みなさん!知ってますCAR?

2015年1 月15日 (木曜日)

TOP NEWS

ホンダN-BOXスラッシュは成功するのか?

N-BOX/  ホンダから注目すべき「変なクルマ」がデビューした。
  ここでいう「変なクルマ」というのは、“これまでなかったクルマ”という意味。
  ホンダは、2011年11月のN-BOXを皮切りにN-BOXプラス、N-ONE、N-WGN(ワゴン)を矢継ぎ早に発売。スズキとダイハツ、2社の競争だった軽市場に殴り込みをかけたカタチ!? 約3年間で、シリーズ全体で100万台を超える勢いは立派。そして、昨年すえには、「N-BOXスラッシュ」をリリースした。
  「N-BOXスラッシュ」の凄いところは、“デザイン室の1枚のデザインスケッチから生まれたモップアップモデル”というから驚く。単なるショーカーとして終わるかと思いきや、「社内の女性社員に熱烈に支持され」発売にこぎつけたというのである。もちろん、話は多少盛ってはいるものの、ホンダではありそうな!? エピソードだろう。
  そもそも車名の「スラッシュ」というのがおじさんの理解を超えている。VWのコンパクトカーに「up!(アップ)」というのがあるが、そのビックリマークほどではないが、初めて聞いたとき戸惑いを思えた。そもそも「スラッシュ」といえばORまたはANDのどちらかの意味だ。あるいは、車検時の点検票に「このクルマはこの項目には該当しない」という意味で/のシルシを書き込む。燃費表示ではリッターに「つき」「当たり」という意味で使われる。
  このクルマ、早い話N-BOXの天井を少しカットし、箱型でありながらクーペテイストを引き出している。エクステリアはあらん限りの個性的なデザインだ。50年代60年代のアメリカンデザイン、ホットロッドのカスタムイメージ、カリフォルニアの道路沿いにあるダイナー(食堂)のイメージ、ハワイのサーフィンイメージ、古いジャズを思い浮かぶライブハウスイメージと5つのエクステリア、インテリア、それにカラーを選択できる。なかには8スピーカー+1サブウーハーというとんでもないサウンドカーも選択できる。こんなクルマで燃費云々は野暮だが、JC08モードで21.0km/l(ターボ仕様)、25.8km/l(NA仕様)と新型アルトの37km/lには遠くおよばない。価格は138万円から。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第5回

円太郎バス2  アメリカのビッグ2(GMとフォード)が、日本に進出した背景は1923年(大正12年)の関東大震災にある。震災で首都の交通網(路面電車)が大打撃を受け、当時の東京市電気局は急遽フォードのT型シャシーを大量に輸入。これをベースに11人乗りの乗り合いバスを架装。“円太郎バス”(写真:円太郎は当時人気のあった落語家・橘家円太郎)の愛称で親しまれ、渋谷・東京駅間と巣鴨・東京駅間の2路線でスタート。日本人がはじめて自動車という存在を意識するきっかけとなり、アメリカの自動車メーカーの経営陣には、日本を自動車市場のひとつとして強く印象付けたのである。
  当時の日本人には個人所有の自家用車は雲の上の存在だった。性能、価格、サービスなどどれをとっても、そのころ日本車は外国のクルマには立ち向かえなかった。こうした舶来の自動車は、当時のごく一部の富裕層向けの乗り物だった。大多数の庶民にとっては、移動の手段といえば、徒歩かせいぜい自転車によるのが当たり前だった。モノを運ぶときはリアカーや大八車が活躍していた、そんな時代に動力付きのマツダの3輪車(当時の呼び名は「オート3輪」)は瞬く間に大人気となった。戦前の免許制度は、試験によるものではなく許可制だったことも、普及に拍車がかかった。日本のオート3輪の市場は、1920年代から始まり、当初は零細企業が乱立したが、1930年代末になると、「ダイハツ(大阪発動機)」、「マツダ」それに「くろがね」の3大ブランドへの評価が定まったとされる。

