みなさん!知ってますCAR?

2019年2 月15日 (金曜日)

TOP NEWS

ファースト・ワンマイル・モビリティに注目!

FOMM1

FOMM 2、

  「ファースト・ワンマイル・モビリティ」という新しい自動車のジャンルをご存じだろうか? 略してFOMM(フォム)というそうだ。自宅から駅、自宅からカーシェア・パーキングなど、自宅からせいぜい1マイル(1.6㎞)ほど離れたところまでの移動をもっぱらとする新発想の“乗り物(モビリティ)”である。
  大きさでいえば、マイクロカーと軽自動車の中くらい。先日、横須賀での催しでこうしたクルマの一台に遭遇した。商品名「FOMM ONE(フォム・ワン)」である。川崎にあるベンチャー企業が企画・生産し始めている4人乗りのEV(電気自動車)である。
  マイクロカーCOMS(トヨタ車体製)の開発リーダーだった鶴巻日出夫さん(56歳)が指揮を執り、国内自動車メーカーの元エンジニアたちが知恵を絞り作り上げただけに、完成度は高い。後部と前席下部、計4個のカセット交換式電池を備え、EVの課題である充電時間を短縮。しかもスマホを使い蓄電池ステーションを知らせるというインフラまで編み出し、さっそく今年2月末からタイで走り始める。生産は、タイの工場で当初は月産800台、ゆくゆくは年産1万5000台を目指す。一回の充電での航続距離は約160㎞(エアコン使用時は約100㎞)、最高速度80㎞/h。
  このコンパクトな「フォム・ワン」というEVがすごいのは、これだけではない。駆動輪のフロントにホイールイン・モーターを備え、なんと万が一水害などに遭ったとき水に浮くことができる。しかもホイールのフィンで歩くほどの速さで前に進める。水陸両用車ではないが、ボート代わりになる。これは福島出身の鶴巻社長が東日本大震災の教訓を生かしたユニークな機能である。いまのところ日本での発売はないというが、気になるクルマではある。

カーライフ大助かり知恵袋1

あまり語られなかった“浜松スズキ物語”(第28回)

ワゴンRプラス  ワゴンRの予想を上回る成功で、ダイハツとの販売数に大差がつき始めた。あわてたダイハツは、2年後の1995年ムーブをデビューさせ、結果として日本の軽自動車市場にワゴンという新ジャンルを誕生させたのである。
  実は、このクルマのパッケージング(全体像)は、インテリア・デザイン担当の若者が、一人で黙々と考えデザインスケッチをほとんどそのまま生かして結実させたものだ、といわれる。どことなく、温かみのあるたたずまいを感じるのは、そのためかもしれない。デビューから累計で約460万台以上だというから間違いなく、スズキの稼ぎ頭である。
  ちなみに、ワゴンRは鈴木修の意見で「ジップ」という車名を用意していたところ、役員の一人に「よくないね」と茶々を入れられた。修の面白いところは、自分の美学にあまりこだわりを持たないこと。常に「目線を低くしておきたい」という気持ちを持ち続けている。何となく自分も「いま一つだ」と思っていたらしく、その意見に強く促され、「じゃあ、スズキはセダンもある。セダンもあるけどワゴンもあ~る。ということでワゴンRというのではどうだろう・・」ということで決まったという。そんなユーモアの源泉は鈴木修のどこから湧いてくるのか、不思議である。(写真はワゴンRプラス)
  参考文献;「スズキ・ストローリー」(小関和夫)、「俺は、中小企業のおやじ」(鈴木修)、スズキ歴史館での資料ほか

●次回から『知られざるダイハツの歴史』を眺めてみます。ご期待ください。

カーライフ大助かり知恵袋2

これが次世代型カーブミラーだ!

次世代カーブミラー  カーブミラーといえば、見通しの悪いT字路に設置されている装置。曲面鏡でしかなかった。ところが、自動運転車時代に突入すると、このカーブミラーに様々な付加価値が期待されている。
  「国立研究開発法人・情報通信研究機構」という国の組織がこのほど発表したのは、いささか度肝を抜く。いっけん何の変哲もないカーブミラーではあるが、さまざまなセンサーを組み込んで、近くを走るクルマの存在や速度、それに障害物の位置などをリアルタイムにとらえ、近くを走るクルマに素早く伝えようというものだ。具体的にはカーブミラーにステレオやLRF(レーザー・レインジ・ファインダー)を内蔵し、第5世代の高速通信システム5G(現在スマホなどで主流の4Gより約10倍速いといわれる)を使い、周辺の自動運転車両に的確に素早く、こうした情報を伝え、安全な運行を手助けする。いわば「知的交通インフラ」といえる環境作り。
  こうした路車間、つまり道路とクルマの間の通信は、地方自治体がになうのが原則。
  ということは官と民が一体で、今後こうした道路整備がおこなわれるということになりそうだ。そこで、システム・エンジニアの担当者に課題を聞いたところ、「やはり小型化と省電力化が課題です」とのこと。とくに処理プロセスが高機能化するので、高い電力が必要となる。そこで、ソーラーチャージャーほどでまかなえるほどに省電力化が不可欠だという。

