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2020年9 月 1日 (火曜日)

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これって 近未来のブレーキになるの!?

MR流体ブレーキ

MR流体ブレーキ2

  動いている物体を止める働きをするのがブレーキ、制動装置である。
  自動車のブレーキ装置を振り返ると、機械式のバンドブレーキから始まって、油圧式のドラムブレーキ、ディスクブレーキと進化を遂げている。でも、一貫しているのは、摩擦による制動装置である。電動式ブレーキと呼ばれるものも、制御が電気だが、根本のところは動いている車輪を摩擦のチカラで停める「摩擦式の制動装置」に過ぎない。
  数年前から曙ブレーキが研究開発しているのは、これとはまったく異なる「MR流体ブレーキ」という仕掛け。
  MRというのは、マグネトー・リュウロジカル(magneto rheological)で、無理やり訳すと「磁場流体式」。
  原理をいうとこうなる。車軸側と車輪側を液体で満たしシールドする。この液体のなかには数ミクロンの細かい鉄粉が分散している。そこに磁場を加えると、その鉄粉が磁場方向に“ならい! 右!”みたいなカタチで整列して、鎖状の粒子クラスターを形成し、かなり強固に半固体化する。これが抵抗力となってブレーキ力となるわけだ。油圧や摩擦力をまったく使わずに制動力を生み出す、画期的なシステムの印象だ。
  つまりホイールを汚す厄介な摩擦粉を出さないし、騒音や振動もない。摩擦するところがないので、パッド交換が不要のメンテ不要。
  汚れをまき散らさないので、医療や食料、あるいは農業の面で大歓迎されるポテンシャルを持つともいえる。
  もちろん電気制御できるので、従来のブレーキ装置に合った大掛かりな付属装置を必要としない。いわゆるヨ―コントロール(トルクベクタリング)の設定もしやすいので、コーナリング性能の高いチューニングも容易だという。
  このバラ色に見える新機軸のブレーキシステムを実現するには時間が必要だという。「制動力のパワーを出すのが難しい段階。富士山でいうと、そうですね6合目あたりでしょうか」と開発者。ゴールはまだ先のようだ。でも、自動制御の自動運転車両のブレーキとして大いに注目される仕掛けになる、そんな予感がする。

カーライフ大助かり知恵袋1

日産をつくった男・鮎川義介の光と闇!(第10回)

ダットサン初期型  ダットサンのエンジンは、水冷直列4気筒、排気量が495㏄ サイドバルブ方式。4サイクルエンジンは、サイドバルブ→OHV(オーバーヘッドバルブ)→OHC(オーバーヘッドカムシャフト)→DOHC(ダブルカムシャフト)と進化を遂げたことを考えると、サイドバルブ方式は一番古い4サイクルエンジンのバルブレイアウトといえる。バルブとは、もちろん吸入空気をエンジン内に導入したり排気をエンジンの外に排出する吸排気バルブのことである。たくさんの空気をエンジンに入れて、ガソリンと空気の混合気を爆発させ、排気を素早く外に出す、ということ工程をより効率よくおこなう歴史が、このバルブレイアウトの歴史と重なるのである。
  ところが、ダットサンの4気筒エンジンは、いまのエンジンのような排気対策も電子制御技術も何も持たないシンプルなエンジン。ピストンはアルミ合金、コンロッドはジュラルミン製でメタルを持たないユニークなものだった。そしてモノの本によると、各部品の工作精度がとても要求されるキャブレター(気化器)の生産にとても苦労したという。最高出力10馬力/3700rpmと現在から見るとひどく非力なスペックだが、当時としてはそれなりの性能レベルといわれた。ちなみに、アクセルペダルは中央にあり、ブレーキペダルがその右隣り、というレイアウトだった。ペダルの位置はまだ統一されていなかったのだ。
  ダットサンは、当初は屋根が付かないロードスタータイプが発売された。1930年秋に、試作車を大阪から東京まで途中回り道をしながら1万マイル走行させている。このとき、とくに大きなトラブルには陥らず無事目標距離を走破できたという。ダットサンは、よく知られるように快進社の橋本増治郎のダット号の流れを汲む小型車だが、そのダット号のユニバーサル・ジョイントやリアのアクスル、各種ギアの機能部品の一部は、ダットサンになっても同じ部品に引き継がれている。

