みなさん!知ってますCAR?

2020年9 月15日 (火曜日)

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近頃気になるヤリスクロスってどんなクルマ!?

ヤリスクロス  「ヤリスクロス」というクルマが、いま気になる。
  このクルマの名前、3回続けて声に出すと、妄想が膨らむ。なぜか「やりくりが大変」「やるだけ無駄かも…」といった言葉にかぶるのだ。
  ついこの前までヴィッツ(ドイツ語で機知と如才、という意味)だった。世界統一車名の「ヤリス」(ギリシャ神話の美の女神CHARISに由来)になり、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)を意味する「クロス」という言葉と合体! 言い訳に聞こえそうだが、いわば遠い国から来た外来語ギラギラの車名だからなのか、よからぬ、妄想を引き起こす!?
  軽口はともかく、まじめな話、このクルマの新鮮度は、価格のわりには(179万円台から)いまどきのクルマ好きの心をとらえる。カッコ良さと好燃費(ハイブリッドの4WDでJC08モード29.0㎞/l)。
  最近の軽自動車オーナーの中には、Kカーのアイデンティである黄色のナンバーをヘイトして(憎んで!?)、わざわざ登録車(白ナンバー)に替えている向きがあるからだ。まさに維持費の安さと見た目の両立を狙い、白ナンバー変身術! となると、このヤリスクロス、軽自動車ユーザーにも気になる存在だ。このへんの複雑なユーザー心理を説明するのはややこしい。
  そこでさらに調べてみると、このクルマ、ヤリスという名称だが、しかもエンジンこそ1590㏄直列3気筒と共通であるが、ホイールベースが2560㎜で、10㎜長い。車幅(全幅)は、ヤリスが5ナンバー枠の1695㎜だったのが、ヤリスクロスは1765㎜。ということはどうやら、プラットフォーム自体が異なる。だから、ブレーキも、フロントこそ冷却性の高いベンチレーティド・ディスクで同じだが、リアが、ヤリスがリーディング&トレーディング(L&T)式のドラム、ヤリスクロスがディスクブレーキで、差をつけているのである。車両重量も、車体寸法拡大などで100㎏近く重くなっている。
  いまどきのクルマの素晴らしいところは、日進月歩の安全性だ。このクルマにも、アクセルの踏み間違いによる衝突防止システムが標準で付いている。それと非常時における電気製品の活用である。このクルマにも、「パワーサプライ機構」なるものがあり、AC100のコンセントがリアのラゲッジルームにあり、最大1500Wの電気製品を使える。スマホの充電だけでなく、湯沸かし器などの電気製品をガソリン満タンで約5日間使えるというから、なんとも頼もしい。
  「クルマはいま100年に一度の大変革期だ」とはよく語られるが、たかだか一台の新型大衆車(昭和の言い方でゴメン!)を観察するだけでも、その片鱗はうかがえるのである。

カーライフ大助かり知恵袋1

日産をつくった男・鮎川義介の光と闇!(第11回)

ダットサン・デモンストレーター  東京銀座にショールームをつくったり、柳瀬商会の敏腕営業マンをヘッドハンティングしたり、鮎川社長の日産コンツェルンの人脈や組織を使い、徐々に販売網を広げていった。
  宣伝戦略もユニークだった。銀座のショールームのあるビルからはアドバルーンが上がり、松竹歌劇の看板女優だった水ノ江滝子を宣伝ガールに起用し、「ダットサン・デモンストレーター」と称して、数百人の応募の中から女性4名を選び出し、各種のデモンストレーションを展開した。いわゆる一般家庭の婦人層を狙ったキャンペーンだ。
  “明治の人力車、大正の自転車、昭和のダットサン”あるいは“旗は日の丸、車はダットサン”という、子供でもわかりやすいキャッチコピーもつくられた。
  ダットサンは、車両価格が安い、日本の道路事情に適してコンパクトサイズ、それに燃費も悪くない、しかも無免許で運転ができる(当時は排気量750cc以下のクルマは無免許でよかった)、そんなメリットが広く知れ渡り、急速に需要が伸びた。昭和10年には3000台弱だったのが、翌年11年には6000台を超え、次の年12年には8000台を超えている。
  小型車ダットサンは、とりあえず成功したものの、当時の一番の顧客である日本陸軍が求めているのは、中型のトラックである。時代は、満州事変から太平洋戦争へと戦場が拡大していたころだ。国産車を優遇し、外国車を排斥する「自動車製造事業法」が成立したのは昭和11年、1936年だ。戦時色体制の統制経済の一つである。鮎川は、すべてゼロから作り出すのではなく、海外の技術をそのまま移植し、優秀な日本人のエンジニアの手で短期間に中型トラックなり、中型乗用車を完成させる。そんな構想を頭に描いていた。

カーライフ大助かり知恵袋2

「ニッサン」の歴史を知ることは、日本人の課題に向き合うことかも!?

