みなさん!知ってますCAR?

2018年2 月15日 (木曜日)

TOP NEWS

ポピュラーになったスライドドアが抱える課題とは?

スライドドア  「今日もスライドドアの不具合で入庫してきたクルマがあり修理したばかりですよ。スライドドアのトラブルは、日常茶飯ですよ」友人の1級整備士のKさんは、日中の仕事で疲れた顔に高揚感をにじませて、語り始めた。
  スライドドアとは、後席のドアを後方にスライドさせることで、狭いところでも、隣のクルマに気兼ねなく開け閉めができるとして、ここ数年装着するクルマが増えている。そのほとんどがいまや電動式である。トレンドとは恐ろしいものだ。もともと車幅が狭く普通のドアで間に合う軽自動車にまで、この電動式スライドドアを付けるクルマが登場している。“電動化”という一見豪華さに見えるキーワードで、採用率が増えたと推理する。……日本のクルマの歴史はいかに安いコストで付加価値を付けるかなのである。
  ところが、この便利なはずのスライドドアが、整備するメカニックから見ると「あまり推奨できないメカニズム」と成り下がっている、というから一大事なのである。「毎週のようにスライドドアの不具合で入庫するクルマがあるんですよ。普通のドアではほぼゼロなのに。トラブルは、開かなくなったとか、逆に閉まらなくなったというトラブルのほかに、少し路面が悪いところを走るとガタガタとかカタカタいった騒音(ノイズ)の訴えです」
  くだんのKさん、「そもそもスライドドアは、前側の上下と後ろ側の1点、計3点でボディに支えられているんです。閉まるとウエザーストリップで、ボディ側にぴたりと取りつき、一体化する。一体化といってもあくまでも見かけ上ですから、普通のドアのようにヒンジのボルトでがっしりと一体化はしていない。いわば張り付けている感じなので、下からの突き上げを食らうと、ボディとともに衝撃を受け止められずに、ガタガタする」
  ふんふん、なるほど、つまり物理的に、そういう構造になっている、ということなのだ。となると、大なり小なりガタガタとかカタカタするのはごくごく当たり前、ということになる。悪いことに開口部のでかいクルマほど、この傾向が強い。
  ガタが起き始めると……深刻な不具合として、使われている滑車とか、留め具の樹脂部品が劣化して破損することもある。最悪、スライドドアごと外れそうになることもないわけではない(筆者もかつてN社のプレーリーでこの体験をしています!)
  そういえば、走りに徹するスポーツカーや、静粛性を追求する高級車にはいくら便利だからといってスライドドアは採用したためしがない。つまりボディ剛性が低下することと引き換えにスライドドアは採用されている! そう考えてもさほどの間違いを犯してはいない。

カーライフ大助かり知恵袋1

あまり語られなかった“浜松スズキ物語”(第4回)

ヒバコ上下  その工場で、道雄は、3~4日がかりで、木鉄混製(もくてつこんせい)の足踏み織機を完成させた。足踏み織機の第1号機は、母マチに贈ったといわれる。これが従来の織機に比べ10倍効率がよいとして村の評判をとることにつながり、翌年には鈴木式織機製作所の看板を掲げ、本格的な織機製作に乗り出す。
  それまでの織機は横糸の交換に手間がかかっていた。道雄はそれを自動でできないか? これができれば、格子柄を自在に織ることができるのだが…‥。4年後の1912年(大正元年)その後の織機産業に革命的な出来事となるメカニズムを具現化させる。
  それが、≪杼箱上下器(ひばこじょうげき)≫と呼ばれる機構を付け加えたものだった。
  「お客様の声に耳を傾け、実用的で本当に価値のある製品を創る」この現在のスズキに受け継がれているスピリッツをどんどん具現化していったのである。道雄は生涯こうして100以上の実用新案を取得、大正・昭和の激動の時代をモノづくりにささげたのである。
  スズキの礎(いしずえ)はこうして築かれたのである。

カーライフ大助かり知恵袋2

高速道路のサービスエリア内のSSでタイヤ交換してみた!

