みなさん!知ってますCAR?

2014年12 月15日 (月曜日)

TOP NEWS

ヤナセ初の板金塗装コンテストを取材した!

板金コンテスト  工場内に板金のハンマーが打ち鳴らす心地いい音が響き渡る。
  12月1日、第3京浜港北インター近くにあるヤナセの広大な工場で、BP(板金塗装)のコンテストがあった。8名の選手がベンツのリアフェンダー(リアクオーター・パネルともいう)をいっせいに修理する光景が展開されていたのだ。ヤナセは来年で100年の歴史を刻むが、不思議なことにヤナセ初の公開BPコンテストだという。
  コンテストなので、イジワルして修復しづらい個所にヘコミを設けていた。場所というのは、フェンダーのプレスライン、つまりヘリの山になったいわば3次元曲線のところだ。ルーフとのつなぎ目の約20センチ巾の部分の溶接とともに、70分で修復しなさいという競技。ヘコミ修理はハンマーを使うため「ハンマリング」と呼ばれ、裏側に当て金(ドリーという)を当て、表側から木製もしくは鉄製の板金ハンマーで叩き、元の形状に修復するのだ。
  ハンマーが叩く真裏にドリーを置くのがオン・ドリーといい、少し離れた個所をハンマリングし、反力でヘコミを持ち上げるというのがオフ・ドリーという。溶接は、半自動タイプの溶接機を使うのだが、周囲の歪みを少なくするため、最初ポイントでつなげ、しかるのちに線状に溶接するのがコツだという。だが、コトバでいうのは簡単だが100%スキルの世界。観ていると、木製ハンマーを使わない選手もいたし、それぞれやり方が異なるし、仕上がりも「思わず凄い!」と息を呑む選手もいたし、素人目にも「それなりかな?」と感じる選手もいて、いろいろだった。BPが職人技のいかに深い、未体験の世界かがわかった。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第3回

明治20年ごろの向洋  なぜ、瀬戸内海の位置する広島に自動車メーカーができたのか? この謎を解くカギの一つが、「安芸の十り(テンリ)」だといわれる。
  安芸とは言うまでもなく、現在の広島県の西部の旧国名。その安芸に語尾に「り」が付く特産品というか、加工技術製品があったとされる。ヤスリ、イカリ、ハリ、クサリ、キリ、モリ、ツリバリ、カミソリ、ノコギリ、ヤリの鉄製品である。このうち大半が、漁業で使う道具というのは、瀬戸内海という海に面しているのと、造船業のさかんな呉市が近いからだ。
  こうした鉄製品は、もともと明治期まで中国地方で展開されていた「たたら製鉄」により生産された鋼が材料だったゆえ。“たたら”とは、ひらがなで表記することが多いが、漢字では「蹈鞴」と書くことからもわかるように、本来は「フイゴ」を意味する言葉。日本書紀をひも解くと、神話上の天皇である神武天皇のお妃として「ヒメノタタラ五十鈴の姫の命(みこと)」という女性が登場するという。つまり、たたらは当時としては極めて重要な技術の一つだったと想像できる。
  広島に総合自動車メーカー誕生の謎を解くカギは、広島から東に約20キロのところに呉海軍工廠(こうしょう:軍需工場の意味)があり、そこで働いていた技術者がたくさんいたことも挙げられる。呉の海軍工廠は、戦艦「大和」の建造で有名だが、日露戦争前夜の明治36年に誕生している。工員の数は当時の3大工廠と呼ばれた横須賀、佐世保、舞鶴の合計を超えるほどで、ドイツのクルップと比肩しうる世界の兵器工場、日本海軍艦艇建設の中心だった。さらに近代的な自動車工場を成立させるためには、広大な土地が必要だが、瀬戸内海の塩田地帯が存在したことも小さくない。マツダは、塩田跡を活用して工場をどんどん広くしていったのである。(写真は明治20年ごろの後年マツダの工場となる向洋)

カーライフ大助かり知恵袋2

ボディリペアの革命的な乾燥機が登場!

