みなさん!知ってますCAR?

2015年8 月15日 (土曜日)

TOP NEWS

ベンツのアルミボディの修復技術を見にいく!

ベンツのアルミボディ修復  「自動ブレーキの普及のおかげで、板金塗装の仕事が目に見えて少なくなりつつある」
そんな声がちらほら聞こえ始めている。従来なら運転があまり上手でないドライバーが、不注意でぶつけていたところ、自動ブレーキ装置のおかげで、ぶつからない。あるいはぶつかるものの、被害が目に見えて小さい! そんな状況がやはりあるのである。
  ところが、ボディ業界のある人は「確かに事故で入庫するクルマは減りましたが、センサーやレーダーが付いているクルマが多いので、修理単価が高くなった」と板金修理業界の不景気風を否定する向きもある。
  一方、車両の軽量化の波で、高張力鋼板の使用が増え修理も様変わりつつある一方、究極のアルミボディの修復の世界もある。このアルミボディの板金の世界をのぞいてみた。
  出かけたのは東京湾岸沿いにある「メルセデス・ベンツ習志野営業所」。早い話、部品センターと技術研修センターなどを兼ねた司令塔的存在。ここで、SLのホワイトボディがドンと置いてあった。SLとはいうまでもなく2011年にデビューしたベンツの量産車初のオールアルミ・モノコックボディのスポーツカー。そのリアクオーターパネルの修復を想定して、板金をおこなうというシテュエーション。アルミボディの修復と聞いただけで、どのようにやるのかカイモク見当が付かなかったが、観れば、接着剤と特殊リベットでつなぎ合わせるというある意味、至極簡単。とくに高い修復スキルを必要とせず、1,2回の練習で通常の整備士ならだれでもできるという。
  ただ、使用する工具は、写真にあるような専用の油圧式リベッター。手に持ったがゆうに5キロ以上はある重量級のツールだ。こうした技術を持つ板金工場はいまのところ全国に10ヶ所ほどしかないという。まだまだ特殊な技術だといえる。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第19回

ロータリーエンジン  同時に恒次は、一世一代の事業に着手している。15万坪の本社工場では手狭になったため、宇品に37万5000坪の広大な土地に総合的な一大自動車工場の建設に取り掛かったのだ。これより先に、広島市内から60キロほど離れた三次(みよし)市に45万坪の土地を手に入れ、テストコース用地としている。また昭和29年には、IBMのコンピューターを社内に導入し、工場の合理化、生産管理などのマネージメントを図っている。これは賛成3、反対7という中で、いわば恒次がワンマン振りを発揮し、実行したものだが、その後の社業隆盛に大いに貢献することになる。
  東洋工業の社運を左右する新エンジン・ロータリーエンジンは、当初から大きな課題をかかえていた。一定時間運転後にロータリーハウジング内壁面にチャターマークと呼ばれる波状摩耗が生じ、その結果エンジン性能が急落してしまうというものだ。そこで、設計部、材料研究部、生産技術部、製造部、実験研究部からなる「ロータリーエンジン開発委員会」を設置し、課題克服のためのプロジェクトがスタートした。アペックスシールと呼ばれるローターの頂点のシール材の選定、ローターハウジングの内壁などをめぐる研究開発で5年前後の時間を要している。チャターマークは「悪魔の爪痕」と呼ばれ、開発陣を長く悩ませたが、最終的には高強度カーボン材にアルミをしみこませたシールを開発して課題を克服した。多くの自動車メーカーは開発を断念する中、世界で唯一マツダだけが実用化に成功した。

カーライフ大助かり知恵袋2

ユーロNCAPのエンジニアが語る次世代安全性!

ユーロNCAP  言われてみれば当たり前なのだが、クルマの安全性も安全装置の性能しだい。第3者機関が公平に判断し、消費者に分かりやすく説明してもらいたい! そんな思いから,世界には、「新車のアセスメント(評価)プログラム」というのがある。日本でも「ジャパンNCAP」といわれるのがあり、新車を購入するさいは、これを参考にしているユーザーが少なくない。
  NCAPはアセアン、オーストラリア、インド、日本など世界の地域ごとにあり、ヨーロッパの「ユーロNCAP」がやはりリーダー的役割を担っている。そのユーロNCAPを決めているエンジニアの一角にドイツ連邦交通研究所(BAST)という組織があるのだが、そのBASTのスタッフが東京にやってきて、2日間のセミナーをおこなった。「ヨーロッパ圏内で発売されるクルマの評価を決めるエンジニアから直接話が聞けるとあって、自動車メーカーのエンジニアだけでなく、メガアプライヤー、たとえばデンソーの社員4人が聴きにきていたほど。
  話題は、どうしても2020年ごろに登場する「自動運転車両」のアセスメントに集中しがちだが、まだ市場にでていない車についての直接的な見解はなかった。その前に、夜間の歩行者認知機能や、歩行者の飛び出し事故、はたまた車内での同乗者による障害基準などが中心。人間同士の車内でのぶつかりあいが、想像以上にダメージを与えるというのだ。
  A.S.E.A.N.の担当最枠「われわれの道路は車線そのものがないので、車線逸脱警報装置といったものより、バイク事故を防ぐのが急務です」と地球上の交通事故事情はこれほどまでの幅広いということを知る機会となった。

