みなさん!知ってますCAR?

2019年1 月15日 (火曜日)

TOP NEWS

周期表が生まれて今年で150年!

元素の周期表」  「水兵リーベ、バックの船、な~に間があるシップはすぐくらぁ!」
  ん!? 新年早々気がふれた? じつは、これ「元素の周期表」の上部3段、計14個の元素を語呂合わせしたフレーズ。H(水素),He(ヘリウム)、L(リチウム)、Be(ベリリウム)、B(ホウ素)、C(炭素)、N(窒素)、O(酸素)、F(フッ素)、Ne(ネオン)、Na(ナトリウム)、Mg(マグネシウム)、Al(アルミニウム)、Si(シリコン、ケイ素)、P(燐)、S(硫黄)、Cl(塩素)、Ar(アルゴン)……。
  工業高校に入ったころ、何しろ工業化学科だったものだから、なかば強制的にこの周期表に付き合わされたものだ。リーベとはドイツ語で、「恋人」の意味である。不思議と半世紀以上たったいまもすぐ口について出てくる!
  自動車は約3万個の部品でできていて、その元をたどれば元素に行きつく。上の14個のほかに、すぐ思い浮かぶのは、鉄を強くするCr(クロム)、Mn(マンガン)、Mo(モリブデン)、スパークプラグなどに使われるPt(プラチナ、白金)、Cu(金)、Ir(イリジウム)、バッテリーに構成物質であるPb(鉛)、Sb(アンチモン)、ランプで使われるXe(キセノン)、W(タングステン)。そのほかCu(銅)、Ti(チタン)などがすぐ浮かぶ。そういえば数年前、原子番号113の「ニホンニウム」という日本ゆかりの元素が、登録されたのを新聞で読んだことがある。
  クルマの素材を調べる機会などに、年に数回は、いまでも、この「周期表」を眺める時間がある。もちろん、このなかに原発問題で登場するストロンチウム(Sr)、セシウム(Cs)、ウラン(U)なども目に入る。
  この「元素の周期表」が誕生したのが1879年、指折り数えて今年で150年なのである。ロシアの化学者ドミトリー・メンデレーエフ(1834~1907年)が、炭素や酸素や水素などの原子を質量順に並べると、似た性質の元素が周期的に表れることに気付いたのがきっかけだ。ただ気づいただけでなく、「当時空白になった元素を予言、予測したこと」だ。その後、どんどんその予測した元素が発見された。その功績で1906年ノーベル化学賞候補になるが、一票の差でフランスのアンリ・モアッサンという化学者に敗れたとされる。モアッサンは、クルマなどの合成樹脂部品で使われるフッ素の研究者だったのだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

あまり語られなかった“浜松スズキ物語”(第26回)

バレーノ  インドでは、生産の苦労をしただけあって、販売は極めて順調だった。普通の市民にとってこれまで高い関税(なんと170%!)に阻まれ、いいクルマに恵まれなかったのが、インド製の価格が安くて高品質なスズキブランドのクルマが販売されたのだから、インドの街中にスズキのSのマークのクルマが増えるのは時間の問題だった。
  インドで作られたスズキ車も2016年3月から日本で販売されている。5ドアのハッチバック「バレーノ」(BALENOはイタリア語で“閃光”のことだという)がそれで、1リッター3気筒直噴ターボエンジンと1.2リッター直噴4気筒ガソリンエンジンの2本立て。車格はスイフトと同じだが、ボディサイズはスイフトよりも一回り大きい。その後、5ドア・クロスオーバーSUVの「イグニス」(エンジン1242㏄4気筒)も登場している。
  いま(取材当時)では、インドの新車登録台数の約半分はスズキ車だという。インドは人口が約13億人。自動車の販売需要はここ15年で約4倍に増え、年間販売台数でいうと、中国の2800万台、アメリカの1780万台、日本の500万台、ドイツの370万台に次ぐ世界第5位の市場ということになる。

カーライフ大助かり知恵袋2

価格が22倍強のライセンスバルブ!

LEDライセンスバルブ

LEDライセンスバルブ2

  いまや世の中、家の中もクルマの照明もLEDの天下である。
  白熱球なら1000~2000時間の寿命が、LEDに換えるだけで4万時間、つまり20倍以上の超寿命。しかも、熱がこもらず、消費電力が小さく省エネだというのがうたい文句。値段も量産効果が徐々にあらわれつつある。
  ところが、価格については自動車用のバルブは、2周遅れ以上である。とにかく価格が高い。先日、車検整備で、ライセンスプレートのバルブが切れていた。意外とこれ、見落とされるポイントで、車検場に行って再検の原因となるケースが少なくない。
  このライセンスバルブのLEDが登場しているのである。
  近くのカーディーラーで、見つけ1個だけ手に入れた。価格はなんと1個2700円なり! 白熱球(12V5W)がわずか119円に比べ、22倍強の超高値。おかしな譬えだが、軽自動車が150万円だとすると、その22倍なら3300万円。早い話フェラーリ一台分なのである!
  というわけで、勝手に「クルマでいうとフェラーリのような超豪華なライセンスバルブ」と命名。これに取り換えてみた。
  変わりはありやなしや?
  よくよく見ると少し明るく、白っぽい光で照らされはするが、さほどの変化なし。
  追尾のクルマが、「あっ フェラーリ級のお高いバルブが付いている!」なんてことも言われることもなく、ただ自己満足の世界のようだ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