3M乾燥機  指折り数えると40年以上の自動車ジャーナリスト稼業。超マニアックな取材に巻き込まれることがある。
  自動車補修業界の大手企業3M(スリーエム)が発売した新型ボディ塗装乾燥機の取材が舞い込んだ。3Mとは16号線沿いの橋本5差路(はしもとごさろ)近くにある企業で、少し前まで「住友3M」という名称で親しまれてきたというのは知っていたが、実は、はじめて伺う企業である。B-Bの企業はあまり取材対象ではなかったのだ。しかもボディリペアの世界。正直、不案内。そもそもボディなんか多少錆びていようが色ムラがあろうが、あまり気にしないユーザーの筆者だから、「補修の段階で塗った塗料が早く乾かせる新兵器」といっても心動かない。
  ところが、担当者から2時間ほどレクチャーを受けるとがぜん興味が湧いた。我ながらゲンキンなものだ。心動かせられたのには、もうひとつあった。その乾燥機、イタリア製というだけあり、見るからにかっこいいのだ。F1というかフェラーリをイメージしてしまうほど。赤と黒にカラーリングされたマシン。日常のなかに非日常を忍び込ませる。イタリアの美学にはかなわない!?
  この取材で、面白いことが分かった。イマドキのクルマの塗料は環境にやさしい水性塗料なのだが、補修の段階では依然として溶剤(揮発性がある!)タイプの塗料が90%以上だという。欧州はすでに補修段階でも水性塗料なのに「遅れているぞ、日本!」なのだ。日本のレギュレーション自体が遅れているというのが現状のようだ。
  この3Mの近赤外線を使った乾燥機、従来の乾燥機なら40分かかるところ、15分ほどで乾かせるため、水性塗料でもすばやく作業ができ、しかもエアで早期乾燥しなくていいのでホコリの付着の心配がないという。BP工場側での作業性が高まり、ユーザーにとっても作業時間が短縮し、代車を借りなくてもいいケースが出るなど、いいこと尽くめという触れ込み。ただし、値段を聞いて腰を抜かした。1基2000万円近い。マジでフェラーリじゃないか。日本には3万3000ほどのBP工場があるが、月150台以上をこなす工場はわずか1500ほど。といわれるだけに、このマシン、さほど売れないのでは、といらぬ心配をしてしまう。

愛車メンテのプラスアルファ情報

アストロのドライバーの魅力度は?

アストロのドライバー  ハンドツールの世界で、ドライバーほどその種類やブランドが多い工具はない。とくに一番使用頻度の高いプラスドライバーは、数が多く、どれを選んでいいか分からないほど。ただ1本数百円から千円プラスと比較的お手軽価格のため、複数手に入れ、試してみることができる面白みがある。
  そんなわけで、これまであまり足を踏み入れなかったアストロでポピュラーなドライバー2本を入手した。「APスタンダードドライバーPH2×100ミリ」(写真下)というのと「APスタンダードドライバーHEXヘッドPH2×100ミリ」である。前者は明らかに非貫通タイプだが、後者はいっけん貫通タイプに見えるが、軸と6角部を持つグリップエンドが実はつながっておらず、「ハンマーなどで叩かないでください!」という注意書き付き。前者は、重量78グラム(実測値:カタログ値はなぜか85グラム)で、手持ちの15ほどの非貫通2番の中では軽い部類。軸はφ6ミリの丸軸だ。後者の「いっけん貫通タイプ」のほうは、全長がやや長く、重量も129グラム(実測値:カタログ値は130グラム)と貫通ドライバー並みの重さ。エンド部に2面幅13ミリの6角部を持ち、ここにメガネレンチをジョイントすると強いチカラをかけられる仕掛け。こちらの軸は6角断面で、その2面幅は6ミリ。
  両者ともに、先端にカムアウト防止策こそないがマグネットタイプ。グリップがなかなか秀逸。比較的柔らかな樹脂素材の黒と硬めの樹脂赤のハイブリッドタイプは今流で(“いっけん貫通タイプ”はイボイボもある)ある。驚くべきことは、家庭用の洗剤を付け使ったところ、ライバルたちがことごとく滑り使えないのが多いなか、グリップ伝達がすぐれていることを発見。230円、250円と牛丼一杯よりも安い値段で買える割には、見上げたものだと正直思った。ただし、先端部の耐久性などは、今後使い込んでからの判定だ。http://www.astro-p.co.jp