タイヤトラブル1

タイヤトラブル2

  人間、きちんと制服を着た、“プロと思しき人物の言葉”には、弱いものだ。
  昨年の暮れ、名古屋から東名で横浜に向かっていたところ、岡崎近くのサービスエリアで給油することにした。エネオス系列の地元のガソリンスタンドが経営しているSSだ。給油も終わり、タイヤの空気圧を自分で確認していたところ、SSのスタッフが近づいてきた。ひと目見て「お客さん、前輪の外側が摩耗限界に来ていますね。どこまで帰られるのか知りませんが、このままでは危険ですよ」「よく見ると、縁石に乗り上げた際にできるピンチカットといって側面のコードが切れて、そのまま走り続けるとバーストの危険がありますよ」
  でも写真で分かるように、100歩譲っても“さほど重症ではない!”。
  明らかに、こちらがクルマのことなど何も知らないお客と見て、脅しにかかってタイヤを売りつけようとしているのである。こんないい機会はない。こちらも商売柄、どんなふうにセールストークを展開するのか知りたくて、しばらく聞いてみることにした。
  すると、不思議なことに、いつしか「これだけ熱弁をふるってタイヤ交換を進めるスタッフがなんだか他人に思えなくなってきて(広い意味で同業者である!)、ほかにくらべて(通常のタイヤショップとかネット価格にくらべ)確実に高いのは承知で頼むことにした。とにかくどんな風に、仕事を進めるかも、見たかった。
  で結論的に言えば、タイヤサイズ185/60R15で、BSの最下級ブランドのネクストリーが2本で2万6000円。バランス取り、古タイヤ処分量など含めコミコミ値段だ。販売窓口が増えたことにより、世はタイヤ価格戦争の様相ではあるが、後で調べてみると、トータルで2~3割ほど高かった印象である。

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1500円で手に入った! 3枚合わせのWPプライヤー

WPプライヤ  「3枚合わせに限る! チカラを加えた時のバランスは3枚合わせがより理想に近いから!」
  そんな、ウオーターポンプ・プライヤーにまつわる、ある意味“小さな信仰”を後生大事に抱えている筆者。自分でもいささか短兵急とは思いながらも、3枚合わせ! にもかかわらず価格が1500円というのにググっと心ひかれた。
  近くのホームセンターで見つけたものだ。
  よく見ると中国製で、兵庫県の三木市にあるビッグマン工作所が輸入販売しているという。そこで、眺めたり、触ったり、使ってみると……梨地の仕上がりは、どこか手持ちでいえばスタビレーに近いが、重量自体は、330グラムとスタビレーより100グラム以上も軽い。でも、最軽量級のクニペックスにくらべると、わずか35g重い。
  このWPプライヤーの一番のウリは、スライド式のあご幅調整機構である。言葉でいうと物々しいが、下部の柄にピストン式のばねが付いていて、上部の柄を握ると自動で、グググッとばかり、あご幅が縮み簡単につかむ相手の径に合わせることができる。ちくいち両手で、あご幅の調整が不要! ということはスピーディな作業ができるということである。実にこころにくい作りだ。
  ただ、惜しむらくは上部の柄の先端にマイナスドライバーを兼ねさせている点だ。良かれと思い、作り込んだつもりだが、使うとき、いちいち気になる。先端部が鋭利な形状なので、いつ手を傷つけやしないか、近くのモノをひっかけないか! とつねに心配になるのである。全長150ミリタイプで、あご幅が最大47ミリと十分であるだけに、実にもったいない。

2018年2 月 1日 (木曜日)

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20年後にはエンジン付き車両が少数派に転落する?

