1949年以来トルクレンチ一筋にモノづくりをしてきた東京・大森に本社を持つ東日製作所は、今や世界のブランドTOHNICHIを築き上げた。
部品同士を締結するときに最重要となるのは締め付けトルクである。ところが、ボルトの数が多くなったりすると、ついポカをして締め忘れたり、締めすぎたり、逆にゆるく締めたり・・・というトラブルが起きがち。
そこで、ここ数年工場の組付けラインでは「発信機を組み込んだトルクレンチ」が普及しているようだが、整備工場などではそこまでの設備投資は無理だし、非現実的で必要ない。
今回登場したマーキング・トルクレンチは、昔ながらの規定トルクに締めた確認の意味で、マークをする…そんな昭和時代をホーフツとさせる職人気質じみた愚直な手法をよりスマートに行おうとするシステムである。
ヘッド交換式のスパナ部のへこみに棒状のマーカーが組み込まれている。既定のトルク値に達すると自動でマーカーが少し押し出され、ナットの辺にマーキングする。一つのマーカーで約2000回マーキングができ、マーカーが乾燥する時間は3~4時間だという。
マーキング・トルクレンチの品番はMCSPで、トルク範囲で、3タイプあり、10~50Nm(全長282ミリ/重量0.65㎏)で4万9100円、20~100Nm(355ミリ/0.9㎏)が5万2300円、30~140Nm(418.5ミリ/1.0㎏)が5万4400円。地味な工具ではあるが、日本のモノづくりや信頼耐久性を支えている製品だ。