フジ矢といえば、創業100年近い東大阪にある老舗のペンチメーカーである。
かつて数回伺ったことがあるが、モノづくり工場では当たり前だが、愚直な製品づくりの印象だった。そのフジ矢の新製品を先日、近くのホームセンターで見つけた。「ネジバスター・ネジ外しプライヤ―150㎜」である。購入価格は1180円。アタマがつぶれて通常の工具では、何ともならない場合にレスキュー的に活躍する工具である。
ところが、この手の工具は、いまや戦国時代の様相。しかも、1,2度使うと先端がだめになるケースもある。なかなか難しい製品だ。
さっそく手に取ると、なかなか老舗の製品だけに手にぴたりとくる。グリップもシンプルで交換が持てる。
アゴ部分の形状は、横溝が外側に、縦溝がディンプル上に凹ませたところに3つほどこさえている。これで、トラストネジ、鍋ネジといわれる頭が薄いネジをしっかりつかもうということだ。コンペティターと大きく異なるのは、ニッパーとしても使える点だ。鉄線ならφ1ミリ、銅線ならφ1.5ミリまでOKだという。発売元に聞いてみると、「じつは、上あごと下あごの縦溝を若干ずらせることで、よりつかみやすく逃げにくくしている」とのこと。改めて、目で確かめてみると、たしかに若干だが、オフセットしている感じだ。ためしに直径6ミリの鍋ネジをつかまえたが、すんなり回すことができた。でもこれって、錆びついているか、など状況により異なるので、必ずしも満額回答ではない!?