みなさん!知ってますCAR?

2016年5 月15日 (日曜日)

TOP NEWS

ボルボのPHEV高級SUVのセカンドシートに乗る

ボルトXC90 T8  ふだん安いクルマに乗っているせいか、1000万円オーバーのクルマに乗ると、どこか自分を失う気分が湧き上がってくる。早い話、わが劣等感がいたく刺激される!?
  ボルボのサービスマンコンテストの取材で、豊橋に出かけた折、駅から現場までの30分ほどの送迎車として乗ったのが、ボルボのXC90T8インスクリプション。2リッター直列4気筒エンジン+ターボ+スーパーチャージャーで320PSエンジンに8速AT。さらにリアに67PSのモーターが付くという、なんとも超豪華な3列シート高級SUV。本皮シートに腰を降ろすと、超一流ホテルのロビーに入った気分と似て、なんともお尻がむずがゆい!?インスクリプションとは辞書を引くと「碑銘(石碑に刻みつけた文章)」のことで、そのココロは「とてもプレミアム」てなこと?
  セカンドシートに座ってのインプレッションだが、車重2.3トンもあるわりには、実にパワフルかつフラットライド感にしびれる。サスペンションはフロントがダブルウッシュボーン、リアがマルチリンク。世界初の右折時に対向車を検知する機能を搭載するなど、ボルボ得意の先進のセーフティ機構がてんこ盛り。「これ以上何を望む?」そんな声がこのクルマから聞こえてきそう。
  これなら、たとえ一日500キロ走っても疲労感はごくわずかだと思われた。・・・軽自動車でもいちにち500キロは走れるが・・・フィジカル度を比較する!そんな企画がふと頭をよぎる。EV走行が最大35キロほどできるので、都内走行での平均実用燃費はリッター20キロほどと、ハンドルを握るボルボの関係者は胸を張る。それにEVモード、ハイブリッドモード、パワーモードなどいろいろな走行パターンを選択可能。このクルマのおもな市場は北米と中国だ。イマドキの富裕層が思い描く理想のクルマの車両重量は、軽く2トンを越える。ここにエコとエゴのぶつかり合い、ジレンマが透けて見える!?ちなみに日本での価格は1009万円だという。フーンだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

スバル360と百瀬晋六の物語 第17回

スバル360クレー-②  いずれにしろ車両重量の目標350kgを実現するには、相当の革新技術を注入しないと成功しないことが、開発者グループのあいだで徐々にわかってきた。たんに航空機の技術であるモノコックボディ構造を採用しただけでは、その目標値には届かないということだ。
  試作車P-1には当時標準の0.8ミリ厚の鋼板をボディの素材として使ってきた。これだと軽く500kgを超えてしまう。頭を悩ませていたボディ設計担当者のもとに、資材部のスタッフが0.6ミリ厚の鋼板を見つけだした。これなら劇的に軽量化ができるはず。ところが、手に持っただけで、薄すぎて使い物にならないことが分かった。
  そのときボディ設計者は、百瀬が描いたスケッチ画を思い出した。「ボディを卵の殻のようにすれば、薄い鋼板でも充分な剛性が得られるボディをつくれるのではないか?」さっそくP-1のトランクリッドを活用し、試作してみたところ、この卵の殻形状デザインで解決が付くことがわかった。薄板は溶接も難しく成型にも神経をつかった。いくどとなくトライ&エラーを積み重ね、実現に漕ぎ着けた。そこで、まず1/5のクレイモデルをつくり、さらに原寸大のクレイモデル、さらには石膏で型をとった石膏モデルをつくり量産への足固めをすすめた。
  いっぽう天井は強化繊維プラスチックのFRPを採用し、リアウインドウにはアクリル樹脂を用いることで軽量化に努めた。こうして、目標の350kgには10kgおよばないながらも360kgの試作車を作り上げることができたのだ。

カーライフ大助かり知恵袋2

ボルボカー・ジャパンの社長の木村さんは一味違う元トヨタマン!

