「ハイブリッドカーはエンジン稼動割合が激減したぶん、冬場ヒーターが効かず足元ブルブル!」
そんなハイブリッドカーのウイークポイントの前号報告をめぐって、ながねん筆者の知恵袋的存在であるトヨタの一級整備士から面白い話を聞いた。
「30分たっても車内が暖まらないクルマはそもそも壊れているのではないか! そんな強行にクレームを言い募る年配のハイブリッドユーザーがときどき怒鳴り込んでいらっしゃるのですよ」
そんなクレームに向き合い、この一級整備士は、気を落ち着かせて「空調の温度設定をHi(ハイ)の位置にしてみてください。そうするとエンジンの稼働領域が広がり、容易にEV走行とならないので、従来のエンジン付きクルマと同じく早めに暖房が効きます」と説明するという。
ところが、この説明に納得できるユーザーは少ないという。
くだんのおじさんユーザーは「わしは自宅のエアコンも25℃以下の設定温度を長年守ってきた。いまさらめいっぱいのHiに合わせられない!」と主張。
エコをたてれば寒いし、エコを少しへこませれば快適! まるでハムレットの心境! ジレンマの真っ只中! まぁ、そこまで深く考えれば、HVの理屈は理解できるのだが、まだまだ理屈が不明なユーザーが少なくないのが現状のようだ。昨日免許を取ったばかりの若い女性からベテランドライバーを自認するおじさんドライバーまでを相手にするイマドキの整備士さんの苦労は、いかばかりか、である。