サンデーメカニックにとっては、どうだろう、数年に1度ぐらいしか遭遇しないかもしれない。スナップリングを取り外す状況である。このとき絶対に必要となるのが「スナップリング・プライヤー」だ。この工具がないと前に進めない。
「穴用」と「軸用」の2タイプがある。「穴用」というのは、内壁にスナップリングがある場合で、「軸用」というのは丸棒の外側にスナップリングが留まっている場合をいう。だから基本的には、プロは最低でも2種類のスナップリング・プライヤーを工具箱に入れている。今回見つけたのは、1本のプライヤーで、「穴用」と「軸用」どちらもOK! しかも先端部がフラットと45度、90度。フラットは先端部の径が1.2ミリと1.5ミリの2サイズ。なんだか、至れり尽くせり感の強い究極のスナップリング・プライヤーに思える。
こういう工具の老舗は、ドイツの「クニペックス」が有名で、日本の心ある整備士の工具箱にはきまって2~4本は入れているのだが、1本3000円はする。となると4本で1万2000円は覚悟。ところが、なんと918円(ホームセンターでの購入価格)! そのカラクリは台湾製だから。
交換手順は、ピボット部を指で押し、ストップピンを45度動かしストレートにすればヘッドを交換できる。慣れればほんの数秒で交換完了だ。なかなかのアイディアを投入している製品である。
肝心の先端部の強度だが、いじわる気分で、ためしにラジオペンチで曲げてみようとしたが、なかなかどうして変形しそうにない。丈夫にできているようだ。今後使い込んでからのリポートに期待してもらいたい。まぁ、緊急用のプライヤーとしてはとりあえず合格点を上げられそうだ。