ボルボの木村さん  ジャーナリスト稼業の面白いところは、自分のことは差し置いて、「読者の代表として」という美名のもとに、エライ(とされている)ひとに不躾とも思える、質問を浴びせられることである。
  公平明大な質問は、ほかの記者にまかせておいて、こちらはもっぱら自分の尺度で、そのひとのカーガイ度を測定する。筆者流のCAR―GUYというのは、「どれほどクルマが好きで、クルマの仕事を楽しんでいるか?」である。不思議なことに、これまでいろいろなひとをインタビューしてきたが、“これぞカーガイ!”と自信を持って推薦する人はほとんどいない。とくに、CEOと呼ばれる経営陣のなかでホンマもんのカーガイを探すとなると、稀有に近いのかもしれない。
  ところが、稀有な存在のひとりと思しき人物に出会った。サービスコンテストに現れたボルボカー・ジャパンの木村隆之社長(51歳)だ。通常トップのCEOは、経営理論や経済学の世界の人が多いため、なんとなく油が付着するような整備士のコンテストは面白くないようだ。「サービスこそカービジネスの要(かなめ)」とスピーチしてみても、数時間で会場をあとにすることからそれは推し量れる!? 
  ところが,木村さんは,2日間,のべ10時間以上、びっしり選手たちの“一挙手一投足”を観察していた。ちなみにボルボカー・ジャパンの日本人社長は、この木村さんが初。スエーデンのボルボ本社も、この人事には特別な思いがあるようだ。社長就任後1年半、CS(顧客満足度)ナンバー1を目指す木村さんは、競技の中身でたいていの選手ができなかったXC90の説明に苦言を呈するなど、鋭い指摘を与える一方、このCS向上作戦が一段高いギアに入ったと自負。じつは、木村さん、ベルギー5年海外営業に従事したりレクサスの立ち上げに携わったりした元トヨタマン。その後、アメリカでMBA(経営学修士)を取得し、ユニクロで営業副社長、日産ではインドネシア日産やタイ日産の社長を歴任した、いささか異色のキャリア。トヨタマンらしく現地現物主義を標榜する実務家の姿を見せていた。
  面白いのは、愛車のボルボV40のほかに、ボルボの旧車P1800を所有し、現在リストア中だという。目を輝かせながら、旧車のリストア事業も立ち上げる予定だともらした。いい意味で、趣味と仕事がない交ぜになっているビジネスマンは、そうはいない。

愛車メンテのプラスアルファ情報

ベッセルのレインボールL型レンチ9本組み

ベッセル1

ベッセル2

  ヘキサゴンレンチは、いまや数多くあるが、注目すべきはベッセルだ。「レインボールL型レンチ9本組み」である。通常の6角鋼材ではなく、特注の引き抜き材を採用している点が他メーカーのヘキサゴンレンチと一線を画している。カラーがレインボーカラーなので、いっけん同じように見える鋼材だが、サイズ1.5を除き、よく見ると6面のうち3面が直線ではなくウエーブ面としている。フラット面が6角穴の変形を防ぎ、ネジと工具へのダメージを抑制。ウエーブ面が駆動角を小さくし、駆動効率を高めるという。コンピューター解析とトルク伝達の測定、実荷重試験を繰り返し求めた形状という。
  このあたりの理屈は正直分かりづらいが、要は、応力の集中を分散すること、つまり一点に力を集中させないことで、トータルとして伝達トルクを高め、工具やネジのダメージを劇的に小さくできる。ベッセルでは、このカタチを「ウルトラヘックス」と呼んでいる。断面形状でヘックスにまつわるトラブルを小さくしただけでなく、ボールポイント部もほかと異なる形状をしている。先端が尖った槍形だ。これは、クビレ部の断面積を小さくすることなく、倒れ角度を高めるためにデザインで、通常のボールポイントにくらべ、キャップスクリューの穴の少し上部に工具が当たる。
  ということは頭部が薄いボタンキャップや化粧ネジには使えないということだ。通常のヘキサゴンボルトには、塗装した地をメッキから黒染め仕上げにしたことで、そのぶんメッキ厚みがなく大きな角度を得られた。なんと最大傾き角度38度で、つねにボール部が回転の中心となりスムーズに動かせる。首部強度を保ちながら本締めができるのが、最大のアドバンテージ。樹脂製ホルダーには、マグネタイザーと呼ぶ磁石を付属していて、スライド式で簡単に取り外しができ、レンチに近づけ励磁、または取り付けることで、ボルトのキャッチ機能を持たせることができる。http://www.vessel.co.jp/