愛車メンテのプラスアルファ情報

1本で4つのサイズのプラス・ネジに対応するドライバー

プラドラ名人  “ネジ回し”の異名を持つドライバーは、世の中にどのくらいあるのだろうか?
  相手のネジにもいろいろあるが、多数派はやはりプラス・ネジである。ネジの頭にクロスを刻んだタイプ。このプラス・ネジを緩めたり締めたりするプラスドライバーは、1番、2番、3番とある。数字が大きくなるにしたがってドライバーの先端も大きくなる。その下にも0番、さらにその下に00番のプラスがスタンバイしている。0番以下は「精密ドライバー」と呼ばれる。もっぱらよく使うのは2番のプラスである。
  今回取り上げるのは、いわばプラスドライバーのチャンピオンである。
  チャンピオンといってもいろいろあるが、この場合は、4つのプラスのネジの頭に対応できるチャンピオンである。“マルチサイズのプラスドライバー!”ともいえるが、商品名は『プラドラ名人』。蛇足だが、フルネームの「プラスドライバー名人」を縮めている。
  柄と軸が分離できる差し替え式で、早い話6角断面のビットの両端にドライバー先端部を設けた両頭ビット。片方の先端部で1番、2番、3番のプラス・ネジに対応し、反対側には0番のプラス・ネジに対応する。通常のドライバーより短めでコンパクト。重量も76gと軽い。もちろん貫通タイプではない。
  プロには、いっけんバカにされそうな工具だが、使うと「なぜ、こんな便利なドライバーが今までなかったのか!」とつぶやきたくなる。購入価格は698円だった。

2019年2 月 1日 (金曜日)

TOP NEWS

哲学者・梅原猛さんの父親のことを知らせたい!

梅原半二   知の巨人であり、偉大な哲学者である梅原猛氏が、先日亡くなった。三島由紀夫と同年の1925年生まれなので、93歳だった。
  奈良の法隆寺は実は聖徳太子の怨霊を鎮めるお寺だ、と説いた『隠された十字架』(1972年)や飛鳥時代の歌人・柿本人麻呂は実は刑死した、という説を唱える『水底の歌―柿本人麻呂論』。こうした著書で、学会ばかりか好事家のあいだに波紋を広げた梅原猛は、思いっきり独創的な学者だった。
  そんな学者と自動車とは何の関係もない!? と思いきや、実はその出自を調べると日本の自動車産業の勃興期で活躍した人物にぶち当たるのである。
父親の梅原半二(1903~1989年)である。
  仙台にある東北帝国大学工学部機械工学部に在学中、地元の魚問屋の娘と恋に落ち25歳のとき結婚、そのとき授かったのが猛だった。ところが猛の母親は結核にかかり早世。猛はその後、半二の実家である愛知県の知多で育てられることになる。温暖な土地で、祖父と祖母の深い愛情ですくすくと育つが、感受性の豊かな猛は、父母のいない少年時代の経験がのちの研究に“絶妙な影”を落としたと思われる。
  いっぽう半二は、青年期のこうした不意の不幸を振り払うようにエンジニアの道を究めていく。
  トヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎(1894~1952年)の知己を得て、34歳のときにトヨタの前身・豊田自動織機製作所自動車部の嘱託技師になり、熱交換器であるラジエーターの研究を始める。そののち、44歳のとき技術部長になり、52歳のときには技術担当重役として国産車の金字塔である初代クラウンの陣頭指揮を執る。その後、品質保証の統括などでデミング賞を受賞。そして65歳、1987年に豊田中央研究所所長に上り詰める。
  いわば、いまや盤石とも見える“トヨタの土台を作り上げた一人”なのである。息子同様、独自の井戸を掘り当てた人物なのである。
  (参考文献:梅原猛が編集した『平凡の中の非凡』梅原半二著、写真は梅原猛の死亡を伝える1月14日付け朝日新聞と著書のなかの写真のコラージュ)

カーライフ大助かり知恵袋1

あまり語られなかった“浜松スズキ物語”(第27回)

