みなさん!知ってますCAR?

2019年7 月15日 (月曜日)

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意外と面白そう! 学生フォーミュラ大会

学生フォーミュラ大会  “モノづくり・デザインコンペティション”という副題が付いてる「学生フォーミュラ日本大会」が今年で17回を迎えるという。
  そもそもレースなどというものは、当人が一番面白く、見ている側はある種他人事で、「ふ~ん、それがどうしたの?」という感じである。若いころバイクの競技に熱中してきた筆者ですら、そんな印象である。でもそんな料簡の狭い考えでいるわけにはいかない! という思いが頭の隅に浮かんできて、主催者である「日本自動車技術会」のマスコミ向けの発表会に先日出かけてみた。
  芝浦工大、横浜国大、東大、群馬大の4チームの担当者が、それぞれ意気込みやらマシンの概要などをかいつまんで説明。簡単に言うと、来月8月末の5日間にわたり静岡県袋井にある小笠山総合運動公園(通称:エスパ)を舞台に、98チームが戦う。うち26チームはEVで、韓国、インド、インドネシア、台湾、中国、タイ、バングラディシュなどの海外勢27チームを含む。
  普通の自動車レースのように“よーい、ドン!”でのバトルではなく、タイムアタックなどの動的審査、それにデザイン、プレゼン、製造コストなどの静的審査の2本立てで、バトルが展開するのである。2つの審査の配点は1:2で動的審査を重視。昨年優勝の大阪大学は、1000点満点中853.34点だったという。
  どんなマシンなのかというと、排気量600CC前後のバイクエンジンを流用し、それに独自のフレームで架装し、タイヤは10インチで、もちろん一人乗り。車両重量はだいたい210㎏の、100%手作りマシンだ。
  主役である学生自らが、モータースポーツの車両を構想し、設計・製作・開発、そしてその成果を競うべく勝負する。
  エンジンなど主要部品は、自動車メーカーの全面援助だが、運営費などが学生個人負担。
  マシン製作費は約300万円で、モノづくりの総合力を養い、マネージメント力のなんたるかを知ることになる。意外とそのことに気づいていないが、自動車産業というのは、そもそもエンドTOエンドつまりモノづくりから、販売、サービスまでをカバーする一気通貫的な産業である。いわば産業革命のゴールあるいは頂点と言えなくもない。PCやスマートフォンもしかりだ。
  となると、こうした若者の切磋琢磨から、世の中を一新する製品やシステムが誕生する。言葉を変えれば、日本のスティーブ・ジョブが誕生するやもしれない!?

カーライフ大助かり知恵袋1

知られざるダイハツの歴史―国産エンジン開発の情熱から始まった!(10回)

45P_吸入ガス発動機説明書  明治の末年頃になると、発電用の100馬力吸入ガス発電機を水力発電会社に向け開発したり、船舶用の吸入ガス発電機の製作も手掛けてもいる。当時遠洋漁業用の発電機としてはアメリカから技術導入された灯油を燃料としたユニオン型エンジンが多数派だったが、ダイハツの吸入ガスエンジンは燃料に木炭を使ったもので、燃料代を軽油の1/3程度に抑えることができたという。
  また、明治の末年には電力需要が増加し、発電用の原動機として大型の吸入ガス発電機の受注が増大した。
  営業開始から5か月で純利益を計上するなどまさに発動機製造(株)は、順風満帆だった。何しろ営業開始後5か月で、1700円の純利益。当時公務員の給与が約50円だから、34人分の給料分の利益を上げたことになる。そこで、明治44年には、普通の企業のように社長制を採用してさらに企業としての体制づくりに移行している。
  このとき創業時の岡實康らは辞任している。代わって初代社長に黒川勇熊(1852~1931年)が就任している。黒川は、明治10年横須賀海軍造船学校を卒業して、フランスに留学造船工学を学び、神戸製鋼所で社長を兼務。この後年間売り上げが10万円を突破し、純利益も1万4700円に達している。
  手狭だった工場敷地も3倍以上の1万5600㎡に拡大、工場内も、ただ工作機械が並ぶスタイルから、仕上げ工場、試運転場、鍛造工場、木型工場、鋳物工場、発電所、塗装工場という具合に、目的別になってきた。

カーライフ大助かり知恵袋2

シエンタHVのリコールで分かったこととは?

