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2021年1 月 1日 (金曜日)

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ディストピアにならないためのクルマがMIRAIだが!?

新型MIRAI   深刻化する格差社会、いつ果てることなく続くパンデミックの蔓延、これまで経験したことのない異常気象の来襲・・・・ノー天気に構えてきた庶民ですら、なんだかジョージ・オーウェルの『1984』以上のディストピアの悪夢をつい想像してしまう。ユートピアの白だと思っていたのが、オセロゲームのように、ディストピアの黒に変わる、疑心暗鬼の空気も蔓延している。
  クルマ社会のユートピアといえば、究極のエコカーの代名詞であるトヨタの燃料電池車(FCV)「MIRAI」である。
  このMIRAIが、4年ぶりにフル・モデルチェンジされた。初代がグローバルで1万1000台販売したというから、「まずまずの成功だった」とトヨタ関係者は総括。
  新型は、いちから見直しエクステリアを俄然カッコよくし、不評だった航続距離も650㎞から3割増しの850㎞まで伸ばした。これなら大阪まで走れる。この背景には、水素タンクを2個から3個にしたからだ。だから、トランクの容積とリアシートの居住性がやや阻害されている。エアクリーナーの性能を格段に上げたため、吸った空気よりも吐いた空気のほうがきれいにできたという自画自賛は、いいとして、調べてみると課題が見え隠れする。
  肝心の水素ステーションが、4年前からあまり増えていないのだ。現在135カ所で、しかも大都市ばかりで16の県ではゼロなのだ。しかも夜間は休業だし、休日はまったく営業していないところばかり。ユーザーから見るとやる気がない感じだ。
  その背景には、1軒あたりの建設費が3億円以上かかり、年間の運営費が約3100万円もかかり、ほとんどが赤字だという。この打開策として、トラック、バス、鉄道、建設機械などのモビリティにも水素を使ってもらおうという取り組みを始めている。とりあえずコンビニの配送小型トラックにFCVを導入しようというのだ。つまり、ほかの産業との連携、協調を展開しようというわけだが、たやすくはない。
  ちなみに、新型MIRAIは、税込み価格710万円台からで、各種補助金を使うと、570万円台で手に入る。それでも高いのは、肝のFCVが高価だということだ。こう考えると、なかなかクルマの未来は、安閑としておれない!?

カーライフ大助かり知恵袋1

遅れてきたお雇い外国人 ウイリアム・ゴーハム伝(第1回)

クラーク博士  あまり知られていないが、日本は19世紀の中ごろから末、幕末から明治期にかけ優秀な人材を海外から導入した。
  「お雇い外国人」と呼ばれた人たちである。短期間で欧米の技術や学問制度を導入したかったからだ。ときのリーダーたちは「殖産興業」「富国強兵」この2つの4文字熟語をスローガンに、欧米と肩を並べる国造りにまい進した。当時の日本人が持ち合わせていない知識・経験・技術を豊富に備えた外国人を、高い報酬で雇ったのである。
  鉄道技術をもたらしたイギリスのエドモンド・モレル、灯台建設の英国人リチャード・ブラントン、「少年よ! 大志を抱け」のフレーズで名高い札幌農学校で教鞭をとったウイリアム・クラーク(写真)、岡倉天心とともに日本の美を世界に広めたアーネスト・フェロノサ、横須賀造兵廠や城ケ崎灯台を作ったフランスのレオンズ・ベェルニー、大森貝塚を発見したアメリカ人のエドワード・モース、それに怪談物語で日本を再発見した語学教育者ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)など、有名無名を含め2000名以上の「お雇い外国人」が日本にやってきて、それぞれの分野で活躍したのである。日本の近代化の推進力として名バイプレーヤーとして働いたのである。
  こうした「お雇い外国人」は、破格の待遇で雇われたため、佐賀の乱や西南戦争などの内乱鎮圧で財政がひっ迫すると急速にしぼんでいった。配電盤としての彼らの役割は明治の中頃を過ぎると一応終わりを告げたということだ。

カーライフ大助かり知恵袋2

前間孝則著『ホンダジェット 開発リーダーが語る30年の全軌跡』(新潮文庫)

