メガ・サプライヤーのコンチネンタル社を取材したら、面白いことがわかってきた。
交通事故VISION(ヴィジョン)ゼロをスローガンに掲げている。その目標で必須となるのが「車車間通信と路車間通信」だという。いささか舌を噛みそうな言葉だ。
自動運転を目指すクルマに付くレーダーとカメラは、ドライバーが見える範囲を見張っているに過ぎない。これだと交差点での右折(欧米だと左折)での事故が起きてしまう。自分のクルマと近くのクルマの通信だけでなく、近くの路面設備との通信が必要となる。そこで、半径500メートルの範囲で自分のクルマとほかのクルマ、自分のクルマと周辺の路上設備をリアルタイムで通信させ、安全運転の支援をおこなわせる。
これにより右左折支援だけでなく、急ブレーキ支援、前方衝突警報、故障車の存在を知らせる、緊急車警報などが把握でき、自動運転をよりたしかなものにできるというのだ。
そのためには、より精度の高いGPSなどによる位置情報が必要となるが、コンチネンタル社では、技術的にはほぼ完成しているという。また近い将来、歩行者が持つスマートフォンを発信機として近くのクルマに存在を知らせるなど、2重3重の事故防止策もとられると見られる。でもこうなると人もモノも何もかも通信でつながることになり、人が孤独を楽しむことができなくなるばかりか、ひとつ間違えるとジョージ・オーエルの未来小説「1984年」が描く監視社会におちいる!?