シエンタのリコール  つい先日「ご愛用車のリコールに関するお詫びとお願い」という一通の手紙が舞い込んだ。
  3年、走行4万キロ弱のシエンタ・ハイブリッド(HV)にリコールが出たのだ。リコール制度というのは、自動車メーカーの判断で、国交大臣に事前届け出を行った上で、回収・修理をおこない、事故・トラブルを事前に防ぐ制度。
  手紙の内容は・・・・「集中豪雨などの多量の雨水がかかった場合、水がエンジン上部に滴下し、最悪コンロッドが変形し、エンジンを破損する恐れがある」そこで、エンジンルーム後部についている樹脂のカウルルーバーの防水をやり直し、樹脂製のエンジンカバーを追加する、というものだ。
  要するに、最近増えているゲリラ豪雨で、エンジンのプラグやインジェクターの回りから水が燃焼室に侵入し、最悪ウォーターハンマー状態になり、コンロッドが曲がる……そんな恐れがあるので、修理するということだ。
  調べると該当台数は全国で14万弱。横浜のネッツトヨタだけで35台あり、ワタシが駆け込んだ時は6台目だった。点検と修理に最低2時間前後、もしエンジンがダメになっていた場合の修理時間はなんと13時間前後だという。
  そもそも、ウォーターハンマー症状は、一度バイクで経験したことがある。燃焼室に水やガソリンがどっと入り、無理やりクランキングさせると液体の行き場がなく、コンロッドを曲げてしまうという恐ろしいトラブル。
  吸排気バルブのオーバーラップの少ないディーゼルエンジンなら可能性大だが、ガソリンエンジンはあまり起きない症状である。
  自動車メーカーは、いまやイメージで売り上げが大きく左右される。今回は、0.001%ほどの確率でしか起きない不具合。でも、1台につき、工賃部品代最低1万円とすると14万台で、目算で14億円という計算だ。ピカピカの樹脂製エンジンカバーを眺めながら(写真)、自動車ビジネスというのは、それにしてもすごい世界だといまさらながらたまげる。

愛車メンテのプラスアルファ情報

ワイズの木柄プラス2番の貫通ドライバーの実力は?

ワイズのドライバー1

ワイズのドライバー2

  新潟県燕市にあるワイズ(株)では、通常のプラスとマイナスのドライバーもラインナップしている。
  そこで、人の手にやさしい「木柄のプラスドライバー」を試してみた。呼び寸法+2×100である。
  つくりは実にオーソドックスだ。軸とグリップのあいだに通称カサと呼ばれる板金製のカバーを付け、そこに軸と十字にピンが貫きまわり止めとしている。グリップ部の木柄は、ほぼ丸断面で、楓の木である。楓の木は、強度が高く、粘りがあり耐久性に優れるといわれる。
  全長214㎜とKTCやベッセル、アネックスのウッドの貫通(同じプラスの2番)にくらべ10㎜前後短いし、グリップの直径も2~3㎜小さい。逆に軸は丸軸で径が6.7㎜と通常6~6.4㎜だがやや太め。重量を測定すると、これがジャスト100gなのだ。ライバルより13~26gも軽い。実際、手に持つと、なんだかもっと軽い印象だ。ハンドツールは、手に持ち使うときのバランスもあるが、軽いに越したことがない。同じ作業を繰り返したとき、作業者への負担が軽減されるからだ。
  価格は、AMAZON調べで640円(送料401円)とメイドイン・ジャパンにしては格安だ。細かい話だが、グリップに貼り付けている品番兼コーションフレーズがはがれづらく、無理やりはがすと糊がグリップに残りやや不快だ。

2019年7 月 1日 (月曜日)

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魅力あるボディに環境性能100%のクルマづくり!