ホンダジェット物語  技術ドラマを丹念に追いかけ、みずみずしいタッチで描くことで多数の読者を獲得してきた元IHIジェットエンジン設計者・前間孝則の真骨頂ともいうべき世界である。本田宗一郎の子供時代からの夢であった航空機の製造は、宗一郎が鬼籍に入ってから10数年の年月が経っていた。
  ホンダジェットは実はアメリカでホンダが設立した会社でつくられた。むろんエンジンの開発は埼玉の和光だった。
  実は、このブログの筆者は和光研究所でのジェットエンジンを取材しており、羽田に初めて飛来した2015年4月のホンダジェットの雄姿を写真にとらえている。このとき、はじめてプロジェクトリーダーの藤野道挌(ふじの・みちまさ)氏を知った。意外と若いことに驚き、先端部のデザインが「欧州旅行中に見かけたフェラガモのヒールからヒントを得た」というと挿話を聞くに及んで、ずいぶん軽い感じを受けた。
  ところが、今回改めて新潮社の文庫でホンダジェットの秘密を知るに及んで、自分の知識不足があらわになった。
  クルマの部品数が2万点で、航空機がその100倍の200万点ということは知っていたが、自動車開発と航空機開発では、まったく次元が異なるのである。アメリカの航空局などにお百度参り以上の安全の担保を取るための資料提出やデータづくり、その内容を知るに及び、GE,P&W(プラット&ホイットニー)、ロールスロイス社の3社が約7割を占めている世界のジェットエンジン市場がいかに岩盤で、その岩盤をいち東洋の自動車メーカーが食い込むことの凄味をこの本で味わった。三菱重工のMRJ(リージョナル・ジェット)が足踏みしている背景がなんとなく理解できた。
  この本は、藤野さんを核に、開発秘話がいくつも知ることができる。なかでも、航空機ビジネスは、航空機自体を販売することよりもその後のメンテナンス(航空機エンジンは、高温、高回転、高負荷で痛めつけられるので、定期的なオーバーホールが必要となる!)での収入がクルマとは比べ物にならない。笑えたのは、航空機開発がかなりめどが立った時期、宗一郎がまだ元気だったころ、そのことを秘密にしていた点だ。宗一郎に知られると、彼の性格上、拡声器のごとく世間にしゃべってしまう恐れがあることを知っていたからだ、というのだ。だから、このことはごく一部のホンダマンしか知らなかった! 社内極秘研究プロジェクトであったのだ。

愛車メンテのプラスアルファ情報

超強力マグネット式の「ネジキャッチ」とは?

ネジキャッチ①

ネジキャッチ②

  今回取り上げるのは、プラスドライバー、それも“2番(使用頻度が一番高い!)のドライバー”の軸に差し込んで使う「補助道具」である。あくまでも補助道具で、単独では使えません。
  高いところや低いところなど、身体から離れた状態でねじを締める場合、うっかりするとネジがドライバーの先端からこぼれ落ちる・・・・そんなトラブルが起きる。そんな心配のある場合、これを使うと100%安心して作業がおこなえるという補助道具なのである。
  使い方はカンタンだ。
  あらかじめこの補助道具「ネジキャッチ(品番406)」を2番のプラスドライバーに差し込んでおく。丸軸6~6.3㎜とあるが、ややきつきつの感じでねじ込むのだ。で、先端部が、少し顔を出すくらいにしておく。写真を見てほしい。すると、ネジを先端のクロス部に付けると、かなり強力な磁力で離れない。上向きでも下向きでも、多少振っても(スッポンほどではないが)離れない。
  あとは、何の心配もなくねじを締めることができるというわけだ。
  説明をよく読むと、全体がアルミ製でわずか5gしかないが、ローレットを回すと中のゴムリングのへしゃげ具合をある程度調整でき(写真)、丸断面のドライバー軸6~6.3㎜の径に合わせることができるということだ。
  以上、これだけのことなのだが、製造販売は、新潟三条のドライバーづくりの老舗ANEX(兼古製作所)である。製品そのものは、親指サイズ。価格は、ホームセンターで525円だった。他のドライバー、たとえば精密ドライバーとかに使えないのがつらい!


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