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2019年8 月15日 (木曜日)

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リニューアルされた日産エンジンミュージアムで感じたこと!

日産エンジンミュージアム改装後  数ある自動車メーカーのなかで、日産ほど毀誉褒貶(きよほうへん)の激しい企業はないのではなかろうか。
  巨額の負債で瀕死状態にあった日産を、わずか数年のあいだにV字回復させた外国人カリスマ経営者を、昨年末いきなり追放したものの、依然として深刻な経営危機に陥っている。過去にも労働組合のトップが経営に深くかかわるなど異常な状況があったことを思い起こすと、今回、カリスマ経営者が残した「パンドラの箱」が開き、外からは見えにくかった負の部分が顔を出した、ともいえる。
  その日産の発祥の地とされる横浜神奈川区にある「日産エンジンミュージアム」に2年ぶりに出かけてみた。
  社会に広く顔をさらしている博物館がいまどんな現状なのかを知りたくなったのだ。じつは、この建物、昭和8年創業当時の日産本社の建物をそっくりそのまま利用しているところが、最大の魅力なのだ。木枠の間仕切り、木製の扉、真鍮の取っ手、それに昭和初めに流行したという大理石のような人工の石でつくられた階段がなんともいい味を醸し出しているのだ。
  1階と2階の2つのフロアで構成された自動車博物館としては小ぶりだ。1時間もあればだいたいを見て回れる。
  入ってみて驚いたのは、今年4月にリニューアルされていた。エントリー部の1階は子供でも理解できるクルマづくりのプロセスを分かりやすく解説。樹脂製のスパナと電動ドリルを子供が使いネジを緩めたり締めたりするコーナーやプレス加工による同じ厚さの鋼板が強度と剛性を高められる、そんなやや理解が難しい展示部もある。その奥には、日産の先端技術である可変圧縮比エンジン、ハイブリッド技術“eパワー”を支えるモーター製造技術などを解説する展示物が並ぶ。
  2階は、廊下を挟んで、橋本増治郎の快進社をルーツにもつ日産90年のクルマづくりヒストリー、それに輝かしいレーシングエンジンを含め歴代の日産エンジン単体を30基ほど展示。詳細なパネルとともに、いかに日産がエンジンに力を注いできたかがわかる仕掛けだ。
  ミュージアムの責任者の木村優(あつし)さん(65歳)は、1970年代九州の工業高校機械科を卒業し、日産のエンジン実験部門に入社。おもにエンジン補器類の耐久テストに従事してきた。燃料噴射方式になった80年代から燃圧が3倍ほど高くなり、燃料ホースの周辺機器の強化、それにヘッドガスケットの変遷、ヘッドボルトの締め付け法が弾性域から塑性域に変わるなど、いまにつながる高性能エンジンの話題を解説してくれた。ただ、このへんも個人の記憶でしかなく、かなりあやふや。そもそも技術のデータベースが欠如している。そのことにも気づかないところに、日産の病魔が潜んでいる。―――そんなふうに思うのは、深読みなのかもしれない。いずれにしろ、期待値以上の成果が今後の日産が得られるといいのだが。

カーライフ大助かり知恵袋1

知られざるダイハツの歴史―国産エンジン開発の情熱から始まった!(12回)

55P_ダイハツ 小型機関の組立作業   「超ディーゼル」というのは、そもそもアメリカ・シカゴ市にある「アール・エム・ビット社」が持つ小型特殊エンジンで、発動機製造㈱は「小型で扱いやすいエンジン」ということで注目し、大正11年4月に、技術提携を結び、日本での国産化に着手している。これは、空気を圧縮することでそこへ燃焼油をポタポタっと滴下させ、自然発火させ、燃焼させるスタイル。通常のディーゼルエンジンは備える高圧噴射ポンプと噴射ノズル(インジェクター)を省き、燃料を滴下させ、圧縮工程の終るタイミングで自然点火させて、燃焼室全体で燃焼を果たすというシンプルなもの。いまから見ると、かなりアバウトであるが、構造が簡単でそのぶん難しい保守点検も不要なため、好評を博した。
   これを「超ディーゼル」と称して販売した。大正11年から昭和10年まで生産され、累計約2500台販売している。当初は数馬力ほどの小出力エンジンで、現在から見れば、やはり効率もあまりよくなく、圧力もあまり高められなかった。排ガス性能も褒められたものではなかったようだ。
   ただ、当時の小型漁船は指導にコツがいるわりには燃費が良くない焼玉エンジンだったので、一部の船舶には超ディーゼルが引き合いがあったという。ダイハツの社史には、「大正15年には1気筒当たり25馬力の超ディーゼルが完成し、4気筒で100馬力出せるものまで開発。カツオ船の船舶エンジンなどに活躍し、京城(現ソウル)には販売出張所を設けた」とある。

カーライフ大助かり知恵袋2

今年のNCAPのメンバーが世界から集まり議論した!