ワゴンR   「小さな車を作ることで常に西のダイハツと、いい意味のライバル関係。いつも鍔(つば)迫り合いを演じている」
  スズキはそんな見方ができなくもない浜松発の自動車メーカーである。ところが、くらべるとスズキは先取り精神が一頭地を抜いていると思わせる時がある。最近なら2014年のハスラーの爆発的販売数だし、一昔前の1990年代なら1993年デビューのワゴンRがそのタイミングだった。
  ワゴンR(写真)が初お目見えした1993年といえば、バブル崩壊で、先行きが不透明で、日本人が内向きになり、いささかしょぼくれていた時代である。じつは、この軽のワゴンというジャンルではホンダが1970年代にステップバンというクルマで先鞭を付けてはいたが、あまりにも早すぎた登場タイミングで、ごく一部の若者にしか理解されなかった。1990年代はじめアメリカのミニバンブームがあり、「かっこいいワンボックス」を求める市場が出来上がっていたのである。
  貨物トラックから派生したキャリワゴンではユーザーの心が満たされていなかった。その意味ではワゴンRは当時の市場にド・ストライクだったのである。大人の男が道具としてのクルマとしてとらえた車だったのだ。

カーライフ大助かり知恵袋2

インテリアのトラブル修復職人に聞いた!

インテリアの修復  クルマにまつわるトラブルもいろいろある。インテリア、つまり室内のトラブル専門の職人さんにインタビューする機会に恵まれた。
  脱サラして5年、横浜に店を持つ50歳代のインテリア職人の一匹狼である。「お客はおもに輸入車&国産車に限らず、いわゆる高級車に乗っているユーザーです。たとえば、運転席のシートの表皮が伸び切った状態になってしまったとかというトラブル」という。聞けばこれは皮シートに起きがちな不具合だという。一見表皮の皮が伸びてしまった印象だが、実は、クッション材のウレタンが使うに従い、劣化して、へしゃげてしまったのが原因だという。「そこで、解決法は表皮をはがし、新たにウレタンを追加してあげる」という。煙草の穴開きやシート破れといったトラブルは、専用パテで埋めたり、縫い合わせ、その上にパテを少し盛り、削る……といった手法をとるという。見た目だけでなく強度と耐久性を確保するというのが、彼のスキルである。
  「輸入車で、よくあるトラブルは天井が7年目あたりで垂れてくる」というものだ。表皮とルーフのあいだに挿入された薄手のウレタンがやはり経年劣化で指で触るとボコボコになるのが原因だ。国産車は、構造が異なるので、こうしたトラブルはない。輸入車の場合、ウレタン付きの専用表皮を張り替えることになる。
  この作業も、いっけんDIYでできそうな感じだが、専用の接着剤と工具、それにノウハウとスキルが要求される。自動車のトラブル解決にも“餅屋は餅屋”の領域があるようだ。ちなみに、修理費が、ディーラー価格より2~3割安いというのが受けているようだ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

TOPの「超薄スパナ」の実力

超ウス1 

超ウス2 

  スパナは、回すべき相手のボルトやナットの6角部に対して、2つのポイントでしかグリップしない。そのため、少なくとも6つのポイントで相手をとらえるメガネレンチに比べ圧倒的に不利。だから、6角部をなめるというトラブルを避ける意味で、スパナの出番がどうしても少なくなる訳である!
  でも、メガネレンチにも大きな欠点がある。
  メガネレンチは上からかぶせないと使えないのだ。スパナのように、横からするりと相手のボルトやナットに潜り込めない。つまり、スパナの生きる道は依然として残されているのである。具体的には、キャスターのナットを締めるとか緩めるとき、ディスクサンダーのアタッチメントを交換するとき、スパナでないと用を足さない。
  モンキー1丁あれば大丈夫? そんな声が聞こえてきそうだ。
  それも甘い。モンキーレンチは、アジャスタブル・レンチと英語でいうのだが、その名称ほどにはアジャスタブルでもなければ、万能ではない。アゴ幅がデカいから、使えないことが多すぎるのだ。やはり、そうなるとスパナでないとだめだ! という作業領域がある。しかも、できるだけ肉薄のスパナが要求される個所もある。キャスターのナットを緩めるときなどその典型。
  ホームセンターで探し当てたTOPの「超薄スパナ」(略して“超ウス”)は、手持ちの同じサイズの両口スパナの肉厚が5.4㎜に対してなんと3㎜しかない。比較的薄いタイプの手持ちでも4㎜なので、25%も薄いことになる。全長はサイズ10-12㎜で、130㎜前後でほぼみな同じ。アゴ幅も25~27㎜とさほどの開きはない。
  ちなみに、重量は薄い分だけに、30~40%も軽く、サイズ10-12ミリの両口スパナでわずか28g(実測値)しかない。ならば、価格が高いのかといえば、意外とそれが良心的。日本製、しかも老舗TOP(新潟の三条市)の製品だ。サイズのバリエーションは、8-9㎜、11-13㎜、14-17㎜、19-21㎜と豊富だ。10-12㎜の購入価格は219円だった。日本製にしては安い。


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