日産VSゴーン  横須賀市夏島にある日産追浜工場。最盛期にはブルーバードの組み立て、いまもEVのリーフの組み立て工場でもある日産の輝かしい歴史を語るうえで欠かせない、マザー工場である。由緒あるテストコースは、近くの野島公園から一望のもとに眺められる。
  カルロス・ゴーン氏が、日産に乗り込んできて1年たつかたたない時期だったか、その追浜工場に取材に行ったところ、玄関の車寄せのところにどす黒い色をした胸像がたっていたのを鮮明に覚えている。1960年代から70年代にかけて日産を支配していた川又克二会長(1905~1986年)の銅像である。いくら功績のあった人物でも、銅像は通常死後功績を懐かしんで建造されるものだが、その造像は本人が権勢をふるっていた時期に建てられたとして、話題にのぼったものだ。
  さすがに、その銅像もゴーン氏が赴任してしばらくのちには撤去された。余計なお世話だが、撤去する日産マンたちのその時の気持ちはいかがだったのか!
  今回紹介する2冊は、井上久男著「日産vsゴーン」(文春新書)と高杉良の「落日の轍(わだち)―小説日産自動車」である。前者は、朝日新聞の自動車担当記者である筆者が、永年日産を取材しての迫真のドキュメント250ページ。後者は、ゴーンの前の日産、いわゆる労働貴族と呼ばれた労働組合のドン・塩路一郎氏(1927~2013年)といち銀行マンから昇り詰めた川又克二氏、“天皇”と呼ばれた石原俊氏(1912~2003年)と過剰な個性をみなぎらせる人物が登場する波乱万丈の企業戦国物語。文庫本で265ページ。
  この2冊に目を通せば、日産がどんな企業かがたちどころに理解できる。あの時インタビューした日産マンのやるせなさもなんとなく伝わる。日産のこれまでの歴史やエピソード、人間同士のドキュメントを知れば知るほど、日本人の宿痾ともいうべき、さまざまな課題と二重写しになり、息苦しさを覚えるかもしれない。

愛車メンテのプラスアルファ情報

アンギラス工具のWポンププライヤー!?

アンギラス1

アンギラス2

  たかが工具ではあるが、時として時代とともに名称が大変化することがあるから、油断がならない。
  たとえば「アンギラス」がそうである。アンギラスといえば、怪獣映画の「ゴジラ」に出てくる、もう一つの(一人?)怪獣名。ゴジラのライバル怪獣。と思っていたら、いつの間にやら、水道工事や自動車の整備で欠かせないウォーターポンププライヤーの別名に化けていた。そもそも発売元のロブテックスが命名した商品名だが、しばらく眺めているとだんだん「アンギラス」に思えてくるから不思議だ。
  ウォーターポンププライヤーといえば、大きなパイプをつかんだり、モノをつかんだり、ときには普通の工具では間に合わないときにネジを緩めたりする、いわばマルチの工具である。モンキーレンチほどではないが、アバウトツールの仲間ともいえる。
  今回取り上げる「ハイブリッドアンギラスUWP240DNA」は、板厚3㎜の板金製(つまり平たく言えば鉄の板からつくった)のウォーターポンププライヤーである。しかも、3枚合わせではなく、2枚合わせ。となると、鍛造製や板金でも3枚合わせにくらべ、ぐぅっと相手を力いっぱいつかんだ時にぐにゅと逃げてしまうのでは? とそんな心配をしがちだ。
  ところが、それはまったくの杞憂だった。いい意味での裏切りである。
  ジョイント部(上あごと下あごの)に遊びを極力少なくすることで、剛性感を高めているからだ。形状を煮詰めたり、組み立て工程での見直し、あるいはピボット部のカシメ時の緻密さに苦労している…‥と推理する。“モノづくり日本だからできた逸品“というと褒めすぎだけど。
  サイズはポピュラーな全長240㎜だが、かなり軽い。
  メーカーによると、従来品より37%軽量化したという。実測215gで手持ちのラインバルより、150gも軽かった。
  肝心の加え部分は、非対称の歯型で、3点支持で咥えるデザイン。パイプならφ55㎜までOKだ。根元のところで、φ2.6㎜の針金をカットできるカッター付き。くわえ部をよく見ると、先端部には、例の小ねじ脱着ペンチ同様の横溝を設け、小ねじを緩め取る仕掛けがある。しかも下あごのグリップエンドには、マイナスネジを緩めることができるドライバー付きである。
  もし新規に買うなら、おすすめだ。価格はホームセンターで2948円だった。


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