181ピース入った1万円余りの格安工具セット(第3回)

格安工具(レンチ)  アメリカの工具ブランドDEWALT(デウォルト)は、181ピース(工具セットの組数をピースと表現する)も入って1万2000円弱。バカ安の背景は、化粧ケースに明記している通り、中国製だからである。低いレーバーコストで、量産すれば、とんでもなく安い価格で売ることができる。そんな見本商品である。メイド・イン・ジャパンには到底真似できない。
  困ったことに(エンドユーザーは当面は困らず大喜び!?)、これはなかなかの品質なのだ。今回は、前回のラチェットハンドルに引き続き、コンビネーションレンチにスポットを当ててじっくり観察してみることにする。
  まず、写真を見てもらいたい。メトリック(ミリサイズのこと)の6本をずらりと並べてみた。これとは別にインチサイズも6本あるのだ。
  黒光り(ブラッククロム・ポリッシュと誇る!)するせいもあるが、見た目はなかなかイケている風情。ロングタイプで、スマートに見える。サイズ表示も表裏、滞りなく表示されている。ところが、よく見ると、メガネ部の内面両端に塗り残し部分がある。塗装のプロセスで、クリスマスツリーのように、フックに複数本ぶら下げ、塗装する。このとき、フックのところがどうしても塗り残る。ここをいかに誤魔化すかが実はポイントなのだ。日本のモノづくり世界では、これは初歩の初歩。こんなところに中国製が顔を出している。微笑ましい? それとも腹が立つ? 機能的にはさほど差がないとみるか?
  試しに12ミリを一本ピックアップして「身体検査」をしてみた。重量を測定し、全長、各部の肉厚、幅などをノギスで測定するというものだ。重さ80g、全長195㎜…‥。これまで23銘柄を測定していたので、これらのデータと照らし合わせると、「長いタイプに入るが、やや重い。スパナ部とメガネ部の肉厚は、やや大ぶり気味」。総評すると、“可もなく不可もなく”という感じである。

2019年1 月 1日 (火曜日)

TOP NEWS

バカ安ブレーキパッドの進出をどう見るか?!

中国製VS日本製ブレーキパッド  長引きそうなアメリカと中国の貿易戦争の心配をよそに、衣料品から日用品まで中国製品なくしては日本での暮らしが立ち行かなくなった。いまやそんな感がある。少し前まで、「チャイナフリー」(中国製品を使わない、という意味)という言葉が限定的には有効ではあったが、知らないうちに愛用していることも。
  気にはしているがここまで浸透した背景は、ひと頃にくらべると、中国製品は、安くて品質もそこそこのものが増えているからだ。日本人の低コストライフは中国製品が担っている! そういえなくもない。
  ところが、アフターマーケットの中国製自動車部品はどうだろうか?
  先日、コンパクトカーのフロント・ディスクブレーキをネットで検索していたら、格安のブレーキパッドを見つけた。通常1セットで7000円が当たり前だったブレーキパッドが、なんと1700円なのである。ネットでは、純正同等品も自動車部品商で買うよりも安く、5500円である。「好奇心から、両方購入し、この際だから比較してみよう!」という気分になった。5500円の方は、これまで使ってきたものだ。(写真:左が中国製、右が純正同等品)
  興味深いのは、1700円のブレーキパッド。さっそく梱包を解いてみたら、異様なにおいが鼻を突く。しかも、純正同等品にくらべると、なんだかグロテスクだ。裏金(ベース部分)と摩擦材が明白に分かれていないのだ。いかにもヤバい感じ。心配が先に立ち、友人の1級整備士に聞いてみた。「うちのお客さんのクルマにも、中国製の無印ブレーキパッドを付けて入庫してくる方がいますよ。ブレーキを踏むたびに鳴きが激しく、しかもブレーキローターへの攻撃性が高く、結局いいところ何もないですよ」とのこと。しかも「製品によっては加工しないとキャリパーに収まらないケースもありますよ」。
  これを聞いて取り付け走らせようとした気分は途端に萎えてきた。やはり命を預かるブレーキパッドは、信頼性の高いものを選ぶのが基本だと再認識しました。こうなると、日本もますます自己責任の世の中となりつつあるようだ。