+IMG_5744  「2040年までには、ガソリン&ディーゼルエンジン車の新車販売禁止」を発表したイギリスとフランス。ノルウェーなどは、これより15年も前倒しをして2025年に、「脱ガソリン・ディーゼル車」宣言をしている。その言葉を裏付けるように、いま現在ノルウェーの新車販売の約20%がEVだという。
  ということは現在保育園にかよう孫たちが、大人になったころはエンジン付きのクルマがほぼ消滅している計算になる!
  「こいつは一大事だ! なんとか孫どもに、じいちゃんが愛したエンジンとやらを見せつけておく必要がある!」
  ・・・といった悲壮感をポケットに忍ばせて、日産の「エンジン博物館」に再訪した! わけではないが、一通り見終わってから、前振りで縷々書いたことが、何とはなしに胸にこみ上げてきた。(それほどに複雑な気分なのだ!!)
  正直に言えば、このエンジン博物館は、日産の輝かしき歴史を伝えるには、多少なりとも物が分かっている人には、いささか役不足だ。
  15年ほど前、日産の歴史を調べるため、文字通り“日参”した折に、担当者から、とても残念な告白を聞かされた。
  「じつは、戦前から長いあいだ活躍したクルマをつくる機械類を、ある時期まで、子会社の倉庫に保管してはいたのですが、すべて廃棄しちゃったんですよ」
  つくったクルマはあとあと残るが、モノづくりにフル回転した機械は強い意思が働かなければ、残せない。日産で青春を送ったOBたちのことを思うと、腕をもがれたのも同然である。日産にさほど強い思いを持ち合わせていない筆者ですら、この告白を耳にして一瞬うつろな気分になったものだ。
  エンジン博物館の2階にあがると、日産の歴史を物語るものは写真のパネルでしかない。そのころの工作機械が1機でも2機でもあれば! 時空をこえて大いに語りかけてくれたものを! 唯一興味を引くのが、創業当時の自動車生産をルポしたモノクロフィルムぐらいである。あえて言えば、「自動車用ピストンの変遷」をパネル化したものだが、ややオタクすぎるきらいがある。
  「トヨタ博物館」が横綱級だとすると、こちらは幕下どまり!? それでも、都心から近く、京急の新子安駅から路線バスで行け、しかも入場無料ということもあり、年間2万人以上が来場するという。クルマに熱い思いを持たない普通のツアー客も、訪れる観光スポットのひとつになっているようだ。写真は「4サイクルガソリンエンジンの動く仕組みを手回しで、体験できる」というモデルである。

カーライフ大助かり知恵袋1

あまり語られなかった“浜松スズキ物語”(第3回)

1909年 鈴木式織機製作所  そこで、浜松市菅原町の今村幸太郎に7年間の契約で弟子入りする。父母の元を離れ、わずか14歳で実社会に船出したわけだ。
  親方の今村氏は、腕のいい職人。それだけに仕事にかけては厳しい親方でもあった。もともと勘のいい少年だった道雄は、一人前の技術を習得し、親方の片腕として活躍するのにさほど時間はかからなかったようだ。
  ところが、道雄17歳のときに彼の運命を大きく変える事件が起きた。日露戦争が勃発(1904年)したからだ。戦争が起きた余波で、建築の仕事がほとんどなくなったのだ。戦時下体制の空気のなかで新たに建築物をつくることを手控えるようになった。
  そこで、親方の今村は、当時モノづくりの世界では、一段下と見られていた足踏み式の織機の製作に転向する。道雄も当初の夢であった建築の仕事を途切れさせ、親方の仕事を手伝うことになる。
  1908年(明治41年)、徒弟契約の満了とともに親方の元を辞した道雄は、独立し織機の生産事業を起こす。日露戦争後、日本各地で足踏み式の織機が求められる機運があったからだ。叔父の世話で借り受けたのは、浜名郡天神町に蚕小屋を移築して改装したのが道雄の最初の工場だった。学歴は小学校の補習科どまり、文字通り徒手空拳の船出であった。

カーライフ大助かり知恵袋2

ボディにかすり傷ができた! さあ、ド~する?