カーライフ大助かり知恵袋2

「フロントガラスの進化とは?!」

クールベールプレミアム  クルマのフロントガラスというのは、厚さ2~2.5ミリの2枚の生板ガラスの間にPVBフィルムという厚さ0.76ミリの樹脂フィルムがサンドイッチされている。サイドガラスやリアガラスが生板ガラスの3~5倍の強度を誇る強化ガラス(熱を加え徐々に冷やすことで強度を高める!)であるのに対し、フロントガラスは、万が一衝突しても助手席人員の頭部が割れたガラスが大きなダメージを受けない配慮。中の樹脂が破損時にバラケない接着の役目をするからだ。
  ところがこのフロントガラスに、付加価値を持たせた製品が登場している。UV(ウルトラ・バイオレット:紫外線)をカットするものだ。これはサンドイッチ樹脂の素材に紫外線を撥ね退ける役目を持った素材に変えたもので、「クールベール」という商品名でおなじみ。つい最近さらにこの上をいく「クールベール・プレミアム」が登場している。UVには、UV-AとUV-B、それにUV-Cの3つの測定領域(周波数領域)がある。UV-Cは地上に届く前に消滅するので、AとBが重要。とくにUV-Aは肌の深い部分に影響し、日焼けによるしわやたるみの原因となるという。女性ドライバーの存在を無視できない自動車業界には、この「クールベース・プレミアム」は絶好のセールスポイント。なお、暑さの原因となる中紫外線も90%以上カットするので、夏場での車内温度の抑制にもつながり、エアコン使用時の燃費向上にも貢献するという理屈。アフター(修理のタイミング)でもこのフロントガラスに交換できる。直射日光のまぶしさを抑制するシェードタイプも選べる。GLASS PIT http://www.glasspit.com

愛車メンテのプラスアルファ情報

アストロのアルミレールソケットホルダーの完成度は?

アルミレールソケットホルダー  一昔前まで「ソケットホルダー」といえば、板金製が圧倒的多数派。うっかり素手でソケットを抜き差しすると、指を傷つけてしまいそうな感じの代物だった。ところが、樹脂製系の進化とよりいいモノを求めたいという市場の成熟により、スチール+樹脂(樹脂部がクリップ)のハイブリッド構造が多数派を占め始めた。それがここ15年ほどではないだろうか?
  市場にさまざまなソケットホルダーが出回っている背景には、決定打ともいうべき製品が世に出ていないからだ。台湾製ツールを前面に押し出しビジネスを展開するアストロに、ボール部こそスチール製だが、レール本体をアルミにし、クリップをナイロン樹脂というタイプが登場している。差し込み角3/8インチの全長305ミリのタイプ。価格もKTCなどにくらべ約半分の税込み1058円とリーズナブル。
  使ってみると、悪くないのである。オールスチールやスチール+樹脂に比べ、約半分の重さの69グラム。しかも、クリップ自体がアルミのレールの上を回しながら前後方向に動かせるので、サイズ表示を揃えることができ、そのぶん早く必要なサイズのソケットにアクセスできる。ところが、1/4インチタイプは、興ざめである。3/8インチと同じレールを流用しているため、商品力を逆にダウンさせているのである。ユーザーが心理を無視して、作り手側の都合でデザインする手法にはやはり台湾のモノづくりの姿勢が問われる。

2015年1 月 1日 (木曜日)

TOP NEWS

ホンダの小型ジェットエンジンのR&Dに潜入!

ホンダの小型ジェットエンジン  「ゴーッ! ゴーッ!」
  エンジン試験室では、ジェットエンジン単体が離陸・航続・着陸のシミュレーションを繰り返す。遮音材で壁を隔てた隣のコントロール室にいると、その轟音はかすかにしか聞こえてこないが、モニター画面からはさかんにジェットエンジンは燃料を取り込み、燃焼し、推進力を発揮していた。埼玉県和光市にあるホンダR&D(研究・開発)のジェットエンジン実験ラボには、鳥が飛び込んでも安全かどうかを確認するラボまであった。
  ホンダが航空機産業に本格的に参入したのは、ごく最近だ。だが、それまでには長い道のりがあった。1986年から航空エンジンの初歩から研究しホンダジェットが初飛行したのが10年ほど前の2003年だ。一昨年2013年にアメリカでの型式認証を取得し、2015年にようやくホンダジェットの発売にこぎつけた。だから苦節30年、ということになる。そのルーツは、はかるか昔だ。もともと創業者の本田宗一郎が、少年のころ、浜松の練兵場までアート・スミスの曲芸飛行を自転車の三角乗りで見に行ったときの情熱からはじまる。いまからちょうど100年前だ。
  ホンダの最新HF120というジェットエンジンは、先輩格のGE(ジェネラル・エレクトリック)の一部技術供与を受けることで世界最先端の性能を誇る。トップクラスの低燃費と高推重比(パワーウエイトレシオ)、それに大型ジェットエンジン並みの低排ガス性能。しかも通常3000時間後とのオーバーホールだが、5000時間と長くすることができ、低維持費もウリだ。
  ちなみに、航空機エンジンメーカーは、ロールスロイス、P&W(プラッツ&ホイットニー)、トーマス・エジソンをルーツとするGEの3社。ホンダはその末席に位置することになったわけだ。民間ジェット飛行機の市場は、北米を中心に現在年率5%の成長市場だという。自動車にくらべ数倍高い技術、それに資金力と情熱、この3つがなくてはできないビジネスと見た。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第4回