2014年12 月 1日 (月曜日)

TOP NEWS

燃料電池車のミライに本当の未来はいつくる?

ミライ  11月18日(火曜日)、トヨタは世界初の「燃料電池車(FCV)・ミライ」の発売(発売は12月15日から)を発表した(写真)。会場はお台場にある「日本科学未来館」である。4人乗りで消費税込み723万円少しだが、国の補助金などを利用すれば500万円ほどになるため、商品力としては充分いける。少し前まで1台1億円といわれたころから見たら、開発力は目を見張る!? 
  ところが、ホンダも、その前日の17日(月曜日)「ホンダFCVコンセプト」を青山の本社で急遽開き、2015年度中に発売すると公表した。数日前メールでマスコミ各署に伝えての駆け込み発表。トヨタとホンダの露骨なツバぜり合い!? 価格や詳細なスペックは未公開だが,5人乗りだということが,トヨタとの差を見せる。航続距離は700km前後とあまり差はない。
  2020年の東京オリンピックのマラソン競技の先導車に燃料電池車を走らせたりする構図は分かるが、実用車としてFCVが市民権を得るか、となると大きなハードルが立ちはだかる。トヨタのミライの場合、東京、名古屋、大阪、福岡などの都市圏での発売に絞り、年400台ペースの発売。水素ステーションの数がほんの数えるほどしかないからだ。水素ステーションは一軒つくるのに4億円ほど必要とされる。
  しかも水素を作るにはいまのところ石油などの化石燃料に頼るしかなく、トータルではCO2の排出量が増える。CO2を出さないソーラーなどの自然エネルギーで作ろうとするとガソリン車の約10倍ものコストがかかるといわれる。つまり「究極のエコカー」になるには、ゴールはまだまだ先だということだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第2回

松田親子  マツダの技術開発のビジョンは、単に掛け声だけにとどまらなかった。わずか5年ほどで、エンジン、トランスミッション、シャシー、ボディの4分野で、全面的見直しをいっせいにおこなったのだ。これほどリスキーなことはない。
  19世紀末にベンツ第一号が完成し、1908年にはフォードが本格量産ベストセラーカーのモデルTを世に送り出して以来、世界には数多くの自動車メーカーが誕生しその大半は消えていった。いままでどこのメーカーもそうしたゼロから全面的に見直すという無謀な開発シフトは行なわれなかった。背景には「このままではマツダは埋没し、やがて歴史の闇の中に消える!」という強烈な危機意識があったとはいえ、その企業の精神構造はどこから来るのだろう? 
  思えば、マツダは、広島という中央から遠く900キロも離れたところを拠点にする自動車メーカー。そのマツダという自動車メーカーの原型をつくった男がいる。今はほとんど忘れかけられているのだが、2代目の松田恒次(まつだ・つねじ)だ。この恒次は、明治28年(1895年)に生まれ、いまから40数年前の昭和45年(1970年)に亡くなっている。だから、現在の現役のマツダの社員をはじめエンジニアたちは、ほとんど知らない。広島にある本社の庭には、恒次とその父でありマツダの創業者・松田重次郎(1875年~1952年)の銅像がひっそり並んでいる。風景のなかに溶け込んでいるせいか、一瞥をしても、事あらためてマツダの社員がこの銅像に心を寄せることはたぶんないのではないか・・・。
  先を急ぎすぎるようだが、それにしても、瀬戸内海の一都市である広島に、なぜ総合自動車メーカーが誕生できたのか? 思えば、これは大きな謎である。

カーライフ大助かり知恵袋2

プジョーとシトロエンの1.3リッターエンジンはお重を横にした!?