タッチアップペイント  先日、夜間に友人宅の壁際にクルマを停めようとして、リアの左側にこすり傷をつけてしまった。
  よくあること。ありきたりの出来事だ。この瞬間にもおそらく…‥何ら根拠がないのだが、100件以上同じ失敗をしている人がいるに違いない!?
  でも、自分がやらかしたとなると少しショックだ。
  次の日、こころを立て直して修理に取り掛かった。さいわい、凹みがなかったので、何とかコンパウンドとタッチアップペイントで、ある程度の修復ができる。そう考えたら少しこころに明るさがさした。
  よく観察すると、こすった相手はモルタルなので、より硬いクルマのパネルが勝って、壁の塗装を持ち込んでいる(こすりつけている!)。そこで、シンナーで付着した壁の塗装を落とす。これだけでかなり擦り傷の面積が激減。さらにコンパウンドを使い、表面の塗膜をそぐことで、こすり傷面積を減らした。ここまでわずか7~8分。だいたい目立たなくなった。でもよく見ると、塗膜が削れ、黒色のアンダーコート(錆止め)がわずかに見えるところが、黒点のように3つほどあった。
  そこで、タッチアップペイントの出番だ。
  タッチアップペイントのカラー番号は、エンジンルームか助手席側センターピラーのプレートに書いてある。これを頼りにカーショップに出かけ、手に入れた。850円ほどだった。使う前によく振って…‥しかるのちに“付属の刷毛”で……というのは間違い! これだとはみ出して塗布するので、かえって傷口を大きくする。そこで、爪楊枝の出番だ。爪楊枝の先端に塗料を付け、まるでドットを打つように少しずつキズ部分に塗料を付けていくのだ。せっかちな人はイライラしそうだが、心を落ち着かせて、地道にこの作業をおこなうと、意外といい感じに仕上がる。といっても、プロが見れば、色も微妙に違い(元のカラーが太陽光などで劣化しているので!)、お金を取る仕事ではない、ともいえる。
  でも、5メートル離れてみれば、ほぼ元通りに見える! 強がりに聞こえるかもしれないが、アマチュアの仕事も悪くはないと思う。

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お手軽な! 合体式ラチェットドライバー

合体式ラチェットドライバー  お手軽ラチェットドライバーである。
  とあるホームセンターで、998円で手に入れた中国製のラチェットタイプのドライバーである。家庭で、ちょっとしたときに使うドライバーであり、これでクルマやバイクの整備をしようとは、初めから思わない。
  ところが、工具ウオッチャーとしては、なかなかに面白いのである。
  どこが面白いかというと、普通サイズのドライバー(もちろんラチェットタイプ)だけではなく、グリップが2つに分かれ、スタビタイプのラチェットドライバーに大変身するのである。思わず『なんだ! なんだ?』と突っ込みを入れたくなる製品だ。
  グリップがスプリット、つまり2つに分かれるということは、それだけガタ(遊び)が増える。1/4インチ(6.35ミリ)のビットが刺し込み式なので、このビットとグリップ側の受け側のガタもある。ダブルで、ガタを背負いこんでいるわけで、普通のリジッドのドライバーに馴染んでいる人には、「まるでお話になりません!」状態の“遊び”(ガタ)なのである。
  ラチェット自体も、なんだか節度をはじめから失っている感じで頼りない(昔からこの手のラチェット機構はこうした味だった!)。でも、ガタガタと細かいことに突っ込みを入れなければ、家庭で十分使える便利な工具といえなくもない。ちなみに、1/4インチのビットは長いほうが110ミリでプラス2番とマイナス6ミリの両頭ビット。短いほうも両頭タイプで、こちらはプラス1番とプラス2番である。左右の切り換えは、グリップエンドのつまみを回すことでおこなう。重量は149グラムと比較的軽い。心配なのは、小さいビット。収納ができないので、使ううちにどこかに紛失する恐れがある。


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