いや~っ、世の中、オジサンの知らないところで、どんどん進んでいるようです!
先日、TOMTOMというオランダのアムステルダムに本社を持つ次世代モビリティづくりをバックアップする企業の東京での技術説明会をのぞいたところ、≪思わず口がアングリ!≫である。
会場は、どこか本格的な自動運転車が、登場する前夜の空気感がただよっていた!?
2018年10月の現時点での話題は、ステージ5のフルスペックの自動運転車が近い将来誰もが買えるかたちで販売されるかどうか? 「自動運転は、大いに疑問だとする」派と、イヤイヤ「できるんじゃないの」派が拮抗している。そんな賛成派&反対派などお構いなしに、各種異業種を巻き込んで、砂糖に群がる蟻のごとく、覇権を目指しビジネス戦争が深く広く展開中である。
そこで、「自動運転に欠かせないツールの一つ」が、地図データだ。
ところが、地図は、厳密にいうとリアルな地図ではない。半年、いや1週間で、地図が書き換えられることもある。しかも、地図作りは現地に足を運び、マッピング技術などの職人テクで、数か月かけてつくられてきた。20年前、LAのAAA(トリプルエイ:南カルフォルニアの自動車クラブ)で、若い女性が磨りガラスのデスクの上で地図を描いていた現場を取材したことがある。
これをどうクリアするか? 意外と答えはカンタンだった。ビッグデータというやつだ。たとえば東京の首都圏なら、車両データをたちどころに集め、これをクラウド・コンピューターで、逐一更新できるというのだ(上の写真はそのイメージ)。大量の車両から吸い上げた情報をクラウドに運び込み、それを瞬時に処理し、再び現在走行中のクルマへ送り込み、地図が刻一刻に書き換えられるというのだ! 誤差わずか10㎝のHDマップである。HDというのはHigh Definitionで高細度が高い、という意味。これなら工事規制で車線が少なくなっても、つねにリアルタイムのリアルで超精密な地図が、クルマ側が把握し、それを自動運転に反映させる。
この技術は、警察や行政が携わる交通行政にも生かされるという。・・・・ということはもし悪意のある行政官がいたら、スピード違反を少しでもした車両は、即天空から伸びたクレーンで上に持ち上げ、排除される! そんなジョージ・オーウェルのSF小説「1984」の続編めいた物語をついつい妄想してしまった!?
1970年前後から始まった排ガス規制は、世界の自動車メーカーの喉元に、まるで刃を向けるような厳しい規制だった。
後から振り返れば、確かにエンジンの燃焼という、これまでお金を投入して、あまり真剣に研究されてこなかったサイエンス(燃焼のメカニズム)を深く考えざるをえなくなり、その後の燃費向上に大きな足掛かりを付けた功績はある。だが、どこのメーカーもニューモデルの開発や新しいエンジンの開発など本来向かうべき方向性を大きく狂わせられ、足踏みを余儀なくされたという側面があった。
スズキの場合は、このEPICエンジンの開発に結果として失敗したことで、「屋台骨が揺らぐほどだった。アルトのヒットでなんとか盛り返したが……」(鈴木修氏)という。少なくとも4ストロークエンジンの開発に大きく後れを取ったのである。軽自動車の新エンジンK6Aエンジンが登場するのが1994年、その後継エンジンR06Aエンジンがデビューしたのが2011年である。ちなみに、このEPICエンジンの話題は博物館のどこにも見当たらないのは残念だ。負の遺産として、後輩たちへの良きアドバイスになると思うのだが、そうした振る舞いができるにはもう少し時間が必要なのかもしれない。
欧州と中国などでは、いまや化石燃料エンジン車はつくらない、これからは電気自動車だ!