コンバートEV1

コンバートEV2

  「コンバートEV」というのをご存じだろうか?
  コンバートは英語で“変換”の意味。野球用語で、「ピッチャーだったのが、今年から外野手にコンバートした選手」などと使う、あの変換だ。クルマの場合、ガソリンエンジン車だったのを電気自動車に“変換”した場合、「コンバートEV」というカテゴリーになる。
  当初は、このコンバートEV、中高校生の科学教室的要素が強かったが、その後、エネルギー密度の高い高性能なリチウムイオン電池の登場で、お手軽に作れなくなった。鉛蓄電池なら、心配無用だったが、いわゆるバッテリーマネージメントを怠ると火災事故につながるからだ。リチウムイオンバッテリーの場合、常に充放電状況や温度を監視していないとヤバいことになるからだ。
  横浜市都筑区にあるオズコーポレーションでは、このへんの電子技術のノウハウに秀で、しかも長年チューニング部品を開発した経験から、改造車検の知見が豊富。港北にある陸運事務所までクルマで15分ほど、の有利さも見逃せない。率いるのは、古川治社長48歳だ。
  古川さんの目の付けどころが、なかなか面白い。
  比較的入手しやすいVWの初期型ビートルをはじめ、ミニなどいまだ色あせないボディを使ったコンバートEVづくりに取り組んでいる点だ。もちろん、予算が合えば、永年慣れ親しんだ名車をコンバートEVにできるという。
  クルマの魅力は、パーソナルな乗り物で自由さがある点だが、やはりモノとしてのカタチの美しさや愛玩動物に近い身近な存在だという点だ。「ビンテージカーに環境性能100%の性能を込めた、ひとつのソリューションがコンバートEVである!」
  ひょっとしたら、これは21世紀の新しいクルマ文化の核になるやもしれない。そんな予感がします。ちなみに、ビートルのコンバートEVで価格は265万円からだという。

カーライフ大助かり知恵袋1

知られざるダイハツの歴史―国産エンジン開発の情熱から始まった!(第9回)

ダイハツ 55P_超ディーゼル小型3HP機関  「吸入ガス発動機」というのは、ガス発動機とガス発生装置で構成され、発生装置は、発生器と清浄機がセットになる。燃料は無煙炭、ガスコークス、木炭などで、明治41年から大正末まで、発動機製造㈱の屋台骨を支え、累計で約1000台生産している。
  輸入品である現物のお手本はあるものの、設計図や文献資料がないため、開発には困難を極めたという。
  ダイハツの社史には、そのへんの話が略されているが、おそらく「現物を分解し、部品一つ一つを絵に描き、寸法を測るなど、気の遠くなる努力でサンプルを作り、組み付け、何度も実験を繰り返し、失敗を重ねて作り上げていった」といった、当たらずとも遠くない物語が展開された。
  工場が稼働してわずか5か月でプロトタイプを完成させたというからすごい。このプロトタイプは完成度が高く、試運転を軽くこなしたという。
  翌年には、6馬力、8馬力、10馬力、20馬力、30馬力などの標準型を量産している。京都や大阪であった博覧会や品評会に出品し、それぞれ金賞や1等賞を受賞、早くも産業界から注目を浴びたという。

カーライフ大助かり知恵袋2

これが注目の5Gガラスアンテナなのか!?