愛車メンテのプラスアルファ情報

TONEの新型貫通ドライバー

Toneのドライバー  ドライバー(スクリュードライバー)ほど、ハンドツールのなかでしのぎを削っている商品はない。一番需要が多いということもあるが、1000円前後と安い割に、ライバルが多く、それだけに厳しい目で市場は見ている、といえる。相手のネジに対するポイント部、グリップ部、軸断面などがその評価の対象となる。
  TONEの新型強力パワーグリップドライバーPGPDは、一言でいえば、ライバルたちをよく研究していらしく、おしなべて、よく出来ている。いまやお約束の2重構造の樹脂グリップで、手にやさしくフィット感も悪くない。丸断面なので、作業台で転がりやすいというデメリットもあるが、とにかくグリップ感じはいい。軸とグリップのキワにはスパナやメガネレンチがかけ、強いトルクをかけることができるボルスター付き。軸は流行の6角断面タイプで、ねじれに強い。プラスが赤デザイン、マイナスがグレーの色を配して、ひと目でプラスかマイナスかが見分けが付くのも好感が持てる。マイナスの先端には、フラット形状にしてカムアウトを防ごうとしている。
  全長と重量を測定すると、従来型のPPDパワーグリップドライバー(プラス2番での比較)にくらべ、重量で24グラム重い143グラム、全長で3ミリ短い195ミリ。筆者のコレクションを踏まえると、競合製品が重量120グラム、全長210ミリということなので、TONEのこの製品は「ライバルよりやや重く、やや全長が短く小ぶり」と一言でジャッジできる。悪くはないが、「ひとつこれぞ! という顔が見えないドライバー」というと厳しく聞こえるか? http://www.tonetool.co.jp

2015年8 月 1日 (土曜日)

TOP NEWS

S660の組立工場に潜入!?

S660の溶接工程  ものづくりの工場取材は、理解の壁が厚いが、とんでもなく面白い世界。とくに2万~3万点で構成されるといわれる自動車づくりの現場が退屈でないはずがない。場所は三重県の四日市にある八千代工業である。筆者が生まれ育ったところから直線距離でわずか5キロほどなので、見ていてついチカラが入る。
  この企業、戦後すぐ板橋でミシンなどの塗装業を営んでいたのだが、ホンダとのつながりは創業者の大竹栄一氏が本田宗一郎と懇意になり、二輪部品の生産からはじまったことからという。昭和58年には軽トラックのアクティの受託生産、その後ホンダの子会社となった。樹脂タンク、サンルーフ、板金部品をつくる一方、アクティトラック、アクティバン、バモス、バモスホビオ、それに今年からS660の完成組立工場として稼動している。
  この工場では5つの車種の混成生産。プレス工程→溶接工程→塗装工程→組立工程→完成検査という流れであるが、今回は溶接工程、組立工程、それに完成検査を見ることができた。
  なかでも目を見張ったのが、溶接工程で、ホワイトボディと呼ばれるボディを創り上げる工程。フロント部とフロア部それにリア部を溶接したところに、サイドパネル、ウインドウシールド、リアフード、フロントフード、前後のフェンダーなどを組み付けていく。通常の量産では溶接ロボットだけが動く味気ないものだが、S660では4人の作業員が治具を中に入れ、ひとの手で要所を位置決めのためリベットで止め、それを横の溶接ロボットエリアの運び溶接(写真)・・・溶接完了までインナー治具をセットしての加工なので、精度が高く保つのだ。たしかに効率ややや落ちるが、設備数が半分以下、ジグの数も半分以下、人員が1/3以下だという。
  いまのところ、この工場で、S660は一日48台つくられていた。ちなみにエンジンは30キロほど離れたホンダの鈴鹿工場で作られているものを持ち込んでいるという。