そんな声が世界中を駆け巡るなか、先日、マツダのCEOなどの記者会見は「いやいや、うちは電動化も進めますが、エンジン付き車両の開発を進めます」として「現在の第2世代のディーゼルエンジンの性能を高める研究をして2010年以降には発表します!」という。
しかも、マツダが長く研究し、何度も失敗と成功を繰り返してきたピュアなロータリーエンジン(RE)車も「時期は明確にできませんが、鋭意努力しています!」という。こうしてみると、やはり自動車メーカーは、いつの時代でも“夢”をカタチにするビジネス、モノづくり企業ではないかと思う。エンジンが大好きな社員にもきちんと応えてあげる必要もあるわけだ。
面白いのは、「2020年までに、小型ロータリーエンジンを載せたレンジエクステンダーの電気自動車(EV)を発売する」という。これは、数年ほど前、横浜研究所で、ほんの少し試作車に試乗させてもらった(車両はデミオ)で、コンパクトな1ローターのREを後部に載せ、電気がなくなった時点で、このREが稼働して電気をつくり、電気で車輪を回転させる。
ちなみに、マツダは2030年には、95%がハイブリッド車あるいはEVが占め、残り5%がREを含めた化石エンジン車を売るという。
このところ台湾ツールに驚いたり、感心したりしているが、今回もメイド・イン・台湾ツールである。
使用頻度の高い3/8インチのスタビ・ラチェットハンドルだ。
ハンドルという名称を付けるのが気の引けるほど、ハンドル部は小さい。全長わずか100㎜。通常のタイプが180㎜前後なので、約半分の長さ。文字通り、手のひらにすっぽり収まるコンパクトさである。
ということは、手首のスナップを利かせて、早回しするのにじつに具合のいい大きさである。ハンドルエンド部を少し膨らませているのも、理にかなう。
逆に言えば、ショートのハンドルということは、大きなトルクを掛けることはできない。そこで、たとえばパイプを延長して使う、なんてことは、「ご法度!」と但し書きがしてある。
手にした時のフィールは、表面加工で、悪くないが、小ぶりでもずしりと重い感じ。重量は、全長のわりには129gと通常の約6掛けの重さである。肝心のラチェットフィールはどうか? これは悪くないのである。心地よい。72ギアもあるからうなずける。
ただし、切り換えレバーはやや引っ掛かりがあるのが玉にキズ。プッシュボタン式だが、そのプッシュボタンの操作力も軽くもなし、重くもなしでマル。ボタン自体も一回りデカくして、好感が持てる。ただし、こうした構造上、エクステンションバーやソケットを取り付けた時のジョイント部の遊びはやや大きい。あえて点数を付けるとしたら? 価格も1,229円とバカ安なのを考慮して、百点満点中85点だ。
発売元は三木市の「藤原産業」(℡0794-86-8200)
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路線バス、観光バス、高速バス、マイクロバスなどバスとその周辺を余すところなく、5か月にわたり取材しまくり、書き上げました! これを5名にプレゼントします! 「こしがやFM」の月曜17時からの番組『タミーの自動車のここが知りたい!』、そしてこのブログ『知ってますCAR?』の感想またはご意見をひとこと(ふたこと三言でもOK!)書き添えてお応募してください。
応募先は、昭和メタルのHP内にある「お問い合わせ」からお名前、生年月日、メールアドレス、それにお問い合わせ内容に、「バスの本を希望」それに「タミーの放送とこのブログの感想を一言」を添えて、お送りください。
締め切りは、10月末日。当選は発送をもって替えさせていただきます。
「オートノマス(自律運転)」「カーシェリング」「コネクティド」。
このところ、自動車の未来を取り巻くカタカナ文字が、マスコミの世界にあふれている感じ。このなかで一番わかりづらいのは、「コネクティド」なる言葉。
日本語でいうと「繋がる(クルマ)」。クルマが何につながるかというと、他のクルマであり、道路であり、インターネットである。
なかでも、インターネットは、スマートフォンがこれだけ普及したことを思えば、「なぜ、今ごろクルマに?」と思う向きもある。もっと早くに、たとえばカーナビにインターネットがつながれば、お巡りさんにびくびくして、いちいちポケットのスマホを見ないでも、好みのレストランや観光地により安全に、快適にクルマを走らせられるのに!