カーライフ大助かり知恵袋2

一読すべし! 短編小説「鉄騎兵、跳んだ」(佐々木譲)

鉄騎兵、跳んだ  「スターティングマシンが倒れた。20台のモトクロッサーが、一斉にコースに飛び出す。冬の乾いた大気が爆発し、爆風が快晴の空へ突き上げた。広い河川敷は激しく震えて悲鳴を上げた。……‥」
  作家・佐々木譲さんの初期の短編「鉄騎兵、跳んだ」の書き出しである。言葉が、読む人の身体に粒となって突き刺さってくる、そんな勢いのある文章だ。ハードボイルド調のごく短い文章で、世界を構築している。
  他人に本をお勧めするのは、なんだかしたり顔の自分が見えるようで、嫌なのだが、そんな思いを打ち砕くほど一読をお勧めする一冊がこれである。
  当時バイクに熱をあげていたこともある(小説の舞台埼玉・桶川のモトクロス場はよく走ったものです)が、かなり影響を受けた小説のひとつだ。有名作家も含め、幾人もの作家がこれまでバイクやクルマを素材に小説世界の中に溶かし込もうと挑戦してきたが、これほど自然体で、しかもリアリティ溢れる小説はないと言い切れる。言葉を換えれば若い主人公とバイクが一体になって物語が進んでいくのである。逡巡する青春の終わりの日々を瑞々しく描いている。とくにバイクの知識なしでも楽しめるところがミソだ。バイクが特別なものだが、特別ではなくなる! そんな小説。
  佐々木さんは、よく知られるように夕張生まれで、現在70歳。若いころいろいろな仕事に就き、なかでも本田技研では広告関係の仕事をされたのち、29歳のとき作家に転身されている。「エトロフ発緊急電」といった歴史小説や「笑う警官」といったサスペンス物まで幅広い。作品の多くは映画化、TVドラマ化されている。その原点に、この「鉄騎兵、飛んだ」がある。そう思うと、感慨深く、今夜もう一度読んでみることにする。現在は文春文庫に入っている。

愛車メンテのプラスアルファ情報

これって・・・・・新境地を狙ったコンビレンチ!?

スタビ―ダブルフレックスギアレンチ1

スタビ―ダブルフレックスギアレンチ2

  前回に引き続きSEK(スエカゲツール)の工具である。
  「スタビ―ダブルフレックス・ギアレンチ」(品番DFGS)である。
  やけに長いネーミングを持つレンチだが、成りは短い。
  要するに柄に2つの関節を持つコンビネーションレンチで、メガネ部がラチェット式になっている。カレーライスのご飯の見えるところに牛丼の具を盛りつけたような……工具、というとわかりやすい? 逆に分かりにくいかもしれないが、とにかく、いくつもの合わせ技を持つ便利工具なのである。
  使ってみると、なるほど関節が2つあるということは、立ち上がり角度をしっかり持ったメガネレンチにもなるし、薄型メガネレンチとしてタイトな場所にあるネジを回すときに便利だ。スタビ―(stubby)というだけに、全体の長さが短め。たとえば、使用頻度の高いサイズ12㎜なら全長が通常の2/3の125㎜しかない。でも重量は100gで重い感じだ(通常は70~80g)。メガネ部の肉厚は8㎜で平均的だ。
  それにしても、よくこんなコンパクトな寸法の制限のなかで細やかに作り込んだものだ。しかも、関節の動きが使い手の意のままに近いことが要求される。この点も、よくできていて、節度ある重さで操作できる。何度も使ううちに関節がくたくたになったら、関節部のボルト(ヘックス)を締めこめばいい。ちなみにメガネ部のギア数は90山で、作業性はとても高い。価格は12mmで3900円とSEKにしては、ややお高い。8,10,12,13,14mmの5本組みがケース付きで1万8800円である。


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