5Gアンテナ  今年2019年は、5G(第5世代の移動通信システム)の商用化が世界的に進むマイルストーン・イヤーだといわれている。自動運転システムやコネクティドカーには欠かせない移動通信システム。日本でも、来年2020年のオリンピック・パラリンピックにターゲットを合わせ、5Gのプリ商用サービスが始まる一方、5Gを搭載したスマートフォンの発売も予定されている。
  5Gは、現在の4Gに比べ「高速・大容量(従来の10~100倍!)」「低遅延(1ミリ秒以下!)」それに「多数の端末との接続」、この3つがキーワードだ。
  そこで、先月パシフィコ横浜で開かれた自動車技術会で展示されていたのが、「車載用の5Gガラスアンテナ」である。
  これは、フロントガラスだけでなく、側面ガラスにも取り付け、左右前後に複数分散設定させることで、さまざまな角度から到来する電波を高い強度で受信するのだという。世界初の28GHz帯対応の5Gガラスアンテナ。
  従来のアンテナとは異なりやや奇妙な形状をしているが、意外とコンパクト。基盤はフッ素樹脂がベースで、合成石英を採用しているという。車両のデザインを損なわない商品デザインにしたのが大変だったという。
  これを試作し、実験で確認し製品化しつつある企業は、NTTドコモ、AGC(アサヒガラス)、それにエリクソンジャパンだ。エリクソンは、19世紀の電信機の修理工場から端を発したスエーデンの老舗通信機器メーカーである。

愛車メンテのプラスアルファ情報

ワイズの“スティックボールレンチ”の実力は?

ワイズ1

ワイズ2

ワイズ3

  6角レンチ(ヘキサゴンレンチ)といえば、L字型、ナイフ型、ドライバー型、ソケットタイプといろいろあるが、先端部は要するに6角のソリッドタイプか、斜めから入れられるボールポイントぐらいだろう! 線材をカットして創れることもあり、世界には6角レンチのメーカーはオーバーに聞こえるかもしれないが、星の数ほどある。
  そんなふうに高をくくっていたところ、前々回のフジ矢の「ネジバスター」を取材するため東大阪のフジ矢に問い合わせたところ、たまたま営業部の中空賢司(なかぞら・けんじ)さんが電話口に出たことから、お会いしたこともないにもかかわらず、ついつい工具をめぐる話が弾んだ。そして、筆者が知らなかったヘキサゴンレンチに行き当たったのだ。
  新潟県三条市にある「若穂囲(わかほい)製作所」は、おもに6角レンチの工具メーカーだ。燕三条には、かれこれ30年近く前から片手の指では間に合わないほど取材で伺ってはいたが、迂闊にしてこの製作所の存在を知らずにいた。
  その若穂囲を数年前東大阪のフジ矢が傘下に収め、WISE(ワイズ)というブランドで、6角レンチなどを展開しているのである。社名も「ワイズ株式会社」と変更している。
  さっそく、カタログを取り寄せ、いくつかの商品を試すことになった。
  今回は、その1番バッターで「スティックボールレンチ」だ。L字タイプのロングタイプで、横から見るとアルファベットのI(アイ)に限りなく近いL。つまりスモールLがきわめて短くできていて、タイトな場所にあるネジにも対応できるタイプ。これはそう珍しくはない。
  ところがである。そのスモールLの先端にズームインすると、なんと先端部が12角に加工してあるではないか! フムフム……通常の6角部なら、振り角が60度であるが、これなら半分の30度でOKという理屈だ。なるほど、これなら手が入りづらいバイクのエンジン回りなど有効だ。3mmから10mmの6サイズにこれが採用されている。ちなみに、価格は使用頻度の高い5㎜、6㎜あたりで800円前後。
  ところが、読者もすでにお気づきの通り、スモールLが短いと、ロングL側の先端部のボールポイントの6角部を使うとき力が入りづらい! アンビバレントな事態だ。そこで、このときは、別売りの補助ハンドル(ネットで650円ほど)を使うとき、作業性が増して具合がいい。作り手側の意思が伝わる商品だといえる。http://www.niigata-honmono.jp/wise/
  このWISE、“使用者ファーストな製品”があるようなので、しばらく探索をしていくつもりだ。


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