これはどうも自動車メーカーのエンジニアが、暢気に構えていたというより、「もしバグ(不具合)が生じたら?」とか「ウイルスに侵され、乗っ取られ、いきなりクルマが暴走したら?」という心配があったからだと思われる。でも、すでに一部のクルマにはカーナビをグルーグルマップに切り換えたり、その自動車メーカー独自のネットを検索できる、装置を搭載したクルマも販売されている。
今後は、さらに車車間データやクルマと道路の通信、クラウドコンピューターにつなげて、ビッグデータをもとに自立運転化やカーシェアリングを支える技術にと、果てしなく、クルマとその周辺は進化していく。“もはや自動車は自動車メーカーだけが作るものではない!”そんなフレーズが、真実味を増している。
1960年代、ホンダF1の監督だった中村良夫さん(1918~1994年)に「クルマよ 何処に行き給うや」というタイトルの本があるが、まさにその言葉が重くのしかかってくる。(写真は、コンチネンタル社のコネクティドの構想だ)
スズキのEPICというのはエグゾースト・ポート・イグニッション・クリーナーの略である。排気孔点火浄化装置。当時のスズキのエンジンは2ストロークエンジンが主力ということで、2ストローク専用の排ガス装置として当時はかなり注目されたものだ。
2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンのように排気バルブを持たずに排気孔(エキゾーストポート)という穴を設けている。そうしたエンジンの構造上、4ストロークに比べ、NOⅹこそ少なく、COはほぼ同等だが、HCの排出がやたらに多くなる傾向にあるエンジンだった。早い話生ガスのマフラーから出るのである。
そこで、この排気から出る生ガス(HC)を燃やすためにエアポンプをつけ、さらに排気付近に2本目のスパークプラグを取り付けて燃やすというものだ。簡単に言えば、後燃焼、つまりアフターバーン方式で、燃費の悪化は避けられず、チューニングも難しいという側面があった。辛辣な言いかたをすれば、「苦しまぎれの排ガス浄化システム」であった。
「子供のころにこんなイベントがあったらな~っ!」
思わず、そんな思いが込み上げてきた。先日、パシフィコ横浜でおこなわれた小学生のための「キッズエンジニア」。その続きである。
スズキのブースでは、小学生がホンモノのスクーター「チョイノリ」のエンジンに向かって、工具を手にオーバーホールの挑戦! 2003年デビューだから少し古いけど、偽物でも樹脂製でもない本物の空冷式4サイクル単気筒エンジンだ。手作りの木枠の上に置かれたエンジンは、本物だけが醸し出す威厳がある! M8とM10(単位は㎜)の2つのT型レンチを片手に、ひとつずつエンジンを構成している部品を取り外していくのだ。
もちろん、バラして終わりではない。組み上げて終わりなので、バラすとき、「どんなふうに組み付けられていたか?」を常に頭に描きながら、バラしていく。もちろん、この作業はインストラクターの説明と懇切丁寧なB5版の全28ページのマニュアル(総ルビ付き!:写真)があるのだ。
このマニュアルは、「エンジンの基本」から始まり、「エンジンの分解」「エンジンの組み立て」と続き、「キッズエンジニア認定試験」で終わる。そのなかで一番しびれるのが、「エンジニアの心得」。「工具は大切に扱うべし」から始まり、「けがに気をつけるべし」「部品をなくさないようにするべし」「わからなくなったときは、すぐに何でも聞くべし」などと続く。でも、「心得」など、たぶんどの子も心に留めていない。目の前にあるホンマ物のエンジンをとにかくばらしたい! その気持ちが強いからだ。工具を失くした、擦り傷をしてしまった……そんな失敗を通して「心得」を読み返し、「なるほど、そうかな」と思うものだ。こう考えると、工具でエンジンをバラすのは、人生のすべてが詰まっている、そんな感じもしてくる。
ホームセンターの工具売り場に立つと、アイテムの半分以上が台湾製の工具が席巻している気配だ。
少し前まで「安くて、なかなか使える台湾ツール」という位置付けだったのが、「えっ、この手があったのか? おぬしなかなかの使い手じゃのう!」小さな声で、思わず感嘆の声を上げたくなる工具も珍しくなくなった。
今回取り上げる「メカレンチMWF-12」もそうだ。(12というのは12ミリというサイズを示す)
いっけんラチェット機構を組み込んだフレキシブルメガネ部とスパナのコンビレンチの発展型ツールと思うが、≪いやいやそんな単純なものでない!≫のだ。メガネ側のラチェット部は、なんと100ギアの細かいギアを内蔵させ、スパナ部には、相手の6角部をしっかりとらえる滑り止めのギザギザを設けているのである。一言でいうと「意欲作の板ラチェットレンチ」。しかも、表面は細やかな梨地仕上げで、柄には電印印刷と呼ばれる新しい表示方法を採用していて、サイズ表示も見やすい。
ギア数100のメガネ部は使ってみると、実にスムーズで心地いい。右回転と左回転は、工具自体をひっくり返すことでおこなう。ここの厚みが9㎜あるが、まぁこんなものだろう。それよりもスパナ部のギザギザは、秀逸だ。滑りやすい! という前提があるので、スパナでボルトを締め込む人は少ないが、ラチェットレンチなどが使えないタイトなところで、早回しする際にはスパナが重宝する。ノンスリップ機構を持つスパナでこれをやると、確かなフィールを得ながら作業ができる。ぜひ、この感覚を味わってほしいと思う。
発売元は三木市の「イチネンミツトモ」(℡0794-84-1630)。購入価格は、2,290円とややお高い。
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締め切りは、10月末日。当選は発送をもって替えさせていただきます。
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