DA型マツダ3輪トラック  自動車を大量に作るには莫大な資金も必要。資金は、地域財界のバックアップを受け設備投資。地場産業に恵まれたといえるのである。
  材料や素材を工場に運ぶ手段のほかに、完成した自動車を運ぶ手段も自動車工場には必須である。交通の便も、鉄道、道路といった陸上輸送のほかに、前が瀬戸内海だから海上輸送にも便がよい。意外と知られていないが、マツダは北海道などへの国内輸送に海上を活用した初めての自動車メーカーなのである。マツダが自動車工業を持続するうえで必要な、“ひと・モノ・カネ”はこうした背景があったのである。
  マツダのクルマ造りの歴史は、1931年(昭和6年)、3輪トラック「マツダ号DA型」(写真)から始まったとされる。なぜ、初めから4輪車生産を始めなかったのか、不思議に思うかもしれないが、日本はモータリゼーション以前の社会情勢だったからだ。橋本増治郎の快進社による、のちのダットサンにつながる国産車ダット号の製造へのトライなどがあったものの、圧倒的な実力のあるフォードとGMの日本進出で、国産車生産は不発に終わっている。フォードは1925年(大正14年)に横浜に、GMは1927年(昭和2年)に大阪にそれぞれ組立工場をつくりノックダウン方式(部品をアメリカから持ち込み、組み立てるモノ作り)によって、あわせて年間2万台近いクルマを販売していた。

カーライフ大助かり知恵袋2

新型アルトのリッター37キロの秘密とは?!

新型アルト  このほどデビューしたスズキの新型アルトは、JC08モード燃費でリッター37kmを叩き出している。つい先ごろまでリッター30キロをめぐる競争をダイハツと争っていたことを思えば、「すごいもんだ!」あるいは「やればできるじゃない!」という声が聞こえてきそうだ。これなら、なにもコストアップが避けられないハイブリッドにしなくても、リッター40キロが夢ではない気がしてくる。
  リッター37キロの背景とは何か?
  ズバリ言えば、車体の軽量化、エンジンの高効率化、トランスミッションの進化など、合わせワザ。なかでも、軽量化はアルトの場合、新プラットフォームを採用し、車両重量610kgのモデルを登場させている。これは従来車にくらべ大人ひとり分の60kgの軽減。詳細に見ると、ボディで約35%の寄与率、足回りで20%の寄与率、外装部品と内装部品で各10%の寄与率、エンジンでも5%の寄与率とありとあらゆる部位の見直しで、軽量化してリッター37キロを達成している。いまのところ、これは「ガソリン車№1の燃費チャンピオン」である。
  このリッター37キロは、副変速機付きのCVTの組み合わせで達成しているのであるが、面白いのは、8代目のこのアルトでは“電子制御のマニュアル・トランスミッション”(AMT,スズキではオートギアシフトAGSと呼ぶ)を登場させたことだ。欧州の乗用車や大型トラックの世界では。ポピュラーになりつつある2ペダル式MTは電子制御の進化で、比較的違和感なくあつかえ、しかも燃費もよく、従来のATにくらべてエンジン回転数を低く抑えられるので静粛性にも貢献する。クリープ機能も持っているので、駐車時の扱いもらく。エクステリアも凛としたシンプルでどこかかわいらしい感じがしないでもない。CMキャラクターにベッキーを登用するなど、スズキの意気込みは小さくない。価格は、84万円台から。

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ANEXのガンドラとは?

ガンドラ  スタビドライバーを使って手狭なところにあるネジを脱着した経験のある読者はおわかりだが、意外と使いづらい。小さいため相手のネジに対して、押すチカラがうまく伝わらないからだ。ドライバーという工具は、よく言われるように押すチカラがゆるいと、ネジの溝から外れやすい。この点、ラチェット機構付きのドライバーは押すチカラに専念できて、具合がいい。手をクルクル回せばいい。
  ANEX(http://www.anextool.co.jp/)の「ガンドラ」はガングリップタイプのドライバーを縮めたネーミングのようだが、なかなか発想がいい。中指と薬指がリング部に入りチカラが伝わりやすいのだ。ビットはANEX独自の1本で+1番、+2番、+3番を兼ね備える。しかもハンドル部に+2番とマイナス6(全長30ミリ)のもう一本ビットが収まる。1/4インチ(6.35ミリ)なので手持ちのビットも使える。価格もホームセンターで943円とお手頃。見た目もコンパクト。黒とシルバーの色使いで可愛い。重量95グラムと小柄(102ミリ×63ミリ)で魅力的。
  ところが、使うとかなりガッカリする。ラチェットがやけにガサツなのだ。ギア数を数えると10ギアだ。ということは振り角度36度もある。イマドキのラチェットハンドルのギア数はダルマ型でも80ギア、なかには90ギアもあるというのに、お粗末過ぎる。欲を言えば、PBのラチェットドライバーを日本のドライバーメーカーが凌駕して欲しい。ギア数をたとえば30ギア数ほどにして、ガタを小さくし、樹脂成形を緻密にして質感を高めれば3倍の価格でも売れると思う。


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