2016年5 月 1日 (日曜日)

TOP NEWS

お台場にオープンするBMWの体験型販売拠点とは?

BMW東京ベイ  ベンツとかBMWといったドイツの高級車の取材にはほとんど縁がない筆者だが、なぜか東京・木場にできたBMW整備拠点「BMWサービスセンター」の取材が舞い込んだ。早い話、難しい不具合などを修理する整備の司令塔みたいなもので、どこの自動車ブランドでも持っているのが一般的。なにしろ日本市場における輸入車比率は全部合わせて10%前後。そんな日本市場にもようやく本腰を入れてカービジネスをやろうという意欲の表れだと分析できる。ユーザーには、“遅きに逸した”という感は否めない。
  整備の司令塔もさることながら、注目なのが、同じ日に取材した「BMWグループ・東京ベイ」である。今年7月にお台場にオープンするというものだ。いまのところ7割ほどしか完成していないが、隣の公園との一体感を持たせるなど注目すべきショーケースになるに違いない。狙いは、BMWとミニの2つのブランドを東京の臨海副都心でカッコよく見せようという常設展示場。しかも体験型という形容詞付き。(写真は完成予想図)
  何が体験型かというと、BMW28台、ミニ11台それにBMWモトラッド(バイク)を10台並べ展示するだけでなく、直線で最大130メートルの路面のドライビング・エリアを持つ点だ。F1で知られるFIAの緩衝材を採用しているので、万が一にも安全性が高いという。
  ここで、販売車両の試乗だけでなく、基本的な運転トレーニングができたり、急ブレーキ試験や加速フィーリングを試したりできるという。BMWのお決りのキャッチコピーである「駆け抜ける喜び」を感じることができる(かどうか知らないが)。
  延べ床面積7176㎡というから、東京ドームの広さに較べるとかわいそうな広さ(15%ほど)だが、輸入車としては、なんだか新時代を開きそうなキッカケになるかもしれない。

カーライフ大助かり知恵袋1

スバル360と百瀬晋六の物語 第16回

イセッタ  10インチタイヤの提案は、サプライヤーのブリヂストンが大いに協力を惜しまなかった。当時10インチの規格がなかったので、規格作りからはじめ、乗り心地を高めたいという申し出に2プライ構造のタイヤを逆に提案してくれた。当時の小型自動車のタイヤは4プライが常識だったが、4プライでは乗り心地が硬くなるので、4プライの強度を持った2プライにすることで乗り心地と軽量化を両立させることになった。タイヤひとつからすでにチャレンジだった。
  このころになると百瀬たちはシトロエン2CVだけでなく、ドイツのロイト400とイタリアのイセッタ300をサンプルとして入手し研究した。イセッタ(写真)はRR(リアエンジン・リアドライブ)で前輪とレッド1200ミリ、後輪520ミリというスクーターから進化したような車で、フロントパネルが1枚ドアになったユニークなミニカー。自動車を作るうえで自由な発想が大切ということをイセッタは教えてはくれたが、今回の百瀬たちが目指すプロジェクトには参考にはならなかった。むしろロイト400のほうが大いに参考になったようだ。このクルマは、スズキのスズライトが参考にした車両で2ストローク2気筒396cc13馬力エンジンをフロントに載せたFFレイアウトでホイールベースは2000ミリ。全長3450ミリ全幅1405ミリ、車両重量500kgであった。スズライトが540kgあったので、K-10の目標値350kgは、そもそも現実味があるのか担当技術者のあいだにいくらか不安が広がった。

カーライフ大助かり知恵袋2

女性にだって扱える最新型タイヤチェンジャーに驚く!