カーライフ大助かり知恵袋1

マツダの基礎を創った松田恒次物語 第18回

キャロル  R360クーペは、大ヒットしたものの、4人乗りとはいえ実情は2プラス2で、2人乗りが基本。後席はエマージェンシーシート的存在。そこで2年後の 昭和37年、大人4人がしっかり乗れる「キャロル360」(写真)を発売した。キャロルは、新開発の総アルミ合金製の水冷直列4気筒OHV4サイクルエン ジンで、乗用車にふさわしい静粛性が確保されていた。東洋工業は、R360クーペ、キャロル360で、日本の軽自動車のシェア6割前後を占める破竹の勢い だった。キャロルはその後600,700をデビューさせているが、そのキャロル600で累計生産台数を100万台超えている。50代目までに29年4ヶ月 かかったのにくらべ、それからわずか2年2ヶ月で100万台に到達している。
  恒次の自伝には、昭和35年(1960年)は、実に思いで深い年だったと振り返っている。春には軽乗用車R360クーペの発表に続き、秋にはロータリーエンジンについての技術提携の話をまとめるために、初の外遊に旅立ったからだ。
  ドイツのNSU社がロータリーエンジンの正式を発表したことがキッカケで、若いエンジニアたちがこれに大きな関心を寄せ、文献などを取り寄せ研究していた。 ロータリーエンジンは、これまでの自動車用エンジンのピストンの往復運動を回転運動に変えることで動力に変えていたのとは違い、シリンダーと回転体とのあ いだにできる容積を増減させ、燃料を吸入、圧縮、点火、爆発させようという画期的な夢のエンジン。ドイツ大使の助言もあり、NSUと交渉し、ロータリーエ ンジンの技術提携にこぎつけた。

カーライフ大助かり知恵袋2

樹脂部品の修復にこんな手法が!

ヒートリペアキット  クルマやバイクには軽量で量産しやすいということで樹脂部品がごく当たり前に使われて長い。
  ところが、衝撃で破損しやすいというのが樹脂部品のデメリット(炭素繊維樹脂がたしかに強くて丈夫だが、付加価値の高い航空機やレーシングカーでしか使えない!)。とくにヘッドライトのブラケットが破損しただけでもう使えないのはなんとも、はなはだもったいない。1個数万円~数十万円の部品がわずかひとつのブラケット破損で使えないのは理不尽。
  『ヒートリペアキット』は、そんなときの大きな手助けをしてくれそう。
  本体にピンを取り付け、電源を入れ、処置部分にしばらく押し付ければいいだけ。はじめてやってみたがすぐにコツを飲み込めそう。初期型は450℃しか温度が上がらずなかなか上手くいかないケースもあったが、その後550℃、650℃と温度を高められたおかげで作業性がだんぜん向上したという。ヘッドライトのほかに、バンパーカウル、樹脂製フェンダー、バイクのカウルなど熱を加えることで軟らかくなる樹脂可塑性樹脂なら使えるという。ピンは、コの字型、直角、山高、ストレートの4タイプがあり、破損具合により使い分けをするという。
  業者向けキットで、高価なので一般ユーザーが購入することはないが、≪こんな修理法がある≫ということを知っておいて損はない。
  タイヤゲージの老舗である旭産業㈱(電話03-3751-6124)で累計3万セットを販売したという。

愛車メンテのプラスアルファ情報

1/4インチ・ギアレス・フィンガーチップラチェット

P1010385  『1・4インチ・ギアレス・フィンガーチップラチェット』と商品名こそ長いが、商品そのものはみての通り、手のひらに載るほど小さい。
  ギアレスというのは、クリック感がまるでないため、好き嫌い(感性)が明白に分かれる。筆者は、実は好きではないのだが、その完成度に惹かれるので紹介したい。
  1/4インチのビットを装着できるのと、1/4インチのソケットが取り付けられる面が背中合わせになっているのだ。全長47ミリ、外径φ46ミロ、重量97グラムとやや重い、というか重量感を感じる。
  ビットとの組み合わせ、1/4インチソケットとの組み合わせ・・・大きなチラカを必要としないところで活躍する。逆にいえば大きなトルクをかけるには適さない。言えることは、指でトルクをかけるダイヤル部のデザインも悪くなく。使ってみるとなかなか完成度が高い。
  ただ、惜しむらくは、左右の切り換えがいちいち手で回して確かめないと確認できない点だ。価格が820円とリーズナブルであるのは好感が持てる。㈱ストレート(http://www.straight.co.jp)が輸入販売しているのでたぶん台湾製だ。


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