「ひとには、深く付きあわないと心底理解できたとはいえない・・・クルマは使ってみないとその表情は読み取れない!」。そこで一番気になるPHEV(プラグイン・ハイブリッド)車のハンドルを握ることにした。いまや、三菱の顔になりつつある「アウトランダーPHEV」である。定員5名ながら車両重量が1.8トンオーバーのSUVだ。2.0リッター4気筒SOHC16バルブをフロントのエンジンルームに載せ、前後に60kWのモーターを付け、床下にはリチウムイオンバッテリーを搭載したハイブリッドカーである。近場を走るときはほとんど電気自動車として走り、休日の遠出では電気ときどきガソリンをエネルギーにして、どこまでも走れるという触れ込みの新時代のクルマだ。シフトモードはプリウスとほぼ同じであまり違和感はない。ツインモーター駆動による大きな初動トルクを発揮、滑らかな加速と発進性を味わえる。下り坂では、回生ブレーキが働き、バッテリーに電気を蓄えられるなど電気エネルギーが運転席から見える。回生レベルとハンドル近くのパドルスイッチで選択できるので、エコランをする楽しみもある。
今回横浜を起点に三重県の伊勢志摩、青梅、幕張メッセなど各往復など、比較的ロングドライブをおこない、ゆく先々で充電しまくった。驚くべきことに、ちょっと気のきいたホテルや旅館、ショッピングモールでは必ず「普通充電器」が備えられ、4時間でほぼ満充電できるし、コードも比較的細くて抵抗ない。でも、高速道路にある急速充電器は、充電時間こそ30分と短いが8割ほどしか電気を蓄えられない。しかも、大蛇を思わす太くて黒いコードを動かすのは非力な女性では厳しい。雨の日はとくに大変。しかも、静岡のとあるパーキングエリアでは充電器が故障で使えなかったことも。電気が空欠でも不自由なく走れるが、燃費を気にすると電気とガソリン2つのエネルギーをたえず考え、やや頭が重くなった。気になる燃費は、1300キロほど走り13.7km/lだった。車両価格は350万円~450万円台。