに問いたださなくても、クルマにはスピードメーターがあるのだし・・・。
いずれにしろ付加価値を付けることで、ユーザーの購買意欲を高めるという意図は明らか。新規なものを好むユーザーはいつの世もいるわけだから。ちなみに、価格を聞いてみると、トヨタの86(スバルのBRZ)で15万6000円、スイフトスポーツで10万8000円、レガシーBRG 2リッターターボ用で、18万6000円と意外とリーズナブル。
ちなみに、GPSなので、トンネルなどに入るとセンシングできず、この場合は大人しめのサウンドを奏でる低速用バルブに切り替わるという。http://www.fujitsubo.co.jp
一昔前までTONEの工具というと、質実剛健といえば誉めコトバだが、どこかダサさを引きずったひとりよがりのものが少なくなかった。整備学校をはじめ企業からの大量受注に胡坐をかいていた背景があるのかもしれない。ところが、前田金属工業からTONE㈱に社名をシフトしてから、がぜんカッコよくなりつつある。創業者の前田軍治(まえだ・ぐんじ)氏の精神が蘇ったかのようだ。
そこで、差込角1/4インチのラチェットハンドル(RH2H)を使ってみた。
従来型にくらべ、ヘッドがふた回りほどコンパクトになり、全体のデザインも垢抜けしている。グリップの中央がへこんだ形状は、このシリーズ共通のデザインだが、いい感じだ。ギアフィーリングも悪くない。プッシュボタン式なのだが、プッシュボタンの操作性も上々だし、切り替えレバーの操作も違和感なくできる。ギア数は、なんと72もある。この秘密はクサビ式でギアとカムのかみ合うところが常に8段として、ギアをハウジングいっぱいに大きくしているところにあるようだ。
全長は、145ミリと1/4インチにしてはやや長めだが、全長88ミリのショートタイプ、全長122ミリの首振りタイプ、全長172ミリのロングの首振りタイプ、全長222ミリの超ロング首振りタイプなど1/4インチだけで、7つから選択でき、クオリティと商品群に死角がないように思える。なお、一番オーソドックスな1/4インチラチェットハンドルのRH2Hは、重量が80グラムで、価格が4980円。ただ、リペアキットが3060円というのは、いささか高すぎる。