NCAP東京会議2019  ニューカー・アセスメント・プログラムNCAPの世界会議が今年もこの6月東京で開かれた。6回目だ。韓国とアメリカが参加を見合わせるなど、やや波乱含みだったが、ラテンNCAPが初めて参加するなどもあり、議論はそこそこ盛り上がった。
  自動車の安全性のテスト・評価は、そのクルマの使われる国や地域で異なるので、地域ごとで微妙に安全性のレーティングが違ってくるものの、年に一度関係者が会議することで、“ハーモナイズしていこうじゃないか!”というのが、国際会議の趣旨だ。世界で年間135万人もの人が自動車事故で死亡するのを減らそうという狙いだ。
  NCAPでリードしているのは、ドイツをふくむヨーロッパのユーロNCAPである。
  ユーロNCAPのレーティングを担当するドイツ人のアンドレ・ジーク氏は、5年後の2025年のユーロNCAPのプログラムを披露してくれた。それによると、運転手の様子を監視し安全向上につなげるドライバーモニタリングシステム、自動ブレーキ性能、後方衝突事故対策、側面衝突事故後の安全性の確保、車内子供置き去り防止システムなどが、安全性評価を左右するレーティングに加わるという。歩行者や自転車の飛び出し対策も考慮される。
  たとえば側面衝突では、隣り合う人同士の頭部がぶつかり死亡事故につながるケースを防ぐため、ルーフからのエアバックを追加して対策をとる模様だ。あるいは、車内子供置き去り防止装置としては、車内に生体反応装置を付けブザーを鳴らすとかスマホでウオーニングする、あるいは自動でエアコンを入れるといった装置の追加が考えられる。
  日本のJNCAPでも、おそらくユーロNCAPに準じる動きをとると思われる。

愛車メンテのプラスアルファ情報

ワイズの「ピアス・ボールレンチ」とは何者?

ピアスボールレンチ1

ピアスボールレンチ2

  新潟県燕市にある「ワイズ」というヘキサゴンレンチのメーカーのモノづくりは、面白い。
  この会社、東大阪のフジ矢の傘下になって「若穂囲製作所」から「ワイズ」にシフトとしたのだが、人真似はしたくない! そんなユニークなモノづくり精神がいまだに流れているようだ。
  「ピアス・ボールレンチ」も間違いなく、その一つだ。
  アイディアマンだった先代の社長が、発明した超ロングの使う人を強く意識したヘキサゴンレンチである。この製品のユニークなところ、斬新なところは3つに集約できる。ひとつは、軸に6角レンチのビットが差し込まれているというか、勘合させている(その様子から“ピアス”と命名したようだ)のだが、軸と6角部はわずか15度オフセットさせている。これにより通常の6角レンチなら、振り角度が60度となるが、こちらは半分の30度に収まり、狭いところでの作業性が劇的に高まる。
  2つ目が、軸に黒色のカチオン塗装を施している点だ。その上にパッド印刷でサイズの数字と製品ロゴを印字している。肉厚のカチオン塗膜は、軸自体の表面肌の凸凹を隠してくれるので、美しく仕上がるわりには、コストダウンになっているようだ。
  3つ目が、6角部の高さが低い。たとえばサイズ5㎜で19ミリと短く、奥まったところのボルトにも対処しやすい点だ。しかも先端部を丸く仕上げ、相手のボルトにコミットしやすい工夫を凝らしている。
  担当者に言わせると「あまり売れない」というが、たぶん特徴の説明が難しいからだと思う。
  バリエーションは2.5×3㎜、3×4㎜、4×5㎜、5×6㎜、6×8㎜、8×10㎜の6種類。価格はネット調べで、たとえば5×6㎜で1200円前後とリーズナブルだ。


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