イヤサカ・タイヤチェンジャー  大手自動車機器の商社を取材したところ、全自動のタイヤチェンジャーを間近に見てたまげてしまった。洗濯機でもあるまいし、全自動って本当かな? と思う読者もいるかもしれない。昔のタイヤチェンジャーと似て非なる性能なのである。
  近頃の乗用車タイヤは大型トラックほどではないが、超扁平タイヤゆえかなり重い。転がせてもタイヤチェンジャーの台上に持ち上げるのはよほどの力持ちでないと駄目じゃない!? ところが、機械が手元に近づくがごとく、タイヤのセット位置(正確にはスピンドル部)が90度傾くので、タイヤを転がす感じでセットできるのである。なるほど、これなら「よいしょっ!」と持ち上げる必要なしだ。
  ホイールアライメント・テスターで有名な、アメリカのハンター社の「レボリューション・タイヤチェンジャー」だ。じつは驚くのはこれだけではなかった。スイッチを入れると、タイヤの空気充填口(バルブ位置)とホイールの位置をセンサーで記憶させ、あとは自動で作業が進むのである。作業者は近くで、フットスイッチを踏み続けるだけ。5つのアームがまるでハリウッド近未来映画で出てくるロボットのように動き、ものの数分でタイヤとホイールを別々にしてしまった。タイヤとホイールの合体作業も、同じように全自動で、あっという間にやってしまった。ビードの硬いランフラットタイヤにも対応しているという。これなら「非力な女性でも楽に作業がこなせる」というのも、まんざらウソではない。
  それにしても・・・18インチのバイクのタイヤの入れ替えでいつもフウフウいっている筆者には、なんとも魔法を見せられている気分だった。このマシン、自重だけでも816kgと軽自動車並み。価格も300万円はくだらないようだ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

ANEXの「ネジとりインパクト」の実用度は?

ネジとりインパクト  M4とかM5といった小ネジを締め込んだり緩めたりする場合、たまに頭を抱え込むとトラブルに陥ることがある。頭部の溝がグチャグチャになりニッチもサッチもいかなくなることだ。
  頭部が少しでも出っ張っている「ナベネジ」などなら、例のネジザウルスを使いなんとか回せるが、皿ネジ(ゼロ戦などで使われた頭部が沈み込んだ“沈頭鋲”のひとつである!)などになると、お手上げだ。ドリルで揉(も)んで・・・逆タップネジをねじ込み・・・という手法、あるいはドリルでメスネジを傷めない程度に、ぐいぐい食い込ませネジ自体を取り除く・・・。いずれの方法も、テクニカル、というかワザが要求される。
  もっとスマートに解決できないか? 
  この課題にこたえようとするのが、今回取り上げるANEXの「ネジとりインパクト」である。
  頭部が舐めてしまったネジ(M3~M6)のナベネジや皿ネジに対し「ネジとりビット」をあて、うえからハンマーで何度も叩き、食い込み溝をつくる。この“食い込み溝をつくる”作業が意外と難しいが、何度も失敗するうちにコツが飲み込めるはず。溝ができさえすれば、小型のインパクトドライバーに「ネジとりビット」をジョイントし、ハンマーで叩き、緩めることができる。ANEXに言わせると「刃先形状に進化のあとがある」という。バイクのシートまわりに使われているヘキサゴンボルトのM5ボルトでも使えそうだ。http://www.anextool.co.jp/


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