プジョー3気筒エンジン  輸入車のエンジンルームを覗くことはあまりないため、時として驚かされる発見に出会うこともまれではない。先日プジョーとシトロエンのサービスコンテストの取材で、初めて目にしたバランスシャフト付き3気筒1.2リッターエンジンが載ったエンジンルームは衝撃だった。3気筒といえば日本が誇る軽自動車か、遠い昔、愛用したダイハツの3気筒1リッター・ディーゼルエンジンしか思い浮かばない。ところが、プジョー208とシトロエンC3に載っている3気筒エンジンは、ズバリ言えば21世紀型ガソリンエンジンなのだ。どこが21世紀といえば、上部に見える部品、たとえばシリンダーヘッドカバー、吸気マニホールドなどはみな樹脂(たぶんナイロンにガラス繊維を混ぜたもの)というだけではない。上から見ると、左からエンジン+エアクリーナーボックス(その下にはおそらく5速の電子制御トランスミッション)+バッテリーというレイアウト。まるでお正月のお重を横にしたような感じなのだ。
  これは何を意味しているのか? ここからは推理なのだが、組み立て工場ラインでの組み付け性が劇的に向上したこと。もうひとつは、フード(ボンネット)との距離が増えるので歩行者保護が飛躍的に向上したことだ。歩行者を跳ねたとき歩行者の頭部がフードに当たり、致命傷を与えることから逃れたいというデザインだと思う。で、肝心の整備性だが、筆者が見たところ“エアクリーナーケースを外すのはやや厄介そう”程度で、とくに問題はなさそう。メカニックに聞いたところ「オイル交換とか、エアクリーナー交換とかはとくに不便はないですね」と同じ意見だった。ちなみに車両価格は200万円前半だ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

LEDスティックライト

LEDランプ  9月から11月の3ヶ月、ブランド別の整備士コンテストを立て続けに9つほど取材して回った。場所は、横浜、八王子、豊橋、世田谷といろいろ。ツナギ姿の整備士が奮闘している姿をカメラに収めたり、昼食時に雑談したり、優勝者の整備士にインタビューしたり。クルマに乗ることだけを楽しみにするひとには、その楽しみは分かりえないかもしれないが、筆者には貴重な楽しみの時間である。なにしろ日々クルマの整備をし、そのクルマの壊れる部位や壊れ方、部品の着脱法などを熟知している人たちと直接接することができるからだ。取材対象者として、これ以上のカテゴリーの男はいない(たまに女性もいるが)。
  なかでもトラブルシューティングは沈黙のバトルである。与えられた60分(あるいは90分)でたいていは「始動不能になったクルマのエンジンをかけなさい」とか、「ついでに日常点検と他の不具合を見つけなさい」という課題に立ち向かう。使い工具はあらかじめ与えられているケースもあるが、なかには日頃使う工具を会場に持参というケースもある。そんな取材で、発見する工具も少なくないが、今回はLEDも小型ランプを教えられた。エンジンルームやインパネの奥など暗がりを点検するとき欠かせない。かつては30センチ以上もある作業ランプがメインだったが、いまや手のひらサイズのLEDランプが主役。ツナギのポケットにも入るし、LEDなので、長時間使える。そこで探してきたのが、「LEDスティックライト」で、メインのLEDが6個、サブが1個の計7個。全長170ミリ。単4電池3本で、重量33グラム(電池含まず)。メイン点灯で約5時間半の連続点灯ができる。ヘッド部にプッシュ式のスイッチがあり、手に持った状態でちょうど人差し指はそのスイッチに位置するので使いやすい。価格は750円とお手軽だった。ストレート製だ。http://www.straight.co.jp/


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