カーライフ大助かり知恵袋1

あまり語られなかった“浜松スズキ物語”(第25回)

鈴木修 (2)   当初は、こうした文化の違いで軋轢(あつれき)が生じたようだ。
   でも、現地の社長の賛同と、鈴木社長はじめスタッフの地道な説明とときには「工場経営はスズキ主導でやることになっている。それができなければインドにおさらばして、日本に帰る」と詰め寄った。このことで真剣みが伝わり、徐々にリーダー格の人が作業服を着たり、現場のラインに降りていったりと・・スズキ流の経営が浸透し始めた。
   こうして1983年12月には工場のオープンを迎え、ガンジー首相が工場まで駆け付け、スタートを切った。インド事業で苦労したのはほかにもあった。現地部品の調達である。当時、日本の自動車部品メーカー(サプライヤー)は「インドで自動車が作れるわけがない」として一社としてインドに進出する企業はなかった。
   そこで、最初はフル・ノックダウンといってほとんどの部品を日本から運び込み、インドで組み立てる方式だった。丸1年少したって生産数が5万台ラインになったころ、ようやく日本のサプライヤーがインドに見学に来ることで、インドでも十分仕事ができると判断、徐々にサプライヤーも進出してきた。

カーライフ大助かり知恵袋2

ブレーキの遊びが過大になった!

ドラムブレーキの構造  自動車のブレーキのメンテナンスといえば、たいていはブレーキパッドの交換とブレーキ液量の点検、あるいは交換で間に合う。
  ところが、リアにドラム式ブレーキを採用している場合、走行距離が10万キロも超えると、駐車ブレーキの引き代が大きくなる。足踏み式の駐車ブレーキなら、床が踏み抜けるほど踏まないと制動力が確保できない。原因は、ブレーキドラムの内壁とリアブレーキのシューとの距離が過大になったためだ。ドラム内壁とシューの摩擦材(ライニング)との距離を適切に保つ機械式の自動調整装置が付いてはいるが、その領域を超えて摩擦材であるライニングがすり減ったからだ。メインのフットブレーキの方も、同じ理由で、踏み込んでから奥のほうでようやく制動がかかる感じとなる。こうなると、すぐ制動をかけられないことになり、はなはだ危ない。
  そこで、ブレーキの調整だ。
  ドラムブレーキのドラムを取り外すと、アジャスティング・ボルトと呼ばれるネジ部が顔を出す。このねじをマイナスドライバーで回すとシューが拡大したり、縮んだりする。ドラムとのクリアランスをスレスレのところに調整すればいいだけだ。やり方は、整備マニュアルなどに出ているのだが、バックプレートのサービスホールからドライバーを突き刺し、アジャスティング・ボルトを回す方法が一つ。
  もう一つは、ドラムを外して適当に回し、ふたたびドラムを取り付けシャカシャカ、あるいはスレスレの感じでドラム内壁とこすれる程度まで詰めればいい。意外と簡単だ。もし、ドラムがはがれないときは、プラスチックハンマーで衝撃を加えてみる。

愛車メンテのプラスアルファ情報

181ピース入った1万円余りの格安工具セット

1万円工具セット  前回の格安工具セットの2回目のリポートである。
まず、悪口からお伝えすると、一抱えもあるデカい樹脂製の工具ケースは立派。いっけん機能的にできているように見える。暗がりでは見えづらいが、明るいところであれば、ケースに表示しているサイズ表示もまずまず読める。
  問題は、肝心のケースから必要な工具を取り出すときだ。指でほじくり出そうとしても、うんともすんとも言わない。動かない! 細身のマイナスドライバーを隙間に入れて“てこの原理”で起き上がらせるしかない。まさに、その都度ほじくり出すわけなので、気持ちがなえる人もいるかも。
  ラチェットハンドルはどうか?
  結論から言えば、これがなかなかイイのである。ラチェットフィール、切り換えレバーの操作性など悪い部類ではない。ギア数は72ギアなので、振り角度5度である。ヘッド部分が文字もなく模様もなく、実にのっぺらぼうであるのが、やや不気味だが、「ブラック・クローム・ポリッシュ」と呼ぶ仕上げは他にはない味を出している。差し込み角1/2インチと3/8インチのラチェットハンドルは無垢ということもあり、重い。例えば3/8インチで305g。これまで扱ってきた10数種の中で最重量である。でも、1/4インチは、124gあるが、実感としては、さほど重さを感じさせない。
  ソケットの脱着性は、やや問題だ。油が付いた手で取り外そうとすると、やっかい。ここでも細身のマイナスドライバーの厄介になることになる。でも、価格の1万円アルファのことを思えば、あまり文句は言えないかも。
  ソケットそのものには、レーザープリントでサイズ表示がしていて、この面では満点。
  次回はレンチ類の使い勝手などをリポートしたい。


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