「電子部品の組み立てなど、一日幾度となく工具を使うユーザーの要望で生まれた1本です!」
そんな開発者のメッセージが添えられて一本のラジオペンチが送られてきた。
一説によると昭和のラジオ組み立て全盛期を背景に誕生した工具だというラジオペンチは、「ラジペン」と略して日本では呼ばれるが、実はこれまた日本語英語で、英語では「ニードルノーズ・プライヤー」あるいは「ロングノーズ・プライヤー」というそうな。切る、曲げる、引っ張る、挟むなどマルチな機能をもち電子機器の配線や小さな部品をつかむため先端が細くなっている。
新潟三条市にあるスリーピークス技研(☎0256-33-0571)の「かるいラジオペンチ」は、見るからに21世紀タイプのラジペンだ。筆者が40年近く使っている150ミリの手持ちのラジペンとくらべると、それが大げさでないことがわかる。重量を測ると、「かるいラジオペンチ」は、手持ちのラジペンの2割がた軽い。たかが2割というなかれ。一日中使う作業員には、どれだけ福音をもたらしているかだ。80キロのデブだった人が、2割減の64キロで半日歩くと思えば、自重の軽量が痛いほどわかる!?
このラジペンのいいところは、これだけではない。エラストマー樹脂の成型グリップで、手に馴染みやすいし、連続作業が楽にできるバネもプラスチック製で、耐久性は金属バネの10倍あるということだ。ちなみに根元にある刃の切断能力は、鉄線ならφ1.5mm、より線で2m㎡だという。(写真は125ミリタイプで、品番LR-125S)